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『炎神戦隊ゴーオンジャー』感想12

◆GP−21「幼稚ナヤツラ」◆ (監督:鈴村展弘 脚本:武上純希
見た目通りに器も大きかったジャン・ポエール教官の誘いにより、巨大ロボットで戦闘訓練するゴーオンジャーとウイングスだったが、炎神王と頑張王は青空王に弄ばれ、今日もいい所なし。
まあ、両ロボとも対空兵器とか無いので、問題は操車の技量ではなく設計思想なので仕方がない。
という事にしておきたい。
訓練後、バーベキューパーティが始まり、改めて肉で餌付けされるゴーオンジャー
「こーいうのを、人間らしい食事、ていうのよ」
美羽、トップブリーダー。
…………肉をむさぼる5人はなんかホント、どんどん哀れっぽくなってきたなぁ(涙)
その頃、連戦連敗にどよーんと落ち込む害地目の二人を、ここしばらく何の仕事もしていないケガレシア様が、適当に励ましていた。
「気分を入れ替えて、地球を汚すでおじゃるよ」
凄くシンプルで素晴らしい、悪台詞(笑)
そこでキタネイダスが、新たな蛮鬼獣を出撃させる。
「わたくし、生まれも育ちも害気目、人呼んで、フーセンのとらと発します」
まさかの、『男はつらいよ』パロディ。
そして声を務めた原一平って誰だろうと思って調べたら、渥美清公認の寅さんのものまねだった!
相変わらず、妙な所に惜しみなく本気を注ぐ『ゴーオンジャー』。
フーセンバンキは街で風船を配るが、それには汚染された空気が充満しており、次々と割れて大気を黒く染めてしまう。ガイアーク反応に、「肉! 後で食うから!」と出撃するゴーオンジャー
「よっ、相変わらず馬鹿か、ゴーオンジャー諸君」
フーセンバンキは体中に身につけた風船の弾力で満タンガンを跳ね返す……とコミカルな見た目と違って、普通に強い。満タンガン、ゴーオンジャーにおけるダイナロッドばりの強力武器なので、割と衝撃。
そこへやってきたウイングスは、いきなりフルパワーで蛮鬼獣を切り刻み、フーセンバンキ撤退。
蛮鬼獣の能力で風船化された警備員を、金銀が助けるという描写がさらっと入りましたが、これまで徹底的に民間人無視していた金銀がいきなり人助けに走ったのは、兄が投票最下位に危機感を抱いたのか。
ちょっと安易に、ここまでの描写との統一感が無くなってしまった気はします。
ガイアーク本拠地に帰還したフーセンバンキは……
「ったく、おめおめ追い返されてきおって」
「さくら、それを言っちゃあおしまいだい」
「誰がさくらだよ!」
……くっ、こんな単純なパロディで笑ってしまうとは、不覚……!
後なんか、キタネイダスがキタネイダスというか真殿さんの素になっているぽいんですが、アドリブそのまま採用された?(笑)
「まったく……あの蛮鬼獣ならばもっと気の利いた使い方がありそうなものですが」
「ほぅ……」
「?!」
「ならばヒラメキメデスよ、その閃きで、害気目に手を貸してみよ」
「ほぁぁ、か、かしこまってございます」
閃きさん、適当にくさしていたら、無茶ぶりされて慌てる。
一方、今日もいいところゼロだったゴーオンジャは、ポエール教官から「我が輩の講義を受けてみんか?」と声をかけられ話を聞く事になるが……連以外、轟沈。
走輔と早輝と範人はともかく、軍平は国家公務員としてそれでいいのか。
本当は、辞職ではなく免職だったのではないか?!
軍平に対する新たな疑問が浮かび上がる中、ボンパーさんがポエール教官の設計であった事が判明。時系列としては、
〔マシンワールドでの炎神とガイアークとの戦い→ヒラメキメデス、トリプターとジェットラスに追われて異次元へ逃亡→2体の炎神、ヒューマンワールドで大翔・美羽と接触→大翔・美羽、マシンワールドへ→ヒューマンワールドで炎神が活動するには人間の相棒が必要だと知ったポエール教官、ヒューマンの水先案内ロボットとしてボンパーを設計→ガイアーク3大臣、ヒューマンワールドへ逃亡→炎神達、ヒューマンワールドへ→走輔達、ボンパーと契約してゴーオンジャーに〕
となる模様。
閃きさんの動きが思った以上に作品全体に影響を与えている事になります。
またこの流れだと、ボンパーとウイング族(少なくともジャン・ポエール)は最初から繋がっていた事になり……真っ黒だ! 真っ黒だ!
自然に考えればゴーオン変身システムも教官(ないしその関係者)の肝いりという可能性が非常に高く、ウイングススーツはいわば訓練を積んだスペシャリストのみが変身可能なオリジンでありプロトタイプ、ジャースーツは、現地で適当な民間人と契約して変身させる使い捨ての廉価版と考えると、これまでのピカピカ兄妹の5人への態度や戦力差に極めて納得がいきます。
そう、可哀想な生き物を見る目。
……真っ黒だ! 真っ黒だ!
異質な生命体同士が、簡単に感情や倫理観を共有できると考えてはいけないのです。
ボンパーがもしかしたら毒々しい水玉デザインだったかもしれなかった、という衝撃の情報にさすがに目を覚ました5人だったが、そこにガイアーク反応。ゴーオンジャーは出撃するが、フーセンバンキの不意打ちでボンパーが風船化されてしまい、凄い形になってしまう。
久々に名乗りを決めるが、あっさり蹴散らされるゴーオンジャー(100円均一)。
しかしそこから根性を出して、謎の合体技・ゴーオンスクリューを炸裂させると(いきなり合体体術技というのはよくある話)、ひるんだ所にポエールソウルでスーパーハイウェイバスターを発動して、撃破。産業革命したフーセンバンキに炎神王と頑張王で立ち向かうが、フーセンバンキはジェット風船攻撃でボンパーを狙い、それを守って炎神王は大ダメージを受けてしまう。
「なんの迷いもなく友達を助けようとするシンプルさ、そこが奴等のいいとこなのであーる」
遅れてやってきたピカピカ兄妹に、廉価版5人の良さを語る教官。
直訳:つまりいいように捨て駒として利用しやすい(あれ?)
そして教官のソウルは、ぎんじろうに潜り込んだり、いつの間にかレッドのベルトに挟まっていたり、兄妹の所へ戻っていたり、神出鬼没すぎて怖い。
ボンパーを直接始末する、という作戦を立てたヒラメキメデスが姿を見せてゴーオンウイングス(高級ブランド)変身。金色と閃きはタイマン勝負にもつれこみ、一瞬いい勝負をする閃きさんだったが、コンビネーションによる反撃を受けて撤退。
なんかもう、閃きさんが駄目だ……初登場時、あんなに格好良かったのに…………。
そしてボンパーを守りながらの戦いで大ダメージを受け、合体分離してしまった炎神王と頑張王に代わり、青空王、タッチダウン
「ブレイク限界、ゴーオンゴールド」
「キラキラ世界、ゴーオンシルバー」
「縦横無尽トリッキー、俺っち炎神トリプター!」
「白銀のエアマスター、炎神ジェットラス」
「我が輩全てがファーストクラス、炎神ジャン・ポエールであーる」
ヒューマンと炎神のダブル名乗りは8話であまりに決めすぎた為、以降でやっても相当盛り上げてからではないと、単なる焼き増しになってしまうのが、なかなか厳しい所です(^^; 教官のキャッチコピーは面白かったけど。
青空王は、強敵だった(筈の)フーセンバンキを青空インパルスで瞬殺。
これが、正規品の力だ!
5人の行動を疑問視する兄妹に対し、ポエール教官は、考え無しではあるがゴーオンジャーのシンプルな純粋さがいいのだ、と無理矢理な持ち上げ。
「守らなきゃ、て勝手に体が動いてたんだ。だってさ、こいつはもう、俺たちの仲間だから!」
とボンパーを囲む5人であったが……正直、非常に今更。
ゴーオンジャーのシンプルなヒーロー性そのものは、ここまでの物語で充分以上に描かれてきており(そこは今作の評価できる点)、その長所に対して、屋上屋を重ねる内容と言わざるを得ません。
また、確かにここまで、改めて5人とボンパーの関係性というのは描かれていなかったのですが、それならもっとボンパーをフィーチャーするべきで、ボンパー回としても全く成立していない。
蛮鬼獣が面白かっただけ回。
その頃、ガイアーク本拠地・ヘルガイユ宮殿では、適当な作戦でフーセンバンキを失った事についてヒラメキメデスが土下座、キタネイダスとケガレシア様にいびられ、遂にヨゴシュタインに蹴り飛ばされていた。
「馬鹿たれが! 害地目の顔に泥を塗るナリか! このヒラメ!」
「ヨゴシュタイン様、お許し下さい、ヨゴシュタイン様ぁ……!」
ヨゴシュタインにすがりつくヒラメキメデス。
おかしい、閃きさんはどうしてこんな事になったのか……。


◆GP−22「最後ノノゾミ」◆ (監督:鈴村展弘 脚本:武上純希
「お許し下さい、ヨゴシュタイン様!」
「許さぬ」
怒りのヨゴシュタインの槍がヒラメキメデスの腹部を貫き、宮殿から逃亡するヒラメキメデス。ヨゴシュタインはヒラメキメデスの処刑命令を出すとボウセキバンキをその刺客として放ち、他の大臣に軽く引かれる(笑)
普段コミカル寄りなだけに、急にシリアスになると悪の怖さが目立ちます。
ガイアーク反応に出撃した5人と兄妹は、身内に追われる閃きを発見。
「あの傷、あれじゃ弱い物いじめじゃねえか」
思わず割って入るゴーオンだったが、閃きは紡績の攻撃を受けて、谷底へ落下。刺客はそれで引き上げ、閃きを探したゴーオンジャーは、洞穴に横たわる瀕死の姿を目にする。
「笑いたければ、笑うがいいさ……」
ボンパーに調べさせるも、閃きの損傷はもはや修復不能。その命はもはや長くはない……。
「ただ一つ、思い残す事がある。いや、これも未練か……」
「なんだ? 言ってみろ、武士の情けだ」
ヒラメキメデスの最後の望み、それは、愛機バンドーマスペシャルとゴーオンゴールドのトリプター、どちらが最速かを決めるレースをしたい、というものであった。ただで信用される筈が無い、と閃きはレースのゴールを本拠地ヘルガイユ宮殿にしてもいい、という取引を提案する。
ここまでの甘すぎる展開から、一応、納得のできる範疇の交換条件には持ってきました。
……まあ、先に地図見せたら駄目だと思いますが(笑)
すっかりほだされた走輔達の説得を一度は断る大翔だったが、改めてレースに臨む事に。
バンドーマスペシャルvsトリプター、レースが始まるなり、全力でヒラメキメデスを応援するゴーオンジャー(笑)
それはさがすに酷いと思いますよ!
幾ら兄に人徳0だからって!
レースはあっさりとトリプターが勝利し、金兄はゴールのヘルガイユ宮殿に辿り着く……しかしそれは、巨大なホログラムによる偽装だった!
「ゴーオンゴールド、レースの勝利はあなたに譲りましょう。ただし、人生の賭は私の勝ちですよ」
大量のウガッツと共に、孤島に降り立ったゴールドの前に姿を見せたのは、ヒラメキメデスとボウセキバンキ。
「和解も何も、害地目は一枚岩です」
ヒラメキメデスが負った重大な損傷は確かに本物だったが、閃きは自分の体内に、ボンパーの検知不能な修復システムを仕込んでいたのだった。全ては、瀕死の自らを餌とし、ゴーオンジャーの甘さを利用とした、ヒラメキメデス命がけの一手だったのである。
紡績の糸に囚われるもあっさり破って雑魚を撃破したゴールドだが、その前に豆知識とともに紡績バンキが産業革命。しかしそこへ飛んでくるジェットラスのミサイル攻撃。当然、罠を警戒していたウイングスは、シルバーとポエール教官が待機していたのであった。紡績バンキを撃破するべく、青空王に合体するウイングチーム。だが……
「さすがの読みです、ゴールド。しかし…………来た!!」
大空へ舞い上がった青空王は、突然の雷に撃墜される。
「悪意の発動する予兆を読むおまえ達も、意志を持たぬ自然の動きは読めぬ」
ヒラメキメデスがウイングスを誘い込んだのは、特殊な気象条件により、突然の雷が発生しやすい孤島であった。急な天候の変化で雷が生じた時に、空に巨大な金属の塊が浮かんでいれば……ヒラメキメデスの二重の罠にはまり、雷撃による大ダメージを受けた青空王は行動不能に陥り、かつてない大ピンチに。
だがその時、海を割って現れる二体の巨大ロボ。さしものゴーオンジャーも念を入れて罠を警戒し……
「ふれー、ふれー、ヒラメキメデス! 頑張れ、頑張れ、ゴーゴー!」
たわけなかった。
ロボサイズの横断幕をかかげ、ゴールドとヒラメキメデスの応援を始める炎神王と頑張王。
馬鹿すぎる……。
しかもこう、“楽しい馬鹿”というよりは、“呆れる馬鹿”……。
「おい、ちょっと待て、なんだあいつ」
巨大化した紡績バンキに気付いたゴーオンジャーは、ヒラメキメデスを狙っているのだと勘違いして攻撃。ヒラメキメデスの裏切りなど全く気付かないまま、全てを善意に解釈して青空王を救出。
「おまえら……何も気付かずに来たのか?」
そう、ただ彼等は、両者のレースを応援する為だけに、泳いでやってきたのだった!
あー……うーん……策の打ち合いを馬鹿が吹き飛ばす、という展開自体は面白く使える場合は色々ありますが、その“馬鹿”がゴーオンジャー全員というのは、さすがにやりすぎ。
ウイングスとの対比の中でゴーオンジャーが辿り着いたポジションが、どうして、“馬鹿”なのか?(^^;
「敵も味方もねえ、命を賭けた願いだからこそ、みんなでかなえてやろうと、必死になったのによ!」
兄妹の説明により、ようやくヒラメキメデスの罠を悟ったゴーオンジャーは、紡績バンキへと突撃。その姿に、ポエール教官がゴーオンジャーに目をかけていた真の理由を悟るウイングス。
「あんな無茶苦茶なやつらに救われたとはな、どうだ、大翔?」
「教官、わかりましたよ。ゴーオンジャーは先のことなど見ようともしない。でも、それがやつらの強さだ」
「時にはあんな鈍感な力こそが、強い時もある」
えーーーーーーー(笑)
物凄く間違った所に着地した気がするのですが、どうしてそうなったんだ、武上!
“二つの視点”というのはわかるのですが、これはあまりにゴーオンジャーが馬鹿すぎて厳しい。
恐らく、ヒーローにおける“後先考えないシンプルなヒーロー性”と、“敵の作戦に冷静かつ柔軟に対応する頭脳面”を、ジャーとウイングスに分担する、というコンセプトなのでしょうが、これは著しくバランスを損なってしまいました。
“罠とわかっていても敢えて飛び込む”のと“罠とか想像もつかない”のは、似ているようで天と地ほどの差があるのですが、数話前まではゴーオンジャーは前者だったのに、この2話ですっかり後者に。
(※なお世の中には、“罠とか通用しないから気にしない”という派閥もあるのですが、これは極めて特殊な例なので、服用の際は取り扱い上の注意をよくご覧になってからにして下さい)
3話前に、軍平が“プロフェッショナルとしての判断”を見せて株を上げた回の存在も、そんな時空は無かったレベルで台無しになっていますし、個人的に期待していた方向とかなりズレた、というのも含めてですが、かなりいただけない展開。
ゴーオンジャー、おまえたちの力を貸してくれ。俺達と一つになって、戦ってほしい」
「うむ、今こそ合体の時が来たようだのう」
「みんな、G9フォーメーションだよ!」
ポエール教官の依頼により、ボンパーがウイング族のキャストに手を加えていた追加機能により、今、炎神王、頑張王、青空王が合体する!

「9体の炎神と7人の心が一つになった時、空と大地に君臨する王、炎神王G9が生まれるでござる」

「馬鹿な! 9体合体だと!!」
超盛りまくりの脅威の9体合体、その名を、炎神王G9!(まんま)
ここまでを前提とした、頑張王と青空王の比較的シンプルかつ微妙なデザインの合体変形だったのでしょうが、9体合体、玩具凄い。
そして、本当に26話で終わりそうな勢い(笑)
炎神王G9は空中からの一斉射撃G9グランプリで紡績バンキを殲滅。バンドーマスペシャルも一緒に藻屑にされるが、ヒラメキメデスはなんとか生き延びる……。
劇場版宣伝込みのEDは、何故かいきなり、キャリゲーターの歌に。
かなり残念な2エピソードでしたが、作品のベースは嫌いではないので、3クール目以降の新展開での修正に期待。……いやその前に、割と好きな閃きさんが、最後の大勝負で盛り上げなおしてくれる事にも期待したいですが、この直近の流れでは、せいぜい、華々しく散ってほしい、と願う他ない。
次回、ヒラメキメデス乾坤一擲の大勝負!
朝焼けの空に浮かぶ二等辺三角形の輝きを、君は見たか!