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『魔法戦隊マジレンジャー』感想17

◆Stage.25「盗まれた勇気〜ジルマ・マジ・マジーロ〜」◆ (監督:中澤祥次郎 脚本:横手美智子
人間の一番大事なものを盗む冥獣人シーフ・ガストンにより勇気を奪われた魁は、愛しの山崎さんに蔑みの目で見られて 新しい性癖に目覚め 大ショック。
更にガストンとの戦いで変身する事が出来ず、魁をかばったシャインが、《スティールアタック》:LV10により、トラベリオンのマジチケットを盗まれてしまう。
先日、その為の作戦を立てて手に入れようとしたものがどさくさで(笑)
ガストンの目的、それは盗み取った大事なものを混ぜ合わせて作成した大事ダイナマイトを地上で爆発させ、人間達の大事なものを誘爆させて地上を大破壊する事……て、メーミィは爆弾テロ路線で行くのか。
いいも悪いもチケット次第のトラベリオンでナイとメアが出撃し、変身できない魁を残した4人は魔人化して激突。シャインは大事ダイナマイトを仕掛けようとするガストンを止めようとするが、その前に厚底神官と残念騎士が現れる。メーミィの命令でシャインと戦うウルザード、のシーンは割と力の入ったアクションなのですが、ウルさんは散々自慢げだった挙げ句、色々と強化した末に、ようやくシャインと互角程度というのは、本当にどうなのか。
唯一のセールスポイントだった勇気を失い、捨てられた子犬のようなへたれ化していた魁はマンドラの気合いパンチを受けて家を出た所で、山崎さんお手製のマジレッドぬいぐるみを取り返す為に勇気を振り絞り、復活。通りすがりに遭遇したガストンからダイナマイトを奪い取ると、戦場へ駆けつける。
「勇気をなくしたはずなのに、なぜ?」
「ヒカル先生、俺わかったんだ。勇気は盗まれてもなくならない。なぜって、勇気はいつだって、心の一番奥から、無限に湧いてくるもんだからさ!」
何かと問題だった「勇気」の再定義付けまでは行きませんが、一応、魁が勇気について見つめ直しつつ、勇気の意味を劇中で描いた――魁にとっての“一番大事なもの”であると同時に、人間にとっての“大事なもの”であるからこそ、誰の心の奥底にいつだって存在している、というダブルミーニングになっている――という事で、だいぶ改善。その後、勢いでメーミィを叩きのめしたのはパワーバランス的にはやりすぎた気もしますが(^^; ゲージMAXの赤は最強、というのは貫かれているので構わないのですが、メーミィ下げるのはちょっと早かったかな、と。
メーミィウルザードが早退してガストンが巨大化し、復活した魁を交えてそれに立ち向かうマジキング。マジシャイントラベリオンを奪還する際、コックピットから追い出されるナイとメアの台詞が
「「いやーん、えっち〜」」
なのですが、ヒカル先生、画面に映っていない所で何をしたのですか。小津家に、保釈金を払うような経済的余裕は無いんですよ?!
マジキングはガストンの盗み技にカウンターを炸裂させ、トラベリオンが焼却。魁がDLした新魔法で大事ダイナマイトは解除され、盗まれた大事なものは人々の元に戻るのであった。
(勇気は無限か……。魁、もしかしたら君は本当に古の5人の魔法使いと同じく、伝説を作るかもしれないな。新しい伝説を)
魁は取り戻したマジレッド人形を山崎さんに渡し、山崎さんは様子のおかしい魁を心配して作った魁人形を見せる…………山崎さんは、魁の好意に気付いていないならともかく、全て魁の好意を知った上での行動なので、邪悪すぎる。
ただ、二つの人形を並べて見つめる山崎さん、というのはいいラストカットでした。


◆Stage.26「信じろよ!〜ジルマ・ジー・マジカ〜」◆ (監督:中澤祥次郎 脚本:横手美智子
ウルさん、数々のサボタージュ行為にメーミィから抗議を受け、魔法力を差し出す事に。
「俺にはン・マ様からいただいた、邪眼シールドと、ウルサーベルがある。魔法に頼らずとも、充分に戦える」
あなた、他人(ブランケン)からかすめ取った剣に、なんて名前つけているのか。
そしていつの間に、「ン・マ様からいただいた」事になっているのか。
薄々そんな気配はありましたが、ウルさん、時間経過とともに全て自分の都合のいいように脳内事実が改変されるタイプでした。納得です。
メーミィウルザードの魔法力を錬成し、闇の魔法を使えるようになるウーザフォンをナイとメアに渡し、ナイとメアは冥獣人ハーピーピーウィーと共に地上へと出撃する。
「「ナイとメアとピーウィー魔法大作戦、開始♪」」
前回、マジレッドにざっくりやられてしまったメーミィですが、魔法の達者である所をを見せたのは良かった点。こういう、戦闘以外での細かな実力の描写が、ウルザードには致命的に足りない。
小津家では、モデルの仕事の臨時収入で芳香が皆に食事を奢り、ヒカル先生、初めてのお寿司にご機嫌。
「本当に回ってるよ〜。感激だな〜」
ところが、マンドラに悪戯した事でダーク麗からお仕置きを受けたスモーキーが寿司を次々と砂に変えてしまう。これを目撃したナイとメアは闇魔法を使って街中で食べ物を砂に変え、寿司ばかりでなく世間様にも迷惑をかけて、と激怒してスモーキーを囲む、兄妹+先生。
「俺様がやったのはさっきの店の中だけー。兄妹と旦那相手だけ。後はにゃーんもしてない。魔法猫、嘘つかない」
自分なりの節度を主張するスモーキーだったが、ヒカル先生にも信用してもらえず、ランプと接続を切り離して、家出。
「旦那のばーか! かーば!」
その様子を心配する麗に、ヒカルはスモーキーの出自について語る。
もともとスモーキーはマジトピアの火山の煙から生まれたグレ猫で、手の付けられない暴れん坊だったが、ある日、呪いの宝箱を開いて消滅寸前になってしまう。それを助ける為にシャインはマジランプの中にスモーキーを封印。結果、スモーキーは消滅を免れるが、ランプから離れると3時間で消え去る存在になってしまう。消滅の呪いを解除するには人の願いを叶え続けて立派な魔法猫になるしかなく、それ以来、二人は一種のコンビ関係にあるのだった。
スモーキーに関してはもっと大雑把な存在なのかと思っていたのですが、思ったよりしっかりと設定が組まれていました。
付き合いの長いヒカルは、これまでも何度も家出しているし、消滅する前に帰ってくるだろうと、軽い対応(笑)
「でも……スモーキー、泣いてた」
スモーキーを探しに出た麗は、河川敷でスモーキーを発見し、嫌いだから叱るのではない、と諭す。信じたい、信じられたいからこそ、信じられるような行動をしなくてはならない……と麗に教えられるスモーキー、それまで呼称が「次女」だったのが「麗」に変わるのが、おいしい所。二人は家に帰ろうとするが、冥獣人ハーピーピーウィーを目撃し、その後を追う。
ピーウィーの特殊能力は、人間の空腹感を胃の中でハーピー虫という寄生虫に変える事。そしてハーピー虫はピーウィーの囀りに反応して急成長し胃を食い破って飛び出す! という割とスプラッターな大規模音響テロこそ、ナイとメアとピーウィー魔法大作戦の正体であった。
ナイとメアが魔法で化けたスモーキーを追い、事件の裏を知った4兄妹+ヒカル先生だが、二丁携帯を構えるバンキュリアに足止めを食ってしまう。
ピーウィーの音響テロを食い止めるべく、信じられる魔法猫になる為に、戦いを挑むスモーキー。追いついてきた青が参戦するが、ピーウィーの攻撃を受けて、変身が解除されてしまう。
「もう少しだけ時間と、麗を守る力をくれぇ!」
存在の消滅まで3時間のタイムリミットが迫る中、気合いで反撃に出るスモーキー。
「俺様最終究極奥義・猫まっしぐらぁぁぁ!!」
魔法猫、超高速四つ足ダッシュから、まさかの某エンペラーばりの空中連続キック。
割とコミカル寄りの着ぐるみなのに、凄く普通に格好良かった(笑)
ウェイクアップそしてフィーバーしたスモーキーの奥義はピーウィーのクチバシを砕いて音響テロを阻止し、麗を守る。だがその肉体には、消滅の時が迫っていた――
「母ちゃん、てさ……母ちゃんてさ……火山から生まれた俺様には、いにゃいけど、うるさくて、怖くって、怒ってばっかりで……優しくて……麗みたいにゃのかにゃー」
麗の叫びも空しく砂となって消滅するスモーキー……と思われたが間一髪、駆けつけたシャインのマジランプの中に吸い込まれ、事なきを得る。
「信じ合うもの同士の力、見せてあげる!」
「おう! 行くぜ麗!」
「ジルマ・ジー・マジカ!」
「「スモーキー・ブルーシャイニングアタック!!」」
新魔法をDLした麗は再変身し、マジランプバスターを手にすると、水属性のスモーキーアタックでピーウィーを撃破。思わぬ成り行きに、横で棒立ちのヒカル先生が面白い(笑)
「戦慄の怪鳥が……」って、どうして微妙にレスラーみたいな扱いなのか。冥獣人は、通り名路線で行くのでしょうか。
バンキュリアが使うウルザードの闇魔法で巨大化したピーウィーだが、スモーキーが操るトラベリオンの連続キックからファイヤー逆噴射を受け、天空魔法斬りでチェックメイト。瞬殺でしたが、巨大化の魔法の質が悪かったのかもしれません。
スモーキーはすっかり麗に懐き、ヒカル先生は、(まったくスモーキーめ、僕が年増と戦っている間に勝手に麗とイベントを進行するなんて言語道断……後で麗の見ていない所でこっそりお仕置きだなこれは、いやしかし、スモーキーのお陰で最後に麗に抱き付かれたのでプラスマイナス0で、いや、シャインの時でなければなぁ……)なんて事を考えていたが、色々と不適切な表現があるので、モノローグは簡潔に
(信じ合うもの同士の力か……凄いよ麗。君もまた、新しい伝説の作り手なのかもしれないな)
にまとめられた。
……5人分、これやるのでしょうか?(笑)
存在感の薄かったスモーキーを、いいタイミングでクローズアップ。設定と物語がしっかりと繋がり、麗だけではなくヒカル先生の補強になったのも良かった所。一方で、マンドラが着々と闇に堕ちつつありますが、ウルさんは、狙うならここだな。
次回、兄者、史上最大の危機。