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『リーンの翼』感想1

バンダイチャンネルの『スーパーロボット大戦UX』発売キャンペーンで無料になっていた『リーンの翼』を視聴。
若干、文章に品が無いのは、監督の責任です(おぃ)
◆第1話「招かれざるもの」◆
さっっっぱり話はわからないのだけど、疾走感だけで見ていてニヤニヤしてしまうという、なんとも困った作品。
褒めているのかと言われたら……褒めていない。
そして多分これ見ていてニヤニヤできるのは、私の脳が富野に毒されているからだと思うわけですが。
しかし凄く、気持ちいい。
物凄い勢いで視聴者をはじきとばしていくブレーキの壊れ具合がまさに快楽で、まるで麻薬のような映像。
富野監督の脳内で処理される物語スピードに、アニメーションとして限界まで近づけたような作品。その為、本来必要な、原作者だからこそ織り込み済みの設定の開示や、物語を理解しやすくする為のわかりやすい説明、などがほぼ一切抜け落ちていて、映像作品としては不親切極まりないのだけど、そのテンポとかリズムを置き去りにした怒濤により、富野作劇を追体験するような感覚を味わえるという、つまり……一種の宗教書みたいなアニメ。
そうこれは、神秘体験というべきか。
人には基本的にお薦めしませんが、見方としては、下手に話を理解しようとせずに、流れるに任せるのがいいと思います(^^;
妙にうねっとしたキャラクターデザインと作画は最初違和感あったのですが、すぐに気にならなくなりました。
全てが凄まじい速度と密度で展開していく中、海から浮上するバイストン・ウェルの戦艦の鯨っぽい描写と、リーンの翼の映像は実に美しい。
そして、30分弱の中で、数々の体位に挑戦するリュクス姫(おぃ)
この姫様が、
人の話聞かないぃぃぃぃぃぃ!
全く役に立たないぃぃぃぃぃ!
と、凄まじい戦闘力。物語がわかりにくい理由の8割ぐらい、この人の責任です。
まあ、バイストン・ウェルのお姫様がタチ悪いのは、伝統なんですが。
ところで、福山潤声の主人公に、いわゆるラッキースケベが連発するのは、そーとー狙っているのでしょうか。おそらくは貴人なせいで、姫様がほぼ一切気にしなかったりするわけですけど。
それにしても、私服で乗り込んでF−35の操縦してしまうエイサップの友達が凄い。
◆第2話「ホウジョウの王」◆
OPのあらすじで前回の話がわかりやすくまとめられる(ついでに設定も多少説明される)、いつもの富野話法(笑)
再び開いたオーラロードを通って、艦隊やリュクスとともにエイサップはバイストン・ウェルへと導かれる……。
いきなりファンタジーな世界に連れ込まれ、いきなりリーンの翼の聖戦士として扱われ、いきなり他人の家族の喧嘩に巻き込まれるエイサップ。特に最後のが酷い。
なお姫様からエイサップへの扱いは、乗り物にクラスチェンジ。バルコニーから脱出する際に、細い糸を伝って手を切らないようにと、手に巻き付ける為の“何か”を渡されるのですが、それを見たエイサップの反応(声のみで表現)が妙に恥ずかしそうで、あれが何だったのか、非常に気になる。
そして、やけにつぶらな瞳のサコミズ王、登場。
今作のオーラーバトラーは、昆虫ぽさを強調する為か、がに股(正確に言えば、脚の突き出し方が昆虫的)。
そしてまた股間にコックピットがあるわけですが、メカデザインの人達は監督にサービスしすぎだと思うんです。
……まー、監督たっての要望かもしれませんが、『ブレンパワード』で味を占めたのか。
直接関わっていないユニコーンガンダムですら、デストロイモードになるとあれだし。
「この地に残した禍根を断ち、打倒アメリカを願うのがなんで妄執かぁ!」
自分を諫めようとする娘に向けて吼えるサコミズ。
安定と闘争、それぞれの大義をぶつけ合うタチの悪い親子喧嘩に巻き込まれたエイサップ、「聖戦士の見込みがありそうだから、うちの婿にならないか?」とスカウトされた所で、以下次回。
場当たり的な行動を繰り返す主人公と、タチの悪いお姫様に、素っ頓狂な王様が加わって、物語はまさにカオス。とりあえず主人公の、誰と誰がどうして喧嘩しているのかよくわからないけど、態度がむっとした方に俺は喧嘩を売っておくぜ、というのがまた凄い。
で、リーンの翼イデオロギー以前の、そういった直感的な善性に対して力を与えているように見える……わけですが、現段階で何か読み取ろうとしても大外しするような気は、してならない。
ところでラストカットで、オウカオーがナナジンをふんふん振り回す微妙な動きは何の意味があったのだろう。
ちなみにナナジン(主役メカ)は、「この名無しのオーラバトラーで……」「ナナジン? 七福神から名付けたのかっ!」というお父様のよくわからない壮絶な勘違いで名付けられました。
何故そうなるのか、という件については、私が聞きたい。
オウカオーが「桜花」(日本軍の兵器)から、というのはわかるけど。
1話からおいしそうな雰囲気を出していた海自の人達は、今後おいしくなるといいなぁ……。