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『ロボット刑事』感想12

◆第23話「センスイマン 水中の恐怖!!」◆ (監督:奥中惇夫 脚本:中山昌一)
いきなり浜辺に現れ子供を驚かすセンスイマン、次はダイバーを襲い、パトロール中のKと新條がこれに遭遇。Kと潜水マンはしばらく殴り合いになるが、逃げられてしまう。殺されたダイバーは、城南大学の戸田教授の教え子達であり、事件は教授の研究を狙うバドーの陰謀であった……。
これまでになく意味の無い戦闘シーンが増え、水から飛び出し、再び飛び込む映像が何度も繰り返されたりと、全体的に露骨な尺稼ぎの匂いの漂うシーンが目立つなど、前回の今回でひどく大雑把な単発エピソード(^^;
見所は、取り逃がした潜水マンの行方を、何故かマザーに問うK。
「K、それはあなたの勤めです。あなたが自分で探すのです」
仕事しなさい。
マザー! 私には、貴女がわからない。バドーは本当に、貴女の弟なのですか」
「そうです。ジョージという、弟です」
そしてその流れで脈絡なくねじ込まれる、物語の背景。
サオリとジョージの父、霧島博士はマザーロボットを作ってしまうぐらいの天才科学者だったが、その為に犯罪組織に殺されてしまう。ジョージは父の復讐の為、残された研究成果を用いてバドーを生み出すと、その憎しみを人類全てに向け、人間を苦しめる為に活動開始。それを憂えたサオリはKを作り出したのだった。
それがどうして警察に預けられたのかは謎ですが、確実に言えるのは、霧島サオリは警察上層部の黒いネタを握っているに違いありません。
かくして、弟を止めたいとは思いつつも決定的な手段を取る覚悟の決まらないサオリは対処療法としてのKを警察に預けるが、警察は警察でKの扱いに困り、しかしサオリの頼みを撥ねつける事も出来ずにKを受け入れる……この両者のやる気の無い思惑が一致した所に生まれた島流し部署、それこそが、特別科学捜査室!
クライマックスでは、珍しく、歌入りの主題歌で戦闘。OPに3番がある事が判明しました。「アリバイ」とか、そんな概念があった頃が懐かしい(笑) 最後は全砲門フルバーストで滅殺。


◆第24話「バクライマン 焦熱作戦!!」◆ (監督:奥中惇夫 脚本:中山昌一)
深夜に炎上するビル……それはバドーの怪ロボット・バクライマンによる犯行であった。バドーは証拠を残さずに意図的にビル火災を起こせる力をアピールすると、「多額の保険金を支払う羽目になりたくなければ100億円よこせ」と、あちこちの火災保険会社を直接脅迫する。
不可能犯罪をとうとう自分達の利益の為に単独で行うと、バドーも相当、資金繰りが厳しくなっている模様。
作品コンセプトから考えると少々残念ですが、あくまで間接的な収入を狙うなど、発想の転換としては面白い。
多くの火災保険会社がバドーを恐れて脅迫に屈する中、特別科学捜査室への情報提供者が現れる。慎重な捜査を約束する芝だが……かつて内密に捜査を進められた事があっただろうか。
案の定、秘書が既に工作員に入れ替わっており、警察への情報提供を知られてしまう社長。
毎度、本物がロッカーの中に押し込められているのが笑えます(笑)
情報提供者の会社が保険を請け負っていたビルが炎上した事から、バドーに勘づかれた事を危惧した芝と新條は、最初に炎上したビルの生き残りである警備員から証言を得ようとするが、担当医もバドーの工作員に入れ替わられていた。
「先生はしばらく物置の中で休んでもらっている」
いちいち面白いぞ、工作員M5(笑)
火災の原因は謎のロボットではなく居眠りによる不注意である……と過失を認めてくれれば大金を払う、と工作員は取引を要求。とりあえず金で口封じをしようとするのはバドーの面白みが出ました。
警備員の親子はその取引を断って殺されそうになるが、そこへKが飛び込んできて、逃げ出す工作員M5。
真面目にロープで窓から脱出する所を撮影してしまった為、逃走に手間取る。
M5と強力して仕事にあたる爆雷マンが、グロウアップしたKと激突。同じ長めの戦闘でも、資材置き場での戦闘など前回よりシチュエーションにも凝って殺陣もしっかりしており、前回は本当に何だったのか(^^; 工作員M5は、バック転したり、Kに体当たりして爆雷マンを救ったり、謎の大活躍(笑) 偽装フィルムを剥がすと真っ黒な肌のサイボーグ、とここ数回で突然フィーチャーされたバドー工作員ですが、今回はやたらに目立って面白い。
爆雷マンは気球を膨らませて急上昇する緊急脱出機能でM5と共に逃亡し、見せしめに殺されてしまう情報提供者の社長。そして警察の介入に苛立ったバドー首領は、とうとう特別科学捜査室に「もう東京まるごと燃やしてやるぜ」と直接コール。そして爆雷マンが芝家に手榴弾を投げ込むが、ガードに回っていたKさんが、それを片っ端から拾っては消化液をかけて無効化するという大活躍。
逃亡する爆雷マンとM5を追い、K、グロウアップ。爆雷マンにチェーンを引っかけられるが、右手からドリルが生えた! ドリルでチェーンを切断し、マシンガンでM5を蜂の巣にすると、逃げようとする爆雷マンの気球も爆破し、落下した所をフルバーストでミサイルの藻屑に。かくして警備員の過失であるという疑いも晴れ、大団円。
バドーがだいぶバタバタしているものの、それでかえって事件の背後関係が割とスッキリした為か、ここに来て、1話完結エピソードでは割と悪くない出来でした。前回が酷すぎたという印象の問題もありますが(^^; バドーの路線変更が、何となく組織として追い詰められている感じに見えるのも、結果的には良かった。
……にしても、21−22話でグロウアップとマザーの正体が判明して一気にクライマックス編になるのかと思いきや、ごく普通に1話完結エピソードが2話続きましたが、割とどさくさ紛れで終わってしまうのかなぁ……心配になってきました。