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『シティ5からの脱出』(バリントン・J・ベイリー)、読了

ワイドスクリーン・バロックの旗手として知られる、ベイリーの第一短編集。
奇想天外な世界観に理屈をつけて展開し、数学的・哲学的解説説明部分が長いのですが、本質的に壮大な法螺話の傾向が強いので、小難しい説明が続く割にはなんとなく楽しめる、という一風変わった作品集。
しっかりと楽しむには説明が理解できた方が良いのでしょうが、そもそも知識があれば理解できる整合性があるのかどうかも、素養が無いのではっきりとわかりません(^^; その上で何と書く“読み物”として楽しめるのは、マクロとミクロを入れ替えてパラダイムシフトを見せる、という割と古典的なSFの手法に則っている傾向があるからかな、と思えます。
無限の宇宙を旅する探検家が出会った奇妙な世界の物語「洞察鏡奇譚」などは、その典型。
この短編集の意図的な傾向なのか、作者の好みなのか、世界のありようを求める内容の話が多く、理論的裏付けを持った奇妙な宇宙が色々と登場します。
個人的なお気に入りは、ベイリー版『ソラリス』とも思える、「ドミヌスの世界」。