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『魔法戦隊マジレンジャー』感想5

◆Stage.7「夢の中へ〜ジンガ・マジーロ〜」◆ (監督:渡辺勝也 脚本:荒川稔久
前回の今回で、暴れん坊大臣ブランケンと、独自のモラル騎士ウルザードの態度と言動が注目される所でしたが、
「大興奮した赤の魔法使いの力で、大規模魔導陣を生み出す力は封じられちゃった、てへ」
とウルさん言い訳。
ブランケンロードはお預け、輸送力を気にせずに地上へ侵攻する為には、引き続き<門>の鍵を探索するしかない……と7話にしてようやく、これまでのインフェルシアの活動が、ただの嫌がらせではなかった事が判明しました。
闘う薬罐ブランケンは文字通りに湯気を出しながら去って行き、そこへ現れるバンキュリア
「何を企んでるの?」
「なんの事だ?」
「ふふふふふふ、見たのよ。何か素敵なものを持ってるのを」
「目の錯覚だろ?」
渋い声で、物凄く杜撰な言い訳をする紫の騎士であった。
「魔法で隠せるもの……ブランケン様には、一応黙っててあげるわ」
「一つ貸しね」「貸しね」
バンキュリアブランケンに「様」付けなのですが絶対の忠誠を誓っているというわけでもないらしい描写が入り、はからずもブラさんの言う通り、強い者が偉いカオスな支配体制である様子。マジレンサイドで見せたいものが多かった為、敵方は後回しでもいいだろうという判断になったようですが、インフェルシアの諸々が見えてきて、構造としてはやっとスッキリ。
その頃地上の小津家では、黄色の特殊魔法である魔法薬作成により5人は前回の傷を癒していたが、何故か赤が深い眠りについたままだった。どうやらバーストモードで本来使えないレベルの魔法を使った副作用で、魂が夢の中に囚われた状態らしい。そこでマンドラの指示により目覚ましき目覚まし薬を作る事になり、それぞれ、得意分野の材料を魔法で集める事に。
薬作成シーンに尺を使い、コミカルに魔法のギミック見せを挟むのは丁寧で楽しく、また、何故か英語の魔道書をすらすらと読む黄色が、微妙にインテリアピール。……そうか、『ハリー・ポッター』に乗っかっている関係で、マジトピアはブリテン島系列なのか。
無事に完成させた薬を飲んで黄色が赤を起こしに夢の世界へ入り、上3人は、110番通報を受けて、街へ。何かと優しいアピールの多い次女ですが、上の弟には割とシビアという事が判明しました。一方兄者は夢の世界への突入を黄色に任せた理由として、「黄色い魔法使いは知恵者だから未知の世界攻略に向いている筈」と主張するのですが、それ、あくまで、伝説の歌の話で、貴方たちの事ではないから。
5人とも伝説の5色の魔法使いの歌に影響を受けまくりなのですが、どう見ても、マンドラ坊やを利用した、間接的な洗脳です。母、クズいけど身内には策士。或いはそもそも、マンドラにそういう特殊スキル:《催眠》LV5とかあるのか。それはそれで、その上で用意しておいたのでしょうが。
街へ出た3人が遭遇したのは、胞子を振りまいて人を溶かす冥獣マタンゴ……じゃなかった、ファンガス。今回もざっくり一般市民が粉になっており、毎回割とハッキリした被害描写を入れてきます。
一方、黄色が乗り込んだ夢の世界では、赤がウルさんと闘っていた。
「あいつを倒すまでは、絶対帰るもんか!」
とウルさんに立ち向かうも返り討ちに遭いまくる赤は、ここは夢の世界だという黄色の言葉に耳を貸さない。考えた黄色は、ここはあくまで夢の中なので何でも出来る筈、とドリームマジカル兄の威厳パワーでウルさんを撃破し、赤にここが夢の中だと納得させる事に成功する。
「だいたいな、仇討ちは現実の世界で、兄妹5人でやるんだよ」
クールを気取っているしこの局面でも直接口には出さないけど家族の事は想っている……と、まあ、マジ5人は、キャラの色づけは非常にベタ。
ところで5話・7話と、Aパートの最後で悩む(困る)→Bパート冒頭でいきなり解決する、という構成だったのはちょっと気になる所。Aパートの最後に閃くシーンまで入れるか、Bパートでもう少し苦しむかしてからでないと、「逆転!」という感じがどうしても弱くなってしまうのですが、監督も脚本も違うのに、どうして悪い所が重なったのか(実績考えると、初歩的、といっていいミスですし)。
夢の世界からの脱出を図る翼と魁だったが、夢の世界が急速に崩壊し始めてしまう。マンドラいわく夢の世界は他人が入ると崩壊を始める……そうですが、えらく早かったのは、弟の夢の中でいまいち尊敬されていない兄が勝手に活躍したからに違いありません。とうとう真っ暗闇の中に取り残される二人だが、その時、聞こえてくるクズ母の声。
「これからも、辛い事がたくさんあると思うけど、みんなで力を合わせて頑張るのよ」
その“辛い事”の半分ぐらいは、母がしっかり事前に備えておけば防げたのではないかという気がして仕方がないのですが、それはそれとして、母の導きで脱出に成功する二人。
茸のスローモー胞子を浴びて苦戦していた上の3人だが、黄色が目覚まし薬の調合ミスで作った“寝返りが早くなる薬”を自ら振りかけるという青の機転でスローモー状態を脱し、反撃開始、そこに下の二人も合流する。
一応、青が黄から薬を受け取っているシーンはあるのですが、そのままずっと持っているというのも無理があり、ネタを面白く繋げようとしてみたけど、むしろ無理が出たパターン(^^; 助けに来た下の二人が力技で解決してしまった方が、いっそ盛り上がったような気はします。
5人揃ったマジレンジャーは、雑魚とアクロバティックに長尺で戦闘し、次作『ゲキレンジャー』にも繋がっていくのか、軽業系アクションは、なかなか爽快。黄色は戦闘中に「少しは頭使ってるか!」と自ら頭脳派をアピールしだす。地下のウルさんが、やられる前にファンガスを巨大化させ、マジキングになれない5人は、魔人化からマジレンジャーハリケーンでそれを撃破。
改めて、前回を受けてマジキングにはなれない事がハッキリしました。4話かけて出てきた巨大ロボが6話にして封印、というのはなかなか意欲的で面白いですが、マジキングが格好いい(そして魔人ロボが微妙)なので、正直、早く戻ってきてほしい(笑) えー……どうでしょう、改めて課金したら、ダウンロード可能になるのではないだろうか。
前回の始末をしつつ次男の立ち位置を固めるエピソードで、酷く悪くもないけど目立って良くもなく。ただ、せっかくインフェルシアの行動目的がハッキリしたのに、冥獣は相も変わらず小規模に人間を襲っているだけ、だったのは勿体なかった所。まあその人間襲撃自体が<門>の鍵と関係ある行為だった……と後々繋げはするのでしょうが、人間溶かすとのスローモー胞子も繋がっていませんし、デザイン的に面白い冥獣の扱いがぞんざいでエピソードとも関わりない、というのは残念でした。
冥獣はここまで、声優をつけずにあくまで「獣」という路線ですが、これは今作の特徴として貫くのか。まあ、声優で面白くなる部分はある反面、声優に引っ張られすぎる時もあるので、純粋にデザインと特殊能力で見せていこう、という方向性は一つのやり方として面白い。


◆Stage.8「君こそヒロイン〜マジュナ・マジュナ〜」◆ (監督:渡辺勝也 脚本:横手美智子
呪いの踊りによって捕らえた人間を餌にする冥獣マンティコアが出没。(マンティコアに食われて)失踪した映画ヒロインの代役を探すオーディションに応募した芳香は、魔法を利用して麗に特技と偽ったバトントワリングを手伝わせるが、途中でバレてしまう。しかし、イメージにぴったりだ、と麗の方を気に入る監督。
「君こそ、ヒロインだ!」
予告からまた荒川さんの陰謀かと思ったら、横手さんでした。関係各位にお詫び申し上げます。
どちらかといえばシャイで、芸能界には興味など無かった麗だが、マンティコアから助けた人々の魔法使いへの感謝の声を聞き、「嗚呼、大衆に囲まれて、ちやほやされて、賛美の声を浴びるのって気持ちいいかも……!」と妄想にふけってしまい、戦闘中にミスを連発。マンティコアに逃げられてしまう。
女優に挑戦してみたいと思う気持ちと、自分には向いていないと思う気持ち、監督に呼ばれた最終オーディションに行くべきか行かざるべきか……悩む麗が割れたコンパクトを手にしているのはいい所で、横手さんは割と小道具を大切にするタイプの様子。そんな麗に芳香は自分の気持ちに正直になってオーディションに行くべきだと勧め、最後は車に変身して麗を会場へと連れて行く。会場に辿り着いた所でマンティコア再出現の報告が入り、麗を会場へ押し込んだ芳香は戦いへと向かう……。
で、4人は苦戦、オーディションに合格内定し最終カメラテストを受ける麗は“自分が本当にやりたい事”を見つけて、女優デビューを蹴って4人を助けに向かう、という定番の展開になるのですが、オーディションを振り切る麗の女優へのドリームが、あまりに弱すぎます(^^; 定番なのが悪いのではなくて、定番を成立させる為の積み上げが全く足りていない。定番であるからこそ、そこは丁寧にやらなくてはいけない所。
しっかり者の妹に対して ラリってる ふわふわしているクラゲのような姉だけど、妹の事はしっかり見ているよ、という要素に加え、本当は自分が目指している女優へのチャンスで嫉妬もせずに妹の背中を押す芳香の強さと優しさ、という姉妹愛を重ね、敢えて芳香ではなく麗をオーディションの側にする事でミスマッチによる面白さも出そうとしているのでしょうが、そもそもミスマッチの面白さが出るほどキャラクターが描写されていないので、意図だけ先行して内実がともないませんでした。
姉妹の勇気に応えるかのように新しい魔法がダウンロードされ、マジカルポンポンを手にする桃と青。二人はマンティコアの踊りに対抗し、エンディングに合わせたダンスを披露。
今きっと、マジトピア上層部が天空からビデオカメラ回しています。
さいて−、天空聖者、さいてー。
マジカルシスターズの踊りがマンティコアを打ち破り、巨大化後は、ドラゴン起動でざっくり秒殺。
大人の階段を一つ上った麗は、少し自分に正直になってみる事にし、オーディション雑誌を手にしながらブラザーズに次々と打撃を加えるのであった。
「先月の収入少なかったわよ。今月はアニキ農場頑張ってね」
「クールぶるんだったら、ニンジン嫌いは直さないとね」
「ベッドの下に、雑誌隠すのは駄目だからね」
正直というか単純に、辛辣(笑)
特に末弟のダメージが計り知れません。
さて、2話ラストで末弟に向けて「おまえは学生だから成績落ちたらマジレンジャー脱退な」と言ってしまったが為に、では残り4人は何をしているのか、という疑問が生じてしまった今作ですが(言わなければフィクションの作用によって無視できた)

長男:農業
長女:女優とか目指している夢追い人
次女:女優とか目指している夢追い人 ←NEW!
次男:クールを気取るフリーター或いはニート

である事がだいたい見えてきました。兄者はどうやら、農協の直売所とか道の駅とかに出荷している模様。下3人は大学生、という可能性もありますが、それだと末弟と同じ条件を付けられるべきですし。かといってフルタイムで働いているようには全く見えないので、まず無職に限りなく近いと見て良さそうです。
一家唯一の収入源……にしては兄者の存在感が軽すぎるので、持ち家で土地持ちっぽいし、付近の不動産所有していて家賃収入とかありそうな感じだなぁ。そういう不労所得が豊富にあると考えると、母を筆頭として家族の仲が良いというよりは“ゆるい”雰囲気に、なんとなく納得が出来ます(笑)
地主戦隊マジレンジャー
次回……う、馬?!