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『特捜ロボジャンパーソン』感想18

◆第21話「挑戦!最強ロボ」◆ (監督:簑輪雅夫 脚本:宮下隼一)
警備兵に追われながら、どこかの施設から脱走しているとおぼしき一体のロボット。首尾良くバリアを破壊したロボットだったが、その前にバイク・GGスレイヤーに乗った銀色のロボットが姿を見せ、その手に握ったガンボルバーとブローソン、二丁の拳銃が火を噴く。
「早すぎて見えなかったか。もう一度見せてやる」
ガンボルバーから誘導弾を操るそのロボットの名は――ガンギブソン
銃撃を受けて装甲の剥がれたロボットに、更に女性型ロボット・キャロルの斬撃が炸裂し、両断された外装の下に現れたのは……なんと、ジャンパーソン!
……物語は三日前に遡る。
かねてからロボット刑務所に不審を抱いていたジャンパーソンは、刑務所のメインコンピュータにハッキングを繰り返していたが侵入する事ができず、内部へ直接潜り込む事を決断していた。
今ついに明かされる、ロボット刑務所の秘密。
ジャンパーソンによるとロボット刑務所は、
〔犯罪を犯して逮捕されたロボットの戦闘モードを消去し、安全な作業用ロボットに更正させて社会へ送り返す施設〕
との事。
そもそも戦闘モードを入れるなという気もしますが、つまりは“犯罪を犯した”というよりも、“犯罪用に造られた”ロボットを逮捕後に社会復帰させる施設のようで、物凄くロボットに優しい社会が実現しているようです。
貴方の家の近くの酒屋で働いているあの黒アーマーのお兄さんは、今はすっかり更正しているけど、昔はちょっとやんちゃした暗殺ロボットだったかもしれない……。
色々鑑みるとこの世界のロボットは、誰かの所有物というよりも、ロボット市民権とでもいうべきものを持っているようで、それでいながらプログラムに支配されているという、またも期せずしてやたらにえぐい世界が生まれてしまっています(^^;
出所したのはいいものの、新しい職場に慣れずにはみ出し、かといってかつての力は失い、底辺まで落ちた結果、闇業者に解体されたり、いっそ単純労働しかできないロボットに改造してもらえれば……なんて末路が待っていたりするわけですよ。道理でエンジェルも、研究所の爆発後、ふらふら道を彷徨っているわけです。
そんなロボット刑務所が、<ネオギルド>の密かな行動機関になっている可能性が強い、と考えたジャンパーソンは、かおると共にかつてのかおるの先輩であり、今はロボット刑務所の主任研究員を務める鳴海に接触する。
「君の死を擬装しなければならないほど、今この国は悪の脅威にさらされている。それもジャンパーソンから聞いた」
まあ今、鳴海さんの前に居るのは、地下に潜ってフリーダムにデストロイする“正義”のテロリスト達ですけどね!
「その前に、当然私の事も調べたんだろうね」
と、尋ねる鳴海に向けて
「勿論、調べさせていただきました」
と満面の笑みで返すかおるはやはり、ネジが何本か飛んでいる、というか、最初からはまっていなかった、というか。
鳴海の協力を取り付けたジャンパーソンは、外部装甲を取り付ける形で、変な色のロボットに擬装。 丁度いいのでストレス解消に車を破壊して 器物破損事件を起こして逮捕され、囚人としてロボット刑務所へ入所する事となる。
「よく聞けブリキども、このロボット刑務所から脱獄しようと考えるだけ無駄だ」
ムチを振り振り登場する看守長(刑務所長?)・氷室、明らかに何かの映画から悪い影響を受けています。
ロボット刑務所はそこら中に重火器持ちの警備員が歩哨していたり、空から地下まで全周が強力な電磁バリアで覆われていたり、なんか、革新政権が勢いで間違って作ってしまった施設の匂いが全体から漂っています。
ウインスペクター』からこのかた、ひたすら加速していく、あなたの隣のディストピア感。
入所したロボット達は、まずは戦闘モードを消去され、安全回路をインプットされた後でそれぞれの能力に見合った職業訓練を行い、娑婆へ戻る事になる。鳴海博士の協力により、擬装JPは、戦闘モードを消去する事なく、所内の潜入に成功。
……ああ今!
世界を平和に近づける大きなチャンスだったのに!
所内では多くのロボットが雑役に励む中、仕事もせずに他のロボットに喧嘩を売って面倒を起こす問題ロボットが居た。その名を……ガンギブソン
「俺たちの存在価値は、戦闘モードがあるかないか、って事じゃない。戦う意志があるかないか、って事だ。俺が気にいらねえヤツはかかってきな。相手になるぜ! この弱虫野郎!」
ガンギブソンがいちいちキャロルを抱えながら現れるのはなかなか素敵。
看守に捕まって独房行きになるガンギブソン……だがその正体は、海外での任務を終えて帰ってきた、<ネオギルド>最新最強のアサシンロボットであった! ガンギブソンは氷室と繋がっており、その任務は、ロボット刑務所を探っている何者かを排除する事。ジャンパーソンの推測通り、ロボット刑務所は<ネオギルド>の野望に利用されていたのである。
この任務が面白くないバトルジャンキー系のガンギブソンだったが、鳴海の怪しげな動きに気付いて潜入しているのが擬装JPだと知ると、俄然ハッスル。自ら刑務所で行われている<ネオギルド>の陰謀の詳細をジャンパーソンに知らせると、電磁バリアに破壊装置をセットし、刑務所の裏の屋外での勝負を要求する。
頼むからジョージ、部下のロボットに忠誠回路ぐらい付けておいて下さい。
なお<ネオギルド>がロボット刑務所で密かに行っていたのは、通称、ネオギルド回路を出所前のロボットにインプットし、出所後も<ネオギルド>の完全コントロール化に置く、というもの。作戦としては極めて有効なのですが、もう少しバリエーション欲しいぞ<ネオギルド>(^^;
警備兵が駆けつけ、脱走せざるを得なくなった擬装JPは電磁バリアを破壊し……という所で冒頭へ繋がり、擬装を完全に破壊されたジャンパーソンとガンギブソンが向き合った所に、鳴海を捕らえた氷室が登場。
「正義のヒーローの最期にふさわしい処刑方法が決まるまで、ジャンパーソン、貴様は独房行きだ」
ジャンパーソンは氷室のスタンスティックの一撃を受けて捕縛されるが、ジャンパーソンと戦いたくて戦いたくて仕方がないガンギブソンはこの処置に不満を抱いてジョージ真壁に直談判。しかしジョージも「決闘させてくれ」というガンギブソンの嘆願をはねつけ、ジャンパーソンは自らの手でじっくりねっとり解体してやると宣言。
これを聞いたガンギブソンは、キャロルと共に組織を裏切る事を決意。
というか、俺はジャンパーソンと戦いたいだけでそういう難しい事はわからないぜひゃっはー、なタイプだとは思いますが、自分の信念しか持っていないって、実にタチが悪い。
だからジョージ、部下のロボットにちゅ(以下略)。
ガンギブソンとキャロルはコンピュータールームに侵入すると刑務所内のロボット達の安全装置を一斉解除、更に戦斗モードを再インプット。
「イッツ、ショータイム!」
これにより凶暴化した囚人ロボット達が自由に暴れ出し、ロボット刑務所は大暴動に包まれる。
……素晴らしくあっさり解除される安全装置。
どこまで駄目なのかこの施設。
「ガンギブソン……」
ジョージ真壁が怒りに震える中、ガンギブソンはキャロルとともに、暴動に揺れる所内を走る。果たしてその目的は? 囚われのジャンパーソンの運命や如何に?!
そして、部下の管理の全く出来ない、ジョージ真壁の明日はどっちだ?!
ガンギブソンはヤンキーのガンマン、というモチーフなのかと思うのですが、声といい喋り方といい私の中の“悪役超人”のイメージとぴったり合致するのですが、何故だろう……?(^^; 『キン肉マン』、世代ではあるけどそれほど記憶にはないのでまるっきりイメージだけなのですけど、台詞回しがどこかゆでたまごっぽいというか(笑)


◆第22話「激突JP(ジャンパーソン)対GG(ガンギブソン」◆ (監督:簑輪雅夫 脚本:宮下隼一)
「ジャンパーソン、一対一の勝負だ」
広がる暴動の中、ガンギブソンはジャンパーソンを独房から解放し、ギャラリーに囲まれながら始まる、素手ごろバトル。
周囲で囃し立てるギャラリー(囚人達)、というこの無法な雰囲気は素敵。
「なんという……なんというざまだ」
ロボット刑務所を利用した秘密計画が破綻しつつある事に、ジョージは怒り心頭。
「まさか……まさかガンギブソンのヤツがこんな事までしでかすとは!」
「おのれガンギブソン! こうなれば、ジャンパーソンもろとも償いをさせてやる! たっぷりとな!」
とりあえずジョージは、辞書で「適材適所」って引く所から始めような。
格闘戦でもラスボスと互角に渡り合うガンギブソンの攻撃に、地面に背を付くジャンパーソン。その時、唸りを上げるワイヤーパンチ(笑)
改めて言っておく――俺がルールだ!
直撃を受け、吹っ飛んだガンギブソンは、銃を抜き、戦いは一気に泥沼に。
……ええこの人達は、勝利こそ全てでした。勝った方が歴史を作るのです。
ガンギブソンの放った追尾弾(ホーミングブリット)から逃げ回るJPさんは、お約束の必殺相撃ち。二人はそれぞれの銃を手に改めて向き合う。
……マグナム銃に対して、バルカン砲を向けるJPさん、どこまでもクール。
二人の戦いが佳境に入る頃、所内では氷室がコンピューターを操作し、戦闘回路のターゲットに、ジャンパーソン、ガンギブソン、キャロルの3人を指定していた。ギャラリーだった囚人達にキャロルが攻撃を受け、成り行きで共闘する事になる3人。更にそこへ、暗殺ロボットを従えてやってきた氷室が、変な煙を出して銀色の姿へ変身する。氷室の正体もまた、<ネオギルド>のロボットだったのだ。
氷室の口からミサイル、暗殺ロボットのバズーカ砲撃に工場が崩れ落ち、鉄骨の下敷きになるキャロル。それを助けようとしたガンギブソンも倒れてきた鉄骨で身動きが取れなくなり、そんな二人を身を挺してかばうジャンパーソン。
氷室達の攻撃を受けてイラッとしたので、周囲が崩れそうとか気にせず、ニーキックミサイルで反撃してみる。
暗殺ロボットは消し飛び、残った氷室は久々のサーチからジャンデジック、で撃破。
浮かび上がった数字は763……って、南無三?
「なぜだジャンパーソン、なぜ俺たちを助けた」
「俺は暗殺ロボじゃない。ただそれだけだ」
あくまでも自分の破壊活動は正義の為だと主張するジャンパーソン容疑者。
「……ベイべー、一つ借りたぜ、ジャンパーソン」
氷室は倒れたが、暴動は続く。自分を切り捨てたジョージ真壁にけじめをつけようと考えるガンギブソンは、ロボット達の暴走と、電磁バリアの解除の為に改めて所内中枢に乗り込もうとするが、心配したキャロルに止められる。
「待ってガンギブソン、危険よ」
「キャロル、俺たちは根っからの暗殺ロボットなんだ。危険は商売道具の一つさ。どこかのヒーローさんと違ってな」
対比しているようで、この、微妙に対比しきれていない、という構図(^^;
ガンギブソンの「ヒーローさん」という呼称は面白いのですが、何か作品として、「ジャンパーソンは正義のヒーローなんですよあくまでも!」というのを、内部から強調しようという動きにも見えます(笑)
結局ジャンパーソンが鳴海博士の救出も兼ねてバリア解除の為にコンピュータールームへと向かう事になり、ガンギブソンとキャロルは警官隊との衝突を避ける為、一足先にバリアの境界線へトンズラする事に。
「ジャンパーソン……死ぬなよ。借りはまだ返してないんだからな、ヒーローさんよ」
キャロルを凄い所(バイクのハンドルの所)に乗せてバイクを走らせるガンギブソンだが、その前に立ちはだかる、<ネオギルド>の暗殺ロボット軍団。それらを蹴散らしたガンギブソンは、電磁バリアの解除と共にロボット刑務所の自爆装置が作動する事を知ると引き返し、鳴海博士を救出したジャンパーソンを止める。
そう、自爆装置は、ごく日常的なセキュリティ!
「やあ、お隣の山田さん。自爆装置、してますか?」
「実は最近、最新型のを買いましてねぇ」
なんて会話は、お天気の話題ほどに巷に満ち溢れているのです。
「借りは返したぜ、ジャンパーソン」
「おのれぇぇぇ、こうなればこちらから爆破してやる! 地獄へ送ってやる!」
モニターしていた真壁さん、大激怒でぽちっとな。
自爆装置が発動し、爆発した壁の直撃を受け、倒れるキャロル。不幸にもそれが人工知能AIを傷つけ、修復不能の致命傷を負ってしまう。
この前後編におけるキャロルの生存確率は3%ほどだとは思っていましたが、ここまで引っ張った上で、“立っていた場所が悪かった”&“打ち所が悪かった”の、不幸の二段重ねというのはどうなのか(^^;
炎上する所内で、倒れたキャロルを抱き留めるガンギブソンだったが、呼びかけも虚しく、その腕の中でキャロルは機能を停止していく。
「ガンギブソン、貴方との記憶も消えてしまうわ。嫌よ、嫌よ……!」
「そんな事、そんな事あるもんか! 自分で言ったろキャロル、おまえは俺のパートナー。いつまでもどこまでも一緒だ、一緒なんだ!」
背後で空気を読まない愁嘆場が演じられる中、一生懸命、柱を支えているJPさん。多分そろそろ、イラッとしている。
「私は貴方の……パートナー……ぱー、と……なー……」
「キャロル? キャロル! キャロルぅ!」
遂にキャロルは機能を停止し、ガンギブソンは、自分のものをベースにされたその人工知能AIを形見として握りしめる……キャロルはガンギブソンにとってはコピーとも言える存在であり、文字通りの一心同体、共に生き続けてきたパートナーだったのだ。
なんかもう、前後編だから、というど派手な勢いで吹っ飛んでいくロボット刑務所。
JPさん、いきなりの新兵器・ブレイクナックルで壁を強行突破。
MX−A1時代に、例のロボット虎の穴で、開始早々に犯人(役)ロボットを血祭りにあげたロケットパンチなのですが、ニーキックミサイルに引き続き、MX−A1時代の負の遺産が一切オミットされていない事に、三枝かおるの狂気の深淵がまた一つ覗けます。
最後はバリアが壊れた事で外部からダークジェイカーがやってきて、ジャンパーソン、ガンギブソン、鳴海博士は無事に脱出。
それにしても、バリアが破壊されないと外部から警官隊も突入できないとか、1から10までおかしな作りの怪しすぎる施設で、<ネオギルド>の陰謀が絡んだ事でロボット刑務所が灰燼と化したのは、結果として日本の為に良かった気がしてなりません。
「ジャンパーソン、ガンギブソン、ジャンパーソン、ガンギブソぉン、貴様らの首はいずれ必ず、必ずぅぅぅ!!」
ジョージはすっかり、情緒不安定キャラに。
前話には、メカ的なノイズっぽいものが走るような描写もされており、そのうち、オーバーヒートとかしそうです。
「あいつは……ジョージ真壁は、この俺が地獄へ送る」
キャロルの剣で墓標をつくると、ガンギブソンはGGスレイヤーにまたがり、復讐の為に去って行く。
大規模計画は無残に失敗に終わり、最新最強の暗殺ロボットは自分の命を狙う刺客へと変わり、ジョージ真壁の明日は、本当にどっちだ?!
わかりやすくトップガンダーな感じのガンギブソンですが、まだ作品世界にピタっと来ていないという印象。次回もガンギブソン編のようなので、馴染んでくる事に期待。