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『特捜エクシードラフト』感想24

◆第45話「死神の狙撃指令!」◆ (監督:三ツ村鐵治 脚本:増田貴彦)
凄腕のスナイパーによる殺人事件が連続して発生。被害者の二人が暴力団の幹部であった事から、トラブルのあった南米の麻薬カルテルから暗殺者が送り込まれたのでは、という推測がなされる。手がかりを求めるエクシードラフトは、狙撃手の情報を少しでも得ようと、耕作のかつての射撃コーチ・原田のもとを訪れるが、その原田が命を狙われる……。
良くない見方ですが、原田役が黒部進の時点で、あーこの人、絶対悪い人だろうなーと(笑) 最初にいい人っぽく出てきたから、なおさら(^^; いっそ、最初は怪しげに出てきくれた方が、悩ましい気が。
原田は、暴発事件で銃を握れなくなった後は後進の育成に力を注いできた射撃の名コーチで、耕作の父親とは同期の人物。早くに父を亡くした耕作にとっては父代わりともいえる存在。そして耕作の父・村岡文雄が、東京オリンピックの金メダリストであった事が判明。その村岡文雄は18年前、南米において飛行機の墜落事故でこの世を去っていた。その筈だった。だが……
「今の男は、死んだ親父にそっくりだった。あなたは何か知ってるんじゃないですか?」
原田を狙撃した男は、なんと村岡文雄に酷似していた。そして原田は、一週間前に文雄から手紙を受け取っていた事を告白する。
村岡文雄は墜落事故を生き延び、そして、南米の麻薬組織で殺し屋となっていた。原田のもとに届いたのは、その文雄からの、組織の教官としてスカウトしたい、という誘いの手紙であった。当然それを断ったという原田だが、保護した本部に「原田の身柄を引き渡さなければ非常事態が発生するぞ」という何者かの通信が入ってくる……。
おじさん一人をスカウトする為に、都内で発生する無差別狙撃。
何か振り切れたかのように、一般市民が次々と倒れていきます(^^;
出動するエクシードラフト、文雄を説得したいと本部を飛び出す原田。一方、インターポールへの情報照会により、ヤクザと南米カルテルのトラブルが既に解決していた事が判明。代わりに浮上したのは、活動を活発化している国際兵器マフィアの暗殺スタッフに、優秀な日本人の射撃コーチが加わっている、という情報であった。原田の身辺を洗った隼人と拳は、原田が村岡文雄を憎んでいた事、そして兵器マフィアと手を組んで、ある実験を計画していたという事実を知る。
それは、新型スナイパーロボの開発実験!
文雄を追って倉庫に誘い込まれた耕作の前で文雄が皮のマスクをはぐと、その下から出てきたのはロボットの頭部。2件の暗殺と無差別銃撃は全て、ロボットの性能実験。そして今、組織は耕作と1対1の戦闘を行う事で、ロボットの仕上げを行おうとしていた。
またロボットか(^^;
人間だと思わせて実は高性能ロボットでした……というネタは、さすがに食傷。
スナイパーロボットを倒すも崩れた鉄骨の下敷きになってしまった耕作の前に、マフィアと原田が姿を見せる。全ては村岡文雄への復讐だったのだと、スナイパーロボットがさくっとやられた割に楽しそうなマフィアと原田だったが、そこへエクシードラフトが突貫。マフィアと原田はざっくりと逮捕。
倒れたと思ったスナイパーロボが立ち上がって屋根を破壊するが、サイクロンノバでずばっと消滅。隊長また、証拠物件を塵に還す。
工場の倒壊から原田を守った耕作は、父代わりだった男が、いつか憎しみを捨てて立ち直ってくれる事を願い、自分が必ずその力になろうと決意するのであった。
「隊長、俺きっと原田さんを……」
「そうだ、彼の心を救えるのは、おまえしかいない」
「はい!」
ナレーション「夢を断たれ、憎しみだけを支えに生きてきた一人の男。耕作の心のレスキューは、これから始まるのだった」
だからもう、大樹さんの事は許してあげてくださ(涙)
シリーズの色々なガジェットを詰め合わせたようなエピソードで、これまで何度か触れてきた耕作の家庭の事情は、話の中心というよりは、素材の一つ扱い。黒部進については穿った見方にしても、文雄の正体に関しては、どうしても途中で見えてしまいます。とはいえ、それ自体は極端に言えば構わず、その上で“面白い”と言える見せ場作りが出来ていないのが残念。
スナイパーロボットとの戦いも、シンクレッダーらが駆けつけた後も、非常に盛り上がりに欠けます。
同系統のシリーズで同じスタッフがやっているとままあることなのですが、演出陣が疲弊してきて、クライマックスが流れ作業になってしまい、アクション的な見せ場が作れていない。
前作の反省を踏まえて、前半はヒーロー的見せ場造りをかなり意識していた今作ですが、段々とおざなりになってきて、ドラマとアクションという車輪の両輪のバランスが取れなくなってしまいました。“サイクロンノバを使わないといけない”縛りの影響もあると思いますが。と考えると『ウインスペクター』の“ギガストリーマーマキシムモード地獄”と結局同じ轍を踏んでしまっているわけで、色々もどかしい。


◆第46話「魔獣を飼う美少女」◆ (監督:三ツ村鐵治 脚本:扇澤延男)
フリーのルポライター・本田カツアキが刺殺される。どうやら本田は取材で手に入れたネタをもとに恐喝まがいの事をやっていたらしく、軍事に転用できる特殊大型車両を輸出していると噂の真壁重工業に手を出して消されたらしい。真壁重工業に捜査の手を入れようとした矢先、「肩がぶつかって揉めた勢いで刺し殺した」と自首してくるチンピラ・井上。隼人は井上を「徹底的にしめあげよう」とするが、今度はその井上が、取調室で常識ではあり得ない無残な死を迎える。そして、真壁重工業の社長も……。
炎の中で全身八つ裂きになった死体、響き渡った猛獣の声。
「常識を越えた、超常現象による殺人か……」
超能力研究所で話を聞いたエクシードラフトは、生まれてから10年間、昏睡状態で眠り続け、生命維持装置に繋がれている本田の娘・恵子が超能力を発現させて二人の人間を死に至らしめたのではないか、と疑いの目を向ける……。
今作の世界観では超能力の存在は実証されているので、この展開自体は有りです。
なにしろこの研究所、国の正式な研究機関!
本田家を訪れた研究員達は恵子を調査、昏睡状態の彼女から強い念動波を感知するが、その母・弓子は恵子を研究所へ連れて行く事を拒否する。
この10年、本田夫妻は娘の為に様々な病院や研究所を訪れてきたが、国を始めとして、誰も助けてくれるものは居なかった。月200万かかる生命維持装置の費用を払う為、本田は大手新聞の記者を辞め、時に汚い仕事に手を染める身となり、それでも夫婦は恵子がいつか目覚める日を夢見て、必死に娘を育て続けてきた……だというのに
弓子「自分達で見捨てておきながら、今になって研究させろなんて、どうしてそんな勝手な事を国はおっしゃれるんですか」
博士「……管轄の違う話はわからん」
耕作「でもやっぱり、調べさせていただかないと。二人の人間が現に殺されているんです」
弓子「おっしゃるとおり、心の中に憎しみは抱いたかもしれません。でも、この子は相手に指一本触れちゃ居ません」
拳「だからその憎しみが超能力になって」
弓子「人が憎しみの心を持ったら、犯罪ですか? あなたも、あたなも、あたなも、人を憎んだ事はないんですか? あなたは、一度も殺したいほど誰かを憎んだ事がありませんか」
耕作「しかしお嬢さんは」
弓子「歩けない、喋れない、ただひたすら眠るだけの人間には、人を憎む権利もないんですか?」
もうすっかり超能力殺人でその気になっている耕作と拳と、対する母親がが微妙に噛み合っていない所も含めて、オカルトネタから地に足のついた社会派テーマにずらして着地させるという、このやり取りを書けるのが、扇澤脚本の巧さ。
また、今作ではエクシードラフト個人の踏み込んだエピソードを幾つか展開していた事もあって、「あなたも、あたなも、あたなも、人を憎んだ事はないんですか?」という台詞が意味を持って機能しています。
隼人はその場を引き上げさせ、弓子の言葉に思い悩んで黄昏れる。
(我々に、人の心の中まで裁く、権利があるのだろうか……)
そこへ飛び込んでくる、恵子が拉致されたという連絡。真壁重工業の手先となっていたヤクザものたちがエクシードラフトの後をつけて恵子の存在に気付き、自分達で利用しようと考えたのである。ヤクザものたちは真壁重工副社長の秘書を超能力で襲撃させ、副社長を脅迫。そこへエクシードラフトが突貫するが、騙されやすい恵子は、ヤクザに「父親殺しの本当の犯人はエクシードラフトだ!」と吹き込まれ、エクシードラフトを攻撃する!
ブルース、キースがヤクザと取っ組み合っている間、ひたすら超能力の炎に焼かれまくるレッダー。それでも必死に恵子に呼びかけ続け、恵子の元に辿り着くと、恵子は一瞬目を開き、その両目から涙がこぼれると共に、見えない魔獣は姿を消す。
「隊長の声が届いたんですよ!」
「恵子ちゃんの心から憎しみが消えたんです」
「俺には、最後まで、あの子の心を救えなかった……」
「だって猛獣は消えたじゃ……」
生命維持装置のパネルは、恵子の脳波の停止を示していた――。
超能力殺人が立件できるかはさておき、実際に二人殺しているし、エクシードラフト側に恵子の説得材料はないしでどうするのかと思ったら、凄い弾をぶち込んできました。
またも完全敗北なのか、という所ですが、『ウインスペクター』『ソルブレイン』両作の最終回と少し違うのは、隼人が恵子を“救おうとしていた”事。前2作の最終回で最も致命的だったのは、対峙した悪を“救おうともしていなかった”(少なくとも、そう見えなかった)事なのですが、そこからは一歩前進しました。
とはいえヒーローの敗北に代わりはなく、レスキューシリーズをシナリオ面で大きく支えてきた扇澤延男が、その最後?に真っ正面から書いたのが、レスキューポリスの限界”だったというのは、色々と考えさせられます。
シリーズとして見た場合、シビアな逮捕とかが初期は面白みになっていたのが、最終的には綺麗事を許さない縛りが強くなりすぎたよなーと。そしてそれが当たり前になりすぎてしまった事で、シナリオ上で面白く使えなくなってしまった。色々と試行錯誤はありましたが、ヒーロー性と社会派ドラマのバランスとして見た場合、結局、『ウインスペクター』が一番、よく出来ていた、というのも後半厳しくなってしまった点か。
で、憎しみは何から生まれるのか?
それは愛からではないのか?
という要素を仕込んで、これまた何となくシリーズの総括的な物を含んでいる辺りは、さすが。
身も蓋もない事を言ってしまえば“人の心には踏み込めない部分がある”という事なのですが、それでも出来る限り、人の命と心を救う為に戦い続けるんだ……とラストの展開でまとめてくれれば、シリーズ的なリアリティにおける敗北を含みつつ、綺麗に収まりそうなのですけど、予告を見る限り、神と悪魔の最終戦争が始まって、それどころではなさそうだなぁ(^^;
なお隊長のサイクロンノバのノルマは、叫びながら空へ向けて乱射して達成(笑)