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『ロボット刑事』感想8

先週分。
◆第15話「標的は原子番号79?!」◆ (監督:折田至 脚本:上原正三
政府が南アフリカから時価40億円相当の金塊を購入し、特別科学捜査室は空港から日本銀行までの警護を命じられる。芝刑事の嫌な胸騒ぎが当たり、マシンガンを持った賊の襲撃を受ける現金輸送車。逃げた賊の車を追ったKは浮かび上がるマザーに「追跡を中止して帰れ」と促されるが、芝刑事の指示を優先し、追跡を続行。
犯人逮捕に意気込むKは、飛翔するジョーカーで逃亡する車に空中からの体当たりを続けた結果、犯人の車はハンドル操作を誤り、電柱にぶつかって大爆発。
「あ……」
大爆発。
「しまった……。秘密を守る為に自爆してしまったんだ」
違うよ!!
どう見ても刑事事件ですが、あまりにも自然にそんな事実など無かった事になっていて、恐るべし、ロボット刑事。Kさんはそろそろ、爆破して良い物と悪い物の区別を学習してほしい。
一方、後方に待機していた現金輸送車は、バドーの強盗ロボット・ノコギリマンの強襲を受ける。ノコギリマンは、腰の前に左右に丸ノコのついた装置を抱えているという、斬新なデザイン。その丸ノコの回転で銃弾を弾き返すのは、ちょっと格好良かった(笑)
芝と新條をガスで追い払ったノコギリマンは輸送車を強奪。すぐに検問が張られるがそれには引っかからず、空っぽの輸送車が港で発見される。果たして、犯人と金塊はどこに消えたのか……かつてない大失敗で懲戒免職3秒前の危機に陥った3人は、手分けして周辺を捜査する……。
まあ、窓際部署の特別科学捜査室に持ち込まれるにしては重要すぎる案件ですし、警備の数はやる気が見られないし、輸送ルートも明らかに事前に漏れているし、この後特に失職の危機という話も出ないので、本当はもっと大きな取引額だったのだけど、表向きの目くらましと囮に利用された疑惑。
金塊の運び込まれた倉庫では、
「ちゃんと山の工場まで運べ」「いや、警察の検問が厳しくて……」「契約書通りにやってくれ」「そんな事言われても……」
と、ノコギリマンが困っていた(笑)
契約を盾に、かつてなく攻められる怪ロボット・ノコギリマンはバドー首領に助力を仰ぎ、首領によって「タンクローリー作戦」が提案される。タンクローリー作戦、それは、金を液状にした上でタンクローリーの中に詰めて運びだそうという作戦!
「バドー様の計画に間違いはないのだ」
一安心(笑)
地獄耳からの情報で怪しい工場を探った刑事達は一足違いも、Kのセンサーによりタンクローリーを追い、Kはノコギリマンと激突する。
……あれ、ベルトのKのマーク、大きくなった?
飛び道具として放たれるノコギリマンの丸ノコを機関銃で破壊するKだったが、そこへ、バドーの粉砕ロボット・タイホウマンが姿を現す。今回のロボットが撃破される前から次回のロボットが登場するという、これまでと違う構成。
大砲マンの助力を制止し、男らしくプライドを懸けた一騎打ちをKに挑むノコギリだったが、いかんせん武器が腰の左右についているというデザインの為、接近戦が得意では無かった!
「ぬぅ、我慢ならん」
「タイホウマン! 仲間を殺すのか!」
「力無き者は死あるのみ。それがバドーの掟だ!」
戦いを見ているのが面倒くさくなった大砲がまとめて砲撃し、バラバラに砕け散るノコギリ。何とか直撃は避けたKだが、問答無用の破壊力の前に果たして勝機はあるのか、そして、特別科学捜査室は金塊を奪い返す事が出来るのか?!
いつもより早く次回の怪ロボットが登場した為、怪ロボット同士が絡むという、珍しい展開。用途別の趣が強めの怪ロボットですが、やはりそこは悪の組織、強い者が偉いというのは大原則である模様(笑) 哀れノコギリマンは、味方にとどめを刺された怪ロボットになってしまいました。……まああれだ、ノコギリの位置が悪かった。


◆第16話「バドーから奪え!!」◆ (監督:折田至 脚本:上原正三
K、新條、芝を吹っ飛ばした大砲マンは、再びタンクローリーを入手して逃走。重傷を負った芝刑事は病院へ運ばれる事になる。新條も病院に向かい、Kは損傷した左目を修理する為にマザーの元へ。
3回目となるKの視覚損傷ですが、両目だと、ロボットだし……という感じになるのに、片目だけの損傷表現だと妙にエグく見えるのは、面白い。
治療を終え、安静状態の芝を見舞う新條。
「Kはどうした?」
「あれ以来戻りません」
「……あの鉄屑野郎が」
本当に、鉄屑野郎ですね!
「お父さん、どうしてKさんの事そんな風に言うの? そんなにロボットが憎いの?」
「そうよ、もっと優しくすべきよ」
「うるさいっ」
「オヤジさんはね、長官からKを預かってるんだ。だからオヤジさんは、早くKを一人前にしようと思って」
「新條、一人前にしようと思っているのはKだけじゃねえぞ」
新條さんの脳天を、巨大なブーメランが直撃した!!(笑)
それにしてもKは、マザーの事を意識的に秘密にしている感じではなく、マザーの所で修理してくると連絡した方がいい事を素でわかっていない感じが、本当に困ったロボット刑事です。
あと、長官に「押しつけられた」「預けられた」にすり替わっていますが、新條なので、素で誤解している可能性もなくはない。
今回は、そんな新條強(効果音がおかしい)が、修理中のKに代わってアクション面で大活躍。
やはり、全体としてアクション強化の指示が出たのか、現金強奪グループのチンピラ達を相手に、大立ち回り。敵が1人、鎖分銅を振り回していて、昭和、恐ろしい。チンピラ達を叩きのめし、奥多摩に秘密のアジトがある事を聞き出した新條は、オフロードバイク奥多摩へと向かう。金塊を山分けしていたバドーと強奪犯・赤松は、これを迎撃に出るが、そこへやってくるK。ジョーカーから飛び降りて、空中脱衣!
「鉄砲で大砲に勝てると思っているのか」
速射機関銃を弾き返す大砲マンだったが、調子に乗って砲撃しすぎ、土砂崩れに飲み込まれて自爆(笑)
Kと新條は赤松の逮捕に成功して20億の金塊を取り戻すのに成功するが、残りの20億は既にバドーの手に渡っていた。芝刑事の叱咤を受けた2人は残り20億を取り戻すべく、赤松を外に連れ出して、わざと大砲マンの手で救出させる。
「よく助けてくれました。礼を言います」
「分け前は貰ったのに貴方が留置場じゃあ、気の毒だからな」
素晴らしい組織だ、バドー!!(笑)
更に大砲マンは、バドーの取り分から金の延べ棒を一本プレゼント。
「貴方も無一文では強盗をした甲斐がなかろう。次の仕事の資金として、これを与えよう」
なんて素晴らしい組織なんだ、バドー!!
若干のやりすぎ感はありますが、この前後編、契約を大事にし、クライアントの利益が自分達の利益になる事をよく理解し、共存共栄の良い関係を築いていこうとするバドーの描き方が非常に面白い(笑) オーバーテクノロジーを駆使する悪魔的な謎の組織であるバドーの方が誠実であり、報酬を渋った結果として破滅するのはむしろ人間の方である、というのは意図的なものと思われますが、今作において「悪」がどこに置かれているのか、非常に特徴的な所です。
赤松の所持品に付けていた装置の反応から後を追っていたKと新條は、バドーのアジトを発見して無事に金塊を回収するも束の間、特ダネを求めて2人の後をつけていた地獄耳を人質にされ、3人まとめて捕まってしまう。時限爆弾で木っ端微塵の危機に、何とか2人を救おうと、高圧電流の檻に突撃しようとするK。
「私は、どうなってもいいんです」
「K! ロボットだからって、命を粗末にしちゃいけねえよ」
「新條さん……」
芝ほど嫌悪を剥き出しにしていなかった新條は、ここまでの話の流れで何となくKを認めてはいましたが、ハッキリと同僚として(それも人間のように)認めるような発言は初。爆発の時間が迫り、少しでも衝撃を和らげようと2人に覆い被さるK。その時、松葉杖姿の芝が駆けつけ、ギリギリで時限爆弾を解除する。
「オヤジさん!」
「甘ったれてる場合か。金を追うんだ、金を。地獄の底まで追いかけろ」
刑事達は逃亡した大砲マンと赤松を追い詰め、Kと大砲マンは三度目の激突。
「死にに来たかロボット刑事
「いや。決着をつけに来たのだ」
Kは大砲マンの弱点を突き、インファイトでその砲撃を封じ込める。背中にそのまんま大砲を背負っている、というとてもアクション向きではない大砲マンは、まさかの、体をひねって背中の砲身で殴打。よろけるKだったが、最後は、追加アタッチメントのミサイルを大砲マンの砲身に直接叩き込む事で、消し飛ばすのだった。
……マザーが順調に、息子を戦鬼へと改造していきます。
これまでの基本が、「バドーの怪ロボット撃破」&「証拠を見つけて犯人逮捕」だったのに対し、「犯人逮捕」&「バドーから金塊回収」という、やや変則の構成。
政府の40億円を奪われて「このままじゃ署に帰れねぇ」レベルの話しか出ないのは幾ら何でもという所でしたが、どうもこの件自体がくさいというか、ロボット刑事の運用に関して、深い深い闇を感じずに居られません(笑)
またラスト、芝刑事が助けに来た根拠が全く無かったのは、残念な所。場の盛り上げと勢いで誤魔化してしまいましたが、今作としては、ワンポイント、欲しかった所です。
総じて筋の雑さが目立ちましたが、随所に台詞の面白さは光る前後編でした。
ED飛ばしがちなので初めて気付いたけど、助監督に長石多可男の名前を発見。