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『リーンの翼』感想2

言及を忘れていましたが、最低限、『聖戦士ダンバイン』は視聴の前提条件として必須かと思います。何しろ、作中のあらゆる事物や現象、固有名詞に対して、一切の説明がありませんので(^^; また、後添え様関係などは、登場人物の配置そのものが『ダンバイン』を見ていてこそ、という描き方になってしまっているので、やはりよろしくない。
◆第3話「地上人のオーラ力」◆
ここまでとは一変して、物凄く普通に、監督のTVシリーズの1エピソードのテンポ。
あまりに普通にわかりやすくて、ビックリしました(笑)
一旦落ち着いて、各人の状況や思惑を見せ、サコミズの過去も明かしつつ、地上では1話冒頭で不穏な動きを見せていた米軍が動き始め、撃沈されたかと思われたバイストン・ウェル戦艦の乗組員達と接触していた……と物語も不穏に展開。
登場人物それぞれの立場がハッキリしつつ諸々に錯綜し、それぞれの事情が絡み合う……と監督の十八番で実に鮮やかな展開。この辺りの作劇の手腕は、お見事という他ありません。
かつてサコミズが乗っていた特効兵器・桜花のレプリカを見せられる地上人達。バイストン・ウェルへ導かれてしまった事で戦死し損ねたサコミズは、聖戦士として小倉に落とされる筈だった第三の原爆を阻止するが、その衝撃で再びバイストン・ウェルへと戻されてしまう……という話を聞いて、テンションの上がるエイサップの悪友ズ。
加えて何故か、海自コンビもサコミズ王と一緒に地上に攻め込む事にノリノリになる(笑)
……まあ、地上へ戻る為の方便ぽい感じもありますが。
「海自始めての、空戦だぜ!」
バイストン・ウェルの空を舞う自衛隊機とオーラーバトラー
という絵は、『∀ガンダム』における、
複葉機とMSの共演
を彷彿とさせる所ですが、今回は、全体の雰囲気やテンポなど、どことなく『∀』的。
エイサップはリュクスを探す為にサコミズに従っているふりをし、反乱軍に加わったリュクスと接触、物凄く唐突にハートに火がつく二人。……あれー、姫様、前回まで、「乗り物」扱いだったのに。
姫様とエイサップの盛り上がりがよくわからなかったものの、他はかなり面白かったです。
また、地上侵攻・アメリカ打破の為に建造したのが、アナクロ大艦巨砲主義を引きずっているとおぼしい巨大戦艦「フガク」というのはサコミズの妄執を表しているかのようで、実に秀逸。まあ、空中戦艦ですし、実際にはオーラバトラーを搭載しているので、運用としては空母に近いのでしょうが。
ところで、ホウジョウ国に関して、鎌倉出身のサコミズが鎌倉時代の北条家にちなんだ、という話が出ますが、場内に三つ鱗の家紋が刻まれていたり、細かい。……にしても、監督って確か、生まれ故郷の小田原が嫌いだと公言していたような記憶があるのですが、その記憶に間違いなければ、実に複雑な仕掛け。
◆第4話「王の奸計」◆
地上へ艦隊で向かうオーラロードを開く為に、反乱軍をだまし討ちするサコミズとホウジョウ軍。

「憎んでくれ、その憎悪の力こそ、最強である」
「だーっはっは! 口惜しかろう、腹立たしかろう! その怨念のオーラ力を、サコミズ王は利用するのよ!」
「反乱軍の者どもよ、アマルガンの裏切りを怒れ! ホウジョウの王を呪え、罵れよ! それがオーラエナジーの発露となるのよ!」
「オーラエナジーが最大に発揮されるのは、戦いの、渦中である!」
「憎め憎め憎めい!」

実に、愉快な台詞が目白押し。
特に後添え様がいい感じに仕上がって参りました。
声優の林真理花さんは、新訳『Z』のマウアーさんが私の中のマウアーさんと違いすぎて(もとがハマーンと二役の榊原良子さんなので仕方が無いのですが)、うーんという印象が申し訳ないけどあったのですが、後添え様は非常に良い感じ。というか、キャラの背景をほぼ描かれないのに、演出と台詞回しだけで腹に一物ある後妻を演じる、という非常に難しい事を見事にやっておられます。
ジャコバの横槍により、フガク甲板上で、かっぽれを踊る事になるサコミズ王(違う)、
姿を見せたジャコバに日本刀を振るうがかわされ、更にそこで、リュクスがサコミズに向けて短刀を構える。
「娘よ、刺してみやれ」
「お覚悟を」
「駄目だ!」
ジャコバにナナジンの刃を向け、リュクスを掴んで止めるエイサップ。
「親殺しは、悪をなすものがやることだ!」
「聖戦士のなり損ないが、よくもほざく」
「僕は摩訶不思議なものに、選ばれるような、男じゃない! 僕はどこに居ようと、エイサップ・鈴木だ!」
ここでエイサップがジャコバに刃を向けるのは、気持ちのいい所。
ナナジンの戦闘シーンも含め、4話にしてようやく、主人公がそれらしい所を見せました。
エイサップの言葉に応えるかのように、自然とサコミズの脚から脱げてしまうリーンの翼の靴。サコミズとエイサップが同事に手を伸ばした所で翼は聖戦士に反応して広がり、戦域に集結していた艦隊はオーラエナジーの光に包まれる……。
そして物語は、再び地上へ――。
どうもジャコバ、『ダンバイン』の頃から、好きになれない。