はてなダイアリーのサービス終了にともなう、旧「ものかきの繰り言」の記事保管用ブログ。また、旧ダイアリー記事にアクセスされた場合、こちらにリダイレクトされています。旧ダイアリーからインポートしたそのままの状態の為、過去記事は読みやすいように徐々に手直し予定。
 現在活動中のブログはこちら→ 〔ものかきの繰り言2019〕
 特撮作品の感想は、順次こちらにHTML形式でまとめています→ 〔特撮感想まとめ部屋〕 (※移転しました)

『特捜エクシードラフト』感想8

◆第15話「前略金銀息子さま」◆ (監督:簑輪雅夫 脚本:扇澤延男)
空腹で行き倒れた売れないロックバンドの兄弟、金銀ブラザーズを拾った拳は食事をおごってやるが、後日、その兄弟が、武器密売グループに騙されて、運び屋として利用されてしまう。一度は本部に保護された弟の銀之介の前に田舎の母親が現れ、捕まった兄の金太を助けるべく、銀之介の奮闘が始まる……。
んー、扇澤さんは、“コメディ風味”は書けるけど、コメディは書けないのかなぁ。
前作の亀さん回が、アベレージからすると大きく外していたのは監督との相性かと思っていたのですが、脚本の出来も悪かったのかも。アイデアと台詞回し、テンポの良い会話に面白みのある脚本家ですが、今回は全編滑りっぱなしな上に、話のテンポも悪く、物事の辻褄も適当。面白いコメディが辻褄を凌駕する時はありますが、コメディなら辻褄が適当で良いというわけでは勿論ありません。
兄弟が間抜けすぎて検問突破、とか
装置の調整前に脅かしたせいで逃げられちゃう悪役、とか
密売グループへの内通者が研究所で入金された通帳を見てニヤニヤしている、とか
全体的に悪い意味で適当。
机の下から出てくる母親が幻(生き霊?)というのは大体わかるものの、それがオチで活きたとも言いがたく、残念回。
唯一、「ベイベ」が流行ってしまった隊長達冷たい目で見る本部長代理だけ面白かったです(笑)
「みなさん、中央科学研究所で、盗難事件発生です」
一色警視監はホント、代役でありながら、もの凄くいい味出しています。
次回、鷺山脚本が途中で杉村脚本に乗っ取られたような凶悪ロボット、登場!


◆第16話「絶体絶命の愛」◆ (監督:簑輪雅夫 脚本:山田隆司
隕石に追突され、宇宙を迷走中のNASAのロケット、テラ3号。日本に墜落コースを取るその軌道を追っていたエクシードラフトは、その中から「助けてー、助けてー」という通信をキャッチする。それは、テラ3号に乗り込んでそのまま取り残されていた宇宙用ロボット、デュークの声だった。
日向隊員、NASAでデュークのプログラムを担当していた過去が発覚。
旧知の存在である愛からのシムを通した呼びかけに、シムの中に愛が居ると誤解したデュークはテラ3号の軌道を変更。愛はそこに自分は居ないと呼びかけるが通信が途絶してしまい、テラ3号はシムへと急接近していく。これに泡を食ったエクシードラフト本部。
「やむをえん、撃墜しろ!」
「しかし、警視監
「それでもエクシードラフトの隊員か!」
相変わらずシビアな隊長、超速攻で、ロボットの人権<エクシードラフトの頭脳、という判断をくだし、射撃を命令。
ためらう愛だったが結局は周囲の声に押されるようにシムからビームを放つが、テラ3号の撃墜に至らず、デュークを乗せたテラ3号は、再び地球の大気圏突入コースを取る。
「デューク、死なない。恨み晴らすまで、死なない」
その中に、愛が自分を殺そうとした、と思い込んだデュークを乗せたまま。
まあよくよく考えるとデュークも、愛が中に居ると思っているシムに突撃する事は無い気がするわけですが(笑)
それを踏まえても、迷走中のロケットでどんな事故が発生するかわからない所まで考えて、という事ではあるのでしょうが。
最初から心中する気だったら、また別の恐怖。
「私がためらったばっかりに」
「そんな事言っている場合か!」
何の役にも立たないのに、周囲でやかましいだけの男達。ここは日向隊員、イラッとして後日コーヒーに何か混ぜても許されるレベル。
軌道の再計算の結果、テラ3号の墜落予定地点は周辺に被害が及ばない場所である事が確認される。ところが墜落後の現場処理へ加わったエクシードラフトは、ロケットと分離した脱出ポット、そこから歩み去った何者かの足跡を発見する……。
SF映画に出てきたら、いかにもコメディリリーフ(そして最後にいい所を見せる)という、大きくて扁平な頭に寸胴体型、というデザインのロボットが復讐鬼と化すという、すさまじい展開。
憎悪に身を焦がすデュークは自衛隊みずほ基地で二人を射殺すると、大量の武器とジープを奪って逃走。番号案内で都内に住む全ての「日向愛」の番号をチェックするとその自宅に押しかけ、次々と「日向愛」を拉致していく。
人間の感情に近づける為に最新鋭のバイオコンピュータを搭載しているデューク、ひとりぼっちで宇宙の虚空に取り残されていた事と、愛に裏切られたと思ったショックから、人間を殺すに足る殺意を抱くに至ったのでは……って、最新鋭とか御託はどうでもいいので、最低限の安全装置を搭載してください!
進歩しすぎた人類の科学は、何度過ちを繰り返せば気が済むのか……!
都内に残る「日向愛」は、本部の愛を含めて3人。エクシードラフトは手分けしてガードに当たり、その一カ所でブルースとデュークが激突。「デュークさんよぉ、そんな動きじゃエクシードラフトの敵じゃないぜ」と調子に乗るブルース、勿論やられる(笑) しかも、隊長が注意を促したシリコン弾ではなく、デュークの内蔵火器で。
トライジャケットを損傷させるレベルの内蔵火器とか、何を目的で搭載していたのでしょうか……? テラ3号はいったいどんな危険を予想していたのか。もしかして、外宇宙探検用のロケットだったのか、テラ3号。クライマックスでのデュークの戦闘力を見ても、未知の宇宙生物とでも戦うつもりだったとしか思えません。
ブルースを撃破したデュークは「(問題の)愛を連れてこなければ捕まえた二人の日向愛を抹殺する」と本部に直接電話、デュークの説得を望むも軟禁状態だった愛は見張りの刑事二人と警視監を張り倒すと、本部を脱走。コンバットスタイルへ変身すると警官隊を薙ぎ倒し、白バイを奪ってデュークの元へと向かう。
レスキューシリーズといえば、本部長含めて“射撃の達人”というのがお約束でしたが、今作はメンバー揃って“格闘技の達人”なのか。耕作もなんだかんだで生身でも結構強いですし……にしても、愛のコンバットスタイルは何なのでしょう。何か、この近辺にこんな流行り物でもあったのか。
あと愛は説得にこだわっていて、彼女の心情としてはわかる流れになっているのですが、この後のシーンも含めて愛の頭の中から「デュークは既に自衛隊員二人を殺害しているという事実」がすっぽり抜け落ちているのは、いただけない。そもそも「重傷」でも良かった所を台詞で「死亡」にして話を重たくした必然は今ひとつ。どちらかといえば、愛の“困った人”度が上がってしまったような気はします。……まあ、隊長が超ドライな分、周囲はウェットでないとバランス取れませんが!
デュークと接触した愛は説得を試みるが、デュークは聞く耳持たない。工場に追い詰められた所でエクシードラフトが突貫し、激しい戦闘が始まる。愛を助け出し、戦闘は野外へ。ブレードの一撃を受けながらも戦い続けるデュークは「エクシードラフト、思い知れぇ!」と突撃(後の展開を考えると、もろともに自爆玉砕するつもりだったか?)を敢行するが、そこで愛が戦闘に割って入る。
デュークが狂ったのは、彼をロケットの中に置き去りにした人間達や彼を殺そうとした自分のせいで、デュークは悪くない……愛は自らの頭に銃口を当て、死を持ってそれを償い、デュークの凶行を止めようとする。そのトリガーが引かれる寸前、レッダーが拳銃を打ち落とし、衝撃で倒れ伏す愛。
「自分の命を捨ててまで君を説得しようとする、愛の気持ちをわかってくれ」
レッダーの言葉、そして何よりも、命を賭した愛の行動に銃を下げるデューク。
「(愛は)シムを守るためにやむなく命令で撃ったんだ」
本人の思い詰めた様子にこれまでの言動を反省したのか、愛のフォローを入れる隊長。
ちなみにデュークさん、命令出したの、その赤いヤツです。
理性を取り戻し、かつて愛から学んだ「愛」を取り戻したデューク、だが……
「大気圏に突入したショックで、解除不能の起爆装置が作動してしまいました」
地球に降下した時から、その体内では自爆装置が非常な刻を刻んでいた!
「ありがとう、愛。愛が死を恐れなかったように、デュークも死を恐れない。さようなら」
デュークは海に飛び込み、爆死。その死に、愛はただ、嗚咽するのであった。
…………えー、高度なロボットがすべからく機密保持の為に自爆装置を搭載しているのはレスキューシリーズのお約束ではありますが、ちょっとしたショックで自動的に作動し、解除不能の爆弾を積んだロボットを宇宙調査用のロケットに乗船させているとか、テラ3号プロジェクトから不穏な匂いしかしません。
本当はこれ、ソ連に落とすつもりだったのでは。
真の仮想敵は未知の宇宙生物ではなくて、共産主義のくそったれどもだった。
(※本編放送時にソビエト連邦は既に崩壊してしますが、レスキューシリーズの世界観は、冷戦構造が継続、というか悪化している国際情勢としか思えない)
デュークのデザインと行動のギャップで面白く見せる話で、その点は成功。高度なロボットとの友情/愛情をテーマに女性隊員にスポットを当てた(前作、前々作とは違う、オペレーターとしての役割と能力も改めて強調)のも悪くは無かったのですが、1クール過ぎても演技が上手いとか下手とかいうレベルを超越している愛さんの喋りのせいで、盛 り 上 が ら な い。
日向隊員は、棒とか芋とか大根とかでくくれない、全く別の何か。