はてなダイアリーのサービス終了にともなう、旧「ものかきの繰り言」の記事保管用ブログ。また、旧ダイアリー記事にアクセスされた場合、こちらにリダイレクトされています。旧ダイアリーからインポートしたそのままの状態の為、過去記事は読みやすいように徐々に手直し予定。
 現在活動中のブログはこちら→ 〔ものかきの繰り言2019〕
 特撮作品の感想は、順次こちらにHTML形式でまとめています→ 〔特撮感想まとめ部屋〕 (※移転しました)

『機動刑事ジバン』感想10

◆第13話「哀しみの少年を救え」◆ (監督:小西通雄 脚本:杉村升
不審な人間が出入りしているとの通報を受け、廃工場を張り込んでいた直人は、真っ赤な仮面をつけた背広姿の男達が工場の中に入っていく姿を目撃する。
不審だ!!
後を追って工場の中に入ると、そこでは仮面の男達が会食中。
獣毛などに覆われた人ならざる右腕で男達が人間社会に潜伏したバイオロン怪人である事を見せ、
「何といっても、われわれ怪物にとっての餌は、子供の体が一番だな」
という事は今食べているのは……? と、なかなかえぐい台詞。そして怪人達が進めているのは、安定した美食供給の為の、子供農場計画であった!
潜入を気付かれた直人はスカンクノイドの攻撃を受け、ジバンに変身するもガス攻撃で肩部に大ダメージを受ける。なんとか脱出に成功するも変身解除した直人は意識を失って倒れる……と、13話にして、ジバン、初の完敗。ジバンの危機的状況をモニターしていたボスがレゾンで駆けつけ、道に倒れていた直人を回収するが、そこは何故か、最初に倒れていたのとは違う場所だった。果たして、気を失っていた間に、直人の身に何があったのか……?
秘密基地(表向き五十嵐医院)で治療を受けた直人は、見舞いに来た洋子先輩に
「とにかく、またバイオロンが何か企んでいる事は間違いありません」
と相変わらず、バイオロンが一般警察に認知されているのかいないのか、隠したいのか隠したくないのか、よくわかりません。まあ先輩は何度も巻き込まれてバイオロン怪人も目撃しているので個人的に認知していていいと思いますが、その割にはバイオロンという単語への反応が無いので、直人の発言をどう受け止めているのか謎ですし。
悪の秘密結社が派手に暴れている割には世間に認知されていない、というのはある程度、“お約束”で誤魔化して良い所だとは思いますが、そうであるからこそ、誰までが情報共有者であるのか、というのはしっかり区分けしてほしい所。この辺り『ジバン』は、ヒーローを現実の公権力と結びつけてしまった為に、線引きを決めかねている所が作品全体に漂う迷いに繋がっている感じ。
改めて工場に踏み込む直人と洋子だったが、既に工場はもぬけの殻。意識を失った記憶のある場所を調べる直人は、そこで自分を見つめる少年の姿を目にするが、声をかけると逃げられてしまう。追いかけて辿り着いた二階堂家で、身分も名前も名乗らずに少年を問い詰め、家の人に追い払われる直人。
いや貴方、これ以上なく強烈な身分証明書持っているのだから、警察手帳を見せなさい。
実は二階堂家はバイオロンに乗っ取られており、少年は父を人質に沈黙を強要されているのであった。後日、通学中の少年に再び接触をはかる直人だが、計画の周囲を嗅ぎ回る刑事として、刺客の襲撃を受ける。
前回が洋子先輩祭りだったからか、今回は直人がアクション多め。ベルトコンベアーに乗りながらの刺客の銃撃など、なかなか面白い。襲撃の中、少年はランドセルに潜んでいた監視役小型モンスターの毒針を受けて倒れ、瓦礫の下敷きになりながらもジバンに変身して窮地を脱した直人は、少年を基地に運び込んで解毒に成功。そして、少年が意識を失っている間に、勝手に記憶をリプレイする。
対バイオロン法特記事項・機動刑事ジバンは、バイオロンが関わる犯罪と認められた場合、関係者の人権を無視する事が許される。
これによりあの日、二階堂親子が道に倒れた直人を発見して屋敷に運び込むも、正面玄関から堂々とバイオロン戦闘員が訪問して来た為、裏口から外に連れ出して道路に放置していた事が判明する。二階堂家に踏み込んだバイオロンは、たまたま二階堂父が資産家であり、広大な土地に「子供の国」を建設しようとしている事を知ると、それを子供農場の隠れ蓑にしようと、二階堂父に成り代わったのであった(なお二階堂父役は、東映怪人声優の古豪にして常連、西尾徳さん)。
「意識を失った直人の身に何があったのか?」というちょっとしたミステリ要素を盛り込んだのは面白かったのですが、バイオロン側に少年を生かしておく理由が全くなかったのが残念。その上で次のシーンでざっくり「刑事と子供は始末しました」とやってしまうので、バイオロンが何をしたかったのか、さっぱりわかりません(^^; 計画を立ち聞きした刑事=直人、を誘き出す為の囮作戦、と解釈するのはちょっと親切に過ぎますし。
邪魔者は排除した、と二階堂家に集まって意気上がるバイオロン怪人おっさん軍団。それぞれ表の顔は、政治家、建設会社社長、新聞社の編集長……と、社会の権力構造に、バイオロンが浸蝕している事が改めてハッキリしました。
だがその時――鋼鉄の体に正義の魂を秘めた不死身の刑事、闇の裁きの執行者が、星の輝きと共に現れる!
星形に撃ち抜かれた扉の奥にジバンが立っている、というカットは凄く格好良かった。
数話ぶりの外道照身霊波光線でスカンクノイドは正体を現し、仮面おっさん軍団は、省コストの為、右手だけ変形。階段を上へと逃げる男達、それを追いながら片言で対バイオロン法を読み上げるジバン、と相変わらずホラー風味。バイオロンはいつものように二階堂父を人質にし、銃を捨てたジバンは追い詰められるが、そこへやってきた先輩が射撃で援護。
射撃した先輩が一瞬シルエットなのも格好良く、今回は小西監督がけっこう冴えています。設定がハッキリしたり(序盤の演出を見ていると今作、初期はジバンの設定がしっかり決まっていなかったのでは、という気がして仕方ない)、登場人物のバランスが見えてきたりで、演出陣の方もようやく落ち着いてきたのか。
まさかの先輩の活躍で二階堂父は無事に救出され、スカンク火炎放射を打ち破ったジバンは、ジバンエンドでずんばらりん。かくて、バイオロンの、子供農場計画、の前にとりあえず資産家のドリーム計画をかすめとろう作戦は瓦解するのであった!
今回、『ジバン』としては結構面白かっただけに、軸であった筈の少年がらみの展開の雑さが残念。真相の解明も、心の交流とか全く無しに、気絶している間に機械の力ですし(笑) 直人が何の躊躇もせずに他人の記憶を盗み見るのが恐ろしいのですが、脳改造済みだからシカタナイ。
次回、
「バイオロンが遂に、ジバンの弱点を発見」
脳?
そして、予告に物凄くヤバめの映像ががが。