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『特捜ロボジャンパーソン』感想28

◆第33話「宇宙一の熱愛男」◆ (監督:蓑輪雅夫 脚本:曽田博久)
最初に書いておくと……凄かった。
『ジャンパーソン』の曽田脚本は、色々な意味でキレッキレ(笑)
トロール中、計器に異常を示したグランドジェイカー、UFOに出会う。
冒頭からオカシすぎる。
特撮の合成も微妙におかしい。

「ダベ星人コマンドに告げる、ダベ。今、長き旅は終わった。太陽系第三惑星地球に到着したのダベ。我らが戦場に。いよいよ戦いが始まるの、ダベ。悪魔の星・地球。全宇宙の敵、人類を抹殺する、ダベ。目覚めよぉ! ダベ星の勇者たちよぉ!」
「「「「ダベダベ!!」」」」」
「行け、聖なる戦いへ」
「「「「ダべ!」」」」

UFOから降り立った、全身タイツ(リーダーは赤、その他4人は銀)にホッケーマスクのような仮面をつけた怪人達は、暗黒星雲ダベ星からやってきたダベ星人を名乗り、地球を植民地にすると宣言。次々と謎の超能力を振るい、街は大パニックに陥る。
危うし地球。
このまま緑の星・地球は、暗黒星雲ダベ星人によって侵略されてしまうのか?!
だが、僕らの地球にはラスボスがいる!
街を破壊するダベ星人に向けて放たれる、風を切るJPカード!
「ワーニングカード……? なんダベぇ……」
幽霊回の時にJPさんの台詞で「モーニング」ないし「ホーミングカード」と聞こえたのですが、どうも、書いてある文字から「WARNINGカード」だった模様。
「抵抗すれば、鎮圧する事を警告しているんだ!」
つまり最初に言っておくと……話し合うとかそういう気は、全く無い!
だが不敵にラスボスと向かい合ったダベ星人赤は、まさかの空中浮揚から、念動攻撃。思わぬ強力なサイコキネシスに、先手を取られてペースを崩されたジャンパーソンは、地面を転げ回り、反撃もままならぬまま大苦戦に陥る。
本気で滅殺しても構わないか確認する為、サーチすると、浮かび上がった文字は「サーチ不能」。彼等は本物の宇宙人なのか?! というか、サーチして「ダベ星人」と出たら、人間じゃないからノープロブレムあっさり爆殺したのかっ?!
ジャンパーソンを翻弄した宇宙人達はテレポーテーションで姿を消すと、その向かった先はスーパーサイエンスネットワークの綾小路麗子の部屋。
「麗子様、私……ダベ」
リーダー格が仮面を外すと、その正体は髭面の中年男性。
「洞田博士……?! ということは、おまえ大法螺吹きだと思っていたけど、あの宇宙人襲撃作戦を完成させていたのですね」
ダベ星人赤の正体は、地球人・洞田博士。そしてその率いる4人のダベ星人は、いずれも超能力を持つ地球人であった。
さすがに、宇宙人襲来は回避。……しかしなんか、もっと凄い事に。
洞田博士は自分と比べれば赤子ほどのパワーしか持たない超能力者達を超能力増幅スーツで強化し、侵略者・ダベ星人としてテレパシーで洗脳。SSNの地球征服の尖兵として仕立て上げたのである。
博士は素なのか!
宇宙人の襲来を装って社会をパニックに陥れ、強力な超能力で速やかに征服する……これぞ、SSNの誇るスーパー超能力者にしてスーパー天才、洞田博士による宇宙人襲撃作戦!
「洞田博士、この戦いを、スーパーサイエンスネットワークの最終戦争にするのです」
それでいいんですか麗子様ぁぁぁぁぁ!!
相変わらず変態揃いの麗子様の忠実な家臣達ですが、明らかにキチガイ度が高いほど有能という、この残酷で科学的な真実!
洞田博士はJPサーチを無効化した上に本当に超能力を増幅するスーツを作りあげたのみならず、本人もラスボスとタイマン可能という優秀さで、間違っているのは作戦だけだ!
再び街に現れたダベ星人達の超能力を分析するべく、重装備で街に出てくるかおる。
未だかつてないほど、ノリノリ。
ところで素顔丸出しですが、もうこの人、自分の死を擬装した事実を忘れ去っているのでしょーか(^^;
かおるは集団から離れ、道路標識を愛でながらねじ曲げているダベ星人を発見しデータを収集するが、ダベ星人が振り返った拍子に目と目が合ってしまう。
「……かおるさん?!」
「なんであたしの名を?!」
「結婚してください!」
「はぁ?!」
ダベ星人に迫られ抱きつかれ、慌てて逃亡するかおる。
「レディに対して失礼じゃないか!」
割って入るガンモドキだったが、超能力であっさりと吹き飛ばされてしまう。そこに現れて、ダベ星人にすがりつく少女。
「やめて、兄さん!」
困惑するダベ星人は洞田博士にテレポーテーションで連れて行かれ、一行は少女・ユリから事情を聞くことになる。
ユリの兄の名は、倉田真一。かおるが警視庁に居た頃に研究員見習いとして一緒に仕事をした事がある旧知の人物で、実はスプーン曲げが出来る程度の超能力者だったが、半年前から行方不明になっていた。その倉田が、かおるに出会って正気を取り戻した理由、それは……
「兄さんは、かおるさんが、好きだったんです……」
「?!」
なんとなく、警視庁時代の出来事を思い返す、かおる。
倉田はドジで間抜けで警視庁を解雇された後、超能力でかおるを好きにさせてみせると、かおるの写真に向けて催眠術をかけようとするなど、暗い特訓を繰り返していた……。
「あんな兄さんだけど、助けてあげてください。誰かが、恐ろしい超能力者にしたんです」
一方、洞田博士のアジト。
「恋に目覚めてダベ星人である事を忘れてしまったのです」
かおると再会した衝撃で博士のテレパシー洗脳が薄れた倉田は、ロケットに入れたかおるの写真を見つめて機能停止していた。
「こんなヤツ、処刑してやるダベ」
「待て! 皆が死んでいると思った三枝かおるが生きている事がわかったのですよ」
ちゃんと繋がった(笑)
もはや、かおる本人も忘れているっぽいのに、麗子様が設定を拾ってくれた!(笑)
麗子様は倉田にかおるを誘惑させ、それによってジャンパーソンの秘密を暴き出そう、と思いつきで方針転換。
麗子様、なんとなくかおるを、多分モテないから押せば転がりそうカテゴリ、に投げ込んだっぽいんですが。
「君の恋の超能力をパワーアップさせてあげようじゃないか」
指示を受けた洞田は、倉田の超能力に更なる強化を加えるのであった……。
全てが、凄い勢いで、狂っていく……!
予告の宇宙人襲来が、「さすがにそんな事ありませんでした、てへっ」という時点で後は白けるかと思いきや、むしろ宇宙人襲来の方が頭オカシくなかったという、まさかすぎる展開。
特捜ロボジャンパーソン』×曽田博久の化学反応が、核分裂レベルで凄すぎる……!
「いくら研究に夢中だったとはいえ、人の心もわからなかった自分が恥ずかしいの!」
ユリの話を聞き、倉田を助けなければ、と息巻くかおる。
前回、師匠への情を見せたり、急にヒロイン押しされ始めましたが、かおるさんの明日はどっちだ!
まあ多分、2クール目で新方針をやりきって落ち着いた所で、さすがにこのままだとかおるが危険すぎる、という事になって、徐々に「かおるにも優しさとかあるんだよ!」と見せていこうという話になったのかとは思いますが。
その過程が何故か前回の外道精神攻撃になるのは、『ジャンパーソン』だから仕方がない……!
「そのうえ倉田くんの心まで傷つけてしまったんですもの!」
まあ倉田の恋心に気付いたら気付いたで、「無理」(即答)とかして、もっと傷つけたと思いますが。
「しかし、相手は超能力者なんだぞ!」
「同じ人間よ!」
心配するジャンパーソンの制止を振り切って倉田の説得に向かおうとするかおるの前に、花束を手にしたダベ星人が姿を見せる。それは恋の超能力を強化された倉田であり、「僕の胸に飛び込め」とかおるに強力なテレパシー波を放射する。
「恋するものに言葉は要らない。行動あるのみ」
話し合おう、というかおるを強引に操ろうとする倉田。抵抗していたかおるもふらふらとテレパシーに引きずられそうになるが、後ろのジャンパーソンが「かおる!」と叫ぶと正気に。
「……そんなものじゃ人の心は掴めなくてよ! 心を掴むのは心よ! あなたが真心で向かってくれば、あたしだって真心で応えるわ!」
なお真心とは、「無理」とか「ごめんなさい」とか「冗談は顔だけにしてちょうだい」とか、です。
かおるは倉田のテレパシーを振り払い、超能力増強の反作用か倉田の被っていた仮面が割れ、洞田は倉田を連れて撤退。テレポーター、恐ろしく便利。
「悔しい……ロボットなんかに負けるなんて! もっと超能力をパワーアップしてほしい」
かおるの言葉にも全く我が身を省みていない倉田、恋のライバルは完全にジャンパーソンに。
洞田は仮面の代わりにヘッドギアを装備させると、倉田の超能力の更なる強化を試みる。
恋を超えるもの……それは、愛!
「いくぞ……愛の超能力!」
「ダベ!」
放出されるエネルギー波に合わせて、節をつけて声援を送る洞田博士。
「耐えろ〜、かおるの為ダベ〜。愛・試練ダベ〜。かーならず、最後に愛は勝つぅ! ダベぇ〜」
全編、台詞が面白すぎます(笑)
強化された愛の超能力を得た倉田は、JP基地で仕事中のかおるにテレパシーで呼びかけ、抵抗できずにふらふらと出て行くかおる。それを見た周平はジャンパーソンに連絡するが、かおるはまんまと、倉田のもとへ呼び出されてしまう。
「いらっしゃい、僕の所へ!」
白いスーツの胸に赤いバラ、という格好の倉田はかおるを抱き止めようとするが、その身柄を横からさらっていく洞田博士。倉田が、強化されすぎた能力により色々な「かおる」に取り囲まれて身動きできないでいる内に、洞田はかおるを連れてテレポーテーション。かおるからジャンパーソンの秘密を暴き出そうとする洞田だったが――その時、風を切るJPカード!
「ジャンパーソン・フォー・ジャスティス!」
格好良く現れたジャンパーソンだったが、かおるを人質にした洞田は残り3人のダベ星人を呼び出し、またも念動力に翻弄される。そこへバイクの排気音を轟かせ、助っ人に現れたのはガンギブソン
「ガンギブソン・フォー・かおる! ってかぁ」
しかし、ラスボスすら手玉に取る超能力に、ガンギブソンがかなう筈はなかった(笑)
あっさり吹っ飛ばされるガンギブソン、そして、念動力で揃って宙づりになるJPとGG。
今回、こんな回なのに吊りも連発で、非常にアクションに力が入っています。
洞田は念動力で大爆発を引き起こし、落石の下敷きになるJPとGGだったが、ラスボスは特殊能力により、爆発→下敷きのコンボは、一切無効! 岩石を押しのけ、立ち上がる二人、流れ出す主題歌。
劣勢に追い込まれたかと思われた洞田……だがしかし、洞田はなんと天候すら操作し、雷鳴を轟かせる。
これぞまさしく、
魔王ジャンパーソン vs 勇者ほらだ!
降り注ぐ稲妻に一度は吹き飛ばされるが、再び立ち上がりその猛威の中を突っ走る、ジャンパーソンとガンギブソン


君が来る 稲妻の中を
君が見すえる 正義の視線で

こんな回なのに、OPに合わせた(笑)
光の勇者の操る凄まじい雷撃にまたも地面に叩きつけられる二人だったが、ここでラスボス、ジェイガリバーを召喚。
超能力には、火力だ!
雷撃が、召喚されたジェイガリバーに向かっている間に、突撃を再度敢行するJPとGG。
爆炎の中を、手前に置いたジェイガリバーと並行しながら、ジャンパーソンとガンギブソンが走り抜ける、という格好いい特撮。ジェイガリバーの縮尺が変とか二人の走る姿が微妙に格好良くないとかあるのですが、主題歌の格好良さで誤魔化しました。
今回、こんな超馬鹿回なのに、超見せ場たっぷり。
岩を払いのける所から一連のアクションシーンは、ここまでの今作で、屈指の格好良さだったと思います。
ジャンパーソンはガンギブソンとの連携攻撃によりダベ星人にジャスティック執行。かおるの救出に成功する。
「ジャンパーソン!」
勢いでジャンパーソンに抱きつくかおる。
最近、ガンモドキが密かにヒロインの座を狙っている疑惑があるので、積極的に打って出ました。
ここまで、ヒロイン不在の今作(敢えて言えば、一番ヒロインに近い座に居たのは麗子様か)でしたが、後半戦に入ってやにわに、ヒロインレースの火花が散り始め、面白くなってまいりました。アールジーコ辺りも油断できない雰囲気があるので、かおるの敵は主に身内。
「む〜〜〜、ユーフォォォ!」
洞田博士、掴みのネタだけかと思われていたUFOを召喚。
凄い、ホント凄いよ博士!
今作で、ここまでジャンパーソンとやり合ってくれる敵が出てくるとは、もはや感動の領域です。
「ダベ!」
キャプチャービームによりUFOに乗り込んだ洞田博士は、最後の切り札として、地上に壮絶な光線攻撃。
だが、相手がマシンの力を借りたとなれば、JPさん、本気。
ジャンデジックとジャンバルカンを取り出すと、UFO瞬殺。
光の勇者ほらだは、明けの明星となって砕け散ったのであった。
残りのダベ星人3人も仮面が落ちて正気に戻り、洞田博士の作戦は失敗。
この光景に怒りの麗子様は帽子を脱ぎ捨て、これにより、あの変な黒い飾りは帽子についていた事が判明しました。
「ジャンパーソン! しばらくさよならするわ。束の間の休息をあげる。だがこの次私が現れた時、おまえはスーパーサイエンスのスーパーサイエンスたる所以を思い知る事になるだろう。見せてあげる、本当のスーパーサイエンスを! ……ふっ」
台詞の間に、部屋に飾ったジャンパーソンの写真を見るのが素敵。
そして本日もカメラ目線。
麗子様、まさかの休養宣言。役者さんのスケジュールの都合かしらとちょっと穿ってしまう所ですが、捨て台詞は若干、小学生っぽい(笑)
「凄いから凄いんだ!」みたいな。
本当のスーパーサイエンス、期待してお待ちしたいと思います。
そして完全にテレパシーから解放された倉田は、妹と仲良く家路につくのであった。
「ジャンパーソン……ぼく、男にとって何が大切なのか、見せてもらいました」
「……え、いや」
そう、男は、火力!
かくて遂に勇者を討ち果たしたラスボス一行は、世界の支配にまた一歩、近づくのであった……。
あれだけ衝撃的に展開したビルゴルディ編の直後に、明らかにビルゴルディより強い人間が出てくるという物凄いエピソードでしたが、最後のバトルシーンでずっと背後にいた倉田が、JP達がピンチになった時に超能力で助ける、というちょっといい話で締めるのかと思いきや、最初から最後まで傍観しているだけというのもまた凄い(笑)
曽田さんの持っている80年代戦隊テイストが、ポスト『ウインスペクター』の90年代メタルヒーローブレンドされた結果、異常な輝きを放ち、「ウラメシ大作戦」に続いての、快作となりました。
ダイナマン』で見直した曽田博久に、『ジャンパーソン』でこんな感銘を受ける事になるとは思わなかった(笑)
この気の狂ったシナリオを、アクション巨編に仕立て上げてしまった蓑輪監督も、お見事。
次回、予告でえらく最後まで見せている感じがする上に怪しげなサブタイトルですが、いったい……?!