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『特捜エクシードラフト』感想23

◆第43話「神と悪魔と黙示録」◆ (監督:小西通雄 脚本:宮下隼一)
キャスト表記で「大門巌」とえらくごついフルネームが判明し、気分はどちらかといえば、黙示録というより西部警察。ミカも「美香」という日本語表記が判明し、両者ともなんだかんだで、世俗ライフを満喫している可能性が浮上。
朝のランニング中に、そんな美香の幻影を鏡の中に見る隼人。
「43……42……41……もう40日ないのね、この星が消えてなくなるまで」
だから、数えるの早いよ!
隼人は自宅で聖書や黙示録についてお勉強……湯田の一件を思い出す(回想シーン)が、基本、ロボットに襲われているだけなので、その思い出にはオカルト要素がありません。
神と悪魔の存在など、とても信じられない。しかしならば、あの美香という少女はなんなのか……
病院行こうぜ
現状、その少女は隊長にしか見えていないので、まずは医師の元で適切な診断を受けた方がいいと思います。
隊長、あなた疲れているのよ……
その頃、街ではやたらアクロバットなサンタクローズから「クリスマスイブの日にUFOを見に行こう!」というチラシを受け取った少年少女達が次々と失踪するという事件が発生していた。塾の同級生さやかに告白するも、にっこり笑って「ごめんなさい」で玉砕した勝もまた、さやかと共に失踪してしまう。
勝の告白を耕作と拳が応援する、というコミカルなシーンがあるのですが、二人ともアドバイスが「当たって砕けろ」で、毛虫ほども役に立ちません。
そこはサングラスかけて、
「ようようお嬢ちゃん、こんな所で一人で何してのん?」
「俺たちと遊びにいかなーい?」
と行く所でしょう!
あと、初期にあった耕作の洒落者設定は、あらためて何の痕跡も残さず消滅したな、と。
失踪した勝とさやか、そして少年少女達は、アクロバットサンタ3人組によって謎の空間に連れ込まれていた。そこにあったのは船(にはいまいち見えない(^^;)、そして中から姿を見せる美香。
「誘拐じゃないわ。旅立ちよ」
一方、事件を捜査するエクシードラフトはサンタのチラシと失踪の繋がりに気付いてサンターズを追うが、サンターズの反撃を受ける。隊長を蹴り飛ばし、謎の光線を放ち、空を飛ぶサンタ! 飛んでいくサンタをシムで捕捉しようとするが、キャッチ不能。なんとシムのデータ上では、そのサンタには捉えるべき実体が存在していない!
「ロボットでもない……サイボーグでもない……ましてや人間でもない……いったい何者なんだ?!」
なお、サンターズは、髭で目元しか出ていないものの、全員女性。普段チンピラ役は雰囲気でどうしても男性になりがちですが、サンタの扮装なら、という事でか、JAC女性メンバー押しで、アクション的にはかなり見せ場を与えられています。
サンターズを追う中で、車のミラーに映った美香と会話を始める隊長。
だから隊長、あなた疲れているのよ……
あと、
脇見運転、禁止
前回の部下の不始末を、すっかり忘れている模様。
子供達の誘拐を、主のおぼしめしだと告げる美香。
(UFO……船……ノアの箱舟!)
トンデモ伝奇小説のような連想法を身につけてしまった隊長は真実に辿り着くが、消えた子供達の親の悲しみを考えれば、それは許される事ではない。しかし美香は、悪魔を倒す為には多少の犠牲は仕方ない、と隼人の言葉をはねつける。
「なんということを……人間は、神や悪魔の道具じゃない!」
「邪魔をするなら隼人、貴方も敵よ!」
美香の言葉とともに、採石場へとワープする、バリアス7とスクラムヘッド。サンターズの攻撃を受けて実装する3人だが、サンタ強し。
実体の無いサンターズにはバルカンカートリッジも通用せず、未だかつて無いピンチに追い込まれるエクシードラフトへ、エクシードラフトは人間が作り出したものであり、その人間を作った神には勝てない、と冷然と告げる美香。
だが、そこへ、光の戦士がやってくる!
「俺は人間じゃない……おまえたちの理屈は通用しない」
……えー、やっぱり、そういう事なのですか(笑)
「あいつらは人形と同じだ」となぜか詳しいデビット秋葉は、宇宙ビームで変なオブジェを破壊し、消え去るサンターズ。そしてどこかのビルから戦いの映像を眺めていた大門は、「あいつは……」とデビットの姿に反応する。
果たしてデビッドは、何が目的で地球へやってきたのか?!
耕作と拳は、敵はデビットの追う宇宙生命体なのか、と都合良く誤解するが、美香の事を知る隼人は言いしれぬ不安を感じていた。
「俺の得た情報ではB地区のどこかに子供達の監禁場所があるはずだ」
微妙に隼人から目をそらす秋葉。その横顔に、隼人はこれまでにない悲痛な色を見るのだった……。
帰ってきた光の戦士・デビット秋葉。
しつこく繰り返していますが、見ている方には何が「光の戦士」なのかさっぱり伝わってこない辺り、前作の「復讐の貴公子」・高岡隆一と同じ匂いを感じます(笑)
そんなこんなで光の戦士を加えた一行は、消えた子供達を取り戻すべく動き出す。その背後に居るのは、神と悪魔なのか?!
ナレーション「遂に今、黙示録の幕があがった」――
あがっちゃった……。
意図的なミスリードっぽいものも含めて、幾つか引っかかる所はありまして、
1・そもそも大門は人類滅亡の為の具体的な行動を劇中で見せていない
2・話聞いている限り、人類滅ぼす気満々なのはむしろ、美香サイド
3・総合的に、ハルマゲドンのアウトラインが全く見えない(神と悪魔の戦いが発生しているように見えない)
4・その割には大門はサンターズvsエクシードラフトの戦いに「同士討ちか」みたいな感想で、エクシードラフトは美香サイドに勝手に組み込まれている
5・美香が隼人に接触してくる理由が不明
6・隊長、あなた疲れているのよ
最大の問題は1で、劇中でまだ大門が人類への脅威として描かれていないので、エクシードラフトが完全に“巻き込まれた第三者”となってしまった上に、美香サイドが勝手に過剰反応しているように見えてしまう。
一面的な「敵か味方か」という構図を取っていないのは意図的かと思いますが、現状、エクシードラフトが狂言回しの道化役になってしまっており、これはいただけない。
で、そもそもアウトラインが見えないからリアクションの打ちようがないのに、何故か美香が隼人に接触してくるので、そもそも何がしたくて何がさせたいのか、という所がもやもやとしてしまいます。
例えば早い内に「こんな事が起こるけど、隼人はイケメンだから助けてあげる」「だが断る!」みたいなやり取りでもあれば、
互いのやりたい事・やるべき事
が見えて、物語に芯が通ってついていきやすくなるのですが、今後何らかの形で通すだろうとは思いますが、出来れば頭でやっておいた方が良かったかと思います。
で、宇宙人が宇宙ルールを適用した事で、「神」「悪魔」「人間」の定義づけも若干ややこしくなったのですが、全知全能の超存在というよりも、宇宙のあちらこちらで生命を繁栄させた「神」と呼ばれる何者かが(複数)存在する、というややSF寄りのアプローチになるのか、この辺りは次回、ある程度明かされそうですが。
まあ、<天使編>だと思えば、ある意味で東映特撮ヒーロー源流への先祖返りなのか。


◆第44話「最終戦(ハルマゲドン)の聖夜」◆ (監督:小西通雄 脚本:宮下隼一)
二人っきりで海を見つめる、隊長と秋葉。
デビット秋葉が地球に再びやってきたのには、ある理由があった。弟――かつてカルロス東郷の体に宿っていたもの――が犯罪者に転落した理由を調べ直していた秋葉は、その背後に“神”と“悪魔”の存在を知ったのである。
遙か数十億年前――宇宙を二分する、大きな戦いがあった。
その一方は善・光の存在であり、もう一方は悪・闇の存在。
その戦いは神話や伝説といった形で、宇宙の様々な星に痕跡を残した。
それこそが、この地球では“神”と“悪魔”として語り継がれる存在だったのである。

「我々の星での、その邪悪な存在に対する呼び名を地球の言語に直すと、6・6・6になる」
「6・6・6」

定番中の定番・獣の数字を組み込みつつ、“神”と“悪魔”は宇宙的な対立を続ける光と闇の存在、と定義。それだと前回、秋葉が宇宙ルールでサンターズを撃破したのがおかしくなる気がするのですが、あちこちの星で進化した知性体が細分化しすぎて、それぞれローカルルールで対応しないといけない、面倒くさい状況になっているという事でしょうか。
弟が悪魔崇拝をしていた事を突き止めた秋葉は、ハルマゲドンでこの星が消えるのは避けようのない事実としながらも、弟を破滅に追い込んだ存在に一矢でも報いようと、今、神と悪魔のハルマゲドンの最前線となった地球へ降り立ったのであった。
一方、箱船ではさやかちゃんにいいところを見せようと脱出を試みる勝が、投石でオブジェを破壊。結局脱出には失敗するが、バリアの消えた一瞬に、大門がその場所を感知する事となり、大門、エクシードラフト本部に美香のアジトとなっている倉庫の場所を密告電話。
悪魔的奸智!
……あれ、変な繋がりが(おぃ)
本部から連絡を受けた耕作と拳はアジトへと向かい、二人を放置して秋葉と語り合っていた隊長も、現場へと向かおうとする。その隊長を、「これは悪魔の罠だ」と止める秋葉だったが……
「あの子達を救えるのは神でも悪魔でもない。俺たちなんだ!」
倉庫では、耕作と拳が見えないバリアに阻まれる先で、大門の送り出した悪魔の兵士が箱船を攻撃していた。
手に鎌を持ったブラックサンターズvs宙を舞い光線を放つレッドサンターズ
なんか段々、シュールになってきました。
壮絶な戦いの末、ブラックサンタハリケーンで箱船とバリアが破壊され、そこへ突っ込んでくるバリアス7。シンクレッダーと秋葉は共同でバリアの亀裂を広げ、ブルースとキースに子供達を任せると、ブラックサンターズに立ち向かう。
ここでやっと、神と悪魔の戦いにエクシードラフトがその正義の為に乱入する、という構図になったわけですが、前半からこの構造にしないといけなかったかと思います。
最後は、会話イベントで好感度を上昇させた甲斐あり、発動したサイクロンノバと宇宙ビームの合体攻撃でブラックサンターズを撃破。
箱船は爆発し、美香は子供達の記憶を消すと、「こんなに愚かだとは思わなかった……」と言い残し、姿を消す。
この時点でBパート残りが5分以上、という変則的な構成。
日向家には、耕作と拳のサンタの出前。さやかちゃんも日向家のパーティに参加しており、勝がいいとこ見せてフラグ立った? のかと思ったら、さやかちゃんは転校する為に、あえて勝の誘いを断っていたのだった。……いやなんか、どちらにしろ、駄目っぽいんですが(笑)
エクシードラフト本部では、本部長と秋葉という希少なツーショット。宇宙へ帰るという秋葉に、何か言いたい事があるのでは? と問いかける本部長。「ここ数ヶ月、奇妙な事件が連続している」と、後付けで神と悪魔の戦いをフォローしつつ探りを入れるが、秋葉は真実については誤魔化し、エクシードラフトを去って行く。
そして、聖夜、再び、海岸で佇む二人。
(冒頭のシーンと一緒に撮ったからか時間は昼なのですが、サブタイトルにもなっているから、聖夜!)
悪魔への反攻を考える秋葉は、地球を諦め、神と悪魔の戦いが起こる別の星へ赴こうとしていた。
そして――
「一緒に来ないか、隼人」
告白したぁ!!(待て)
隼人を宇宙刑事に誘う秋葉。実は秋葉は本部長に、隼人をスカウトしたいと申し出ようとして、口にできなかったのだった。
どうも、弟どうこうというのはあくまできっかけで、一矢を報いるという理由をつけて来訪し、滅亡の迫る地球から愛する隼人を連れ出し、一緒に戦う為に宇宙捜査官にスカウトする、というのが主目的だった模様。
「おまえなら宇宙捜査官としての資格も充分だ」
文明レベルの問題すらすっ飛ばして男を狂わせる隊長の謎フェロモン!(おぃ)
だが……
「返事は……言わなくても分かっている筈だ」
爽やかに笑う隼人。
「地球は守る。きっと運命を変えてみせる! 必ず」
「……また会おう。――その時に」
「ああ!」
こうして秋葉は宇宙へ。ところが、大気圏の外へ飛び出した所で大門に捕捉されてしまう。高笑いする大門、悲鳴をあげる秋葉……うなされて跳ね起きる隼人。今のは、夢だったのか……?
「いいえ、夢じゃない。光の戦士は、悪魔に倒されたわ。この星が、滅びるまで、あともう30日……29……28……27……」
またも姿を現し、消えていく美香。
思ったより有名人だ、光の戦士!
正直、割と馬鹿にした感じで使ってきましたが、けっこう宇宙的に有名人なのでしょうか、光の戦士。確かに単体の戦闘力はかなり高いですが、あれ、宇宙捜査官の平均レベルというわけではなく、宇宙的に見てもかなりの強者だったのか、光の戦士。
その頃、愛もまた、悪夢を見て跳ね起きていた。
「なんでも……ない……みたいね、たぶん」
ここに来て、意外なスポットライト。
そして隼人は、窓から空を見上げて、光の戦士との戦いを思い出す。
「秋葉……」
果たして、秋葉は本当に倒されてしまったのか? 愛の見た悪夢の内容は? 地球が滅びるまであと一ヶ月なのに、次回普通に犯罪捜査とかされてもちょっと困るが、魂の兄弟達の行く末や如何に?!
秋葉はこれでリタイアだったらかなり悲惨ですが……よくよく考えると、隊長とフラグを一定以上に積んだキャラクターは、みんなリタイアしているような気もしないでもない(赤いスペード、彩子)。
魔性の男・叶隼人!
…………えー、なんか、途中からいつも以上に変な方向へ加速してしまいましたが、劇中のリアリティのラインがジェットコースターすぎて、正直ちょっと対応しきれていません(笑) いっそもう、妖魔巨獣・○ーマ出現、ぐらい吹っ飛んでくれた方が、割り切れるんですけど。