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『バトルシップ』感想(ややネタバレ)


短気で粗暴で無鉄砲で定職もない駄目人間の主人公アレックス・ホッパーは、美女に目がくらんで引き起こした事件をきっかけに、兄によって半ば強制的に海軍に入隊させられる事になる。それから6年……海軍士官として頭角を現し大尉にまで昇進していたアレックスであったが、短気かつ肝心な所でいい加減な性格は相変わらずの問題児で、13カ国が参加して行われる大規模演習を前に自衛隊のナガタ一佐と殴り合いのトラブルを引き起こす始末。演習終了後に海軍からの免職を通達されるが、その演習のさなか、宇宙から巨大な五つの物体が飛来、その内の4つが太平洋上、ハワイ沖に着水するのだった――。
ハワイ沖に飛来した、宇宙から来た巨大戦艦、それに立ち向かうは、演習中の日米海軍! トム・クルーズ系の顔したヤンキー主人公が自衛隊と協力してネイビー魂を見せて立ち向かう!
……という事で、怪獣映画を期待して見たら、割とノーマルな侵略SFアクションでした。
一言でまとめると、
色々盛り込みすぎ。
全体はハリウッドエンタメのセオリーの中に収まっているのですが、あれもこれもと詰め込みすぎて、忙しく、しかし同時に、ダラダラとした作りになってしまいました。
まず、物語が動き出すまでが長すぎ。
駄目人間の弟の面倒を見ずにはいられない厳格だが思いやりのある兄の姿を印象づけたかったのかとは思いますが、映画として、前振りが長すぎ。合同演習前の親善サッカーのシーンを変に盛り上げようとしたり、劇中の脈絡の見せ方と緩急の付け方が全体的に下手で、要らないシーンも多く、金かけた、というより、金かけすぎた、みたいな。
海戦シーンは(見慣れない、という点も含めて)結構格好良く、ストレートに宇宙怪獣VS日米海軍! にしておけばそれなりに面白かったと思うのですが、ヒロインサイドの話など、とにかく余計な手を広げすぎて、物語としてのバランスが非常に悪くなりました。ハッキリ言うと、ヒロインサイドのあれやこれやは、ほぼカットで問題ない。
あと艦内の白兵戦も無駄な尺稼ぎというレベルで、全体としてこれだけ色々入れておけばどれか受けるだろう、という作り。
潤沢な金と時間を、どう使えばいいのか途中でわからなくなったのでは、というようなまとまりの無さで、劇作としての完成度の低さが目立ちます。
そんな、あれもこれも無くていいのに、という作りながら、クライマックスは一応の伏線も機能して、かなり熱い展開になっており、それだけにそこまでの経過が非常に惜しい。もっと道中をシンプルに絞った上でクライマックスに焦点を絞ってくれれば、バカ映画としてそれなりの完成度に達したと思われるのですが。
…………や、本格SF超大作っぽいので、そう言われても嬉しくないかもしれませんが(笑)
でも最後は完全に、バカの世界だしなぁ。
総評としては、最後はそこそこ盛り上がるけど、お薦めはしない出来。
それにしても、米軍の通常兵器、強すぎ。
毎度の事ながらアメリカ軍にはもう少し、宇宙人や怪獣に対して敬意を持って接していただきたい。