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『特捜ロボジャンパーソン』感想8

先週分。
◆第10話「福の神にご用心」◆ (監督:簑輪雅夫 脚本:扇澤延男)
見所は、
「簡単に言えば頭の中の映像を映し出す装置」
簡単に言うなっっっ(笑)
「ほいほいほい、貧しくも不幸せな者どもよ待たせたのぅ! 福の神が、幸せを届けに参ったぞよ!」
銀行に突如現れた、大黒天の扮装の男が打ち出の小槌を振ると銀行に居た人々は何故かみな笑顔になり、大黒天の男は堂々と札束を奪っていく。そして居合わせた人々は延々と笑い続け、外界に一切の反応を示さなくなって医療センターに運び込まれるのだが、それは打ち出の小槌の発した特殊な超音波により、幸せな夢を見続けている為であった。このまま笑い続ければやがて肉体は衰弱して死に至ってしまう……この症状を治すには、問題の小槌を入手して、その超音波を解析する他ない。
貧困家庭で蔑ろにされる少年、工場が火の車の中年、そこに現れた奇矯な自称福の神、病院のベッドで笑い続ける人々……と、演出はコミカルなものの、ブラックでマッドな展開。
つまりまあ、やりすぎてよろしくない時の扇澤脚本なのですが、扇澤さんは日曜朝にこんないたたまれないボールを投げつけてきて、いったい何がしたいのか(笑) このセンスが数多くの名作回も生んではいるわけですが。
今度は宝石店に強盗に入った大黒天、新たな刑事コンビが立ちはだかるが危機に陥るも、駆けつけたジャンパーソンがワイヤーパンチで小槌を奪い取る。しかし、釣られる。木の上に現れて小槌を奪い取ったのは、今度は恵比寿様。鯛爆弾で目くらましをして逃走した大黒天と恵比寿は兄弟、そして、スーパーサイエンスネットワークに所属する、麗子様の忠実な下僕であった。
麗子様、最終的には文句を言うけど、結局、忠実な部下には変態しか居ないのか。
ジャンパーソンに執着する麗子様の夢をかなえるべく、福の神兄弟は警察の誘いにわざと乗って逆にジャンパーソンをおびき寄せると、巨大小槌による超音波でジャンパーソンを夢の世界に溺れさせ、行動不能に陥れる!
撮ったけど面白くならなくてカットされたのかもしれませんが、ジャンパーソンが超音波を浴びるシーンがなく、誘い込まれた工場で巨大小槌を発見→刑事サイドに視点移動→工場を覗くとジャンパーソンが磔になっている、というのは、どうにも唐突かつわかりにくかったところ。
おまけに、ジャンパーソンが夢を見ている、というシチュエーションをいきなり振られても、あっさりと納得はできません(^^;
ここは多少つまらなくても、超音波を浴びたジャンパーソンが夢を見る、という流れは入れておいた方が良かった。
というわけで、超高性能ロボットだから夢も見るんだよ! と、その高性能さを逆手に取られ(←ここが面白いポイントの筈なので、このくだりは劇中で強調されるべきでありました)、夢に囚われたジャンパーソンは、福の神兄弟による電動ノコギリ解体ショーを、麗子様に生中継されてしまう。
その見る夢は、
花畑で子供達から、戦い終わって平和になって、ありがとうジャンパーソンの歌を唄われる
という、何者かに編集されたような内容であった。
…………いやいやいやいや、JPさんの幸せな夢は、世界中の悪党を「フォー・ジャスティス!」しまくって正義に酔いしれる俺がジャスティスの戦いの日々に決まってるじゃあないですか。日曜朝だからって、ここに来て全力で誤魔化そうと思っても、もう手遅れだと思います(真顔)。
身動きできないジャンパーソンはこのままマグロのように解体されてしまうのか……? 遂に外れる右腕、何故か飛び出すジャスティック…………って、窓から覗いている刑事コンビと治療に協力している岡野医師がやたら絶望的な反応を示すのですが、外部刺激に反応してワイヤーパンチが誤作動しただけで、いまだ、解体の「か」の字にも達していないような(^^; 
そもそも、電ノコでジャンパーソンを解体は、先日の釘で冷凍倉庫の壁を破壊、より更に絶望的な気がする。
「ジャンパーソンは今、幸せなの。その幸せを、その夢を自分から捨てる人なんているわけない」
幸せな夢を永遠に見続けられるなら、現実に戻りたいと思う者が居るだろうか。
だが……!
「夢だ……これは夢だ。戦いは終わってない。まだ本当の平和では。俺は、俺は行かなくては。走れ、夢に留まるな!」
世界にはまだ、ジャスティスが足りない!

君が来る 稲妻の中を
君が見すえる 正義の視線で

「ジャンパーソン・フォー・ジャスティス!」
前振りなくいきなりクライマックスで夢の呪縛を打ち破ったジャンパーソンは、鯛爆弾をワイヤーパンチで空中キャッチして投げ返し、福の神兄弟を確保、と今回はワイヤーパンチ大活躍回。打ち出の小槌も無事に回収・解析され、岡野医師によって人々も元に戻るのであった。
「夢はしょせん夢だ」
と言い切るJPさんが男らしいのですが、しかし根本的に、ロボット向きのネタでなかったよなーと。そこを敢えてやる事でジャンパーソンの内面に触れ、ジャンパーソンの持つ“人間らしさ”をクローズアップするのが主眼だったのでしょうが、ここまで9話分の積み重ねが今ひとつ足りない、行動不能になっているのが唐突、などに始まり、これまであまりにもジャンパーソンがラスボスすぎた為に、この程度の精神攻撃など通用せんわっ! 出直してこい!みたいになってしまって、夢を振り切る強さ/格好良さが表現されたとは言いがたく、どうにも噛み合わない感じになってしまいました。
ジャンパーソンが夢を振り切った所で主題歌が入って〜という流れは定番ながら格好良かったのですが。
「束の間の白日夢だったわね……」
福の神兄弟をさっくり見捨てた麗子様は、相変わらずいい所に飾ったジャンパーソンの写真を見つめるのであった……。
そして、両親が事故死し、引き取られた叔母のもとでこき使われる少年もまた、両親との楽しかった日々の夢から解き放たれ、現実へと戻るしかないのであった。
「生きてくしかないんだよ、辛くても、現実の中でさ」
岡野医師の励ましの言葉、ジャンパーソンの「夢はしょせん夢」という言葉を聞き、少年は現実を見つめ、前向きに走っていくのであった……と、一切ファンタジーな救いを少年にもたらさない、恐ろしいエピソード。
最後に、夢の中から起こしてほしくなかったと叫ぶ男が居たり実に扇澤脚本らしいのですが、良いか悪いかでいえば、悪い意味でやりすぎ。というかシナリオの主体が実質ジャンパーソンにあった事を考えると、ここまで暗い仕込みがどうして必要だったのかという(^^;
また作品全体として一体どういう大人の事情があったのかは知りませんが、新たに出てきた刑事が、またコンビ・ひたすら(むしろ輪を掛けて)間抜けなコメディリリーフ、と顔だけ変わって役回りはどれも一緒というのは落ち着かない所。せめて新顔が出てきたら、新顔なりの特徴があればいいのですが。そこまでやる気もなさそうで、いったいどうしてこんな事になっているのか(^^;