はてなダイアリーのサービス終了にともなう、旧「ものかきの繰り言」の記事保管用ブログ。また、旧ダイアリー記事にアクセスされた場合、こちらにリダイレクトされています。旧ダイアリーからインポートしたそのままの状態の為、過去記事は読みやすいように徐々に手直し予定。
 現在活動中のブログはこちら→ 〔ものかきの繰り言2019〕
 特撮作品の感想は、順次こちらにHTML形式でまとめています→ 〔特撮感想まとめ部屋〕 (※移転しました)

『特捜ロボジャンパーソン』感想36

◆第43話「最強最後の超神」◆ (監督:小西通雄 脚本:増田貴彦/扇澤延男)
またも、過去に単独で書いている脚本家による連名脚本。扇澤さんのこれまでの仕事量を考えると、増田貴彦(レスキューシリーズでぼちぼち仕事。今作では、ロボットハンター・ミサキと女怪盗パンサーレディ回を担当)がベースを書いて扇澤さんが手を入れたとか、そんな感じでしょうか? すっかり宮下さん見ないけど(最近担当回は34話の連名脚本。単独だと31−32話のビルゴルディ誕生編)、後を扇澤さんに託して既に『ブルースワット』に注力しているのであろうか。
個人的にはこのまま、扇澤作品化しちゃってOKですが(笑)
「泣いている……地球が……。あたしの地球が泣いている。もう泣かせはしない。今こそこの手で、奴等からおまえを救い出してみせる」
麗子様、復活。
台詞から推察するに、ここに来て、忘れた頃の環境汚染ネタでしょうか。
部下に用意させた謎の機械の中へと足を進める麗子様。
今こそ、真のスーパーサイエンス、発動の時!
「開始します! 我がスーパーサイエンスネットワークの、最終作戦を!」
IS化学の工場が、金色の怪物・超獣神に襲われ、風を切ってその足に突き刺さるJPカード!
「ジャンパーソン・フォー・ジャスティス!」
「ベイベ!」
立ちはだかるJPとGGだったが、超獣神は、パワーレベル無限大のバイオモンスター。ホーミングブリットも一切効かず、その吹き出す炎に吹き飛ばされる二人。迂闊ガンモドキでは露払いにもならないと、ジックキャノンを構えるラスボスだったが、超獣神の飛行に体勢を崩されて発動に失敗。その隙に超獣神の吹き出したガスで、なんと、逃げ遅れた人々が溶けて砂になってしまう……!
「これ、肥料よ!」
「肥料?」
「ええ。これ怪物に溶かされた人、肥料になっちゃってるの。高有機質の肥料に」
“人間の残骸”を分析するかおる、軽い、かおる、軽いわー(笑)
躊躇なく、元人間を鉢植えにかけました。
というか、基地の花、誰も世話していないのか(笑)
有機質の人間肥料をかけられた花はまたたくまに元気を取り戻す。しかし果たして、敵の目的は何なのか?! あれだけ強力なバイオモンスターを作り出すのはSSNの仕業に違いないと推測しながらも、その真意に悩むジャンパーソン達だったが、そこへ助けを求める通信が入ってくる……。
その頃SSNでは、コマンド隊長・黒木率いる部隊によって、脱走者が皆殺しにされていた。
これまで鉄の結束、というか変態的忠誠心に溢れていたSSNも、最終盤を迎えていよいよ殺伐として参りました。
JP基地に助けを求めたのは、その脱走者の一人。男は駆けつけたジャンパーソンに「スーパーサイエンスネットワークの首領、綾小路麗子の最終目的は人類絶滅計画」である事を告げ、持ち出したフロッピーディスクを託すが、コマンド部隊によって殺害されてしまう。
襲い来るコマンド部隊に向け、サーチしないでジャンバルカンをぶっ放すラスボス(笑)
コマンド部隊はディスクの回収を諦めて撤退し、ジャンパーソン達は基地に戻ってその内容を確認する……そこに収められていたのは、〔超獣神:開発試作コード〕という名の、これまでのSSNの研究成果の資料映像であった。そう、てんでばらばら趣味で行われていたと思われた変態博士達の研究開発は、実は超獣神開発の為のプロジェクトだったのだ!
……あ、ニンジャとウラメシエネルギーと超能力は除いて下さい。
むしろこの3つを組み合わせたら最強説もありますが。
SSNの人類絶滅計画、そしてそれを主導する綾小路麗子とは何者なのか? 43話にして敵組織のボスの名前を知ったジャンパーソン達は、ディスクの中に、様々な分野の科学者のリストが入っている事に気付く。調べると、○印のついた名前は行方不明となっており、×印のついた名前はなんらかの変死を遂げていた。そう、○印の科学者はSSNの誘いに乗り麗子様の忠実な下僕と化した者達であり、×印は誘いを断った為に密かに消された者達なのだ。ジャンパーソンとガンギブソンはリストの中で唯一、「?」とつけられた植物学者・倉橋歳三の元へ、綾小路麗子の情報を求めて向かう。
「お会いになった事がありますね、綾小路麗子に?」
「麗子は……私が育てた娘です」
麗子の父・綾小路博士は、40年前、倉橋とともに絶滅寸前のヒメハルソウを研究していた植物学者であった。環境の変化に弱いヒメハルソウを何とか生育しようとしていた綾小路博士だが、綺麗な空気・水・土壌を必要とするヒメハルソウは、もはや地球環境では育つ事が出来なくなってしまっていた。苦悩の末、博士はありったけの植物と、お腹に娘――後の綾小路麗子――を宿した妻を連れて、宇宙ステーションへと移住する。麗子はそこで誕生し、綾小路一家はステーションで生育したヒメハルソウやその他の植物に囲まれながら、幸せな生活を送ることなる。
なんと、麗子様は宇宙ステーションで生まれ育った生粋のスペースノイドだった!
そして、自分の植物の研究の為に妊娠した妻まで連れて宇宙ステーションへ移住し、子供を宇宙の無菌環境で純粋培養してしまう、と綾小路博士が明らかに凄いマッド!
またか! 歴史の影にはまたマッドなのか!
まあ、個人でさっくり宇宙ステーションへ移住できるぐらいなので、作中世界ではそこまで奇特な例では無いのかもしれませんが……数十年後の世界で宇宙開発が進んでいる気配が無いところを見るに、『ジャンパーソン』世界は何らかの事情で宇宙ステーションブームが過去のものになって、人類が地球に閉じこもった世界なのかもしれません。やたらにヒューマノイド型ロボットの研究が進んでいるのも、そもそもは宇宙開発分野で積極的に進められていた名残なのかも。
だが、幸せな日々は、麗子推定10歳ごろ、突然の悲劇によって引き裂かれる。軍事衛星の衝突(これは、果たして事故なのであろうか?)によって宇宙ステーションが崩壊し、ヒメハルソウの種子とともに脱出ポットに乗せられた麗子ただ一人だけが助かったのである……。
「この種を根付かせてくれ、おまえの手でもう一度地球に!」
地球では2年前に完全に絶滅してしまったというヒメハルソウの種と、ステーションでの一家の生活の収められた8ミリビデオのフィルムを娘に托し、両親はステーションの崩壊とともに炎に消える。
「麗子! パパとママはこの8ミリの中にいる! いつまでもおまえの側にいて、見守っているよ!」
脱出ポットで地球へと辿り着いた麗子は倉橋に引き取られて育てられ、成長とともにヒメハルソウを地球に根付かせようと研究に打ち込んだが、結局、汚染されていく一方の地球環境では、ヒメハルソウを育てる事はできなかった。
ヒメハルソウはただの植物ではなく、綾小路麗子にとっては両親との思い出の象徴であり、そして“死人と約束してしまった”事により、麗子の思いは徐々に妄執へと変質していく――人類全体への絶望に。
「地球の環境汚染は、ひどくなる一方です。綾小路が信じるといった人間の英知は、結局なにひとつ働きはしなかったんだ……!」
ここで明かされる、麗子様の背景。
そしてジャンパーソンとスーパーサイエンスネットワーク(綾小路麗子)の戦いは、人間愛を信じる者人間に絶望した者の戦いである、という要素が浮かび上がります。
とりあえず倉橋博士をJP基地に匿おうとするジャンパーソン達だったが、「いや、私はここにいなければならない」と、倉橋博士はそれを拒否。
10年前――地球環境の為に人類を絶滅させると宣言した麗子を倉橋は思いとどまるように説得したが、失敗。麗子は「全ての準備が整った時、8ミリを取りにくる」と、フィルムを残して去っていたのだった。倉橋は麗子が8ミリを取りに来た時を、最後の説得の機会にしようと賭けていた。
かなり強引な老けメイクの倉橋博士は、なるほど回想シーンがメインという事か(^^; おそらく設定上これ、70歳ぐらいなのだろうなぁ……どう老けメイクしてもさすがにそうは見えませんが(^^;
麗子の残していった8ミリ……綾小路家のファミリームービーを見せられる、二人のロボット(笑)
久しぶりに友人の家を訪れたら親バカ全開の子供の成長記録ムービー始まってしまった的な困った空気が漂うが、そこへ襲撃してくるSSNコマンド部隊。JPとGGは博士をかばいながら迎撃に飛び出し、その間に、麗子は8ミリを回収。凄くさらっとコマンダー黒木を撃つガンギブソンだったが、幸いバイオモンスター。
そして、遂にラスボスの前に姿を現すスーパーサイエンスネットワーク首領・綾小路麗子。
「おまえが! スーパーサイエンスネットワークの首領、綾小路麗子か!」
JPさん、麗子様は一応人間扱いで、GGが脊髄反射で撃とうとするのを阻止。
まあ多分それ以上に、地球を愛する麗子様の言い分を、人間愛を信じるラスボスとして聞いてみようとしている節あり。
「お久しぶりです倉橋博士。永遠のお別れを言いに参りました」
「考え直してくれ麗子! 人間も、おまえが愛する地球の一員なんだ!」
「はっ、勝手な事を。その人間が地球を蝕むだけ蝕み、泣かせたんじゃない! 気付かないふりしないで!」
「人間が地球を泣かせた……」
新しい思想に、ちょっと考えるラスボス。
麗子は地球上からそんな人間を絶滅させ、文明の名の元に築かれたビルや道路など、全てを破壊する事を宣言する。

「そして私は種を蒔くのよ。剥き出しとなった大地に――この手で種を。やがて種は芽を吹き、根を張り、地球を緑で覆い尽くす。私に溶かされて肥料となった人間達を養分にして」

「この手で種を」の時の表情が超素敵。
「私に溶かされて……? 人間たちを養分に……?」
「私は緑の地球を甦らせる……地球を人間から奪い返す! 今の私は地球の守護神、その名は……
ちょーーーじゅーーーしぃん!」
スーパーサイエンスの力によって、黄金の怪物へと変貌を遂げる綾小路麗子。そう、超獣神の正体は、綾小路麗子そのものだったのだ!
この真相を知らなかったのか、コマンド部隊も仰天。
そして超獣神の吐き出すガスを受けて、あっさり肥料と化す倉橋博士。
今回はJPさん、全然人間を守れておりません(^^;
まあ、ラスボス的には愛の力で麗子を説得できなかった倉橋博士は人間失格なので、守るモチベーション低かったっぽい。
人間を抹殺すると共に地球環境再生の為の肥料にするという、シャ○・アズナブルもビックリの、エコかつ一石二鳥な、恐るべき、麗子様の人類絶滅計画! 果たしてラスボスは、超獣神に打ち勝つ事が出来るのか!!
急に明かされた背景で、実に後付けっぽく(実際、後付けでしょうし)いきなり壮大に「地球のため」とか言い出すと、だいたい陳腐かつチープになりがちなわけですが、麗子様の設定をぶっ飛んだ所――なんと生粋のスペースノイドだった!――に置く事で、発言の数々に説得力を持たせるという、脅威の力技。
作品世界の設定には若干の無理は出ましたが、良くも悪くも、懐が広いのが『ジャンパーソン』世界。
このぐらいはフォージャスティス!
人間の愛を信じる者、と、人間に絶望した者、という今作らしい対比が生まれたのも良かった所です。
それにしても、ここでまさかの『逆シャア』展開とは……(笑)