はてなダイアリーのサービス終了にともなう、旧「ものかきの繰り言」の記事保管用ブログ。また、旧ダイアリー記事にアクセスされた場合、こちらにリダイレクトされています。旧ダイアリーからインポートしたそのままの状態の為、過去記事は読みやすいように徐々に手直し予定。
 現在活動中のブログはこちら→ 〔ものかきの繰り言2019〕
 特撮作品の感想は、順次こちらにHTML形式でまとめています→ 〔特撮感想まとめ部屋〕 (※移転しました)

『特捜ロボジャンパーソン』感想5

ところでジョージ・真壁は河合宏に目元が似ているけど、クレジット見ると違う人だよなぁ……と思っていたら、芸名が変わっていました。同一人物でした。真壁さんから微妙にへたれ臭が漂いっぱなしなのは、キャスティングのせいではなかろうか(おぃ)
◆第6話「さまよう冷凍男アイスマン」◆ (監督:三ツ村鐵治 脚本:扇澤延男)
買い物から帰宅した主婦が開いていた玄関に不審を感じながら冷蔵庫の扉を開けると……なんとその中に、中年の男。続いて保冷車の中身を食い荒らして逮捕された男の名は、工藤助三。冷凍食品の倉庫で働いていた工藤は一時閉鎖する倉庫の中に事故で閉じ込められてしまい、−50度の世界で1年間を暮らしていた結果、“触れるものを何でも凍らせる力”と“常温では生きていけない体”を手に入れてしまったのだった。
何故かいきなり刑事コンビが別人に変わっているのですが、工藤を「怪物」呼ばわりするシナリオの都合上、セミレギュラーのキャラを配置しにくかったのか。
警察、そしてマスコミからの「怪物」扱いに戸惑う生来純朴な工藤は、スーパーサイエンスネットワークのドクター椎名によってさらわれ、彼が生活可能な特殊な保冷車を用意される。
「一泡吹かせておやんなさい。貴方を怪物扱いするような世間に」
椎名の口車に乗せられ、銀行を襲撃、自分の能力に暴走していく工藤の前に、立ちはだかるジャスティス!
凍結能力、いきなり無効。
主人公がラスボスすぎて、何もかも台無しだ!
「俺が触っても凍らねえなんてよ。あのジャンパーソンこそ、怪物だよな」
ドクター椎名のラボに逃げ戻った工藤は、「本物の怪物になってみないか?」と椎名から冷凍能力を引き上げる改造手術を進められる。
「冗談でねえ。おれ怪物になんかなりたくねえ」
と拒否する工藤だったが、事故で倉庫に閉じ込められた時にどうして誰も彼を探さなかったのか? そんな社会を見返したくないのか? と椎名に劣等感を刺激される。
この辺り、社会に爪弾きにされた者の、孤独と悲哀を土台にしたコンプレックスを盛り込むのは、扇澤延男の十八番。
更に椎名の部下二人が、「おまえは虫けら以下」「見てると反吐が出る」……とジャンパーソンが言ってたぜ、と発言を捏造。
微妙に本当は思っていそうな所が困った所だ……!
工藤が冷凍倉庫に1年間閉じ込められて、今朝ようやく娑婆に出てきた所……と、ジャンパーソンに関する情報を持っていない事も巧く使い、工藤は遂に椎名の改造手術を受けてしまう。
「俺はアイスマンだぁ! 逃げても無駄だぁ!」
冷凍能力を強化された工藤は吐く息で全てを凍らせ、街を襲撃。そこにパトカーが駆けつけるが、刑事二人も凍結。同乗していた若林さんは、凄い華麗な前転アクションで凍てつく吐息を回避。
何者なんだ、この人(笑)
本当に、TV局のキャスターなのか。
しかし、工藤に好意的に取材していたその制止の声も届かず、アイスマンに追い詰められる若林。
「脳みその芯まで凍らせてやる!」
その時、風を切るJPカード!
「ジャンパーソン・フォー・ジャスティス!」
JPアナライズによると、工藤の表記はバイオモンスター。
「改造されている」と言及し、この後の展開も鑑みると、もはや人間ではない扱いの模様。
アイスマン工藤の凍てつく吐息を受け、凍ってしまうジャンパーソン。SSNの目的はジャンパーソンの生け捕りであり、ジャンパーソンを痛めつけてから確保しようとするアイスマンだったが、ジャンパーソンはワイヤーパンチを伸ばして、炎上するパトカーに自ら特攻し、氷を溶かす事に成功すると、アークファイヤーで容赦なくウェルダン。
ここまで“攻撃が効かない”系が多かったJPアクションに、新たな出鱈目な感じがうまく演出されました。
半分凍った刑事達も、大胆に火炎放射で救出したジャンパーソンは保冷車に一時撤退したアイスマンを追いかけ、ぶつかり合う火炎放射vsアイスブレス。その衝撃の余波で工場の屋根が(いつもの映像で)崩壊し、アイスマンは落ちてきた鉄骨の下敷きになってしまう。なおジャンパーソンも一発重いのぶつかりましたが、何事も無かったかのように超回復
ジャンパーソンは鉄骨の下敷きになった工藤を助け出すが、その体は既に炎上による周囲の温度上昇に耐えきれず、工藤は足から溶けていってしまう……
「俺……本当は一年前に死んでたのかもしんね。冷凍倉庫の隅でさ。死ぬ間際に、長くて短い、不思議な夢、見てたのかもしんね。そんな気するばい」
ジャンパーソンの手の中に抱き起こされながら、完全に溶け去る工藤。
刑事B「水になって……き、消えた……」
刑事A「やっぱり、怪物だったんだ……」
若林「そんな事ないわよ! そんな事、絶対無い!」
工藤を最初に取材した若林は、涙を流して叫ぶ。
若林「誰よ! いったい誰よ! 工藤さんを怪物なんかに作り替えて!」
工藤は、決して怪物などではなく、不幸な事故に巻き込まれただけの善良な人間だった。いったい誰が、工藤を本物の怪物――アイスマンにしてしまったのか。若林の慟哭がこだまする中、ジャンパーソンは残されたアイスマンのヘッドギアを拾い、歩み去るのであった……。
改造されたから怪人扱いなのかもしれませんが、Aパート明確に人間として描かれたゲストキャラが、露骨な怪人の姿になるわけでもないまま、溶けて死んでしまうという、なかなか強烈な展開。今作初登板の扇澤延男が、いきなり重い直球を投げ込んできました。
若林の叫びにより、真の悪を、工藤をアイスマンに変えたSSNとしてはいるものの、工藤を“怪物”に変えた背景には、SSNの悪意だけではなく、社会の無関心、大衆の残酷さも存在している、と掛けている辺りが、テクニカルで扇澤脚本らしい。もっとも、刑事がいきなり無神経に「怪物」と口にするなど、ことAパートにおけるキーワードの使い方はかなり安易。工藤の口からジャンパーソンを「怪物」と言わせるなど、巧く繋げてBパートで盛り返してきてまとめましたが、扇澤延男のハードルを考えると、もう一工夫欲しかった所です。
刑事コンビが新顔なのがどういう都合なのかはわかりませんが、この台詞をあてる為にセミレギュラーを使えなかったとするなら、誉められた構成ではありません(脚本でそこまで左右できるとも思えませんが)。刑事コンビ二重体制だったらそれはそれで面白……くもないかなぁ、どちらもコメディ要員ですし(^^; 絞ってくれた方が素直にキャラクターを深められそうですが、果たして次回、小森警部の出番はあるのか。
そして――SSN本部では、作戦失敗して這いつくばるドクター椎名を、綾小路麗子が見下ろしていた。
SSNの首領・綾小路麗子は、今回から変な衣装と化粧に。……4話の顔見せ時、衣装が間に合わなかったのでしょうか……(^^;
麗子に忠誠を誓い、自らの体に爆弾を埋め込んだ上でその起爆装置を麗子に預けているという狂信的な椎名の忠誠心を「誇り」と呼びながら、ぽちっとな、と床の落とし穴を作動させる麗子様(笑)
「忠誠心があっても無能な者は嫌いなのあたし。暗い地の底で勉強し直すことね」
失敗を咎めて自爆装置を作動させてしまうと、それはそれで椎名が満足してしまうのでそうはさせない、と麗子様のキャラクターがうまく出ました。割と派手に落ちましたが、台詞からは殺したとも殺していないとも取れるようになっており、ドクター椎名は修行して再登場の目もあり? まあ、今後の展開次第で出しても出さなくてもどちらでも出来るように、という事でしょうが。
独り荒野に佇むジャンパーソンは、ヘッドギアを空中に放り投げ、射撃で破壊。
ここでかかる音楽も西部劇風ですが、ジャンパーソンのデザイン/キャラモチーフには、西部劇な保安官イメージは入っているぽいので、そーいう初期プロットによる発注でしょうか。出来上がりにはどうも、ウェスタン風味は無いのですが(笑)
まあもともと、時代劇的な超法規的人斬り主人公は西部劇の流れを汲んでいたりもするので、西部劇→時代劇→特撮ヒーロー、と考えると、正統進化の果てに居るのかもしれないジャスティス。
工藤の死を看取ってからこのラストまでの流れは、ジャンパーソンは基本無言、という芝居が巧く活用され、いいシーンになりました。今回は、かえすがえすもAパートが巧く転がっていなかった(刑事コンビの言動が幾ら何でも酷すぎた)のが、惜しい。
あと今作のベースに『バットマン』があるとすると、アイスマン工藤のモチーフはミスター・フリーズなのでしょうか。その辺り、全然詳しくはないのですが(^^;
次回、留まる事を知らないラスボスの猛威! ジャンパーソン、更に本気!にシーユーアゲイン!