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『五星戦隊ダイレンジャー』感想16

◆第31話「また出た新戦士」◆ (監督:東條昭平 脚本:杉村升
天宝来来の珠とおぼしき謎の石から逃げ惑う亀夫は知と遭遇するが、その目の前で亀になってしまう。
「亀が亀夫に亀夫が亀に」
再び人間に戻って逃げ出した所で何故かゴーマ四天王に狙われる亀夫。助けに入ったキリンレンジャーは、現れたシャダムに禍々しい謎の仮面をかぶせられてしまう。それは、ゴーマ最高の呪いの術バードゥの仮面。身につけた者は死ぬまでそれを外す事が出来ず、ただ暴れ回るのだ!
駆けつけた仲間達に襲いかかる知は暴れないように基地に縛り付けられる。呪いを解く術はない……だが、或いは天宝来来の珠ならその力を秘めているかもしれない。グホンとリンは最後の天宝来来の珠を手に入れる為に亀夫と接触。そしてグホンの口から衝撃の真実が語られる。
なんと、亀夫の正体は、亀。
それも、超気伝獣・ダイムゲン!
6000年前の戦いでダイ族とともに戦ったダイムゲンだったが、もともと争いを好まぬ性格であった事から戦いを離脱。6000年の長い間、眠りと覚醒を繰り返し、時に亀、時に人間として長い時間を過ごしていたのだった。ゴーマの出現、天宝来来の珠との出会い、それらが今、亀夫を本来の超気伝獣・ダイムゲンの姿に少しずつ戻そうとしていたのである。
自分を人間だと思っている亀夫……しかしこのままでは知の命が危ない。人間の生を取るか、知を救うか……覚悟を決めた亀夫は、飛び回る天宝来来の珠へと手を伸ばす。
「やったるがや!」
ここはなかなか面白い展開。
ただ、亀夫が亀に変身した、という情報を唯一持っている筈の知が錯乱状態になっているので、亀夫と亀と天宝来来の珠の関係をどうやって知ったのか、という謎はありますが。筋を通そうと思うと、前前回のやや意味ありげな台詞
「まだもう一人ダイレンジャーが居るっていうのか?」
「いやー、そうじゃないがの」
も含め、グホンは全て知っていたという事に(^^;
デビル知が逃げだし、後を追った亮達の前に立ちはだかるゴーマ四天王。乱戦の中に亀夫らが駆けつけ、気力バズーカを召喚。亀夫の珠とコウの珠の力により、気力バズーカはスーパー気力バズーカへとバージョンアップする。
「ひょっとしたらそれで知の呪いの面が割れるかもしれん」
人間を ひょっとしたらで 撃つのはどうか
だが、遠慮なく放たれるスーパー気力バズーカ。直撃を受けたデビル知は倒れ、幸い、呪いの面が割れて正気を取り戻す。これに対して四天王は再び合体するが、和を加えて放たれたスーパー気力バズーカを浴び、巨大化。牙大王の飛翔剣・木っ端微塵を跳ね返す合体四天王の力を見た亀夫は、天宝来来の珠に力を込め、真の姿、超気伝獣・ダイムゲンへと転身する。
ダイムゲン、亀の割には、星麒麟や星天馬より格好いいです(笑) まあ、あちらは合体の都合が大きいのですが。
また、亀モードから超武人変化により、超気伝武人・ダイムゲンにも変形可能。
とにかくなんでも、超。
そして7つの気伝獣が、七星合体。
究極フォートレス形態、その名を、重甲気殿。
とどめは、その状態で浮かび上がり、相手を文字通りに押しつぶす「重甲気殿・大圧殺」で合体四天王を撃破。
ダイレンジャーにまた一つ、頼もしい力が加わるのであった!
………………といっても未だに、大連王苦戦一つした事がないわけですが。今回でさえ、牙大王は必殺技を跳ね返されたものの、大連王は無傷(そもそも登場していない為ですが)。そしてここが肝心な所ですが、劇中で一度たりとも牙大王大連王という表現がされた事は無いのです。牙大王はあくまで合体パターンの一つに過ぎず、決して大連王の上位機種というわけではない。
大連王・無敵伝説はまだまだ続く……!
だが一方で、ゴーマ15世に釣り上げられ、地獄の底から蘇った者が居た。その名を、阿古丸! 戦いは、ますます激しくなっていく!
ひどすぎる退場だった阿古丸でしたが、復活。ここで復活するならあの酷いリタイアも飲み込めますし、投げっぱなしだったシャダム絡みのネタも再展開できますし、これは良かった。


◆第32話「黄金キックの鬼」◆ (監督:小林義明 脚本:杉村升
将児、亮にモーニングコール。
いい人だ、将児。
「仕事で疲れて朝起こしてくれっていったのてめえだろうが!」
幾ら電話をしても起きない亮に業を煮やした将児は、オーラチェンジャーを用いて「ゴーマが出たぞ!」と嘘の緊急通信を送り、さすがの亮もこれには跳ね起きる。……が、大激怒。
むしろ将児はなにか亮に弱みでも握られているのでしょうか。
任務完了した将児はそこで、巨大な鳥に襲われる少女を発見。救出して電話ボックスの中に逃げ込むが、なんと怪鳥は電話ボックスごと二人を持ち上げ、採石場まで運んでしまう。
「俺は恐怖の小鳥売り。アミーゴ、小鳥は好きかい?」
そこに現れたのは、ゴーマ怪人・鳥カゴ風来坊。
転身してからくも電話ボックスを脱出する将児だったが、逃がそうとした少女が鳥カゴの中に吸い込まれてしまう。
「ゴーマだ、亮! ゴーマが現れた!」
「ほーう、ゴーマが現れましたか」
「ホントなんだよ!」
道士「何してるんだ亮、将児がゴーマに襲われている。急げ!」
「マジかよ」
安定の、最低加減
亮が駆けつけるが一歩遅く、鳥カゴの中に吸い込まれてしまう将児。鳥カゴ風来坊は「仲間を帰してほしかったら、俺の足を呼べ」と言い残して姿を消し、亮は本部で道士の説教を受ける事に。
鳥カゴ風来坊の足……それはかつての戦いで数多のダイ族の勇者を葬り去ってきた“黄金の足”の事であった。だが、鳥カゴ風来坊は己の強さに溺れ、酒に酔った不覚で黄金の足を失ってしまう。それが原因でゴーマからも未熟者と笑いものにされて放逐された鳥カゴ風来坊は、長い時間、失意の内に彷徨っていたのだった。
「道士なら黄金の足を呼べるって、どういう事?」
「いずれわかる」
一方、風来坊の捕らえた将児の引き渡しを要求するザイドスだったが、あっさり蹴散らされる(笑) 風来坊はまずは人質を使って足を取り戻し、しかる後にダイレンジャーをゴーマに引き渡す事で、陣営への帰参を考えているのであった。
「将児よぉ……オーラチェンジャーで起こしてくれなんて、俺は頼まなかったぜ。悪いジョークとついていい嘘があることぐらい、おめぇわかんねえのかよ」
間抜けポジション×駄目人間最低の組み合わせ(笑)
ここの言い回し自体は、友情と後悔を感じさせるものにはなっているのですが。
風来坊の襲撃を受けた亮は逆に反撃で追い詰めるが、風来坊を殺せば中の将児と少女も死ぬ、と脅かされ、反撃を受ける。やむなく、黄金の足の封印された壺を引き上げた道士はそれを取引材料に人質の解放を要求するが、そこをザイドスが奇襲。
「足は取り戻したぞ、受け取れ鳥カゴ風来坊!」
先ほどの事を忘れたかのようにザイドスが急に協力的になるのは唐突なのですが(多分、単なるカクへの嫌がらせ)、黄金の足を取り戻す風来坊。もちろん人質を返す事はなく、その放つ黄金キックに、次々とやられる4人。だがその時、鳥カゴ風来坊の中と外を行き来できる、使い魔の怪鳥に捕まって、将児が少女と大脱出。友情パワーをアンロックしたリュウレンジャーとダイレンジャーは、合体技を発動。
「天重星・最大重力波」と「天火星・稲妻火炎波」により、鳥カゴ風来坊を打ち破り、風来坊は巨大化。
「こうなったら、容赦しねえぞ」
大 連 王 が ね……。
黄金キックをあっさり受け止めた大連王、大放電から疾風怒濤で瞬殺(笑)
酷いわ、本当に血も涙もないわ……。
こうして友情は元通り、私用でオーラチェンジャーを使った件を黙っていてくれた亮を、将児は店までバイクで送っていくのであった。
「「合体必殺技! てか?!」」
どこまでも、駄目な二人であった。
というか、「呼び出されたらすぐ出動」とか「オーラチェンジャーを私用で使うの禁止」とか、ダイレンジャーにそんな規律があった事に驚きなんですが(笑)