第41話。
見所は、北斗さん、おじさんと呼ばれる。
「おじさんは無いだろう……弾っていうんだ」
抵抗する(笑)
様々な研究所へ侵入し、新開発の超高速エンジンを盗み出す暴走族「黒鷲」。その背後にジャシンカ帝国の気配を感じたダイナマンは調査にあたり、その最中に弾は、「黒鷲」の暴走で怪我をした父の復讐に燃える少年、ひろしと出会う。ジャシンカ帝国の目的は、メカシンカ・ドリルホースに強力なエンジンを付ける事で飛行能力を持たせ、空から陸から世界各地をドリルミサイルで爆撃する、ジャシンカ・ペガサス作戦!
力強く提唱するゼノビアですが……あー……えーと…………ドリルホースにちゃっちゃっと飛行能力付けないの、カー将軍の嫌がらせ、ですよね?
擬装の為に暴走族になりきる尻尾兵という、地上を研究しすぎなジャシンカ帝国、の図は面白いのですが、夢野指令に一発で「ジャシンカの手の込んだ作戦じゃね?」と看破されるので、色々と台無し(笑)
ひろし少年をきっかけに暴走族のトラブルに関わり、探っていたら実はそれがジャシンカ帝国の作戦だった……という順序なら普通に面白かったと思うのですが、どうして開始1分でネタ割れしてしまったのか。お陰でひろし少年の存在意義も限りなく薄いですし、後半、父の復讐の為に「黒鷲」のバイクに攻撃を仕掛けてジャシンカの人質となって捕まり、「助けてー! 助けてくれよー!」とか勝手な事を叫んだり、正直、面倒くさい(^^;
そんなひろしくんを救出するも尻尾兵のバイク軍団に囲まれ、小学生を後ろに乗せたままバイクで高速スピンターンする北斗さん、超鬼畜。
未来工学研究所のスーパーマッハエンジンを入手したドリルホースペガサスは飛行能力を手に入れるも、つい先日、飛行系メカシンカと戦ったばかりなので、どうにもタイミングも悪い。
ドリルホースペガサスは「マッハダッシュ・マシンガン攻撃」という謎の光弾攻撃(全くダッシュしない)を受けた所に、スカイハイからのダイナロッドを受け、ニュースーパーダイナマイトで爆散。巨大化後はダイナロボにかなりのダメージを与える健闘を見せるも、ダイナフラッシュを浴びて(以下略)
全体に漂う、どうしてこうなった感。
その一方、ジャシンカ帝国では一つの異変が……
「メギド様が、メギド様が千年洞窟から脱獄いたしました!」
大・脱・走
「おのれメギドめ……我が息子ながら何という呆れ果てた奴! 見つけ次第、処刑せよ!」
激怒する王様ですが、いやここは、息子の思わぬ根性を誉めてもいいのでは(笑)
いや、上に立つべき王族が治世に逆らうのは筋論としては非常にまずいですが。
「いずこへ逃げても、野垂れ死ににの運命が待っているだけです」
そして、ざっくり酷いカー将軍。
あの優しかった将軍はどこへ!!(涙)
ところで今回の、東映Youtubeによるあらすじ文。
「ドリスホースは高性能エンジンを盗んでパワーアップ。空から襲い掛かる。」
……もうなんか、担当者が考えるの面倒くさくなってますよねこれ(笑) 1行でクライマックスまで説明されているとか、逆に感動するレベル。そして誤字。
第42話、王様、寝起きドッキリで大事な帝王剣を盗まれる。
「帝王剣は、いただいた……!」
帝王アトンの寝所まで忍び込む、謎の黒ずくめの正体や如何に……?!
その頃、南郷は女子高生をストーキングしていた。
もとい、有尾人一族に両親を殺された松山家の姉弟のもとに、こっそりと鉢植えを届けていた。
何故かこそこそと、玄関に鉢植えを置いては身を隠す南郷。
おまわりさん、こっちです。
鉢植えにはそれぞれ、花言葉により南郷からのメッセージが託されて……との事なのですが、何故か仲間にも黙っていたりと、甚だ不審です。
というか、定期的に見ず知らずの人から花言葉によるメッセージの託された鉢植えが玄関先に置いてあるとか、凄くサイコ。
今捕まると、ニュースに住所不定・自称植物学者とかテロップ出ちゃうぞ、南郷。
そんな日課を終えた南郷は、帰り道で突如、空から降ってきた大ぶりの剣を拾う。それこそが、帝王剣……! 何者かの通信によってその場に導かれたキメラ王女とメカシンカ・マサカリベアと行き会う南郷だが、帝王剣の圧倒的な力でジャシンカの兵達を蹴散らす。
果たして、誰が何の為に南郷に帝王剣を入手させたのか? ジャシンカ帝国に謎の通信を送った者の正体は?
そして、「マサカリ」はメカなのか?!
謎が謎を呼ぶ中、帝王剣の力にテンションがクライマックスになった南郷は、ゼノビアへ果たし状を送る。ゼノビアこそが、松山家の両親の、直接の仇。通信機を切り、単身で決闘に赴いてしまった南郷を探す仲間達は、南郷がストーカー行為を働いていた事を知ってしまう。
南郷が持ち出した植木鉢の行方を追う内に、松山姉弟と出会った北斗は、その日松山家に届けられた鉢植えの花言葉を知る。
「今日は、ミヤコグサです。花言葉は……敵討ち」
松山家の両親が殺された万年山の戦国が原で、ゼノビアと対峙する南郷。しかし、決闘をモニターしていた王様が帝王剣に念力を送り、そのエネルギーを吸われてしまう。アトンの呪いの力により、帝王剣を手放せなくなってしまった南郷、その解除手段は一つ――人間の血を剣に吸わせる事。このままでは遠からず狂い死ぬ、と宣告を受けた南郷は、その前にできる限りジャシンカ帝国を血祭りに、と走り出すが、朦朧とした状態で弾を尻尾兵と誤認し、斬りかかる。
「尻尾兵、仇だぁ!」
あえてその南郷に腕を切らせ、血を吸わせる事で帝王剣の呪いを解く弾。
……そのぐらいの量でいいのなら、呪いが発動した時に誰か適当に斬られても良かったのでは、という感はあるのですが、いざ斬られるとなると怖いし、ダイナマンは未だに苗字で呼び合う関係なので、仕方ない。
今回は全体的に、尺が間に合ってないというか、説明不足で表現不足。
当然、ダイナマンも“どれぐらい斬られれば南郷が治るのか”はわからないわけですが、ここは先に北斗が「南郷、俺を斬れ」→仲間に止められる→南郷「そんな事はできない」と走り去る、みたいなシーンがあってこそ、自ら斬らせる北斗が栄える、と思うわけです。……期待値の高い堀監督だけに、ハードルが上がっているというのもありますが。
弾の決死の行為により帝王剣は南郷の手を離れ、それを奪い返すゼノビア。ゼノビアはそのまま二人を抹殺しようとするが、そこへ、謎の仮面の人物が現れる!
「弾北斗……ダイナレッドの命は俺がちょうだいする」
「なにもの?!」
「闇の使者……ダークナイト」
漆黒のスーツと仮面に身を包んだ、謎の男、ダークナイト。
ここに来て、更なる新キャラ登場。
……というか、被り物来たぁぁぁッッ!!
戦いは、ダイナマンvsジャシンカvsダークナイトの乱戦に。尻尾兵を蹴散らしたダークナイトはダイナレッドと剣を合わせ、ぶつかり合う両者の必殺技。
「ダークナイト、闇の舞! ダークハリケーン!」
「ダイナ剣、夢の翼! ゴールデンスパーク!」
戦場に漂う、どこか残念な空気。
ダークナイトは恐らく、宇宙刑事を意識したっぽい立ち回り。マスクの額についている石?がピカピカ点滅しているのは、なにかの伏線っぽいですが、現時点では謎。
「邪魔が入ったか……この次会う時まで、生きていろよ、ダイナレッド」
「ダークナイト……」
マサカリベアが出現し、ダークナイトは撤退。改めて名乗りを上げたダイナマン、
ダイナロッド・稲妻スパーク(5人合体技)
↓
イエロースクリューボンバー
↓
竜巻剣
↓
ニュースーパーダイナマイト
一切何もしない内に連続攻撃で完封抹殺される可哀想なマサカリベア(笑)
ダイナロボにもさくっとやられ、久々にカー将軍のやる気の無さが炸裂しました。たぶん、そろそろ転職を考えている。
「田舎に引っ込んで、発明おじさんとして暮らすのも、悪くない……」
なお今回、ビッグバンビームによる巨大化の演出が変更され、地割れから出てくる超メカシンカを、ダイナマンが手前から見上げる形になりました。
かくて、帝王剣はアトンの元へと戻ったが、ダークナイトの目的は依然不明のまま……果たしてダークナイトは盗んだ帝王剣をダイナマンに持たせる事で、何をしたかったのか? そして、その正体は?!
「闇の使者ダークナイトには尻尾がなかった……有尾人でないとすると、人間か……」
「しかし人間ならここまで忍び込む事はできません。ジャシンカ内部の事に詳しい者のようです。敵か味方か、ダークナイト……いったい何者!」
妙に格好つけてマントをばさっと翻す将軍。
しかし、これだけ雁首揃えて、誰もあの人の事は眼中にないのか……(笑)
…………いやまあ、あれがあれだけに、むしろ近しい人ほど、盲点なのかもしれませんが。
とっくに野垂れ死んでいて、純然たる新キャラ、という可能性もあり得ないとは、言い切れないのが怖い。
ダークナイトの行動理由については、全く謎のままで、匂わせる伏線も無し。偶然の要因も多いですが、北斗の血を吸わせるのが目的だった、と考えるのが妥当な感じですが、果たしてどう転がすか。大きな物語としては「ジャシンカ殲滅せよ」というだけだった中に、最終盤、戦いの趨勢に関わるかもしれない謎要素を盛り込んできました。
ところで、本作でキャラクターデザイン(主にジャシンカ側)を務めた出淵裕がメカデザインとして参加していた『聖戦士ダンバイン』に、割と似た感じの「黒騎士」というキャラクターが登場するのですが、出淵氏がインスパイアされた、という事はあるのでしょうか。放映時期は完全に重なっている(1983年2月〜1984年1月)のですが、登場話数としては、黒騎士の方がやや早い。“仮面の復讐者”というのは古典的テーゼですので、オリジンがどうこうという話ではなく、単純な興味。何が似ているって、中の人(多分)が残念という所が、凄く似ている(笑) 必要以上に、残念二乗で見てしまうので、なんとかしてほしい(おぃ)