はてなダイアリーのサービス終了にともなう、旧「ものかきの繰り言」の記事保管用ブログ。また、旧ダイアリー記事にアクセスされた場合、こちらにリダイレクトされています。旧ダイアリーからインポートしたそのままの状態の為、過去記事は読みやすいように徐々に手直し予定。
 現在活動中のブログはこちら→ 〔ものかきの繰り言2023〕
 特撮作品の感想は、順次こちらにHTML形式でまとめています→ 〔特撮感想まとめ部屋〕 (※移転しました)

『仮面ライダーキバ』感想14

先週分。
◆第19話「フュージョン#オーラの嵐」◆ (監督:舞原賢三 脚本:井上敏樹
1986年――チェックメイト・フォーのルーク再び。
「ウェディングドレスか……美しい。タイムプレイの始まりだ」
花嫁を狙うルークは結婚式場を阿鼻叫喚の惨劇の場へと変え、戦いを挑んだ通りすがりのゆりは一蹴される。前回登場時、圧倒的な強さを見せたルークですが、今回もタイムプレイの標的以外には興味も薄く、ゆりを一顧だにしない強さが痛烈。
2008年――バンドマン健吾再び。
タツムリを集めていた渡は不良学生に絡まれるが、その時、滑り台の上で 熱気バサラ 健吾が吠える。
「おまえらみたいなクズに名乗る名前はない。そのかわり……俺のロック聞かしたるわ!」
今作では希少な善人にして、渡のお友達だったので、再登場は良かった。若干喧嘩別れぽい感じだったのはまるっきり忘れているようですが、渡は日々アップロード方式ですし、健吾も近い感じなので、あまり気にしない方向で。
「ロックとは……キバや」
キバの戦いを見てロックを感じてしまったらしい健吾は、キバを探していたが、そこに現れる妖怪ボタンハンター。
「キバは人類の敵だ」
以前から繰り返されている名護さんの主張ですが、今回はやや追加され、「かつて、キバは人類を破滅へと追い込もうとした。ファンガイア以上の脅威」との事。
そこへ更に恵が現れ、
「もしかして、キバはかつてのキバとは違うのかもしれない」
と、自分を何度も助けてくれたキバをフォロー。
どうやら過去(作品構造から言えば、22年前か)にも、キバが存在していた模様。
巻き込まれた渡も引き連れ、健吾の知り合いの有名な霊能者にキバの居場所を聞きに行く4人だが、気合いだけ激しい霊能者は特に役に立たず。しかし何故か渡が気を失い、その体に、音也の魂?が憑依してしまう。
というわけで、体は渡、中身は音也、の音渡が2008年でふーらふーら。
あまりに酷いきっかけですが、こういう展開は、きっかけ酷くても音渡が面白ければ、まあ面白いからいいか、とならない事もないのですが、正直、肝心の音渡があまり面白くない。
何が悪いかと考えていたのですが、もともと音也自身が“過剰に自分を演じているような男”なので、渡を演じている役者さんが音也の憑依した渡を演じているけどその音也が自分自身を演じているような男、と二重三重に芝居がかりすぎているのが問題なのかな、と。その為、物語の中に、登場人物として巧く着地していない。
渡になったり音也になったりを行き来しつつ、2008年の誰かの肉体に入っている事に気付く音渡は、メイドカフェを堪能。その途中で渡に戻り、ブラッディ・ローズの響きに、渡はキバット変身。
レディバグファンガイアってなんだろうと思ったらテントウムシだそうで、言われてみると納得。なおここまでファンガイアは人間体を演じた役者さんがそのまま声をあてていましたが、今回は人間体がなく、声は中尾隆聖が担当。また今回から、バッシャー召喚に出撃シークエンスが追加。ファンガイアはバッシャーの射撃を受けて逃げ出し、渡、再び音渡へ。
その頃、健吾はキバの事を知ろうと名護さんに絡んでいた。
「君、いくつだ?」
「……21」
「私は22だ。おっさんと呼ぶのはやめなさい。不愉快だ」
まあ名護さんは、健吾に関してはボタン全部むしり取った上に簀巻きにして川に流しても許されると思います。
2人は逃走中のテントウムシと遭遇、更に恵もやってきて、恵と名護さんが19話にして初のコンビ攻撃。犬猿の仲ながら、戦闘でのコンビネーションは鮮やかと、プロフェッショナルらしい所を見せました。……まあ名護さんの方は、恵を助けるどころか放置してキバに殴りかかるなど、色々とアレな前科がありますが!
恵は名護が取り落としたイクサナックルを拾うが、イクサへの変身に一歩を踏み出す事が出来ない。イクサに興味を持つテントウムシは、気絶した名護と健吾を両脇に確保する。
「この2人は貰っていく。返してほしければ、イクサとして戦いに来い」
1986年――音也は次狼からイクサナックルをちょろまかし、ルークへの復讐を求めるゆりにそれを預ける。イクサナックルを手にルークへと挑むゆりだったが、その威圧感に立ちすくみ、イクサに変身出来ないまま、ルークを逃がしてしまう……。


◆第20話「夜想曲#愛の救世主」◆ (監督:舞原賢三 脚本:井上敏樹
クイーンは格好良かった。
以上。
……みたいなエピソードです正直(^^; 音渡にノれるかノれないか、という所もありますが。
テントウムシに捕まり、ふん縛られた名護さんと健吾、倉庫に転がされる。
妖怪ボタンハンター、すっかり燃えないゴミ扱い。
そしてそんなゴミ2人に、極限状態で生まれる変な絆。
「おっちゃん……ただ嫌な奴や思うてたけど。けっこうロックしてたやないか」
「俺は俺の理想郷を創りたいんだ。一点の汚れもない美しい世界を」
おっさん→おっちゃんになっているのは、健吾なりの譲歩なのか。
そしてロウヒーローみたいな夢を語り出す名護さん。潔癖な教条主義者という人格は描かれていましたが、これまでファンガイアと戦う動機には触れられていなかった名護さん、思った以上に誇大妄想で、悪の組織の幹部にふさわしい人材でした。
我ら! 世界を! 素晴らしき! 青空にする為に!!
名護さんは絶対、「俺の理想の為の礎になりなさい」って、部下を率先して自爆させるタイプ。
一方、2人を人質にされた恵は、肉体的には問題が無い筈なのに左足が動かない症状に苦しんでいた。病室を訪れた音渡は、それは 心から名護がどうでもいい イクサとして戦う自信の無さから生じた仮病だ、と指摘する。
1986年――ルークを探して結婚式場を張るゆりと音也だったが、音也はゆりと見間違えて黒衣の女性に声をかけてしまう。
「どなたかに間違えられたのは初めてですけど……あまりいい気持ちじゃありませんわね」
「……失礼。…………俺様とした事が……あがっちまったぜ」
そこへルークが現れ、音也は体当たりを敢行するも、弾き飛ばされ気絶。イクサナックルを手にしたゆりは、変身できないままその場を逃げ出してしまう。花嫁に迫るルークだったが、突然、光の鞭で弾き飛ばされる。
「真夜……!」
そこへ姿を見せたのは、ルークを怯えさせる、黒衣の女。
その正体は、チェックメイト・フォーのクイーン。
「ファンガイアでありながら人間を愛するとは……馬鹿ね」
ルークが標的にした花嫁は、実はファンガイアであった。ルークを退かせたクイーンは逃げ出す花嫁へと迫り――
「貴女は掟を破った。貴女の、夜が来る」
その背に浮かび上がる、夜と、真紅の月。
左手から放たれた光は一撃でファンガイアを結晶化させて打ち砕き、クイーンは舞い散る黒い花びらとなって姿を消す……。
音也が思わず見惚れる程の美女にして、あのルークを怯えさせる女、としてクイーンが強烈なインパクトで登場。花嫁の始末を「仕事」と言っているので、どうやらファンガイアの異端者を成敗する始末人のようですが、何よりあのルークを退かせた、というのが戦闘ヒエラルキーとして強烈です。これはルークのインパクトが強かっただけに、非常にわかりやすくなりました。
そして真紅の月と、消え方が格好いい。
川辺で黄昏れるゆりに声をかける音也。
「泣きたいなら泣けばいい」
「何を言ってる」
「本当は……怖かったんだろ? ……それでいい。自分の弱さをわかれば、それでいいんだ」
「あんた……もしかしてその為に、イクサを私に渡したのか」
イクサになれなかった自分の弱さを認めたゆりは、音也の肩で泣く……音也の格好いい所は、肝心の所では、交換条件を持ち出したりは決してしない事で、主人公として当然の一線といえば一線ですが、いい所。
そんな2人の距離の縮まりを目撃してしまうガルルさん(笑)
(……あ、あれ、CG回収ミスった?!)
2008年――泥だらけになりながら懸命にリハビリを続ける恵は、音渡がイクサナックルを焼き捨てようとした瞬間、咄嗟の動きでそれを回収する。
「自分の弱さを受け入れろ。普通の人として生きるか、あくまで戦士として生きるか。――それにしても似てるなぁ……ゆりに」
イクサになれるかなれないかではなく、自分自身の力を受け入れる事……一つの壁を乗り越えた恵は、もう待っていられない、とおいしくいただかれそうになった名護と健吾を、ギリギリで救出。
「あたしは、戦士として生きる! 生きてみせる!」
恵はテントウムシに叩きのめされながらも名護達の解放に成功し、名護へとイクサナックルを投げ渡す。
「それは貴方のものよ……今はまだね」
名護さんはイクサ変身。恵は借りたイクサブレードでファンガイアを滅多切りにし、最後はイクサがイクサダイナミック。だが倒れたテントウムシは、巨大ツボ化。今回このまま出番が無いのでは……と危惧された主人公がようやく現世に戻り、キバット変身からドラゴン城を召喚し、イクサもショベルを召喚。
ドラゴン城がくわえたショベルカーを上に乗せて勢いで合体攻撃をし、最後は勢いによるダブルライダーキックで撃破。
キバとイクサの初の共闘にして初のダブルライダーなのですが、完全に勢いと成り行き任せで、物語的盛り上がりは一切なし(^^; 物語としては、恵さんのバトルがハイライトだったのでしょうが。
精神が元に戻った渡は、工房で音渡が作ったバイオリンの型を発見するが、まさかそれが、父の魂が残していった物だとは、思いもよらないのであった……。
そして1986年――闇の中を真紅の月に照らされながら歩くクイーンの周囲を、1羽のメダルコウモリが舞っていた……。
音渡がキバットに対し、「おまえ……もしかして、キバットバット2世の子供か?」と尋ねているのですが、クイーンと一緒に居たメダルコウモリが、キバットの父である可能性は高そうです。クイーンの登場で大体パーツのはまり方は見えて来ましたが、さて、そこへ向けてどう転がしていくのか。
次回、次狼、反撃に出る。そして合コンへ。