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『ロボット刑事』感想11

◆第21話「恐怖デンネツマン マザー爆沈!!」◆ (監督:内田一作 脚本:中山昌一)
なぜ、枕元に、日本刀常備。
そして寝室にブルータスの石像。
そんな男がバドーの怪ロボット・デンネツマンに焼き殺され、更に現場に向かっていた警官2人も感電死させられる。
「片は付いた! 今日は俺の勝ちだぁ!」
ジェット噴射で飛び去る電熱マン、非常に豪快な勝ち逃げ宣言(笑)
二つの事件は、バドーに逆らった一族への報復、そして警察への挑戦だった。バドーは特別科学捜査室との決戦を望む挑戦状を送りつけてくる、という急展開。
ところでK、地獄耳平の事は「耳平」呼ばわりなのか(笑)
怪しい船員風の男から挑戦状を預かった地獄耳の証言を元に、モンタージュ写真を作ったKと新條は聞き込みを開始するが、罠にはめられた新條は電熱マンの襲撃を受けてしまう。
「新條刑事! 一騎打ちだぁ!!」
バドーが直接攻撃を仕掛けてくると、戦力差が違いすぎるのが、なかなか厳しい所。
発信器でKを呼ぶ新條だが電熱マンのチェーンに捕まり、じわじわと電圧を上げていたぶられてしまう。
「苦しめぇ、へっぽこぉ、刑事ぃうわぁっ?!」
新條を助ける為にひっそり降りてきたジョーカー、背後から電熱マンの後頭部を踏む。
「卑怯者! 一騎打ちの約束ではなかったのか?!」
また、面白怪人だぞ(笑)
激しい肉弾戦の末に、電熱マンはジェット噴射で逃亡。飛行能力の強化に容量を使ってしまったのか…………弱い。
しかし新條は、電熱攻撃の負傷により、もはや癖になっているレベルで入院してしまう。
「おい、K、俺の覚悟が決まった。俺はバドーをやっつけるぞ」
「それは前から新條さんが……私も言った筈です」
「馬鹿。おまえ達に言われなくても俺がずっと考えていた事だ」
なんかちょっと怪しい(笑) とはいえ、芝刑事は基本、頑迷な所はあるが鋭い、というキャラクターですので、この辺りは、急展開のあおりで何か端折られたのか。
バドーを倒す為には、個別の事件を幾ら解決しても埒が明かず、その本拠を叩くしかない。如何にすればバドーの本拠を叩けるのか……とその時、地獄耳が問題の船員風の男を捕まえてくる。バドーの島から脱走しようとししたが脅迫されてメッセンジャーになったという男の案内で、Kと新條は、バドーが密かに利用する無人島へと向かう。
「ところで、この辺で、決着を付けておきたい事があるんだがな」
怪しさ120%の男がバドーの工作員だとさすがに見破っていた芝刑事は地下の秘密基地に案内させるが、結局は捕まってしまう。そして遂に、人型のシルエットを見せるバドー首領。
ロボット刑事K、ならびに芝刑事。よく来てくれた」
2人をバドーの手下として改造してやる、と告げる首領だったが、K、ジェット噴射で強引に脱出(笑)
冒頭の電熱マンとの戦いの際にまたも両目を潰されているので、その修理をマザーから受けている時に「ねえマザー、今度の相手はジェット噴射で空を飛んで逃げるから、僕もジェットで飛べるようになりたいんだよ〜」とおねだりしたに違いありません。
新しいレシピを閃いたのか、ついでにマザーは火力も強化してくれたようで、左腕に追加装備でマシンガンを装着して、戦闘員を蜂の巣にしていくK。だが乱戦の中で芝が銃弾に倒れ、Kはマザーに助けを求め、浮上したマザーは芝を体内に吸収。
――次回、バドーの凶弾に倒れた芝刑事は、マザーの改造手術を受け、ロボット刑事として甦る。
「警視庁特別科学捜査室刑事部長・機動刑事シバン!
対バドー法第一条・機動刑事シバンは、バドーとの契約書を根拠に、犯人を逮捕する事が出来る。
第二条・機動刑事シバンは、相手がバドーと認めた場合、自らの判断で奪われた金品を爆破することが出来る。
第二条補足――場合によっては抹殺する事も許される」
Kとシバン、2人のロボット刑事は、果たしてバドーを倒す事が出来るのか?!

芝の安否が色々な意味で心配される中、マザーはバドーの砲撃を浴び、遂にミサイルの直撃を受けて海に沈んでしまう。怒りのKは猛然と敵を蹴散らし、電熱マンを滅殺。Kはバドー首領を追い詰めるべく基地内部へと乗り込むが、シルエットの首領は囮に過ぎず、アジトも世界中に組織を持つバドーのごく末端に過ぎなかった。Kを仕留めるべく、自爆装置で吹き飛ぶアジト。果たしてKは、マザーは、そして芝刑事の運命は?!
クライマックス突入で、正統派の続きもの。新條が早々にリタイアした事で、芝がKとコンビを組み、お陰で瀕死の重傷に。オヤジさんに関しては当初から、クライマックス展開で殺されそうな雰囲気はひしひしと漂っていたので心配な所がありましたが、今回の展開なら、命までは取られずに済みそうか。
この期に及んでKがどの程度マザーの事を秘密にする意識があるのかわからないのが難ですが、Kが芝刑事の為に必死にマザーを呼ぶというのは、なかなか熱い。
次回……次回…………次回、なんか、トテツモナイ事ニ。


◆第22話「恐悪ミサイルマン バドーの正体!!」◆ (監督:内田一作 脚本:中山昌一)
海に沈んでいたKはミサイルマンの探知機に見つかり、ミサイルをぶちこまれるが、逆襲に転じる。
「ミサイルでも水爆でも一向にかまわん! 叩きのめしてやる!」
前回に続きキレ気味のKさんに怯えたミサイルマンは一当たりして、撤退。ジェット飛行機能を付けた結果、戦闘力が激減してしまった電熱マンの反省を踏まえたのか、或いはKのジョーカーを参考に製造されたのか、ミサイルマンは自分で飛ぶのではなく、ジェットミサイルタンクに乗っているのがお洒落。戦車に乗った状態で登場したので、最初は下半身タンクのロボットなのかと思いましたが、普通の人型で、タンクは愛車でした。
バドーはKの電子頭脳を手に入れるべく、芝家の娘2人を誘拐。これまで何があっても蚊帳の外だった姉妹が、初めて物語の本筋に関わってくる展開。
囚われの妹は、出された食事に口をつけるのを拒否。
「おい、食べんと死ぬぞ」
「死んでもいい」
「おまえが良くてもこっちが困る!」
一方、折檻を受ける姉。
「ただKに手紙を書きさえすれば、痛い目にも遭わず、おいしいものを食べさせてやると言ってるのに!」
相変わらず、どこか親切なバドー。
マザーとの交信が途絶え涙を流すKは、新條からの連絡で姉妹が人質になった事を知り、脅迫状で指定された黒蛇湖へと向かう。取引条件はKの電子頭脳と姉妹の交換の筈だったが、「俺はKと一騎打ちがしたかったんだ」と、いきなり至近距離からミサイルを撃ち込んでくるミサイルマン
ミサイルマンは愛車からの砲撃の他、着ぐるみの胸部から直接?火薬でミサイルを飛ばすという素敵ギミックを搭載。飛び出すミサイルは通常時と別ですが、本体はミニチュアではなく着ぐるみままで、普通に熱かった、とかこの時代だとありそうで怖い。
ロボット刑事! 勝負は預けたぞ!」
体勢不利と見るや場を戦闘員に任せて逃亡するミサイルマン
えーと、人質は……? 取引は……? 
Kが戦闘員を機関銃で蹴散らすと、バドーの声が響き渡り、改めて取引を要求。姉妹は別々の所に人質にされており、1人を救えばその瞬間にもう1人が殺される、と丁寧に説明。
「新條さん、私はどうすればいいんです」
「くそおっ」
そこへマザーが復活し、吸い込まれた2人は、マザーの中で 改造された 治療を受けた芝刑事と再会する。
「マザー? 何者ですいったい?」
「霧島博士のお嬢さんだ。このマザーロボットを作った、偉大な科学者のな。お嬢さんの名はサオリさんといって、霧島博士の設計図によって、あのKを作った」
娘2人がさらわれた事を知った芝は、聞いたばかりのマザーの秘密をぽろっと新條に喋った事を、壁の奥から椅子に座ったまま姿を見せた妙齢の女性にたしなめられる。その女性こそがマザー=霧島サオリであった!
これまでの見せ方などから、マザーはなにがしかの超存在かと思っていたのですが、中で人間が操る巨大ロボットだったというのは、逆に盲点でした。劇中基準の超科学にしてもオーバースペックですし(笑) なお、普通に人が乗っていた事やその態度などから、どうもKはマザー(サオリ)から存在を秘密にするように言い含められていただろう事は推測されます。後ここは、サオリに素直に謝る芝刑事が面白い(笑)
「マザー、どうか私に、新しい力をお与えください」
メンテナンスを終えたKは、バドーと戦う為、より強い力を求める。ここでいきなり、どこか超然としたマザーに、K一人に重荷を背負わせて、なぜこの科学力でバドーと戦わないのか、と突っかかる新條。
今回は完全に如何にもヒーロー物の展開ではありますが、ここは少し踏み越えすぎたというか、新條が刑事としてのスタンスを崩してしまったのは、いただけない所。Kの為を思って、という形にしてはいますが、どうしても他力本願に聞こえてしまい、あくまで刑事として自分達の力で悪に立ち向かうという一線は守ってほしかった。
「バドーは気が狂っています。病気です。私はその病気が治る日まで、待ってやりたいのです」
マザーはKの改造は承諾し、3人を外へと送り出す。マザーは何故、バドーの悪を見過ごし、全面対決を行わないのか、それは――
「バドーは、私の弟です」
そう言い残して、姿を消すマザー。衝撃の事実に戸惑いながらも、芝姉妹を救う為に、バドーから渡されたパネルで、3人はミサイルマンに呼び出しをかける。
「どうだ、覚悟は決まったか!」
ジェットミサイル戦車で飛んでくるミサイルマンの画は、今作にしてはスピード感のある特撮。
「決まった!」
「ようし、では電子頭脳を渡せ。姉妹は無事にうちに送り届けてやる」
「早とちりをするな!」
「なに?」
「反対に決まったのだ!」
「な、なんだと?!」
「おまえ達は、残らず倒す! グロウアップ!!」
宙を舞うジャケット! その下から現れたのは、真紅のボディ!!
「マザーの手で、新しく生まれ変わったKだ! 来い!」
頭部に三つの砲身、肩と腰にミサイル、と最初に全身の追加装備をハッチフルオープンで見せ、人間から異形のシルエットを強調すると共に、「やっちまった……」という衝撃を強くするという見せ方は非常に秀逸。ハッチを閉めたKは格闘戦に入り、強化されたボディはミサイルすら弾き返すと、次々と戦闘員を屠り去っていく。
「おい、気でも狂ったのか?! 俺がボタンを押せば、あの姉妹は一瞬に命を絶たれるんだぞ!」
「承知だ! だがそうはさせん!」
「おのれぇ!」
ミサイルマンは人質を始末するべく誘導ミサイルを放つが、
「俺の力を見ろ! ミサイル爆破光線!」
Kの頭から放たれた光線により、ミサイルは空中で爆散。
「逃げられると思うか、ミサイルマン。俺の特殊ミサイルが、貴様たちの息の手を止めてやる! 行け! 追え! 由美さんと奈美さんの居る所へ。二つの俺のミサイル弾よ!」
K フォー デストロイ!
逃げだそうとしたミサイルマンはKの放ったミサイルの直撃を受けて汚い花火となり、特殊ミサイルはミサイルマンが放っていたミサイルの航跡をシミュレートして、2人の人質を閉じ込めていたアジトに突入。芝と新條が姉妹を無事に助け出し、新たな力を得たKは圧倒的な暴力で、バドーの人質作戦を粉砕するのであった。
作品として刑事である事に重点が置かれていた為、どちらかといえば“あまり強くないヒーロー”だったKですが、活劇要素の強化から徐々にバージョンアップしていき、遂にパワーアップとともに真紅の鬼畜化。全身の追加武装を制御する為か、OSも書き換えられています(笑)
シナリオとしては、その場その場の都合で敵方の行動が全く首尾一貫していないという典型的なグダグダ展開だったのですが、ミサイルマンのお洒落タンクが全編でいい味を出し、クライマックスで衝撃のグロウアップ! と、なかなか面白くまとまりました。演出が頑張った。
芝家を救う為に、自ら、より人間から遠ざかる道を選んだK。だがバドーを倒す事は、Kにとって唯一の家族と呼べるマザーの肉親を倒す事であった……娘2人が無事に帰って祝杯を挙げる芝家の茶の間と、海辺で黄昏れるK、そんなKを呼べない事情について言葉を濁す芝と新條、という対比が渋い。
マザーの正体は、超存在や宇宙人でこそ無かったものの、ほぼ、宇宙人だった、と変わらないような内容ではありましたが、しっかりとKとマザーとバドーの関係を繋げて物語をまとめてくれそうではあるので、そこは期待。
しかしいい加減、姉と新條さんはフラグ立つのかと思ったのに、全く立たなかった!!
なお今回、芝家の姉妹の事が終始「きょうだい」と言われていますが、「姉妹」と書いて「きょうだい」と読むのは、特に間違いというわけではありません。今の感覚だと、凄く違和感ありますが(^^;