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『世界忍者戦ジライヤ』感想19

◆第33話「ギターかかえた渡り鳥 雷忍ワイルド」◆ (監督:三ツ村鐵治 脚本:扇澤延男)
武神館に届いた、雷忍ワイルドからの挑戦状(往復はがき)。
「また来たのか」
その数、6通目(笑)
世界一の忍者になる為の雌雄を決すべくジライヤとの決闘を求めるワイルドは、アメリカに帰るに帰れず、決闘を求める挑戦状をジライヤに繰り返し送ってきているのであった。それに応えて、よーし決闘しちゃるか、と返信しようとする闘破だったが、ケイと哲山に止められる。
「おまえは何を考えているんだ」
それにしても、ジライヤと再戦するぜ、と言っていた人達はけっこう居たけど、本気で居残って再戦の努力をしていた人はたぶん、初。雷忍ワイルド、やはり恐ろしい男。
「儂は、腕自慢の忍者が、己の技を試そうと無益な対決をし、その結果、傷つき倒れていった例を幾つも知っている。愚かな事だ」
何十人と、闇に葬ってきたのですね、父さん。
「でもオヤジ」
「対決してワイルドに勝ったとして、それが何になる。強いだけが忍びの条件ではないだろう。もっと大切なものがあると言っている」
「もっと大切なもの?」
「わからんのか。それがわからぬ内は、真の忍びにはなれん」
「強さよりも大切なもの……」
その頃、今回も挑戦状が闇に葬り去れようとしている事を知らぬワイルドは…………温泉街で早撃ち名人として宴会芸人をしていた。
いやははははははは(笑)
凄い。これは凄い。
しっかり銃撃アクションまで入れて、ワイルドの扱いが、面白すぎる(笑)
「ワイルドさん、あんた最高だ」
ジライヤとの決着を望むワイルドは当座の生活費と国に帰る費用のために、あけぼの芸能社という三流芸能プロに拾われ、働いていた。
「またつまらぬ事におまえを使ってしまった……」
しかし、首都圏を離れる事だけは出来ぬ、と打診された登別温泉への出張を拒否。会社と決別したワイルドは、ギター抱えてスナフキン状態に。
NINJAの世界……ではなくて、現代社会は厳しいのだ!
山に籠もり、木に貼り付けたジライヤの似顔絵を切ったり撃ったりしてストレス解消していたワイルドだが、悲鳴を聞いて駆けつけると、妖魔一族が一人の忍者を追いかけていた。
「この新兵器の設計図は誰にも渡さん」
「儂がいただいて、たんまり儲けさせてもらうわ」
なんだかよくわかりませんが凄い兵器の設計図を追っているらしいのに、ジライヤ対策に使うという選択肢が既に無いっぽいのが、さすがの貫禄。
金 > ジライヤ
それが真理。
一方、金<ジライヤにこだわり困窮するワイルドは、元を正せば俺がこんな事になっているのもこいつらのせい? と妖魔一族を妨害。その隙に逃げ出した忍者・野々宮左近はワイルドのギターの中に鍵を隠すが、追いかけてきた烈牙とカラス天狗によって仕留められる。
烈牙、戦闘で活躍したの、……1話以来?
野々宮の懐を探るが設計図を見つけられなかった烈牙とカラス天狗は逃走ルートを洗いに戻り、致命傷を受けていなかった野々宮はその隙に逃げ出した所で、闘破達と出会うが、設計図を隠した新宿のコインロッカーの鍵をワイルドのギターの中に隠した事を告げた所で、息絶える。
ここで闘破と野々宮が顔見知りだった、というのはあまりにも接点が無くてちょっと無理筋だったのは残念な所。
野々宮は軍事機密を盗み出して商売にしている忍者スパイだったそうですが、どちらかというと、語られざるエピソードでかつて闘破と機密を巡って争ったとか、そういう関係っぽい。
ケイをテニスへ送る筈が、急遽予定変更、山地兄妹はワイルドの手がかりを求め、挑戦状の宛先になっていた、あけぼの芸能社へと向かう。怪しげないんちき芸能事務所の雰囲気にげんなりする3人だったが、帰り際に「お邪魔しました」ときちんと挨拶していくのが良いところ。それに気をよくしたのか、マネージャー(社長?)は、会社を出て行ったワイルドが「イワコ山に居るかもしれない」と、仕事の無い時にワイルドが修行している場所を教えてくれる。
ところがその頃……野々宮を念のために監視していたカラス天狗からの情報で、ワイルドのギターの中にロッカーの鍵がある事を知った紅牙は、闘破に変装してワイルドに近づくと鍵を入手。ワイルドを探す闘破達と行き会って結果的に挟み撃ちを受けるが、なんとか撤退。新宿のコインロッカーへと向かう。
妖魔一族vs山地兄妹&ジライヤ、の戦闘シーンでは、とうとう学までが早変わりで自作鎧を装着。もうすっかり、デフォルトの忍術になってきてしまいました。
紅牙はコインロッカーの鍵を開け、人間の細胞を一瞬で破壊する新兵器、超振動破壊装置の設計図を入手するが、ジライヤ達が駆けつけ、設計図を手放してあえなく退散。あの忍者装束で平然と新宿駅構内を歩くワイルドは、設計図を賭けた勝負をジライヤへ挑み、ジライヤはそれを受け入れざるをえなくなる。
「強さより大切なもの……それをこの対決で見つけたいんです」
哲山に決意を語り、ワイルドとの決闘に望むジライヤ。「愛しのクレメンタイン」(『荒野の決闘』テーマ曲)を導入に決闘が始まる、という洒落た演出。今作は割と乱戦が多いので、意外と珍しい、ガチのタイマン。壮絶な戦いの末、ジライヤの磁光真空剣がワイルドを捉え……その刃は頭上で止まる。
トドメを刺せ、というワイルドに、命は取らないと告げるジライヤ。
「わかったんだ。忍びに……強さよりも大切なもの。それは、命を愛する心なんだ」
まあ今までも敵対する全ての相手を斬殺していたわけではないですし、これから急に不殺になるとも思えず、いい話にしようとして取って付けた感じは否めません。
要するにこれは……殺さず、ではなく、殺す相手を選ぶ、という意味ですね(笑)
命を愛する心があるからこそ、命を奪う真の覚悟も身につく、それぞ揺らがぬ、忍びの魂。
これからは確実に、必要な殺しだけを行うのです。
こうして、戸隠流の凶手として、また一歩、階段を上った闘破。
ケイと学が駆けつけ、
「二人とも、ナンバーワンでいいじゃない」
とケイちゃんが台無しな感じにまとめ、ワイルドもそれに納得。
「そうか、戦って、どちらかが倒れ、どちらかが残っても、それは、虚しい事なんだな」
命を賭けて争う事の愚を悟るワイルド。
「ジライヤというライバルがいるかぎり、俺はハッピーだ」
すっかり丸くなりました。
戦い終えて、山地兄妹はワイルドを見送る事に。
「ワイルド、帰るのか、アメリカに」
「いや、北海道の、温泉に行く」
「北海道?」
「帰るための……旅費を稼ぐんだ」
いやまさか、このネタを最後にぶち込んでくるとは(笑)
戦闘の決着の所は、今更そんな事を言われても説得力がないし、テーマにするほどの事でも無いなぁ……という感じでしたが、冒頭とオチで、かつてない酷い扱いを受けた世界忍者ワイルドの使い方が面白すぎました。世界忍者としては実力者だけにまた。金に汚い妖魔一族、金が目当てのスパイ忍者、と劇中でそれとなく対比されている事で、オチが活きたのもよし。ワイルドの職場を見て同情的になる山地一家も貧乏忍者、と、むしろこの裏テーマの方が面白い(笑) ワイルドさんが金に目がくらんで、妖魔一族の手先となって再びジライヤの前に立ちはだからない事を祈りたいと思います。
そして次回、驚愕の新展開?!


◆第34話「出た!! 妖魔巨獣 史上最大の危機」◆ (監督:三ツ村鐵治 脚本:高久進
化石を探してピクニックに来た親子、崖の中から古びた宝箱を発見する。その中に入っていたのは、人間のドクロと一本の巻物。それこそ、毒斎が長年探していた、ヒマラヤ密教の流れを汲む妖術使いのドクロであった!
ちょうど近くを掘り返していた妖魔一族、親子を追い散らし、そのドクロを入手。
「邪魔だ、失せろ! ええい、早くいけ!」
そう、真の忍びは、余計な殺生はしないのだ。
毒斎がドクロを用いて変な呪文を唱えると、まさかの巨大怪獣、出現。
その名を、妖魔巨獣・ゴーマ!
一方、山地家では家宝の壺が青く光り、奇妙な宇宙文字が浮かび上がるのを解読してもらおうと麗が呼び出されていた、

ジライヤ、最大の危機迫る
富士の見える金剛山に行け

随分、具体的なメッセージ(笑)
久々登場(1話以来?)の家宝の壺ですが、妙に具体的なメッセージに、もしかしたら宇宙の惑星と繋がっている通信機のようなものでは? と哲山は推測。
その頃、カラス天狗からの情報を元に金剛山に先回りしようとする妖魔一族は、二人組のサバゲー同好会の攻撃を受ける。
「言われたとおり助っ人にやってきたぜ」
「たんまりと報酬はいただくぜ」
それは傭兵忍者、妖魔一族非正規社員のキラーとコマンドであった。どんな人達とも一定の友好度を保てる、金の力って素敵です。
金剛山へ向かった闘破と麗は、妖魔巨獣と遭遇。「こんなものに驚いてたまるか!」とジライヤスーツを装着するが……さすがに怪獣の相手は無理でした。更に、娘が足を怪我して沢を彷徨っていた冒頭の親子3人を人質に取られ、大ピンチ。囮になって麗破を逃がしたジライヤだが、遂に妖魔一族の手に捕まってしまう。
シロ(伝書鳩)による連絡で妖魔巨獣の出現を知った哲山は、ケイと学を連れて金剛山へ向かい、麗破と遭遇。
哲山、遂に覆面を装着!
ところで哲山、妖魔巨獣にあまり驚いていないのですが、SHINOBIの世界ではよくある出来事の一つなのでしょうか。
闘破と親子連れを人質に取られ、やむなくボードを毒斎へと渡す哲山。その指し示す先は……金剛山! 世紀の秘宝パコの隠し場所は、この金剛山にあった。キラーとコマンド、巨獣ゴーマにその場を任せ、パコの元へと向かう妖魔一族。さすがの哲山も巨大怪獣の前には回避で手一杯なその時、何故か持ってきていた家宝のツボが光り、その表面に「この壺を金剛山の岩山に向かって投げよ」という宇宙文字が浮かび上がる。哲山が壺を投げると起こる、激しい地鳴り。
パコ捜索中に、崖崩れで全滅しそうになる妖魔一族(笑)
下手なロボットアニメとかだと、烈牙は多分、ここで死ぬ(笑)
大地が揺れ、山が割れ、浮上したのは――巨大ロボット、磁雷神。
棒立ち
果たしてこれは、敵か味方か?
妖魔一族の、運命や如何に?!
まさかの急展開にして、衝撃のテコ入れ。来週からタイトルが、世界忍者戦ジライヤ ジャイアント』に変わってしまうのでしょうか。
磁雷神は、和風テイスト+日本刀+胸の巨大な丸、ともしかして、玩具的に大連王の雛形でしょうか? 和風ロボとしてはこの前にバトルフィーバーロボが居ますが、特徴的な胸部の丸がやたらにそっくり。腰回りの装甲にでーんと「磁雷神」と書いてあるのと、背中のからくりボックス風バックパックが気になります(笑)
エピソードとしては、如何にも前振り展開でバタバタ。特に哲山が家宝の壺を戦場に持ってきた理由がさっぱりわかりません(^^; あとこれまで幾多の人質作戦を撃破してきた山地一家が今回に限ってやけにあっさり屈してしまったのも、作品の流れが活かされなくて残念。もちろん、巨大怪獣の存在というのがあるわけですが、その点もっと、妖魔巨獣の脅威を強調して良かったかと思います。
そしてキラーとコマンドは、いったい何しに来たのか。次回、ちゃんと活躍できるのか。
磁雷神の初回大暴れ補正から、妖魔一族は生き残る事が出来るのか?!
そして今作はいったいどこへ向かってしまうのか、次回、注目。