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『烈車戦隊トッキュウジャー』感想14

◆第14話「迷刑事、名探偵」◆ (監督:加藤弘之 脚本:大和屋暁
読書中のヒカリを残して昼食に向かった4人、逮捕。
続発する連続窃盗事件の容疑者として逮捕された4人だが、逮捕した刑事に根拠は、全く無し。髪の先から足の爪先まで完全なるダメ刑事により前科一犯の危機に陥った4人の無実を証明する為、ヒカリはけん玉刑事として捜査に向かう!
ひっどい展開(笑)なのですが、警察関係者を潔く純粋なるダメ集団とする事で、警察周りの理由付けをすっぱりと省き、物語をスッキリさせた省略の技術は巧み。
捜査シーンでは、ヒカリ、車掌、ワゴンさん、脚本、演出、超ノリノリ。
そして留置場では、パニック状態になったトカッチとカグラがちょっと頭おかしくなる一方、胃袋でものを考えている人が、カツ丼につられて自白していた。
裁判イラストが面白かった(笑)
「これにて一件落着」
だがそこへ現れる救世主――けん玉探偵ヒカリ! は、犯人は街で人間界のキラキラを集めまくる掃除機シャドーだと推理を披露するがダメ刑事に完全にスルーされる。あわやヒカリも面倒だから逮捕、というその時、別の場所で新たな事件が発生し、釈放される4人。逃げ足の速い掃除機シャドーを追い詰める為に、ヒカリの指示で5人は次の目的地に先回り。寿司屋で光り物を盗み出した掃除機シャドーを尾行し、その盗難品の隠し場所を突き止める。
カグラがいつの間にやら探偵コスプレしていて、ヒカリと同じ仕草をしているのが、妙に可愛い(笑)
掃除機シャドーを撃破した5人は、シャドーが集めたお宝の中に、最速のサポートレッシャー・ポリスレッシャーを発見。巨大化した掃除機に対し、トッキュウオーポリスで立ち向かう。
高速烈車、そして合体時は、右手に銃、左手に手錠の射撃タイプというポリス。凄く豆鉄砲だったトッキュウオーの通常飛び道具は、もはやお役御免でしょうか。強引に戦闘、というか相手を殴り飛ばしていた従来のサポートレッシャーと比べ、ポリスはストレートに戦闘向けの感じ。クライナーロボを射殺し、掃除機も手錠で動きを封じた所に銃弾を叩き込むポリススマッシュで滅殺。盗まれたお宝の場所を警察に連絡し、5人はまた次の駅へと向かうのであった……。
トンデモ話なのですが、ギャグアニメを書き慣れている(&戦隊経験もある)脚本家という事で、今回ここまではOKというリアリティの線引きがしっかりしており、“こういう話”として楽しめる出来になっているのは、さすが。演出の加藤監督も、うまくそのラインを汲み取りました(「おぃ〜」はやり過ぎたと思いますが、もはやこれ、ドリフなのか『銀魂』なのか)。
その流れで、サポートレッシャーがほぼたまたま拾われる、というのも今回のエピソードの中には収まっています。
ヒカリはだいぶ高い所まで飛んでしまいましたが、少々崩しにくくなっていたので、幅を広げるという点では良かった面もあるか。“結局はライトの友達”とは言えるし(笑) 後まあ、「推理小説を読んでテンション上がった」というのは、今作の世界観においてはイマジネーションの暴走と肥大化に繋げられるので、レインボーライン乗車中にフィクションにはまってしまった事で一時的にカグラ状態(トランス状態)に陥っていた、という解釈も一応は成り立ちます。カグラもその余波で影響受けていますし。
任侠映画を見た後に、映画館を出てきた客がみんな肩で風切って歩いている」というのが今作の一つのベースだとすれば、吹っ飛ばしているようでその実、肝心のツボは押さえている、そんなエピソードとも言えましょうか。
レインボーラインそのものに、ある種の触媒的効果もありそう。
……で、今更だけど、「カグラ」って割と明確に「神がかり」を意識したネーミングだったのかしら。
ライトが珍しく食われ気味でしたが、前回もたまたまミオのツボを突いたから良かったものの、自由すぎるを通り越して身勝手になりかけていましたし、サブライターだとライトの扱いは少し難しい所はあるのか。
次回、シウマイ……よりも、薔薇をくわえたシュバルツ様が超気になります。