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『魔法戦隊マジレンジャー』感想3

◆Stage.4「魔人の王様〜マージ・ジルマ・マジ・ジンガ〜」◆ (監督:中澤祥次郎 脚本:前川淳
今となっては母の形見となった、次女の大切なコンパクト壊してしまった末弟、冒頭から平手打ちを浴びる。
「もっと周りを見てよく行動しろって、いつも言ってるでしょ!」
1話最初の、子供に体当たりに始まって、ひたすら、好感度の上がる余地の薄いレッドだなぁ……(^^;
かくて、普段は優しい青がお怒りモードに入って小津家が全面核戦争間近の緊張感に包まれている頃、夜のガード下で怪物に襲われ、石化、消滅するサラリーマン。娘からのメールを受けた携帯電話が地面に転がる、と3話に続いてやや怪奇をあおる演出。
そんな事件は、またもスーパーで主婦の噂話になっており、毎度これを入れるならそれはそれで面白いと思ったら、そこからカメラが横に流れて別の場所で女子学生達の噂話に切り替わり……


「ねえちょっと聞いて、また起きたみたいよ、摩訶不思議事件」
「えー、巻き込まれたどうしよう」

やばいよね」
「そんな時は、手の平に指で“M”って3回書いて、有明の月に向かって

有明の月に向かって呪文を唱えると、五人の魔法使いが助けてくれるそうじゃ」
「ありあけの月って

なに?」
「朝になっても出てる、月のことなんだって」
「ねえねえその呪文って、どんなんだっけ?」

「――マジカ・マジカ・マジカ」

主婦→女子学生→老人と孫→小学生→そして呪文を唱える被害者の娘
「お願い魔法使いさん達、お父さんを探して」
これは、凄く良かった。
前回用いた“街の噂話”をキーとして、魔法110番のおまじないへと繋げ、それらをあくまで都市伝説の領域に留める事で、ファンタジーと現実の狭間にマジレンジャーの立ち位置を確立。
中澤監督も、素晴らしい演出。
魔法部屋の鏡に映るのは、インフェルシアがらみの願い事だけであり(下調べは、天空聖界マジトピアの方で、サービスしております)、少女の父親を探す事になるマジレンジャー。とはいえ、このままで何の手がかりもない……と、青の魔法使いの特殊魔法である占いでヒントを探す事に。母に強制的に着せられたローブには魔法力UPの効果がある事が判明し、次女の占いにより、ざっくりと割れてしまう、父親の行方。水晶玉をじっと見つめる次女を残して出撃した4人は、樹海で石化・転送された人々を発見するも、冥獣コカトリスの迎撃を受ける。
石化といえば、コカトリスバジリスクメデューサというわけで、そんな感じではありましたが、今作の怪人は、ファンタジー怪物列伝になるのか。
硬質の皮膚を持つコカトリスに攻撃が通用せずマジレンジャーは苦戦し、赤が石化ビームを喰らいそうになるが、後から駆けつけた青にかばわれ、次女、石化。範囲魔法を使って目くらましを行い、次女の石像を抱えた兄妹は一時撤退を余儀なくされる。
深刻な喧嘩の真っ最中にも関わらず、自らの命を賭して弟を守った次女の優しさを、ここぞとばかりに持ち上げる兄妹達。はまあいいのですが、
「うらねえ、情が深いから」
て、黄色、君は何歳だ(笑)
20前後の男の言葉の選択としても、姉に対する弟の感想としても、だいぶおかしい(笑)
前回の掃除中に、イヤホンで音楽に夢中という描写がありましたが、部屋に入ると、八代亜紀小林幸子石川さゆり細川たかし五木ひろし、辺りのCDがずらりと並んでいたりするのか。
赤はマンドラをしめあげ、自分の特殊魔法である錬成術(前回、空中ブランコを作っていたのはこれ?)を用いれば、石となった次女を元の状態に錬成しなおす事で呪いが解けるかもしれない、と聞き出す。
……それ大丈夫ですか、魂の質量とか肉体の一部とか足りなくなったりしませんか。
だが、幸か不幸か、赤の魔力は、人体を錬成し直す域には達していなかった。そこへ冥獣が街に出撃した反応が感知され、必死に錬成術を唱え続ける赤を置いて、残り3人が出撃……あなた方そもそも、4人で先行したから酷い目に遭っている事を学習して下さい!
このパーティには、致命的に参謀役が足りてない!!
街へ向かった3人がナイとメアにあしらわれている頃、姉を助ける為に精神力と生命力を振り絞り、好感度上げをはかる赤。その姿にマンドラは、呪いは、かけた相手を倒せば元に戻る事があるかもしれない、と口にする。
「敵を倒したらバッドステータスが治りました」というのはパターンなのですが、それを治療する正当な手段を提示して試した後、それでも駄目なら?マーク付きでこういう手段もある、と段階を踏んだのは良かった所。
だがどうすれば、攻撃の通用しないコカトリスを倒す事が出来るのか……マンドラによれば、占いを続けていた次女は、どうもその方法を掴んでから出撃したようなのだが……
「だから言ったでしょ、周りをよく見なさい、って……」
その時、青の言葉を思い出した末弟は、石化した次女が戦いに向かうのに何故かコンパクトを手にしていた事から、お約束に気付く。バンキュリアに3人が叩きのめされている所に姉の石像を抱えてやってきた赤は、鏡を造り出すと石化ビームを反射してコカトリスを石に変え、ファイヤーアタックで撃破。これにより呪いが解け、樹海の食事場に石化・転送されていた人々も、次女も、元の姿に戻る。
コカトリスの敗北を受けてナイとメアは地下へ戻るが、ウルザードさん、地下から魔法でコカトリスを再生巨大化。対する5人は、新たにダウンロードされた魔法を早速発動する。
「「「「「我ら、魔人の王となれ、魔人合体、マージ・ジルマ・マジ・ジンガ!!」」」」」
魔人化した5人は更に変形合体し、3段構えで4話にして遂に、巨大ロボット・マジキングが誕生。
「マジキング・ナンバーワン!」
魔法により5人そのものがパーツとなっているわけですが、マジキング状態では精神体がコックピットに集まり、シリーズ通常と同じ形式に。ただ、下半身はなぜか壺の中(笑) そしてその壺が、チェス盤のような床の上を滑るように移動する、というのは面白い。
ロボ頭部は魔法使いの三角帽子のイメージのようで、登場時に、指先で目の上のひさし部をくいっと持ち上げるような仕草をするのが、格好いい。また、最初から大きな翼がついているというのも珍しい上に格好いいのですが、折り畳んだりの動きはCGだけど、どうも立っている時は実物に見え、翼広げた状態だと、動けるのかこれ(笑) 当然のように、アクション時は格納していましたが。
マジキングはマジカルショータイムで剣を飛ばしてコカトリスの動きを封じ(これも格好いい)、「キングカリバー魔法斬り」で一刀両断。
「マジで決めたぜ、マジレンジャー!」
その決め台詞は、どうなのか(笑)
あと、色々やばい小津一家の場合、「マジでキメたぜ!」という感じで、マジやばい。
脱法マジックハーブは、勇気と違う魔法だから。
かくて冥獣は倒れ、姉弟喧嘩も収まり、お父さんも無事に帰宅。
「魔法使いさん達、ありがとう」
と、頭上の満月に向けて礼を言う少女、で美しくオチ。
一方、遅々として進まない地上引っ越しにン・マ様はお怒りで、ブランケンマジレンジャーに対する苛立ちを強くするのであった……。
話の中心であった姉弟喧嘩に関しては、特に面白みはなく平凡な落着でしたが、前回を受ける形で噂話から劇中におけるマジレンジャーの立ち位置を確立した展開は秀逸。また、少々キザなマジレンジャーのアクション(ロボ戦含む)が、ファンタジーフィルターを通す事で素直に格好良く見えるという見せ方が、物語の流れにきっちりと収まりました。
極端に言えば、これを1話に持ってきて、どうしてこんな事になったのか……と巻き戻る、というような野心的な構成も見たかったぐらい。
特に、据わりの悪かったマジレンジャーの在り方が確立したのはとても良く、リアルとオカルトの狭間の存在として認識されている、というのは個人的に好みです。
ところで、ちょうど今『真・女神転生4』をプレイ中の為に思考がそちらへ行く部分もあるのですが、勇気と言う名の魔法=悪魔召喚プログラム、マジトピア=ロウ、インフェルシア=カオス、だと考えると、今作、戦隊版《女神転生》的な部分があるな、と(笑) 怪人のモチーフはファンタジーな怪物ですし(そして怪人デザインの篠原保さんは、特撮畑での活躍から、『真・女神転生4』に悪魔デザインで参加していたり)。まあ両陣営、天国と地獄をコンセプトに置いているのは間違いないでしょうから、いやが上にも重なるといえば、それまでですが(^^;
後もう一つ、個人武器の中でえらくボウガンだけ使われるな、と思ったら、もしかして普通の飛び道具ないのか、マジレンジャー……勇気があれば(そして何かをキメていれば)、飛び道具なんていらない!!
次回、ラブハンターvs末弟。