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『機動刑事ジバン』感想22

◆第31話「真夏の夜のニンジャ合戦」◆ (監督:三ツ村鐵治 脚本:高久進
太腿剥き出しで公園でランニング中の直人、園内で平然と火気を取り扱っていた少年を発見する。
「この少年、どこか見覚えのあるこの顔は、世界忍者ジライヤの弟、山地学であった」
いきなり、ナレーションで説明された(笑)
ごく平然と「戸隠流正統を継ぐ」と名乗る学、割と普通に受け入れる直人(たぶん、よく理解していない)……一方その頃、刑事局長の執務室にバイオロン怪人シノビノイドが配下の忍者軍団と侵入し、刑事局長に怪しげな呪術を仕掛けていた。
三方の上に乗せた巻物を広げ炎のエフェクトがかかるという、よくある護摩行のような儀式シーンを現場でインスタントにした感じの演出は、なかなか印象深し。
また、蜘蛛ベース+忍び装束+眼帯、というシノビノイドのデザインは、如何にも悪の忍者然としていて、実に秀逸。単独ではなく配下の忍者軍団と一緒に行動するのも雰囲気を出しています。
シノビノイドの呪術を受けた刑事局長は突然、
「これから男の警官は皆、婦人警官の制服を着用すべし」
と野心溢れる性癖に目覚め、「極秘に入院」する事になってしまう。
…………ああなんだろうこの、よくあるストレス案件のような対処(笑)
この刑事局長だけではなく、某大臣が自衛隊の週休3日を宣言するなど、密かに日本のトップクラスに奇矯な言動が相次いでいた。柳田から指令を受けた直人は、事件の背後を探るべく、捜査へと向かう。
……この作戦、数話前にもやったよーな、と思ったら、「有力者の子供を狙って社会をマヒさせる作戦」も「エリートの卵を狙って社会を混乱に陥れる作戦」も今ひとつ効果に満足いかなかったので、「日本の中枢に関わる人物を直接狙うぞ!」とギバ様(今回もナメクジ)が宣言し、珍しく、前の作戦を踏まえた作戦計画であった事が判明しました。
有力な検事である同級生の父親がさらわれるのを目撃した学はそれを追いかけ、洗脳リストの巻物を奪取。刑事局長の部屋に残された神経錯乱細菌からバイオロンの陰謀に気付いた直人と合流して同級生父の救出に成功するが、単独で敵を深追いして、囚われの身になってしまう。
宙づりにされて、巻物の在処を問いただされる学。
「言えば許してやる」
「その手に乗るもんか。悪いヤツはいつもそうやって騙すんだ」
から、炎を浴びせられて脅され、
「言うから降ろして!」
「本当だな」
「戸隠流の忍者に二言はない!」
「よーし、忍者の約束だ。降ろせ」
で、縄を解かれた途端に煙玉で逃げ出す、さすがの戸隠流クオリティ。
「小僧、よくも騙したな」
「おまえは忍法の何たるかをよく知らないな!」
「なに?」
「忍法の奥義は相手を騙しても最後に勝つ事にあるんだ! わかったか!」
前年の『ジライヤ』は“これが当たり前”の世界観だったのですが、ヒーローとしては王道路線の『ジバン』世界で聞くと、凄く歪んで聞こえる圧倒的な戸隠流クオリティ!
もう今回は、ここだけでも最高です(笑)
「警視庁秘密捜査官警視正、機動刑事ジバン!」
「俺は、戸隠流正統、山地学だ!」
久々に対バイオロン法を1〜2条補足まで読み上げてのジバンVS忍者軍団は、かなり格好いい立ち回り。変幻自在のシノビノイドに苦戦するジバンだったが、学の目隠しによる援護もあり、ディスクローズショックで細胞分裂を阻み、ハーケンクラッシュでトドメを刺す。
最後は皆で花火を楽しみ、今回、電話番だった洋子先輩が浴衣姿を披露。同級生女子にちょっとモテる学であったが、その分野では、兄への道のりはまだまだ遠いゾ……!
ナレーション「機動刑事ジバン、戸隠流忍法の流れを汲む、山地学。二人は正義の力で結ばれた。
しかし、時折姿を現す、謎の女の正体は何者か。
頑張れ田村直人。機動刑事ジバン」
画面を丸で抜いて、最後に強引に月野力さんの顔を出すのですが、凄く、要らなかった(^^;
前作のメインライターとメイン監督が担当し、前作ファンがっかりという展開にはならなかった、しっかりとしたお祭りコラボ回。学も前作からの成長が窺える活躍を見せ、全体的にアクションも秀逸。東映の演出陣はホント、忍者が絡むと力が入るなぁ(笑) 洋子先輩の出番をさっくり削った判断も良く、気持ちよく楽しめる1本でした。
それだけに、最後のナレーションとバンク顔出しが、余韻台無しで非常に残念(^^;
――次回、マッドガルボはニートから脱出して己の存在意義を証明できるのか。