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『仮面ライダーブレイド』感想26

先週分。
(※サブタイトルは存在しない為、筆者が勝手につけています。あしからずご了承下さい)
◆第41話「少年よこれが修羅場というものだ」◆ (監督:鈴村展弘 脚本:會川昇
今回は、アンデッド大戦からスタート。て、凄い無造作な集団殴り合い(笑)
その後、いつの間にやらタイガーアンデッドとなんかアンデッドの一対一に移行しているので、女王様のイメージ映像という感じか。
「私は必ず、勝ち残る……!」
タイガーアンデッドは敵対するアンデッドを倒すと、虚空へ向けて叫ぶ。
「我が勝利の証として、敗者を、封印せよ、マスター!」
その呼び声に応えて空に浮かび上がったのは、ねじれた状態から、直方体へと姿を変える、黒いモノリスモノリスはタイガーの求めに応じ、負けたアンデッドをカードの姿へと変える……と、存在してもおかしくなかった、アンデッド大戦の審判的存在が、遂に登場。
「あれは……一万年前の……」
そして、虎の女王様の記憶に浮かび上がったねじれたモノリス、それは現在、ボードの秘密施設で研究されていた。
「広瀬くん、君の実験は無駄にはならない。神にも造れぬものを、我らが誕生させる」
謎が謎呼ぶ天王路の言葉とともに、いよいよ、最終章スタート。
まずは改めて、残りのアンデッドを確認。封印されていないアンデッドは……あと4体。
そして、ジョーカー。
アンデッドとの戦いの終わりが近づく中、睦月に会いに行く事にするぼんくらコンビ。噂の天王路理事長は、アンデッド解放の責任を取って剣崎の入社前に辞任していたなど、設定の確認。
だから剣崎と睦月の事は知らない筈……って、3年前に死んだ事になっていた筈の広瀬父がばっちり全状況を把握していたわけですが、その辺り全く無頓着で、事ここに至っても、どこまでもぼんくらです。もはやぼんくらが設定になっているので、違和感ないのが困る。
その頃、女王様は紳士屋敷を離れようとしていた。上城睦月が果たして人間かエースアンデッドか。それを観察していた女王様の結論は、
「おまえは、甘すぎる。不安定すぎる。おまえなど、アンデッドではない」
「俺はカテゴリーエースと一体化している」
「今の君は私が倒す価値もない」
またも生身でのされるM月。そこへやってきたのは、天音ちゃんから話を聞いた睦月彼女。なんか凄いどうでもいい愁嘆場が始まり、紳士屋敷を立ち去った女王様は別のアンデッドの気配に気付く。ところが睦月のもとへ向かっていたぼんくらコンビがたまたまそれを目撃し、戦闘に。
「貴様らと戦うのは後だ!」
女王様はタイガーアンデッドの姿となり、役立たずさんを軽く粉砕すると、ブレイド@ジャックフォームの攻撃すらしのぎ、高速機動を逆に利用して、ビルに叩きつけて変身解除にまで追い込む。
「強い……俺はあいつの本当の強さを……」
そこへやってきた睦月はタイガーアンデッドの強さに驚愕し、変身して後を追おうとするが、その前に現れる彼女。行方不明だった彼氏と、年上の女の痴話喧嘩を目撃するも再アタックを仕掛ける彼女、なんという心の強さ。
彼女の前で変身をためらった睦月の姿を見て、おまえは完全にカテゴリエースに飲み込まれているわけではないだろう、と説得を試みるぼんくらコンビ。彼女の前で、思春期真っ盛りの男の子にそこはかとなく恥ずかしい単語を投げつけるの止めてあげてくださいよ?!
案の定、睦月はレンゲルへと変身してしまい、その姿に、彼女は悲鳴をあげて逃げ出す。駄目師匠は変身してレンゲルを抑えようとし、剣崎は走り去った女王様を追う。
「俺は……俺は負けない!」
「睦月……強くなったな」
相変わらず、自分よりへたれな相手には上から目線です駄目師匠(笑)
ギャレンはジャックフォームから急降下ファイアーキックを放ってレンゲルにダメージを与えるも、反撃を受けて吹き飛んでいる内に、レンゲルは忽然と姿を消してしまう。
今回も安定の、役・立・た・ず。じゃなかった、橘ぶり。 ん? あれ?
役立たずと橘が混沌と混ざり合ってゲシュタルト崩壊しかけている頃、虎太郎は一応、持ち込みとかしていた。だが虎太郎の原稿は、編集長にすげなく突き返される。どうやら、「仮面ライダー」に関してはどんなに噂になっても記事にするな……と、業界にそれとない箝口令が敷かれているらしい。
虎太郎がなにげなく「天王路」の名前を出した瞬間、編集部に走る動揺。
「もし生きていたかったらな、その名前、二度と口にするんじゃない。そいつに興味を持った奴が、昔から何人も、消えてるんだ」
元ボード理事長・天王路博史とは、何者なのか。けっこうオープンに戦ってきた「仮面ライダー」が報道されない理由や、ボードの資金力の秘密などを、なんか物凄い人がバックについていた、と全ての黒幕的存在と繋げてきました。まあ、個人的にはその辺りは、それが作品のテーマと密接に関わっていない限りは、約束事で済ませてもいい派ではありますが。
設定として面白ければいいですが、闇の超大物、というのは今のところ、それほど面白くないですし。あとタイミング的に(前年放映)、表向きはカレーハウス恐竜やの主人にして、「TV局や新聞社に“お願い”して、怪しい絵馬に願いをかけないよう、手配しました」など、数々の謎のコネクションを振るい、闇のフィクサー疑惑の濃かった介さん(『爆竜戦隊アバレンジャー』)を思い出してしまう(笑)
一方、アンデッドの気配を追っていた女王様は、眼鏡の青年に襲いかかる。遂に登場した眼鏡の二枚目、その正体は、ハサミとトゲトゲの特徴的なアンデッド。残りアンデッドと強さを合わせて考えると、ダイヤのキングの可能性が高そうで、凄いクワガタなのかと思われますが、デザインとしてはハサミムシとかアリジゴクを思わせます。とりあえず仮称、役立つクワガタアンデッドで(おぃ)
激突する、タイガーと役立つクワガタ。バトルファイトにふさわしい戦いに盛り上がるタイガーだが、役立つクワガタの方は戦闘しながらも理性的。
「アンデッド同士が戦う必要は無い。俺と手を組め」
「手を組めだと?! アンデッドは自分が最後の一匹になるまで戦う。そう定められているのだ!」
「誰が定めた?」
「我々を造ったこの戦いの統制者だ。彼が敗者を排除し、最後に地球の支配者を決める」
「正しいバトルファイトならな。……このバトルファイルは偽物だ」
「なにぃ……?」
長台詞のやり取りを、激しいバトルシーンに被せる、というのは着ぐるみアクションならではで、ちょっと面白い演出。タイガーと激闘を繰り広げながらもどこか余裕のある、役立つクワガタの強さも印象強くなりました。
女王様を追いかけてきて、両者の戦いを目撃した剣崎は突っ込んでいって変身……しようとするが、役立つクワガタ、二刀流の斬撃で変身コールマークを破壊して変身を強制キャンセルするという、掟破りの攻撃アクション。剣崎はこれで吹っ飛び、返す刀から放たれた衝撃波がタイガーを叩き伏せる。
溜めに溜めての登場という事もあり、役立つクワガタ、デザインもアクションも非常に格好いい。
「私の、負けだ……」
タイガーのベルトのバックルが開く、が……。
「おまえも気付いていた筈だ。……何も起こらない。おまえは既に何体ものアンデッドと、戦っている筈。だが、かつてのような封印の石は現れたか?」
1万年前のバトルファイトなら、ベルトのバックルが開くのが「勝負あり」のサインであり、勝者の呼びかけに応じて封印の石が現れ敗者を戦いから排除する筈であった(この流れは、冒頭の女王様の回想で描写)。しかし……
「この現代のバトルファイトで、封印できるのはライダー達とジョーカーだけだ。俺たちがいくら戦っても、決着はつかない」
そう、封印の石が現れなければ、不死のアンデッド同士の戦いは、永劫終わる事がない。
「このバトルファイトを仕組んだ人間がいる。おまえも知っている男だ」
役立つクワガタは人間の姿へと戻って立ち去り、屋根裏侵入中に目撃した天王路を思い出す女王様。がっくり落ち込む女王様……のもとにやってきたのは、役に立たないクワガタを振り払ったM月。
「剣崎! こいつに手を出すな」
「アンデッドをかばうというのか」
「こいつを、封印するのは俺だ」
その姿と言葉に、ジョーカー/始を守ろうとした自分の姿を重ねたのか、剣崎は機能停止し、場面変わって、何故か海辺で黄昏れている、女王様とM月。
「なぜ私を封印しない?」
「俺は……俺はおまえの言う通り、弱いのか」
「おまえの中には、光がある。あの女の子を近づけまいとしたのも、その光だ」
真っ正面から敗戦したショックか、いきなりファンタジーな事を語り出す女王様。
「そんなものがあったら、強くなんてなれない……」
「フン……なんだそれは?」
「思わず持ってきちまった」
M月が手にしていたのは、彼女が落としたハンドバッグ。その中に入っていたおにぎりを2人でほおばる、変な絵。
「おいしい」
「ああ……なんか知らないけど、あいつの……美味いんだ」
その姿を見る女王様、いきなり睦月を殴ると姿を消す。その向かった先は、先頃侵入したボード秘密施設。職員を殴り倒して侵入した女王様の前に、透明化能力を持つ粘液質なアンデッド?が姿を現す。
「なんだ……このアンデッドは?」
交戦状態の構えを獲る両者だが、それを止めたのは、天王路博史。
ティターン、おまえの目的は、ライダー達を滅ぼす事だ」
それは、新たな人造アンデッド・ティターンティターンの目的は、アンデッドを活性化する作用を持つアンデッドポイズンをライダーに打ち込み、ライダーの中のアンデッドの影響を強くする事で、ライダーの意志をアンデッドに支配させ、ライダー達を同士討ちさせる事。
「貴様たちがライダーシステムを作ったのではないのか」
「そうだ。アンデッドを封印する為に。そして今……彼等の役目は終わったのだ。来たまえ。君の見たいものは、ここにある」
天王路に案内された女王様は、研究所の奥に鎮座するねじれたモノリスを目にする。
そう、それこそが……
「これは……封印の石……バトルファイトのマスター……」
そして女王様を探す睦月は、ティターンの襲撃を受けていた――!
後半戦本格スタートの31話もでしたが、情報量が多すぎるのと、いかにも説明の為の説明シーンが多くなってしまい、テンポ悪し。役立つクワガタが出てきてからは少し流れがよくなりましたが、ぼんくらコンビのぼんくらぶりに磨きがかかっていたり、やや不安な最終章立ち上がり。そんな中、虎太郎に独自に動く要素が出てきたのが、注目か。


◆第42話「女王様、最後の躾」◆ (監督:鈴村展弘 脚本:會川昇
「なぜだ……なぜ私が戦っている時現れなかった!」
「それは、現代の戦いが、私の物だからだ」
「貴様の物だと?」
人間によるアンデッドカードの封印解放……不慮の事故により偶発的に起きてしまったこの戦いには、本来のバトルファイトを審判する“神”の意志が介在していない。つまり、公式戦ではなく、草試合に過ぎなかった。ゆえに、幾ら戦おうとも最終的な勝者になることは出来ない、と告げられる女王様。
「おまえの真の目的はなんだ!」
全てのアンデッドはライダーによって封印され、そのライダーはティターンに始末され――戦いは終わる。そう言って嗤う天王路に掴みかかる女王様の表情が、恐怖に歪む
「これが怖いのかね……?」
懐から1枚のカードを取り出す天王路。
「なんだ、それは……」
視聴者には裏しか見えないカードを見た女王様は、愕然とした表情でその場を逃走。
冒頭から、ここまでの設定と展開を踏まえつつ、ちゃぶ台返し
今作の全ての前提であった「現代に甦ったバトルファイト」という支柱を、「フライングだから、幾ら頑張っても公式記録になりません」と思いっきり、へし折ってきました。
一つ巧いのはこれ、ここまで今作の大きな欠点であった、アンデッドがただ闇雲に人を襲っていた事、の理由が「他にやる事ないから」だと説明がついた事。説明がつけば前半の欠点が許されるというわけではないですが、「俺たち同士で殴り合ってても決着つかないし疲れるだけだから、人間でも襲っとくか」という行動原理には、納得いくようになりました。
ついでに上級の皆さんが、ネトゲとかエンジョイしたくなる気持ちもわかった(笑)
ティターンレンゲルの戦いには、サーチャー反応で駆けつけたブレイドが参戦するが、冷凍ガスが通用せず透明化による攪乱攻撃に翻弄されたレンゲルは、アンデッドポイズンを打ち込まれてしまう。とりあえずレンゲルに毒を注入して満足したのかティターンは退却し、倒れた睦月を拾って剣崎は農場へ。
トライアルシリーズがアンデッドサーチャーに反応しなかったのに対し、ティターンが反応したのは、同じ人造アンデッドでも、“より本物のアンデッドに近い要素を持っている”という伏線かと思われます。
睦月が農場に運び込まれた事など知らず、昨日の事を謝ろうと、紳士屋敷を訪れた睦月彼女は、そこに身を潜めていた虎の女王様と遭遇。
「何故だ。何故おまえ達だけが繁栄を謳歌する。我が種族は世界の片隅で生きていかなければならない。出て行け……出て行かなければ、食い殺す!」
当初からそこまで見越した仕込みかはわかりませんが、トラはリアルに生息数激減している動物なので(一部亜種は絶滅危惧種指定)、女王様の性格と合わせて重みのある台詞となりました。
「怖くありません! 怖く……ありません。貴女も、睦月も、怖くない!」
変身した女王様に組み付かれながらも、声を張る彼女。
レンゲルに変身した睦月から逃げ出してしまった後悔を胸に、二度とそんな事はしないと、女の強さを見せる。
また、ここまでそういう描写が無かったので若干苦しいですが、部外者から見ると、外面的にはライダーもアンデッドも大きな違いはない、という要素も含んでいると思われます。だから彼女は、タイガーを人に害をなすアンデッドというよりも、“よくわからないが変貌した睦月と同様の存在らしい”と認識し、受け止めようとしている。
今作は後半戦に入ってから、今作の設定に合わせた上で、けっこうストレートな改造人間テーマを仕込んでいる節は見え隠れします。
「望美ちゃん!」
彼女に組み付くも牙を振るう事をせず、動揺を見せる女王様だが、いい所で飛び込んできた役立たず、女王様に体当たり。
いい話クラッシャーとしての力を存分に発揮。
橘は睦月が病気で苦しんでいると彼女を農場に向かわせ、自らはタイガーと対峙。しかしタイガーは、彼女が落としたおにぎりを見つめると人間の姿に戻り、おにぎりを拾う。
「これ……おいしかった」
その頃、農場では虎太郎が階段落ちを披露していた。ポイズンの影響により、ランニング姿で大暴れする睦月。その姿に、エースの蜘蛛の姿が重なる。
「怪物と化したライダー達は、同士討ちを始める。そして――最後には、誰も居なくなる。ふふ、ふふはははは」
未だ真の目的を見せぬまま、闇の底で嗤う天王路。
すっかりラスボスっぽくなってきましたが、さてこうなると、高飛び中の烏丸所長は、黒なのか白なのか。私の中では登場当初からずっと黒なんですが(笑)
一方始は、役立つクワガタアンデッドことイケメン眼鏡と接触していた。
「取引をしようかと思ってね」
「アンデッドと、取引はしない――変身」
ヒューマン分が上がっても、相変わらず人の話を聞く気はなかった。
イケメン眼鏡は素手でカリスの攻撃を受け止めてから変身するなど、いちいちアクションが格好いい見せ方。
「俺と戦うのは無意味だ。おまえ達は互いに殺し合い、滅ぶ事になる」
どういうわけか事情通の役立つクワガタさん、天王路の陰謀をほのめかすが、話聞かないカリスは猛攻を仕掛ける。タイガーを一蹴してみせた役立つクワガタに対し、カリスはエボリューション。ビューティーセレインアローとスーパークワガタビームがぶつかり合い、アローが打ち勝つが、役立つクワガタは爆風に紛れて撤退。
前回今回の見せ方から、さしものワイルドカリスも苦戦するのかと思われましたが、むしろワイルドカリスがやたらめったら強いという描写に。スペードキングが特殊能力持ちだったので、何か、隠し球もあるかもですが。
農場を飛び出したダーク睦月は、彼女と接触
「どんな姿になっても、逃げないよ睦月」
蜘蛛の姿に変貌した睦月に対し、彼女が抱き付きを敢行して人間の姿に戻るが、睦月はそんな彼女を殴り飛ばして、山の中へ。そしてそこで出会った女王様から、自分の体に打ち込まれたアンデッドポイズンについて聞く。
「おまえはやがて、戦う事しか考えられなくなり、そして……他のライダー達に倒される。……その前に、私が倒す!」
ぶつかり合う、タイガーアンデッドとレンゲル
「今の私は、おまえと同じだ!」
種族の為に誇りを持ってバトルファイトに望んでいたタイガーアンデッド。だが、現代のバトルファイトは偽りであり、神ならぬ人間の意志に操られる茶番に過ぎなかった。
「私にも戦う理由などなかった……貴様と同じ、ただの獣だ!!」
恐らく、前回役立つクワガタに「既に何体ものアンデッドと戦って、何も起こらないのを知っている筈」と指摘を受けて状況を理解したように、女王様はバトルファイトがどこかおかしいのをわかっていて、わかっていたからこそ、自分の誇りを懸けるにふさわしい戦いを求めて睦月/レンゲルを見定めようとしたり、役立つクワガタの登場に喜んでいた……と、一応、女王様のこれまでの行動に筋は通りました。
時々、やけっぱちみたいな行動を取っていたのも、実際、少しやけっぱちだったから、と。で、作品全体のちゃぶ台返しと繋がっているので、確かにこれは先に説明できない。とはいえ流れとして女王様の行動は違和感強すぎたので、当座のそれっぽい理由を提示して誤魔化しておく、とかそういう作業はあった方が良かったかとは思われます。
獣と獣、闇と闇、激しい戦いの末、遂にマジカルステッキが腹部を貫き、レンゲルに封印される虎。女王様は自ら封印カードを手にするという奇妙な行動を取ると、クイーンのカードと……何故か、アブソーバーになった??
手分けをして睦月を捜索中の戦闘力無い組(虎太郎、広瀬さん、望美)と出会う始、橘と合流する剣崎。
「睦月はもうすぐ俺達の前に現れる。カテゴリークイーンを封印し……より強くなって」
いきなり、吹っ飛んだ事を言い出す役立たず。
……うーん、貴方また、女性に余計な気遣ったな?(笑)
「その時が、決戦だ」
まるでその言葉が呼び水になったかのように、剣崎と橘は、川岸に仁王立ちする睦月を発見。
「剣崎。橘。くたばれ」
「橘さん、俺、やります。このままじゃ……「「変身!!」」
剣崎と橘は変身し、レンゲルとぶつかり合う。
「睦月、駄目だったのか……?!」
レンゲルにしばかれながら、何かを確かめようとするギャレン。始センサーの誘導でか、戦いの場へやってくる、戦闘力無い組と始。3人のライダーが殴り合う光景を見つめながら、始は役立つクワガタの言葉を思い出す。
(ライダーが滅ぼし合う。あいつが言っていたのは、この事か)
色々面倒くさくなってきている剣崎さんは、容赦なくキングフォームを発動。
塵に返す気満々
というか先程の「やります」は、
殺ります
の意味か。
対して、レンゲルもラウズアブソーバーを手にする。
虎「あれは、橘さんの……なんで?」
女王様が封印された後で地面に落ちていたアブソーバーは、橘さんが渡したものでした。やっぱり、なんか余計な気遣ってた……!
ブレイド。俺のキングフォームを見ろ」
クイーンとキングのカードをスロットインし、エボリューションするレンゲル。――その結果、カテゴリーエースが睦月から抜け出して実体化する。
「やっと私の力を使いこなしてくれた。彼女のお陰だ」
心象風景の中で、嶋と出会う睦月。封印されたクイーンの助力により、ベルトを通して睦月の中に存在していたキングの力が増幅され、カテゴリーエースをたたき出す事に成功したのだった。
「君を、カテゴリーエースの呪縛から解放する」
「睦月、カテゴリーエースを封印しろ」
急に流れ出すロマンチックな音楽をバックに、睦月に語りかける女王様。
「光と闇に、操られるな」
えーーーーー。
「自分の中に両方を抱えて、戦い抜け。自分との戦いに、終わりは無い」
いきなり、リリカルな方向でまとめられました(笑)
一応、睦月のキーワードな「光と闇」ですが、後半戦入ってから完全スルーされていた上に本人がうだうだ言っているだけだったので、前回もそうでしたが、女王様がそれを拾って語り出すと、違和感が激しすぎます(^^;
「睦月が、嶋さんの力を使っている……」
「貴様を封印する!」
目覚めた睦月に重なり合う、タランチュラアンデッドの姿。殴り合う、クローバーのエースとキング。最後はキングブレイドが大剣を放り投げて睦月がそれで一刀両断。スパイダーアンデッドは大爆発して封印され、その邪悪な意志はキングの力で今度こそ完全に封じられ、カードの色も塗り変わるのであった。
……でもそもそも、ベルトが不良品だったよーな……。
「睦月……おまえは本当の仮面ライダーになったんだ」
「橘さん、あの人は……わざと俺に封印されるつもりで」
「アブソーバーを貸してくれと言ったのも、あの女だ」
キャストクレジット上は設定されてるのに、誰も人間名を知らない(笑)
というか、出会って一瞬で女王様の言う事を素直に聞いているとか、橘さんのM属性、筋金入りすぎる……!
「不思議なアンデッドだったな……」
「俺が……もっと……強ければ……」
闇雲にただ光を求めて闇から逃げるのではなく、その双方を自分の内に抱えながら、乗り越えてゆく事。遅まきながら本当の強さの一端を得た睦月は、今遂に、本当の「仮面ライダーレンゲル」となったのだった。
キングフォームの解釈としては成る程、という展開だったのですが、これってつまり、
彼女の告白暴露より、女王様の躾の方が効果的だった。
という事になるのか(笑)
望美ちゃんの明日以降の道のりが、大変だッ!!
己の種族の繁栄を果たせない事を知った誇り高きアンデッドが、自分に新しい感情を教えてくれた“人間”の為にその存在を懸ける、という筋自体は悪くないし、なんだかんだで女王様は良いキャラクターだったのですが、睦月メインだとどうにも盛り上がりません(^^; 私個人として、あまりにどうでも良い存在になりすぎて……さすがに色々、紆余曲折が長すぎましたし。後まあ、睦月は変態紳士見習いだった頃のあれやこれやの負債が合わせ技一本ぐらいは貯まっていると思うのですが、さてどう始末をつけるのか。
特筆すべき点としては、橘さんの気遣いが裏目に出なかったという奇跡的快挙ですが、これも女王様パワーのなせる技でしょうか。
にしてもまた橘さんが何となくアンデッドを受け入れているのですが、ここまで、「不器用」「信じやすい」「正体がアンデッド」「無愛想」「いい人」「騙されやすい」「犠牲を出さない戦い」「人間を守る」、と各人それぞれ、色々な建前がありましたが、そういう背景とか理屈と関係なく、

剣崎は睦月が嫌い
橘さんは始が嫌い
始は虎太郎が嫌い

という事な気がします(笑)
まあ、橘さんはジョーカーENDのシミュレーション映像を見ているので、ジョーカーを特別危険視している、という事情は一応あるにしても。
で次回やっぱり、
「橘さんはどうせ役に立たな、キングになれないし、いらないんじゃないですか?」
「橘さん、ジャックになっても役に立たな、いや、俺のキングの方が強いですし」
みたいな感じで、橘さんのラウズアブソーバーは取り上げられてしまうのか。烏丸所長からしれっと3つ目が送られてきたら、それはそれで嫌だけど(笑)
全体としては、ちゃぶ台返しをしたけど、そのネタが今のところ微妙。私が睦月どうでもいいという事もあり、最終章のスタートとしては、今ひとつの盛り上がりになりました。ライダー同士の殴り合いは、これまで散々やっているので新味が無いですし。理事長がそれとなく匂わせている“神”の存在とか、真の目的、役立つクワガタさんの行動で改めて盛り上げてくれる事に期待。