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『仮面ライダーキバ』感想18

先週分。
◆第27話「80’S#怒れるライジングブルー」◆ (監督:長石多可男 脚本:井上敏樹
反省した演技で首領Sを丸め込み、新たにバージョンアップしたイクサナックルを手に入れた名護だったが、素晴らしき青空の会の周辺に暗雲が立ちこめる。
麻生恵、強盗容疑で逮捕。
首領S、殺人容疑で逮捕。
遂に官憲の手が伸びたとしか思えませんが、首領Sは脱税容疑とかの方がリアルで良かったなぁ(リアルすぎます)。
これは、素晴らしき青空の会に恨みを持った者による陰謀なのか?
ひとり残された名護は背後関係を調査しようとするが、女性を襲うカニファンガイアに遭遇し、イクサ変身、から携帯電話をかけての、ライジング。
強化アイテムを渡されて、始まって5分でいきなりニューイクサがお披露目されるとは思いませんでした(笑)
ライジングイクサは角が変形してサイドに開き、平成ライダーで言うとアギトと似た顔に。色彩は青みを増し、全体的によりどっしりとした感じで、胸部には撃ったら爆発しそうなジェネレーターが露出。……これ、「名護くん、君の戦士の勇気は忘れない(ぽちっ)」ってやって、首領Sが遠隔自爆させる用のイクサ融合炉とかにしか見えないのですが。
ライジングイクサはその圧倒的な火力でカニを粉砕するが、武器の威力による反動が大きすぎて、自らも吹き飛んでしまう。そんな名護の身辺にも迫る警察の手。しかしそこは、警察に囲まれるのが3回目ぐらいの男・名護啓介。慣れた感じで警官を薙ぎ倒した名護は、近くに停めてあった車に乗り込んで強引に発進させるが、その運転手こそが素晴らしき青空の会を陥れた事件の黒幕・棚橋(小川敦史!)であった。
「私は22年前、青空の会のせいで夢を奪われ……人生を奪われた」
かつて画家であった棚橋は、22年前、クイーンをモデルに絵を描き最高の傑作をものにしようとしていたが、イクサに殴られて昏睡状態に陥ってしまう。1年後、棚橋は社会復帰を果たすが既にモデルの姿はなく、画家としての閃きも失われていた。それから21年間、復讐の為に生きてきた棚橋は警察上層部をも動かす力を手に入れ、今遂に、素晴らしき青空の会を地獄に落とすべく動きだしたのであった。
あえて陰謀の真相を話し、名護をより苦しめようとする棚橋の手によって全国指名手配を受けた名護は、逃亡中に次狼と遭遇。
「おまえにチャンスをやろう。過去を変えるチャンスをな」
次狼とある人物との、青空の会を守るという約束の為ドラゴン城に招かれた名護は、時の扉をくぐって1986年へと飛ぶ――!
そこではゆりと音也が、同棲の準備とかしていた。
次狼の軽い嫌がらせか、普段の行いが悪いのか、橋の欄干の上に飛び出す事になった名護は音也と一緒に川に落ち、紅家に拾われる。
1986年8月10日――目を覚ました名護に対し、今日は二人の同棲開始記念日、といきなり全力全開ライジングでのろけ始めるゆりさん。
大事なネジが、指輪の代わりに海の底に沈んでしまったようです。
「不純だ。不純極まりない。結婚前の若い男女が、一つ屋根の下で暮らすなど、不純すぎる」
2008年――姿を消した名護を探し回る健吾を、心配する渡。
深央の登場でヒロインの位置があまりに遠くなったからか、健吾について「ひょっとしたら最後の友達かも」と煽り、ほ、他にも友達居るよ、そんな可哀想な生き物じゃないよ、という反論に「いるの?! どこに?! どんな人?!」と、きついボールを投げまくる静香ちゃん。少し、可哀想な感じにもなってきましたが、もう、生き残る道はこれしかないのか。
そして渡は、幼い日の初めての友達「タイガ」の事を思い出す……。
1986年――棚橋から絵のモデルの為に演奏をしてくれないかと依頼された音也(たぶん、いつも公園で演奏している暇そうな人だと思われた)は一度は断るが、絵のモデルであるクイーンの頼みで、人間ジュークボックスを引き受ける事に。ぷっつん芸術家カテゴリという事なのかもしれませんが、割と酷い依頼を真っ正面からぶつける辺り、棚橋さんも結構浮き世離れしています。
キャンパスに筆を走らせる棚橋、ソファに横たわるクイーン、その後ろで演奏する音也、というのは凄く、変な画に(笑)
その様子を窺っていた名護はセミファンガイアに接触。踏まれていると音也に助けられ、1986年のイクサの正体が、音也である事を知る。
なお音也は割とあっさりセミを蹴散らしており、だいぶイクサでの戦いに慣れてきている模様。または、イクサの方も少しずつバージョンアップを重ねているという事か。
2008年――名護を探す健吾がカニに襲われ、渡・変身。
ジンジン来た健吾の演奏をBGMに戦う……のかと思ったら、曲が足りませんでした(笑)
カニ泡を浴びて苦しむキバだったが、エンペラーフォームになると、面倒くさいといわんばかりに回し蹴りでカニを瞬殺。……あまりにエンペラーが強すぎて、他のフォームが前座としての意味すら失いつつあります(^^; カ、カルテット……。
もはや作っている側に説得力をもたらそうという意識が感じられない、ものすごーく出鱈目な時間移動でしたが、見ている側も、なんかもう『キバ』だし……とそこに何かを求める気がしなくなっていて、恐ろしい(笑)


◆第28話「リクエスト#D.C.#時を変える戦い」◆ (監督:長石多可男 脚本:井上敏樹
「俺は未来から、2008年から来た、素晴らしき青空の会の戦士だ!」
力強く宣言するも、可哀想な人扱いを受ける名護さん。実際、それとなく可哀想な人かもしれないので、フォローが難しくて困ります。
自分のイクサナックルで変身でもしてみせればいいのでは……と思ったのですが、執拗に音也からイクサナックルを奪おうとしているし、過去に戻った時点で、何らかの修正作用によりイクサナックル08’は名護さんの手元から消えているという事で良いのでしょか。それとも前回、警察に捕まりそうになった時に拾われてしまったのだったか。
描写が錯綜していて、この辺り、自信が無い(^^;
2008年――「もう青空の会は、終わりかもしれないな」
ブタ箱にぶちこまれた首領Sは、普段のうのうと過ごしている為か、割と打たれ弱かった。
だが、素晴らしき青空の会が無ければ人々をファンガイアから守る事が出来ない……面会で激励を受けた首領Sは渡と健吾を臨時会員に任命し、ファンガイアキラーを託す。
紅家の前で、渡と健吾が武器の練習をするのですが、どう見ても、銃刀法違反です。
うまく法の抜け道をつく設計なのかもしれませんが、少なくとも銃モードは明らかに人間を殺傷可能な火力なのですけど、ほいほい渡してそれでいいのか。悪の秘密結社だから、それでいいのか。ファンガイアキラーは、所有者が生命活動を停止したり、一定時間以上手を触れない状態が継続すると、自壊して証拠を隠滅する仕様です。
健吾が意外と達者に武器を使ってみせるのですが、扱い方について恵さんを参考にしたという事なのか、二人とも構えが微妙に女っぽくて面白い(笑) それにしても健吾、まさかここまで闇の深みにはまってしまうとは……。そろそろ田舎に帰らないと、いつの間にかアジトの留守番を任されて、襲撃してきた敵もろとも自爆スイッチであぼーんとかの役を割り当てられるぞ!
1986年――棚橋を守ろうと周辺をうろつき回る名護さんは、すっかり危ない人になっていた。
音也の演奏を邪魔した事で、人間の生み出した芸術のみには価値を見いだすクイーンに平手打ちを受け、ストーキング。
……え、あれ? 名護さんも、そっち側の人だったの?!
或いは、クイーンの平手打ちに、男のハートメーターを上昇させる特殊効果があるのか(笑)
「おまえには遊び心がない。心の余裕が無い。張り詰めた糸は、すぐ切れる。そういう事だ」
音也に翻弄される名護は、ゆりを襲撃するが、逆にひねられる(笑) 人質に取ったつもりが拘束を外され、音也と二人のW正義の鉄拳を喰らって崩れ落ちる名護さん……普通に逮捕です。
そこへ通りすがったクイーンは「貴方の手は人を殴る為にあるんじゃない。でしょ?」と音也を気遣い、女として危険を感じるゆり。まあ確かに、音楽家が体育、良くない。
「ねえ、教えて? 恋をするってどういう気持ちなの? なぜ人は恋をするの?」
目を覚ました名護に問いかけるクイーン。
「勘違いするな。俺は恋などしない」
「なんだ。そうなの。じゃあもう、いいわ」
「待って! …………ください」
名護は立ち去ろうとしたクイーンに、バウンティハンターとなって初めて得たボタンを、縁起が良いのできっとお守りになる、と渡そうとする…………て、駄目だこの人ぉぉぉぉぉぉぉぉ。
1・そもそもどこのおっさんの付けていたボタンなのか
2・その理屈で縁起が良く感じるのが本人だけすぎる
3・根本的に気持ち悪い
どう考えても、呪いのアイテムです。
「やっぱり面白いのね、人間って。大事にするわ」
いやそれも、凄く特異な例です、クイーン。
そこへセミのファンガイアが現れ、クイーンの正体を知る名護。クイーンはボタンを手にすると、黒い花びらとなって姿を消す……。
「さよなら、俺の初恋」
ハイ消えた、早かった。
セミの目的、それは仕事をせずに遊び歩いているクイーンに職場復帰をせっつく事にあった。どうやら1986年でも風紀を乱す恋愛条項違反者が続出しているようですが、ファンガイア、裏切り者が多すぎないか。それはクイーンも、ストレス解消とリフレッシュの為におかしな方向へ行く筈です。
画家である棚橋を直接抹殺しようとするセミだが、音也が駆けつけてイクサ変身。その光景を目にした名護は、イクサが間違って棚橋を攻撃したわけではなく、セミを倒そうと放ったイクサフィンガーの余波で棚橋を傷つけてしまった事を知り、敢えてイクサの攻撃を妨害する事で棚橋を救出。これにより歴史は変わり、名護は現代へと戻っていく――。
2008年では、暴れるカニに渡と健吾が立ち向かっていた。前回前半でライジングイクサバスターを浴び、後半ではエンペラーキバの必殺回し蹴りを食らい、それでも生きているカニって、もしかして物凄く強いファンガイアなのでは。
歴史が変わった影響で逮捕されていない事になった恵が駆けつけ、健吾とまさかのコンビネーション攻撃。健吾が武器を持ちっぱなしなのですが、歴史の弾力的な作用により、青空の会の構成員という事になってしまったのでしょうか。
渡はこっそりキバに変身してカニを追い詰めるが、歴史が変わった事で生き残ったセミの強襲を受け、挟み撃ちを受けてピンチに陥る。そこへやってきたのは、現代へと帰還した名護さん。
「ファンガイア、その命、神に返しなさい」
ライジングイクサは、イクサ波動砲から反動を利用した三角飛びキックでセミを撃破。
「どうだ、これが俺の遊び心だ!」
なんだかますます、ダメになってしまったような……。
エンペラーキバは次狼をフィーバーし、ガルルツインセーバーでカニを撃破。ガルルさん、今回は役に立てて貰えました。……まあ、元々の歴史ではイクサ86’に倒された事を考えると、セミ、ファンガイアの中でもかなり弱かったと思われますが。ロケット噴射で反対側にも刃が生じての、いわゆるビームナギナタ的なツインセーバー自体は、格好良かったです。
戦いが終わり、喫茶店でくつろいでいた名護は、支払いをしようとした渡がぶちまけてしまった財布の中身に、自分が真夜にプレゼントしたお守りのボタン(呪いのアイテム)を見つける。
「子供の頃、母さんからもらったお守りなんです。縁起がいいからって」
これをやりたい為だけの、前後編だったのか……(^^;
いつか、どこか――
「タイガ」と名前を呼ばれる赤ん坊にかしづくビショップ。そして、その“母親”として部屋に入ってきたのは……クイーン・真夜。
複雑に絡み合う運命の鎖は、果たしてどこへ繋がっていくのか――。
これまで、どうしてそうなるかはともかく、察しはついてもハッキリとはしていなかった渡の素性に繋がる鍵が、過去に戻った名護さんのボタン(呪いのアイテム)だった、というのは面白かったですが、エピソードとしての出来自体は残念。ゲストの棚橋も放り投げっぱなしですし。
27話の
「昔のイクサがアホやったから、先生に迷惑がかかってるんや」
「出来る事なら22年前に行って、俺が過去のイクサに成り代わりたいところだ」
というのはむしろフラグで、過去に行った名護さんが何かやらかすタイムパラドック的な展開かと思いきや、普通に音イクサのミス(と言っていい範疇の行為)でしたし。音イクサならやりかねない、という方向性に見せてそうでは無かったという構造だったのかもしれませんが、むしろ音イクサは肝心な所ではやらかさないキャラクターという認識で見ていたので、誤誘導そのものに違和感があって、「実は……」が全く面白く感じませんでした。
とりあえず次回、名護さんが恵さんに
「恵、ちょっと俺の後頭部を踏んでみなさい」
とか言い出さない事を祈ります。