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『特捜戦隊デカレンジャー』感想31

◆Episode.42「スカル・トーキング」◆ (監督:坂本太郎 脚本:荒川稔久
採石場に謎の生物が出現し、楽しそうに爆発で飛ぶ現場の人達。
そこで暴れていたのはアリエナイザーではなく、宇宙生物ブラウゴール。
デカレンジャーは、高い所でSWAT名乗り。ロープで下りながら射撃をし、火薬をバックに飛び回り、と今回はアクション盛りめ。
坂本監督は前半、あの長いフル名乗りを割と入れていましたが、今回もちょっと懐かしい感じの高い所での名乗りを入れているのは、単なる趣味か、それとも意識的なものなのか。番組全体としてのバランスも考慮しているのかもしれませんが、たまに高い所で名乗ってくれると、やはり、気持ちいい(笑)
ブラウゴールはDリボルバー一斉射撃でも撃破しきれず、変な泡による反撃で装備に障害の出たデカレンジャーは、マーフィーを召喚してみる。
かれこれ……20話ぶりのDバズーカ(ミーメのバーチャル空間除く)。
前回今回と、急な出番で殉職の予感すら漂うマーフィーの変形したDバズーカが火を噴くが、ブラウゴール、ひらりと回避。光線技で反撃してきたブラウゴールは、その爆風を隠れ蓑に、地中へ逃亡してしまう。
「いったいなんなんだあいつ……」
個人的には、反撃を受けた後のシーンで、爆風から抜けたらDバズーカもといマーフィーの姿が無かったのが気になります!
そこに別行動していたテツから、採石現場で手がかりを発見したという連絡が入る。テツが見つけたのは、卵の殻。そして、その卵に押し潰されるような形で土中に埋まっていた、エイリアンのものと思われる骨。果たしてこの骨は何者のものなのか……ジャスミンエスパー能力を使ってみるがサボテンのようなシルエットしか浮かばず、スワンさんが復元を行う事に。
巨大ロボの開発から、法医学的捜査までこなす女、白鳥スワン。宇宙警察は早くボスを(以下略)。
ブラウゴールは惑星を喰らう凶暴な宇宙生物で、グロンチウムという鉱石から放射されるエネルギーで成長するという性質を持っている。しかし地球上にはグロンチウムは存在せず、あれほど急激に成長している筈がない……もしかしたら、地球にグロンチウムを含んだ隕石が近づいているのかもしれない。実は最近、ブラウゴールが出現した惑星に巨大隕石が激突する、という事件が続いているのであった。それは偶然なのか、はたまた何か因果関係があるのか、隕石に関する情報を得る為バンとホージーは中央天文台のモンテーン博士の元を訪れる。
仮に巨大な隕石が地球に接近しているとしたら、普通にあちこちから情報が上がってくると思うのですが、それがないという事は、やはりこの地球は植民地化していて、宇宙関連の一切合切は、宗主惑星の管理下にあるのだろうなぁ。中央天文台も地球人以外に仕切られていますし。
モンテーン博士より、地球への隕石の接近・衝突は無いというお墨付きを得たバンとホージーの帰り道、パトカーの前に突然割り込んでくる、ピザ屋のバイク。
「やっと捕まえた。もう逃がさないんだから!」
「相棒、まさか、ピザ代踏み倒してもしたのか?!」
「違う! 妹だ」
「戸増美和です。兄が、オールウェイズお世話になってます」
実は結婚を控えた美和が相手方の家族と結納代わりの食事会を行う事になっていたのだが、出席する筈だったホージーは事件の捜査に集中する為、携帯電話の電源すら切っていたのである。
職業柄、仕事優先になるのは仕方ないよなぁとホージーさんの行動に納得させつつ、兄と妹、二人きりの家族という事で妹さんの気持ちもわかる、と巧いバランス。まあそのバランスを取る為に、設定の為の設定になってしまった感はありますが、これは致し方ないところか。センちゃんは妹とか弟とか3人ぐらい居そうだけど、ホージーさんは兄分まるで感じないし、全てが急という気はする(笑)
あくまで捜査優先というホージーに妹は怒って走り去っていき、出席を勧めるバンだったが、ホージーはそれを冷たくあしらう。少々険悪な雰囲気で2人がデカベースに戻ると、スワンの復元作業により、衝撃の事実が判明していた。
謎の異星人骨の正体は、モンテーン博士だったのである。
既に博士は殺害されており、天文台に居たのは博士になりすました偽物だったのだ。中央天文台から宇宙へ向けて謎の電波が発信されているのが確認され、それに呼び寄せられるように迫る巨大隕石。そして近づく隕石の影響で急速に巨大化したブラウゴールが街へ出現する。5人は中央天文台へ向かい、ブレイクはデカバイクロボで出動。年末を睨んだテコ入れタイムか、頑張って戦うデカバイクロボ。やはりこれは、前々回の平手打ちによりテツがレベルアップしているのか。
出撃前、わずかに時計を気にするホージー
「本当は行きたいんだろ、相棒」
「いい加減にしろ」
「そっくり返すぜ!」
5人は中央天文台に駆けつけ、モンテーン博士になりすましていたアリエナイザー、スマスリーナ星人ニカレーダがその正体を現す。ニカレーダはグロンチウムを大量に含んだ隕石を人為的に惑星に誘導する事で、卵からブラウゴールを育てて生物兵器として売りさばいているという、大がかりかつはた迷惑なブリーダーであった。隕石の接近を誤魔化しつつ誘導電波を放つ為に、モンテーン博士になりすまして中央天文台を利用していたのである。
デカレンジャーはSWAT装着し、ニカレーダはメカ人間を召喚。なんだかんだで気のせいているデカブルーは率先して突撃し、変な大の字ジャンプを披露(笑)
桃「なんか今日のホージーさん、凄くない?」
黄「んー、すっごいですねぇ」
赤「そうだ、もたもたしてる暇ねえんだ」
緑「ん、どういう事?」
赤「相棒、一気に行くぜ!」
青「相棒って言うな」
前回今回と、バンと誰かのエピソードなのも、終盤に向けた意図的なものでしょうか。
ダブルリボルバーショットにより、ニカレーダの手にしていた隕石誘導装置は破壊され、軌道を変えて地球激突コースから外れていく隕石。
「スマスリーナ星人ニカレーダ、殺人及び危険指定生物繁殖条例違反にまつわる、7つの星を滅亡させた罪で、ジャッジメント!」
当然のようにデリート許可が下り、珍しく自分からアブレラさんとの繋がりを口にしたアリエナイザーですが、特に気にせずその場でデリート執行。5人はデカロボでデカバロボの救援に駆けつけ、お久しぶりにスデカロボ発動。
久々に見ると…………格好悪い(笑)
スデカロボはガトリングパンチからダイナマイトアッパーでブラウゴールを撃破し、これにて一件コンプリート……時刻は、4:55。
「本日はこれで、お開きという事で」
「駄目だこれで終わるなんて!」
「ん?」
「行くぜ相棒!」
バンは強引にスデカロボを食事会のレストランへと向かわせるが、既に無人……と思いきや、妹と相手の家族は、外でホージーを待っており、無事に挨拶できるホージー
「いい相棒さんが居てよかったね」
「相棒って言うな」
と、妹相手にいつものやり取りで、丸く収まりました。
はいいとして、
「よっ、おにいちゃぁーん!」
「スーパークール」
「相棒、相棒!」
職場の巨大ロボを私用で使い、高い所から囃し立てる同僚5人に、向こうの家族、どん引き(笑) こ、この嫁をいびったりしようものなら、私達一家まとめて、いや、地域一帯、消される?! みたいな感じで、戦慄しています。
ナレーション「ホージーとバンの友情に支えられて、地球の危機は救われたかに見えた。だが――」
闇の中、街を見下ろすエージェント・アブレラ
「あれで終わりだと思うな。卵は一つではないのだ。そしてあの時、莫大なエネルギーが地底に流れ込んだのを知らないだろう。本当の恐怖は、これからやって来るぞ。ふふふふふははははは、ははははははははははは……!」
珍しくアリエナイザーがアブレラさんの名前を口にしたと思ったら、更に珍しく、アブレラさん、悪の黒幕のような引き。
爆散したブラウゴールのエネルギーを吸収し、地底で蠢く、巨大なブラウゴール。果たして、地球の運命や如何に?!
全体的にテンポ良く進んだ中、ブラウゴールと隕石のダブル脅威にホージーさんの事情まで付けた結果、隕石の存在感が薄い、というのが今回の欠点だったのですが、次回が本番だった模様。
相棒ネタもまさかの前後編で、次回、殉職するのは誰だ?!
……しかし、バンとホージーは、コンビ立ち上げの3−4話が、シリーズ通してもかなり出来の悪いエピソードだったのは、本当に勿体ない(^^; あそこでもっと巧く噛み合っていれば、今回みたいなノリも、もう少し早くから持ち込めたと思うのですが。そういう点では、途中参加の横手美智子がバンを立て直してくれたのは、シリーズとして大きな分岐点だったな、と。