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『ロボット刑事』感想7

◆第13話「悪魔の煙に気をつけろ!」◆ (監督:内田一作 脚本:中山昌一)
競馬場の売り上げを強奪したドクガスマンは、帽子・サングラス・黒マント・マスク、という超怪しい姿で歩いている所を、団地から小学生に激写される(おぃ) モスグリーンの色彩で、球形で構成された上半身デブというデザインがなかなか印象的なドクガスマンですが、それゆえに、変装に無理がありすぎました。
目撃者の少年を強引に助手席の新條の上に乗り込ませたジョーカーの中が、超狭そう。
毒ガスマンと黒幕の取引現場を押さえようとしたKと新條はまんまと倉庫の中に閉じ込められ、毒ガス攻撃で大ピンチに。外で待っていた少年が、逃げる黒幕達を撮影した上に、ジョーカーの通信機でKと新條の危機を署に連絡して、超優秀。
ヘリで駆けつけた芝は倉庫の中から2人を救い出し、ガスから解放された途端に元気になるK。
「あんな子供だましの毒ガスで倒せると思っているのか!」
先程までやられる寸前だったのを綺麗さっぱり忘れている辺り、だいぶ人間らしくなってきました(笑)
新條はロープを放ってKの戦闘をフォローするが、今日も地面を引きずられる。
……癖にならないか、心配です。
直接の攻撃では勝てないので(いつもとりあえず撃つけど)、相手の自由を封じようという新條の路線は面白い。……まあ明らかに、その後の、芝刑事の体当たりからチョップの方がダメージを与えていましたが(笑)
前回のスプリングマン戦もかなり激しいアクションでしたが、アクションシーン強化の指示でも出たのか、今回もかなり尺を取った上で攻守のめまぐるしく入れ替わる肉弾戦。
Kの右前蹴りを毒ガスが受け止める→そのまま横に投げようとする→その力を利用して体を捻りながら左足でキック→両者地面で一回転
など、まさに肉体言語のやり取りという感じで、なかなかの見応え。
激戦の末、毒ガスマンは奥の手を発動。自らガスを燃焼させると、飛んで逃げる(笑)
ひこーーーまぁぁぁん!(涙)
目撃者の少年を警護するKだが、毒ガスマンは少年宅の鍵穴からガスを注入して部屋ごと吹き飛ばすという、物凄い証拠隠滅をはかる。今回、警視庁の屋上からヘリが飛び立ったり、団地の一部屋が大爆発したり、やや特撮も強化した感じ。
黒幕の真の目的は、銀行の現金輸送車の襲撃。警護と気分転換を兼ねてKと少年は遊覧飛行中だったが、少年が黒幕の乗っていた車を覚えており、これを追跡する……と、通常、困った人質役とかになりがちな少年が、ひたすら優秀。率直に、Kや新條より刑事としての素質は高いと思います。
黒幕2人はKから連絡を受けた新條達に逮捕され、Kは毒ガスマンと、とうとう空中戦を展開。
いつの間にやらマザーに改造してもらったようですが、今回は言い訳しようもなく、完全に飛んでいます(笑) もう少し、ミニチュア特撮の出来が良ければシーンとしても面白いのですが、今作のミニチュア特撮は基本的に物凄く残念(^^;
今日はやたらにテンション高いKは、「ははははははは!!」と高笑いしながら、高速移動で毒ガスマンを翻弄。逃げる毒ガスマンを背後から速射機関銃で爆砕するのであった。
今回もなぜか、ゲストを交えて新條と芝一家が遊園地で遊び、人間と同じ楽しみを得られないKにとって、マザーから補給を受ける時間が唯一の慰めなのだ……でオチ。ロボット刑事の悲哀を表現したいのでしょうが、このネタは毎度、強引すぎて無理があると思います(^^;


◆第14話「光る眼の恐怖!!」◆ (監督:内田一作 脚本:中山昌一)
宝石強奪計画に、いっちょかませろや、と自分を押し売りしてくるバドーの怪ロボット・ガンリキマン。契約を強制し始めましたが、バドーのコンセプトとして、それはどうなのでしょう(^^;
……まあ今回、そんなものは序の口なのですが。
そんな眼力マンは、いきなり宝石店の店員を殴打し、怪光線で客を虐殺。
杜撰すぎる。
そして外で待機していた悪党2人は、狭い道を堂々と塞いでいたせいで、怪しまれる事に。
「怪しいやつだな。よし、あの車をつけてみよう」
って、後ろの車のドライバー、あなたは何者ですか。
「俺の方はうまくいったが、誰にも気付かれなかったろうな」
「大丈夫だ」
「いや、尾けてくる車があるぞ」
「どうした?」
「店の前で割り込んだ車だが……怪しまれたかな」
全員頭ぱー。
眼力マンは背後のドライバーに怪光線を浴びせて尾行を阻止し、男は瀕死の重傷で病院に運び込まれる。男の家族の護衛をする事になったKだが、眼力マンの殺人光線を浴びて、視力を失ってしまう。
Kを退けた眼力マンは次の標的である宝石収集家の家を襲って宝石を強奪。警官隊に囲まれるが新條を一蹴し、警官隊をあっさりと全滅させる。そこへやってきたのは、殺人光線への対策として、サングラスを掛けたK! だが、交戦中にサングラスが外れてしまい、再び眼を潰されたKは、瓦礫の下敷きになってしまう。
「なんてだらしがねえんだ、おめえ達は」
芝家で正座してうなだれるKと新條(笑)
荒れる芝刑事は、勢い余ってKと怪ロボットはグルじゃないかと発言してさすがに家族から猛抗議を受けるが、これが思わぬ形でKに自分のアイデンティティを考えさせるきっかけになったのか、Kはマザーに、バドーとは何者なのかを問う。……ただ、マザーからの回答はないまま場面転換してしまったので、物語の核心に関わる伏線なのか、ただの勢いなのかは不明。
その頃悪党2人は、事務所のあるビルの周囲に警官が集まってきているのを見て、窓から銃で撃ち殺そうとしていた(おぃ)
ここは、1920年代のアメリカか。
だがその時、開いた窓から事務所にロープで飛び込む新條(笑) 新條はロープ捕縛術も用い、2人を華麗に制圧する。新條さんのロープが一発ネタではなく、定番化したのは、キャラ付けとして嬉しい所。次の標的を求めて街をぶらついていた眼力マンは少年(瀕死の重傷を負った運転手の子供)の通報を受け、電話ボックスの上から現れたKと激突。マザーの改造を受けたKは殺人光線を跳ね返し、必殺の速射機関銃に耐えられるも、新装備の火炎放射で見事に眼力マンを撃破するのであった。
ちなみに予告ではKと少年の心の交流が〜みたいな感じだったのですが、そんな要素は全くありませんでした。前回の方が、まだ絡んでいた。
シナリオはここまでで最高レベルにぐだぐだでしたが、前回に続いてアクションには気合いが入っており、なかなかの見応え。回転しまくり飛びまくりで、1vs1の肉弾戦は要するにプロレスなのですが、シンプルゆえの面白さというか、中の人同士の呼吸の掛け合いまで伝わってくる感じが、いっそ面白い。……そこしか、見る所が無かったというのもありますが(^^;
また眼力マンは、首から下は漆黒のコートで包んでおり、人間まま(多分)。巨大な両目、首が潜望鏡のように伸びるギミック、サーベル付けたり機関銃付けたりとアタッチメントを取り替えられる機械の右腕、という3つのポイントでロボットらしさを出すというデザインと見せ方がなかなか秀逸。恐らく予算節約を兼ねた、非全身着ぐるみタイプだったと思うのですが、外見からギャングっぽさが出て(途中で葉巻を吸うシーンもあり)、思わぬ秀逸怪ロボットになりました。
さてここまで、中山脚本の時がどうもピントがずれていると評してきましたが、実際にはどうやら、刑事物テイスト強めの前後編エピソードと、シンプルなヒーロー物構造の1話完結エピソードを意図的に交互にやっている様子。
もちろん正確な現場の事情はわかりかねますが、わかりやすい1話完結エピソードを担保に、若干雰囲気が暗くて細かい描写に凝った意欲的な前後編エピソードを展開しているのかなと思われ、実に面白い構成です。
……まあもう少し、二つの作風の間の整合性は取って欲しいですが(笑)