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『炎神戦隊ゴーオンジャー』感想29

◆GP−47「内閣カイゾウ」◆ (監督:諸田敏 脚本:武上純希
「我が名は、ヨゴシマクリタイン、ナリナ」
ヘルガイユ宮殿に放置されていた無限ゴミ箱から現れた黒い影、それは声と口癖がそっくりなヨゴシュタインの父親にして、ガイアーク総裏大臣・ヨゴシマクリタイン。
「ガイアークに総裏大臣が?!」
「知らなかったゾヨ……」
おい
そして同じくゴミ箱から登場し、それを紹介したのは、総裏大臣の女房役、官房長官・チラカソーネ。
2人はサウンド、マジック、プリズムの3ワールドをちらかし、今、ヒューマンワールドへやってきたのである。3ワールドを滅ぼしたと噂になっていたも殉職したキレイズキーは、あくまでヨゴシマクリタインの配下の1人に過ぎなかった。
ガイアーク的に考えると、「滅ぼす」より「散らかす」の方が正道なので、改めてキレイズキーさんは、噂に尾ひれがついたのをいい事に、ふかしていた疑惑(笑) まあ、総理と官房長官と面識はあったようなので、ガイアークの一員ではあったようですが。
で、どうもこうなると、どうやらガイアーク本体はとっくの昔(恐らく数百年単位)に安住の地を求めてマシンワールドを捨て他のワールドに移っており、何らかの事情で後に残った一部が、そういった歴史も忘れ去られた事、炎神の迫害に耐えかねて武装蜂起するも失敗してヒューマンワールドへ……という流れが推測されます。
この辺り、最終的に筋の通る説明は今後の本編で入るかもですが。
その頃ぎんじろうでは、何故か軍平が範人を女装させようとしていた。
「な?いいだろ?」
どこへ行こうとしているのか。
軍平によると、母親がお見合いを勧めてきてうるさいので、女装範人の写真を送って誤魔化そうとしているという事なのですが、そこに生物学的に女の子座ってますよ?!
まあ、軍平と早輝がカップルを称すると、若干、犯罪の臭いが漂うのは確かだけど。
そして天使、ツッコミもしなければ、協力の意志も示さくて怖い(笑)
そこへボンパー曰く「いつもの大臣よりずっと強いガイアーク反応」が感知される。
……や、いつもの大臣も、戦うと、強いよ?
「我らが総裏大臣、ヨゴシマクリタイン様の登場なのーね」
高層ビルに浮かび上がる、ヨゴシマクリタインの顔。
ヒューマンワールドに改めて宣戦布告――と思ったら、いきなりの大爆破。自分の顔を映したビルを最初に粉微塵にするとか、凄い大物感が漂います(笑)
内閣改造! ガイアークはChangeする時なのーね! 世界中の空を、海を、陸を、汚しまくり、散らかしまくるのーね」
「Yes,We can」
この局面で某国大統領ネタを放り込んでくるとか、どこまでもブレません。
ゴーオン7人が登場してとりあえず名乗り返し、チラカソーネの命令でウガッツと一緒に突撃してくる大臣ズ(笑)
ただやっぱり、まともに戦うと強い。
ウガッツを蹴散らした緑と黒はヨゴシマクリタインに挑もうとするが、その時、興奮状態のキャリゲーターが強引に満タンガンの中に入り込み、ビームを乱射。
「ヨゴシマクリタイン、ここであったが百万年目でござーる!」
予告から緑と黒の話だとは思われましたが、ここでまさかの、キャリゲーターにもスポット。正直、キャリゲーターはこのままの扱いで終わると思っていました、すみません。
「秘技・天地逆転!」
だが、チラカソーネが満タンガンのエネルギーを飲み込んで増幅反射し、吹っ飛ぶ2人。更に残り5人も、チラカソーネの使う散らかし拳法の前に叩きのめされていく。チラカソーネは小太り体型からは予想外の拳法使いで、ここのアクションは面白くなりました(『vsゲキレン』を意識したネタか)。
下へ吹っ飛ばされた緑と黒は、ジャイアン族が希少種族となったのは、過去にヨゴシマクリタインによる大殺戮があった為だった、とキャリゲーターから聞かされる。キャリゲーターが我を失った事情を知った2人は戦列復帰し、不意打ちでチラカソーネにダメージを与える事に成功。
「天気がいいナリナ」
どこか鷹揚な感じのヨゴシマクリタインの攻撃を弾き、総理に必殺武器を向ける7人。
「総裏、危ない! お任せをー!」
だが壁となったチラカソーネが天地逆転を発動し、自分達の必殺攻撃で大ダメージを受ける7人。マニフェスト発表を終えたガイアーク新首脳部は、ゴーオンジャー恐るるに足らず、と7人を捨て置いて帰宅するのであった。
炎神達にとって伝説の種族となっているジャイアン族が、かつてヨゴシマクリタインに大殺戮を受けて希少になったという事は、むしろマシンワールドはかつてガイアークの支配下であり、その後なんらかの事情で炎神がそれに取って代わり、差別と被差別の関係が逆転した、という事でしょうか。
そしてみんな、そんな暗い歴史は忘れてしまっているというのが、今作の実は真っ黒でシニカルな所だなぁ。
それぞれ怪我の手当をするゴーオンジャー。何故か2人で銭湯へ行っている、軍平と範人。朝は女装問題を発端に喧嘩もしたけど、なんだかんだで仲のいい2人、そしてお気楽でお調子者に見えるけど、範人もけっこう傷だらけ。そんな不在の2人を、居ないのをいい事に急にけなし始める、走輔達。
赤「あの厄介なでこぼこコンビと、うまくやるのって、大変だったよな」
黄「軍平は堅物で、融通が利かなくて、口うるさいし」
青「範人は、調子が良くて、気まぐれ……どこか軟弱っスね」
銀「なんか2人とも、いいとこないみたいじゃない?」
金「だがあの2人が居ないと、さみしいだろ……なぁ、走輔?」
赤「な、ちょっと、馬鹿言うな! あんな押しかけ参加の2人がいなくたって」
黄「でも確かに……5人で居るのが普通になってたよね」
まあ、しれっと場に混ざっていますが、走輔達視点ではピカピカ兄妹の方がよほど途中参加(笑)
そしてピカピカ兄妹視点で見ると、5人とも後から出てきてヒーロー気取りの廉価版集団で十把一絡げという(笑)
ヘルガイユ宮殿では、ヨゴシマクリタインが無限ゴミ箱から何か赤い鉱石のような物を取り出して食べていた。大臣ズは微妙にチラカソーネが気に入らない様子ですが、強い味方なのはいいけれど、偉い人が出てきて職場で飲酒出来なくなったからか。
「このチラカソーネが、ヒューマンワールドの全てを、散らかしてみせるのーね」
圧倒的な技と自信を持つチラカソーネは単身出撃していき、どうすればチラカソーネを打ち破る事が出来るのか、銭湯で悩んでいる2人と3体。
同様に考え込んでいたぎんじろう組5人の方では、連が「天地逆転」は反撃のエネルギーを放っている間は新たに飲み込む事が出来ない、という弱点を指摘する。
「それだ! 誰かが砲撃を受けている間に、横から攻撃すれば、倒せる筈だ」
「でも誰が犠牲になって攻撃を受けるの?」
タイヤでいいのでは。
もう一度、あのエネルギー波を浴びたらただでは済まない……打開策を見つけられずに居る中、街へチラカソーネが出現。「秘技・天地無用」でビルを次々と破壊して行くその前に、軍平と範人がいち早く立ちはだかる。


ダッシュ豪快・ゴーオンブラック!」
「ドキドキ愉快・ゴーオングリーン!」
「「正義のロードを突き進む」」
「頑張る!」
「押しかけ!」
「「参加組!!」」

…………えー、いつもおかずが一つ少ないとか、洗濯物が日陰に干してあるとか、見えない所で陰湿なイジメとかあるのでしょうか(笑)
緑と黒は華麗なコンビネーション攻撃を駆使し、それとぶつかり合う散らかし拳法。遅れて5人が到着し、緑と黒は必殺武器のジャンクションライフルを構える。そう、銭湯で対チラカソーネの作戦を考えていた2人は5人と同じ結論に思い至り、自発的に囮になる為に先行していたのである。
緑と黒はジャンクションライフルを放ち、それを飲み込むチラカソーネ。天地逆転が発動し2人はエネルギー波に飲み込まれるが、その隙にハイウェイブバスターとウイングブースターが横から突き刺さり、チラカソーネ大爆発。
「あの2人、なかなかやるじゃない、兄」
「無茶だ。……が、だからゴーオンジャー、だな」
今回ここまで、視聴者が思ってもいないレベルで、初期メンバー3人と追加2人(と言っても2話からなんですが)を区切って置いて、ここでデタラメデス回を踏まえて「ゴーオンジャー」をまとめる、というこの台詞はお見事。兄の立ち位置も活きました。
チラカソーネはドッキリウムで超産業革命し、ダメージの大きい緑と黒を気遣った5人は炎神王と青空王で別個に出撃するが、巨大化しても健在なチラカソーネの散らかし拳法を受けて大苦戦、両ロボとも分離してしまう。
ここで負けるわけにはいかない、と立ち上がった緑と黒は炎神キャスト転送、キャリゲーターにガンパードとバルカを乗せる懐かしのキャリー状態から連続攻撃を浴びせ、頑張王チューンナップ。
「2人の心と3体の魂が一つになり、とことん頑張る炎神の王が、今、降臨するんでい!」
あんまりだと思ったのか、バスオンさんが考えてくれたよ!
頑張王はチラカソーネを気合いのラッシュで押し切り、頑張グランプリ発動。
「なんの、これしきのエネルギぃ!」
「「うおりゃあ、剛力無制限!!」」
で押し込む、という使い方は格好良かった。
頑張王の大奮闘によりチラカソーネは散るが、邪悪な意志を感じるピカピカ兄妹。
「なにこの強い殺気……」
姿を見せたのは、総裏大臣ヨゴシマクリタイン。怒りのキャリゲーターは総理を踏みに行くが弾かれ、ヨゴシマクリタインの体から、凄まじい光が迸る。
「必殺・正義解散!」
総理の放つ黄金の閃光を浴び、キャスト状態に強制分離される頑張王。
……バカヤロー解散、みたいな技?
「貴様……何をした!」
「ふん……見るナリナ」
頑張王から弾き出された緑と黒が目にしたもの……それは、奇妙な光に包まれ、金色の粒子となって消滅する3体の炎神であった!
「俺が、消える……あいぼぉ!」
「せ、拙者も……む、無念でござる」
「あ、アディオス・アミーゴぉ……」
無残に消滅する3体の炎神。そして、緑と黒の体にも異変が……。
「こんなので、消えてたまるか……!」
「世界を、守らなきゃ……」
「無理ナリナ。おまえ達、最期ナリナ」
立ち上がった2人は総理へ向けて足を進めるが、変身が解除されて倒れ、そして――消滅する。
「軍平! 範人! 行くなぁ!!」
走輔の絶叫が響き渡るが、それは空しく木霊するだけ……。
ここで、範人、軍平、バルカ、ガンパード、キャリゲーターがまさかの戦線離脱。比較的ライトな作風を逆手にとった予想外の展開で、これは油断していただけに意表を突かれました。
そして、この衝撃のラストをもって3人と2人を妙に分けていた真の理由が判明する、という巧みな構成。前回がボンパー回に合わせて何となく初期3人の頃を振り返っていたのも、見事な目くらましになりました。前回、内容はともかくタイミングの微妙なボンパー回と書きましたが、ボンパー回という事そのものが、この展開の布石であると同時にステルスだったというのは、なかなか凄い。
流れとしてはごく自然に、前回、ボンパーと3人の話だっから、今回は範人と軍平と相棒達の話で、これまでを総括しながらクライマックスへ向かうのだろうなぁ……と思っていたら、ここまでやってくるとは、これは、やられました。
またこう持っていく事で今作の構造上、最強最大問答無用の炎神王G12を、出しも下げもせずにごく自然な成り行きの中で封じている、というのも巧い。
基本的に、武上脚本それほど評価していないのですが、『ゴーオン』の武上さんは、実にいい仕事。今作は、サブメンバーとのバランスもいいけど。


◆GP−48「正義カイサン」◆ (監督:諸田敏 脚本:古怒田健志
「我が伝家の宝刀、正義解散によって、奴等は無になったナリナ」
ヨゴシマクリタインの放った、正義解散。それは触れたものを無へと還元する文字通りの必殺技であった。
「我から見ればおまえ達など、虫けらのような存在ナリナ」
ガラガラポン、で国会議事堂崩壊(笑)
ヨゴシマクリタインのハンマーのほんの一撃で、かつてない大破壊に見舞われるヒューマンワールド。
「この世界はもう終わりナリナ」
「許さねぇ」
激怒して生身で総理に突撃しようとする走輔を何とか抑えるピカピカ兄妹。ヨゴシマクリタインは再び正義解散を放とうとするが、空腹で帰宅。前回から何かと食べているのはやはり、伏線だった模様。強大な敵があまりあっさり出たり帰ったりを繰り返すと白けがちですが、あれだけの大技だと、燃費が悪くても納得です。
帰ってきたヨゴシマクリタインの機嫌を取ろうとヨゴシュタインの名前を出してみる大臣ズだが、ヨゴシマクリタインはかえって激怒。
「ヨゴシュタイン……ゴーオンジャーごときに負けた役立たずの名前など、聞きたくないナリナ!」
ガイアーク陣営においてかつてない冷酷な悪ぶりを見せつけるヨゴシマクリタインに対し、2人は役立つ所を見せようと、蛮鬼獣作成部屋へ。
「ふん、腹が減っては解散ができぬ。我は食うナリナ」
ぎんじろうに戻った5人は、範人と軍平の反応を探すが……
「範人達の反応は……どこにも無いっス」
「別の次元へ飛ばされた形跡もないよ……」
ヨゴシマクリタインの言う通り、2人と3体は、無になってしまったのか? 激高する走輔は、クールに努めようとする大翔に掴みかかり、美羽に止められる。
「兄、走輔達に冷静でいろって言ったって、無理だよ」
「わかってる。だからこそ、いまは誰かがあいつらを支えてやらなきゃいけないんだ」
一度、須塔家へ戻る兄妹だったが、そこでは何故か、2人の預かり知らぬ所で引っ越し作業が進められていた……。
「大翔のやつ……他人事みたいに言いやがって、うぉぉ!!」
荒れる走輔、沈み込む連と早輝。
「あいつは俺が倒す……そうすれば、2人は戻ってくる筈だ! そうだろう?! なぁ、そうだろう?!」
敵を倒せば万事解決する筈だ、という点に関してある種の意図的なメタ要素も感じさせる台詞ですが、それを絶対に信じているわけではなく、無理矢理な笑顔で絞り出す、という走輔の表情がいい。
「じい……?」
須塔家の引っ越しを進めていたのは、スイスに居る須塔両親の元からやってきた執事だった。スイスに来るようにという両親からの言葉を伝える執事だが、兄妹はそれを拒否。それに賛同し、執事の周囲を飛び回るウイング族の炎神ソウル。
「何を言っているのです、この、クジラめ!」
執事、教官蹴った(笑)
「ここには、支えを必要としている者が居る。それが出来るのは、俺たちだけなんだ」
「じい、私は巻き込まれてなんかいない。これは、私が自分で選んだ戦いなの」
邪悪の意志を感じ、執事を振り払って兄妹は出撃。そこでは、全ての蛮鬼獣の能力を備えた今度こそ最強の蛮鬼獣・ケッテイバンキが暴れていた。
ケッテイバンキは、いちいち、能力元の蛮鬼獣の名前を言いながら攻撃するのが、丁寧で敗者へのリスペクトを感じます(笑)
「総裏に会いたければ、ケッテイバンキを倒してみるゾヨ」
3人もやってくるが、走輔は引き続き暴走状態。チームワークもへったくれもない攻撃でケッテイバンキにペースを握られてしまい、能力全発動の総攻撃を受け、5人はバラバラに吹き飛ばされてしまう。ケッテイバンキは産業革命し、その凄まじい攻撃力で街を破壊していく。
……仮にガイアークを排除する事に成功しても、政治と経済の中枢をやられ、なんか日本はもう駄目かもしれない。
「これ以上戦っても、勝ち目はないっス……」
「軍平と範人もいなくて、それに、もしあいつを倒しても、また総裏大臣が現れて……あたし達も、消されちゃうかも」
すっかり戦意喪失してしまった連と早輝を励ます美羽。
「ほら、スマイル」
「え?」
「スマイルスマイル、でしょう」
一方、大翔は瓦礫に挟まれていた走輔を助け出す。
「やめろ、おまえの力は借りねえ」
「なぜそう頑なになる」
「おまえは平気なんだよな。ゴーオンジャーじゃなくて、ゴーオンウイングスだから。軍平や範人が、どうなったって」
「馬鹿野郎」
「なんだと?」
「俺がどうしてゴーオンゴールドになったか、わかるか?」
「合体好きなんだろ……美羽が言ってた」
拾った(笑)
「違う。俺にしか、俺と美羽にしかできない、オンリーワンを探していたからだ」
「……オンリーワン」
「世界を守って戦う事が出来るのは、俺と美羽にしか出来ない事だと思っていた。だが、そこにお前達が居た」
ウイング族に選ばれ、厳しい訓練を経てゴーオンウイングスとなった大翔と美羽。ヒラメキメデスを追って戦い続けた彼等がヒューマンワールドに戻ってきて目にしたのは、無能で貧乏で足手まといでどうしようもなく駄目なヒーロー気取りのアマチュア連中だった。
だが――その中にある無茶な真っ直ぐさ、それは2人の持たない力であり、共に戦う事で2人をより高みへ飛ばしてくれる熱さであった。
「早輝のスマイルには、何度も勇気を貰ったわ」
「美羽……」
「出会った頃はね、毎日卵料理ばかり食べてる人達なんて、信じられなかった」
それ、戦いとは関係ない話ですよね(笑)
「でも今は、連の作る卵料理は、世界一だと思う」
「……世界一は……言い過ぎっス」
「ううん。貴方達は、世界一頼もしい、私の仲間」
美羽の言葉に再び立ち上がる連と早輝。
そして――
「走輔、おまえはこの世界を守るんだ。おまえと一緒に戦っている限り俺は、俺たちはどんな敵にも負けない」
「……たっりめえだろ!」
再起した5人は、暴れ回るケッテイバンキに向けて名乗りをあげる。
「5人揃った俺たちは、マッハで無敵だぜ、覚悟しやがれ!」
合身する、強烈王、炎神王、青空王。もう完全に、周辺が廃墟で戦っているのがなかなか凄い。
ケッテイバンキの多彩な攻撃に苦戦する3体だったが、粘着攻撃を青空王が上空に回避し、ウイングスのテーマ曲と共に分離して反撃スタート。と、前回を思わせる消滅フラグを立てる(笑)
空中戦でケッテイバンキを翻弄した青空王が組み付いて動きを止めた所で、強烈エクスプレスと炎神グランプリが次々と炸裂。最後は青空インパルスの矢が貫き、ケッテイバンキ大爆発。大臣ズは撤退するが、腹ごしらえを終えた総理、出馬。
「総裏大臣、おまえは俺が倒す!」
強烈王を降りて突撃するレッドだが、圧倒的なヨゴシマクリタインの力の前に一蹴されてしまう。
「そこで大人しく、仲間が消えるのを見ているがいい」
発動した正義解散により、強烈王、分離消滅。
「美羽、覚悟はいいか」
「勿論。私達にしか出来ない、オンリーワンの仕事ね」
続けて炎神王が狙われるが、割って入った青空王が正義解散の光を浴びて分離。総理は伝家の宝刀を2回使った空腹で帰宅し、投げ出されるゴールドとシルバー。
「ボンパー! 感度最大で、この現象のデータを取れ!」
ノブレス・オブリージュ――力ある者の義務と誇りとして、自ら身代わりとなる事で、正義解散を分析するチャンスを作るゴーオンウイングス。
「兄貴……俺っちここまでみたいだ」
「力尽きるとは、残念だぜ、バディ」
「諸君……さらばであーる」
だが、その代償はあまりに大きく、消滅する3体の炎神達。そして……
「大丈夫だ…………お前達なら、この世界を救える」
「信じてる……から」
勝利を3人に託し、須塔兄妹も、消滅する。
劇場版『仮面ライダー電王〜俺、誕生〜』のクライマックスで使っていた場所だと思いますが、ロケ地が広いと画面に前後左右の広がりが出て、そこを金色の粒子が舞っているのが良い映像。特に、3体のウイング族が消滅するシーンは非常に奥行きのあるいいシーンになりました。
総裏大臣ヨゴシマクリタインの正義解散、無情にして圧倒的……!
遂に、3人と3体とボンパーとぎんじろうだけになってしまったゴーオンジャー
果たして勝利への活路はあるのか。
座り込む連と早輝だったが、1人立ち上がった走輔は、決然と顔を上げる!
いよいよ、最終決戦の刻。
いやいやきっちり、盛り上げてきました。
前回が予想外の消滅展開だとしたら、今回は予告からも流れからも想定通りの展開の中、しっかりと話を作ってきました。特にいいのは、もう一度、ジャーとウイングスの立ち位置を分け、ここまでの総決算展開をなぞった上で兄妹が本音を告げる事。その上で、全体の中では、主に走輔の台詞で、“心にもない事”を言わせている。
本音と建て前を敢えて交錯させる事で、その中の真実がより際だって浮かび上がる。
古怒田脚本のセンスが光りました。
前回、ライトな作風ゆえに予想外の消滅展開と書きましたが、逆に言えば、何らかの形で戻ってくるのだろう、という安心感があるのは一ついい所であります(そう思わせた上でなお、盛り上げているのも見事)。ただその安心感は、うまく捌かないと物凄く白けるのと紙一重なので、ここがスタッフ、最後の腕の見せ所。鮮やかな大団円を期待したい。
次回…………あ、酒飲んだ。