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『特捜エクシードラフト』感想12

先週分。
◆第23話「死をよぶ愛の説得」◆ (監督:小西通雄 脚本:扇澤延男)
拳銃密造組織を追っていたベテラン刑事・高田が刃物で滅多刺しにされた他殺死体で発見される。たまたま行き会った現場で、耕作は事件を担当する警察学校時代の助教(剣道、柔道、逮捕術の教師役の事の模様)・イヌイ刑事と再会。かつては本庁のエリートコースを歩んでいたイヌイだが、ある理由で出世コースを外れ、現在では殺された高田と同じ城南署で一刑事として勤務していた……それから数日後、エクシードラフト本部に、神父?と釣り人?とおかま?という見るからにけったいな中年の男3人組がやってくる。
彼等は
「3人とも」「むかし」「泥棒だったのよ」
7年前、高田刑事に捕まり足を洗った3人は、高田が殺された事を知り、何としても仇討ちをしたいと城南署に協力を申し出たが門前払いを受け、それなら、と“正義の味方”エクシードラフト本部に押しかけてきたのであった。
必要以上に距離の近いおかまによる説明に、
凄く嫌そうな隊長。
城南署が追っていた拳銃密造組織は何度も捜査の手を寸前で逃れており、警察内部から情報がリークされている可能性さえ噂されていた。エクシードラフトは独自に捜査を開始する事を決め、耕作は放っておくと何をするかわからない3人組のお目付役になる事に。
「高田刑事って、そんなにいい人だったの?」
「罪を憎んで人を憎まず。どんな犯罪者の事もさ、ちゃんと人間として扱ってくれたもんね」
「警察官なら、当然だろうが」
「違うね。あの人のは……本物だった」
扇澤脚本は、アベレージ高いしテクニックを普通に評価していますが、こういう悪質な事をやる所も、好き(笑)
自分も前作関わっているのに、しれっと書く所がたまりません。
高田に世話になったもう一人の男を仲間に加えたいと言う3人だったが、その男、遠藤は仇討ちの仲間入りを拒否。怒ってその場を離れる3人だったが、遠藤の様子に不審を感じた耕作は、高田が殺されたその日に、遠藤が高田と会っていた事を聞き出す。誰かを尾行している様子だった高田は「誰にも言うな。思い過ごしかもしれないから」と尾行を続け、その後、死亡。遠藤の協力によって作られた尾行していた男のモンタージュの顔は……イヌイ刑事。
「あのイヌイさんに限って」
旧知の教官を疑えない耕作。そこへ3人組から、怪しい人物を追っているという電話がかかってくる。
前2作には登場した記憶が無いので、なんらかのオーバーテクノロジーを除くと、メタルヒーローシリーズ初携帯電話、か? 軽く調べたら87年にレンタルサービス開始で、今作の放映されていた92年7月にNTTドコモ誕生。使用料金は万台っぽく、まだ高級品だけど、お金のあるビジネスマンなら持っていてもおかしくない、ぐらいのレベルでしょうか?
情報屋とも繋がっていたり、おかま、恐るべし!
しかし3人は、ある会社の倉庫に入った尾行相手によって捕まってしまう……その男は、やはりイヌイ。
遠藤の証言をもとに、イヌイの周辺を洗いに動く隼人と拳。イヌイと旧知の耕作は、遠藤と一緒に、高田がイヌイらしき男を追っていたという辺りの捜査に回される。その途中、ふと、足を止める遠藤。
「刑事さんと歩くの、これで二度目だな、と思って」
高田と歩いていた頃を思い出す遠藤。
「いい刑事だったんだってな! あの3人から聞いたよ」
「非番の日、何日も何日も、一緒に歩いてくれました。俺の働き口探して」
「俺だって……それぐらいはするさ」
妙に対抗意識を燃やす耕作。
「そいつがどんな事件の犯人でも?」
遠藤は4年前、二人の人間を死なせ、高田によって逮捕された。
「俺が死なせてしまった二人っていうのは……高田さんの奥さんと、娘さんなんですよ」
通り過ぎていく列車の音。
もうここは完全に、刑事ドラマの演出。
イヌイの足取りが不明となり、隼人は耕作と合流。耕作が一度は口を濁したイヌイの過去を問いただす。
「彼はなぜエリートコースから落ちこぼれたんだ?」
1年前、イヌイは本庁で大きなミスを犯した。
「功を焦り、絶対にやってはいけない捜査を」
「囮捜査をしたのか?!」
世界観をリセットしているから構わないし、世界観をリセットしているからこそ出来るのですが、それにしても、攻撃的(笑)
その囮捜査で囮に使った女性が死亡。イヌイは出世コースを外れ、そして、転落した……
「一度堕ちたヤツはな、ただひたすら堕ちていけばいいんだ。開き直って、俺みたいにな!」
組織と連絡を取ったイヌイは、捕まえた3人組を密造拳銃の試射の的として始末させようとするが、自らも組織に切り捨てられる。
「堕ちて堕ちて、最後に堕ちる先は、地獄か……」
イヌイに銃口が迫るその時、別行動の拳から密造拳銃取引の情報を得た隊長達、イヌイの足取りから海辺・川沿いの工場に的を絞り、現場へ突貫。組織を逮捕し3人組を助け出すが、イヌイはどさくさに紛れて拳銃を手に逃げ出し、それを追い詰めるブルース。
なぜ高田を殺したのか?
ヘルメットを外して問いかける耕作に、イヌイは情報横流しがバレた口封じの為だったと答える。だが……
「口封じなら拳銃を使えばいい。だが高田刑事は刃物で滅多刺しにされていた。あれは怨恨の手口ですよ。あの夜、二人の間に何があったんですか?!」
ここは見事なトリック。冒頭にするっと提示された情報(死因)が鮮やかにここで浮かび上がる。
「言ったんだの老いぼれ、偉そうに、でたらめを!」
あの夜……イヌイを呼び出した高田は、自分がイヌイの周辺を調べていた事を語り、遠回しに自首を勧めていた。
「食らった所で3年だ。君なら、また必ずやり直せるさ」
だがそれが、追い詰められたイヌイに最後の一線を踏み越えさせた。
イヌイは持っていたナイフで高田を刺殺。
「何がやり直せるだ。口先だけのあの嘘つきが許せなかったんだ」
「口先だけのそんな人間なら、どうして彼等が命がけで仇討ちまで決意するんですか?!」
3人組に遠藤を加え、居並ぶ4人を指し示す耕作は、イヌイに向け、高田と遠藤の過去について語る。
4年前、高田の妻子は、当時17歳で無免許だった遠藤の運転する暴走車の事故によって死亡した。高田は執念の捜査を続け、遂に遠藤を逮捕。そして……
「裁判の時、高田さんは証言台に立ったそうですよ。少年側の、弁護証人としてね」
高田刑事は、あくまで、己の信念に従った。
「最愛の、家族を失った者として、私は、もちろん犯人が憎い。憎くて、たまりません。しかし裁判長……」
「どんな人間も、必ず立ち直れる。それを信じ、どうぞ、この被告の少年に、寛大なるご処置を」
人を信じ、少年の減刑を願ったのだ。
「見るんだ、この立派に立ち直った4人の姿を!」
イヌイは拳銃で自殺をはかるが、耕作はそれを阻止。
「やり直せますよ、イヌイさんも、必ず」

「高田刑事か……一度でいいから、会ってみたかったですね」
「俺たちが、高田さんの遺志を継がなきゃな」

こうして事件は解決、人を信じ続けたベテラン刑事の思いを知り、それを受け継ぎ、エクシードラフトは平和の為に戦い続ける!
ううむ、扇澤延男、凄いなぁ。
非常にストレートな刑事ドラマなのですが、1時間枠にもなりえるプロットを20分弱に圧縮して、(一応)戦闘も入れて、ここまでまとめるテクニック!
お見事。
高田刑事役の好演もあり、裁判の場面は、非常にいいシーンとなりました。
惜しむらくは、一方のイヌイ刑事の声がやたらに軽くて、勿体なかった。
前作でやらかした「罪を憎んで人を憎まず」「人の心を救う」というテーマを改めて拾っているのですが、非常に優れていたのは、そのテーマを語る説得力を持たせる為に高田というベテラン刑事を持ってきた事。
どだい前作が、簡単には扱えないテーマを軽く中心に持ってきすぎたのですが、そこで生じていた主人公サイドの説得力の薄さを、「ベテラン刑事の過去の実績とする」というウルトラCで解消しました。
また同事に「実績をともなっている高田刑事」と「志はともかく口先だけの耕作」を対比させる事で、「人の心を救う」とはどういう事かを改めてあぶり出し、その重さを増させる事により、高田刑事の説得力を、劇中でも補強。
裁判シーンの前にも十分に高田刑事に説得力を持たせた事により、クライマックスの裁判シーンが活きました。これが重要で、クライマックス前にしっかり積み上げているから、クライマックスが機能し、それ故に、イヌイへの耕作の言葉にも力が生まれる。ここに至る過程でしっかりと積み上げをしてこないと、どこかで空虚になってしまいます。クライマックスだけで急に説教初めても、説得力は生まれないのです。
とにかく扇澤脚本は、(概ね)この積み上げがしっかりしている。
とはいえ今回の構成は、正直なところ、裏技ではあります。説得力を他のキャラに仮託する事で、ある意味ではヒーローが当て馬になってしまっている、というのは手放しに褒めていいものではありません。特に被害者なのは耕作。ただしこれは、刑事出身で過去にスリ師とのエピソードなどもある耕作だからこそ活きる配役でもあります。
そしてこのシナリオが正しいのは、ラストに、そんな高田刑事の遺志を受け継いでいこう、というシーンが入っている事。
特に「俺だってそのぐらいやるさ」という態度だった耕作が「会ってみたかった」という形で高田という刑事を認め、エクシードラフトが刑事として目指すべき志をそれぞれ胸に思い描く。
ここが無いと、いい話ではあるものの、ヒーロー不要のエピソードになってしまいます。
これがあった事で、『エクシードラフト』として、締まりました。
思うに前作『ソルブレイン』は「人の心を救う話」ではなく、「人の心を救うにはどうすればいいのかを見つけ出す話」になるべきであったかもしれず、今回はそれを果たせなかった前作に対する、一つの回答であり雪辱、そんなエピソードであったかもしれません。
「次週必見!」
て予告が言った(笑)


◆第24話「傷だらけの迷走」◆ (監督:小西通雄 脚本:中野睦)
高校の頃の友人・名取(ゲスト:若松俊秀!)と再会した拳は、非番の日に二人でドライブへ行く事になるが、それを聞きつけた勝が強引についてきてしまう。
「駄目、子供連れでドライブにいけるかぁ!」
男二人もどうかと思いますが。
今では青年実業家という名取は、待ち合わせの場所にキャデラック(見るからに高そうでありますが、アメリカにおける高級車の代表的ブランド、との事)で登場。
「だめだめだめ! だめだめったらだめ、だめ! キャデラックだよ、キャデラック。子供は乗れないの」
……ナンパでもいくの?
結局、勝を乗せる事になり3人でドライブ中、暴走族に煽られた名取、「なにすんだこのやろう!」と、思いっきり車をぶつけに行く(笑) しつこく絡んでくる暴走族の襲撃を受ける名取達、拳が飛び蹴り回し蹴りで彼等を蹴散らして逃げ出すが、その様子を見つめる一台の車があった……。
箱乗りで暴れ回るチンピラ達が、地味に凄いアクション。
名取が鉄パイプで殴られ、車を盗まれそうになった事から拳は傷害事件として本部に連絡しようとするが、なぜか名取はそれを止める。しかしそれを押し切って拳が連絡しようとするが、通信機が機能しない。時同じくして、東京東南部で広域の通信障害が発生していた……。
爆発するパソコン
は、まあこういう時のお約束なので仕方ないとして、TVゲームが出来なくなっているのですが、実はネトゲなのかあれ。
悪い事は重なり、拳銃乱射事件発生の報に出動する隼人と耕作。犯人を取り押さえた隼人はコインロッカーの鍵を押収する。一方、本部との通信が途絶したままの拳たちは、再び暴走族の襲撃を受けていた。執拗な追跡と取り出した拳銃に、彼等がただの暴走族ではない事を確信する拳。そして防弾仕様であった事が判明するキャデラック、この車はいったい何なのか……?
その頃、取調室。
「名前、おばけのきゅうたろう、住所不定
「ふざけるなっ」
乱射事件の犯人から鍵について聞き出そうとして、警察を虚仮にするその態度に、胸ぐらつかんじゃう隊長。
「名前、おばけのきゅうたろう、住所不定。年齢84歳。ふはははははは」
「きっさまぁ……」
色々スーパーな隊長ですが、尋問スキルに関しては、某本部長レベルである事が判明してしまいました。そして隊長が尋問で役に立たない事は本部ではわかっていた事だったのか、コンピュータの解析によって、鍵がどこのコインロッカーのものであるか判明する。ロッカーに向かった隼人と耕作は、そこで駐車場の預かり証を発見。ところが預かり証の駐車場に向かうと、問題の車は、駐車場の従業員によって持ち出されてしまっていた! その従業員の名前は……名取浩司。
「隼人……どうやら事件の全貌が見え始めたぞ」
通信不能地域が移動している事から、その原因が車に搭載されているのではないかと推測した本部長達は、アメリカの兵器産業が作り出した情報攪乱カーが日本に持ち込まれていた事を突き止める。周囲4キロ四方にオンラインを含めた強力な通信障害を発生させるその恐るべき車は、国際的な産業スパイグループに奪われていたが、“おばけのきゅうたろう”ことモリノタケシはその横取りを目論み、組織と争いになっていたのだった。
ここで、苗字の一致だけで、「拳の友人の名取」と「車を持ちだした名取」が同一人物かも……というのはちょっと無理筋ですが、これは仕方のない所か。
「名取、おまえいったい何をやったんだ!」
追っ手を引き離した拳は、名取を詰問し、キャデラックが彼のものではないという真実を知る。
「俺の肺の中は、排気ガスで真っ黒なんだよ!」
青年実業家というのも真っ赤な嘘。駐車場の職員として働く名取は、再会した旧友に見栄を張りたい一心で、客の車を持ちだしてしまったのだった。
「今のお前はエクシードラフトのドラフトキース様! 俺はどうすりゃいいんだよ? 車持ち出すしかねえじゃねえか! 笑っちまうよなぁ……ははははは。俺は人生の敗北者だぜ、人生の、はははは」
「やめろ名取!」
乾いた笑いを浮かべる名取を、殴り飛ばす拳。
楽しいドライブが一転、現実の厳しさに目が点になる勝(笑)
車のトランクを調べた拳は、そこに収められていた装置と資料から、キャデラックが情報攪乱カーである事に気付く。ドライブ中に適当に入れたスイッチにより、情報攪乱機能が作動し、通信機を妨害していたのだ。
……どうしてわかった(^^;
錯綜する事件と情報が一つに繋がっていく流れが面白かっただけに、ここは残念だったところ。特に拳の場合は消防あがりで、ハイテクに詳しいという描写もこれまで無かったですし(これが隊長ならまあ有り得るし、キャラとしては許される)。
勝の同行を許したのも、攪乱装置のスイッチを入れる流れも、名取がいいカッコを見せたいという延長線上でうまく描いていたのですが。
拳は自分が囮となって追っ手を引き離し、その間に勝を連れて本部に連絡を取れる所まで向かってほしい、と名取に頼む。
「おまえは人生の敗北者じゃない。自分で言ったじゃないか。やればできるんだって!」
その言葉に、名取は勝を連れて走り出す。一方、拳が攪乱装置のスイッチを切った事により、シムが問題の車を発見。隼人達はそこへ急行する。
…………この時点で、拳が通信機を使えば、連絡取れた? この後、名取が一生懸命走った末に現場へ向かっていた隊長達と接触するのですが、その時点では拳は攪乱装置を再作動させた上で車に閉じ込められているので正確な位置を追えなくなっているとはいえ、名取さん、あまり走った甲斐はなかったような。名取も拳と別れてだいぶ走ってきているので、名取の知っている拳の位置からずれている筈ですし。せめて名取の情報をもとに拳の位置を特定するシーンがあれば良かったのですが、それが無かった為に、名取のダッシュがどうにも拳と名取の自己満足になってしまったような(このエピソードにおいては、それはそれでよい、のですが)。
拳は全て飲み込んだ上で、勝と名取を逃す為に、理由をつけて自分が囮になった、みたいな感じも無くは無いのですが。
攪乱カーの自爆装置を起動するも、組織によって逆に車の中に閉じ込められてしまった拳だが、そこへ隊長達が到着して犯人グループを逮捕。閉じ込められた拳を助け出す為、あと10秒で車が自爆するのに、丁寧にドアを四角に切る隊長(笑)
ギリギリで拳は救出され、産業スパイグループは壊滅。そして名取は、もう一度立ち上がり、走り出す心を取り戻すのであった。
ナレーション「走る事を忘れたランナーが、拳の友情で蘇った。もう決して、立ち止まる事はないだろう」
……まあ明日からしばらく、臭い飯ですが(^^;
終盤の通信機周りに穴があるものの、くしくも前回と2話セットみたいな話で、過ちを犯した者が立ち上がる姿を描くエピソードとして、双方秀逸でした。
“拳と名取の姿を見て、サッカーチームに自分より上手い子が入ってきた為に練習をサボっていた勝も、やる気を取り戻す”という部分は、凄く付け足しのようになってしまいましたが(^^; 前半から伏線は敷いていたのですが、せめて勝が拳たちにサッカーチームの話をするぐらいはしておきたかった所。
次回、新マシン登場。というかこれまで、二人が特殊車輌に乗ると、もう一人は自家用車、という仕様だったのがビックリだ!
……にしても予告の、耕作と拳が頑張るけど、隊長がおいしい所を全て持って行くのでよろしく感、ヒドイ(笑)