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『特捜戦隊デカレンジャー』感想3

◆Episode.04「サイバー・ダイブ」◆ (監督:辻野正人 脚本:荒川稔久
「俺は……プロ失格だ」
捜査ミスによる不手際に、どよーんと落ち込むホージー
一方、“僕の世界”へと逃げ込んだケバキーアは、コウモリ系異星人、エージェント・アブレラに連絡を取っていた。2話の最後にちらっと謎の宇宙人が顔見せされていましたが、ここで声つきで登場。
ケバキーアは肉体をデジタル化してコンピューターネットワーク内部で生活しており、一度外へ出ると体組織が崩壊を始める為、その修復の為にはネットワーク内部で20時間は潜伏しなくてはならない。そして前回ラストでケバキーアが使った謎の機械は、スワンの解析により、物質をデジタルデータに変換する機械だと判明する。
「あっとおどろく、ためごろうね」
ジャスミンは声質を買われて、ぼそっと妙な反応示す担当っぽい。普通に言っても面白くないのだけど、ジャスミンの声質だから面白い、という。
ケバキーアの潜伏するコンピュータを探しに動きだすデカレンジャー。ホージーには、ネットワーク内部におけるケバキーアの居場所を探し出す役割が与えられるが……
「自信がありません」
「ばっかじゃねえの! あんなミスぐらいで、しっかりしろよ、相棒!」
バンの叱咤も効果無く、ホージーはすっかり抜け殻。
「待てバン、今はホージーを信じよう」
ボスはなおも突っかかろうとするバンを止め、4人を捜査へと向かわせる。前回の戦闘現場へ戻った4人は、ジャスミンの超能力で、犯人の残留思念を調査……って、エスパー何でもあり。ジャスミンのサイコメトリにより手に入れた幾つかの断片的イメージから浮かび上がった犯人の潜伏場所は――プラネタリウム
超能力使った後によろけるのと、それをウメコが支えるのがポイント高い。
一方、抜け殻ホージーは一応仕事していたが、単純な入力ミスでまた落ち込むというデフレスパイラルのまっただ中であった。そこへやってくるスワンさん。
「弘法も筆の誤り、河童の川流れ〜、猿も木から……落ちる、上手の手から水」
嫌がらせっスか、スワンさん!
「それだけよくあるってことよ。頑張って」
しかしホージーの反応は今ひとつ。
たぶん、年上属性が、ない。
「どうだ?」
「んー、けっこう重症かも」
部屋を出た所で、ボスとの会話。こういうポイントポイントで、若い隊員達を見守る大人の会話、が挟める今作の構造はやはり秀逸。
二手に分かれたデカレンジャーは、ジャスミンの掴んだイメージを頼りに、ケバキーアの潜伏しているプラネタリウムを捜索中。それらしい所を発見し、やおら、逆立ちを始めるセンちゃん。
ナレーション「これは、センのシンキングポーズである。こうすると、何かが閃くのだ」
実に淡々と説明される、センの変な性癖(笑)
センとウメコはケバキーアのアジトの確証を得るとともに、そこへ近づく怪しげな人影に気付き、バンとジャスミンに連絡。急行する二人だったが、ホージーが未だにネットワーク上の潜伏地点を発見できないでいる事を知ると、バンは車を飛び降り、猛然とデカベースへと走る。
「何いつまでもうじうじしてやがんだ!」
嗅覚とかダッシュ力とか、バンはこう、色々犬っぽくて、そこなのかボス!
「何やってんだよ相棒!」
「すまん」
その反応にドロップキック。
「俺がやる。悩んでるおまえよりは、馬鹿でもやる気満々の俺の方が100倍マシだ!」
つたないながらも、必死にコンピューターを操作するバンの姿に、自分のやるべき事を思い出すホージー
「んなわけ、んなわけあるかぁぁぁ!」
そんなおまえにラリアット
ひよっこのおまえに何ができる! いいか、腐っても俺は戸増宝児だ!」
なんですかこの、肉体言語での語り合い(笑)
うーん……視野の狭いエリートが熱血馬鹿のやり方を見て認め合って……という黄金パターンなわけですが、今ひとつうまく転がっていないのは、エリートが脆すぎるし、馬鹿が馬鹿のままだからか(^^;
ミスを取り返す気持ち、というのは必要だと思うのですが、そもそも1話を見るようにバンはミスに対して態度が軽すぎるので、ミスに対して甘すぎるバンと、安易なミスを犯しすぎたホージーとの極と極との対消滅みたいになってしまって、二人まとめてもっと反省した方がいい、みたいな感じに(^^;
メタ視点から見ると、足して2で割って丁度いい、という事なのでしょうが、物事の差し引きがメタ視点で融合できるわけではないので、もう少しこう、プロフェッショナルの在り方、みたいな感じでまとめてほしかったなぁ。
これはボスも大変だ。
というか結局の所、“辺境の地球署に配属されるエリート”なんて、こんなものという悲しい事実なのか……?!
なにはともあれ、足の裏と二の腕のやり取りで立ち直ったホージーは、ケバキーアの居場所を見事に発見。そこでスワンがデジタル変換システムを運んで現れ、どちらが行くかで揉める二人をすかっと送り込む。ケバキーアの部屋へ直接送り込まれたバンとホージーは、即興ながら見事な連携プレイを決め衛里香の救出に成功。変身して犯人を追い詰めるが、突然、部屋の風景が一変する。
デジタル空間を操る能力、という事なのでしょうが、幾つかの場所を変えての魔空空間バトル。走る電車内での戦闘を、並走して外から撮る、というのはなかなか面白かった。
肉体的には貧弱な知能犯かと思われたケバキーアだったが意外な善戦を見せるも、赤と青のコンビネーション攻撃により空間変換装置を破壊され、元の部屋に。
「ビコー星人ケバキーア、営利誘拐の罪で、ジャッジメント!」
3回目のジャッジメントにして罪状から「殺人」が消えましたが………………判決:死刑
そう、宇宙警察は、貴様らクズのような犯罪者に、生きる価値など1ミリも認めない!
デカレンジャー・フォー・ジャスティス!
営利誘拐でもデカレンジャーに確保されたら即極刑って、この世界、犯罪のリスクが非常に高いと思うのですが、もしかして、悪鬼のごとき犯罪始末人デカレンジャーの追跡をかいくぐって敢えて犯罪行為に身を投じる犯罪者達が、影で英雄視されていたりするのではなかろーか。
いやまあ基本、命の価値が時代劇、というのはわかるのですが。
或いは、犯罪を犯す=宇宙の法治を揺るがすテロ行為である=テロリストはその場で銃殺だ、ぐらい殺伐としているのか。
かくしてケバキーアはハイブリッドマグナム&Dスナイパーのダブル攻撃で霧散デリートされ、その後にウェルネストーンが発見される。
そういえば結局、肝心の石の隠し場所とか聞き出さずにデリート…………ホージーさんはもう、辺境にトばされた自称エリートの駄目な人、の烙印を押してしまって間違いない気がする。
この人、今まで「パーフェクト」(気取った発音で)だったのは多分、戦術ミスをステータスの高さで強引に突破してきた人生だから。
天はホージーさんにイケメンマスクとオール90の能力値は与えたが、判断力とか協調性は与えていなかった。
残酷で残念な真実が判明する中、ケバキーアのデリートにより崩壊していくネット空間。緑・黄・桃がノートPCの回収に成功し、衛里香と赤・青は脱出に成功。
「これにて一件コンプうわっ?!」
そこへ姿を見せるのは、ケバキーアの残存データが移植され、セミオートで暴走するデビルキャプチャー2。デカレンジャーロボが出撃し、今回はしっかりジャスティスフラッシャー。
「フッ、これにて、一件コンプリート」
メガロポリスは日本晴れ!」
「て、おまえが言うな!」
ホージーもいつもの調子を取り戻し、事件は無事解決するのであった。だがそんなデカレンジャーの活躍を、苦々しく見つめる一つの影があった。
デカレンジャーめ、また私の仕事を無駄にしたな」
どうやら犯罪小道具斡旋業らしい、エージェント・アブレラ、果たしてその存在は、今後の物語にどんな影を落とすのか……? そういえば4話にしてここまで特に悪の組織的存在が出てきませんが、当面はこのエージェントが裏で糸引く存在になるのでしょうか。
ウェルネストーンは宇宙警察が 徴収 保管する事になり、平穏の戻る衛里香家。さっそく、衛里香を焼き肉に誘うバン。
女子中学生まで守備範囲か!
おまわりさん、こっちです。
ケバキーアとの戦闘前の賭けで、どちらが焼き肉をおごるかで揉め、人様の家の前で喧嘩を始めるバンとホージー。どうやら、足の裏と二の腕で会話をするのがお似合いの様子です。
残りの3人は衛里香の家に招かれて、食事をご馳走になる事に。揉める二人を振り返り、微笑ましく見つめる衛里香、で幕。
受動的なゲストヒロインの割には最後にいいカットをもらった衛里香役は、後にグラビアアイドルとして人気を博し『特命戦隊ゴーバスターズ』にも出演する事になる、吉木りさ
またケバキーア役はかつて『未来戦隊タイムレンジャー』でギエンの声をつとめた戸部公爾で、終盤の狂った笑い声は意図的な被せでしょうが、懐かしくも好演でした。
会心の出来だった(出来すぎた)1−2話と比べると、黄金パターンの割には随所で粗が目立ちましたが、各キャラクターは面白いので、巻き直して波に乗ってくれる事に期待。
次回、犬が上司で部下が犬。