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夏アニメ感想その9

◇『アルドノア・ゼロ』 第6話
本当に、敵も味方もぽんこつだった。
地球側はともかく、火星側はどうなのかと思っていたら、月が壊れる際のハイパースペースの暴走でどうにかしてしまった模様。
また改めて地球側の15年前の戦力は戦車であった事が言及され、人型機動兵器による本格的な実戦の経験値は、正規軍人も学生(主人公達)も変わらない、という点が補強されました。
まあ、戦車に対する人型機動兵器の有用性は説明されていないのですが(火星兵器との戦力比はそういうレベル問題ではないし)、この辺りもまた後で説明が付くのか。種子島レポートが握り潰された結果として、火星兵器に対する有効な戦術が模索されるよりも、相手が人型ならこちらも人型だ、というやや歪んだ方向へ対策が進んでしまったという事になるのか。
物語の穴を徹底的に設定で埋めていって、それを順々に説明していくという構成で、丁寧にやっていて破綻はないけれど、あまりに理詰めに過ぎるというのが今作の良し悪しか。
「○○という状況を生み出すには、○○という設定が必要」という紐付けがハッキリし過ぎている為、基本的に見ていて「ああ、やはりそうなのね」と思う事はあっても、「おお! そう来るのか!」というのがほとんど無いのは今後の懸念。
また主人公がその理詰めを具現化したような存在なので、もちろん感情はあるのだけど、それも「イナホにこういう行動を取らせる為には、こういった感情を与える必要がある」と、物語の中のロジカルなインプットとアウトプットが見えすぎるので、それもちょっと気になる所です。
見せない所の芝居がもう少しあってもいいよなぁ、と。
まあただ、対する吊り目くんが割と行き当たりばったりなので、作っている側はそのバランス取りをわかった上でやっているようには見え、今後どういった形で(姫様を挟んで)擦り合わせていくのかは、楽しみです。
そんな猫目は、いきなり風前の灯火。
スパイの嫌疑をかけられて捕縛などかと思ったら、そもそも勝手に部屋を使った罪により力強く銃殺されそうになりましたが、なんとか脱出。
飛行メカの操縦などで特に達者な描写が無かったので、運動能力その他に疑問がありましたが、兵士を制圧して情報を聞き出すなど、ただの姫様の追っかけでない事を見せました。
火星側の宣戦布告により正式な戦時体制に入り、ぽんこつお姉さんが公の場では准尉と呼ぶように弟に言う所などは、好きです。軍隊のリアリティにはそれ程こだわりはありませんが、公私の別が付けられない人(これはつまり、単純に社会人として問題があるという事である)は気になるので。
そして学徒動員どころか、見た目中学生ぐらいの女の子を、「君も火星人と戦ってみないか? 前線でバリバリ働けなくても、銃後で出来る仕事も沢山あるぞ☆」とにこやかに勧誘する軍の人が素敵に怖い。
泣き落としで戦時徴用をまんまとくぐり抜けた姫様により、火星サイドの設定も少し解説。
超文明の遺産と王家の血というアナクロを結びつけるなら、遺伝子承認だろうなーと思ったら、その通りでした。
火星側で気になるといえば、タイムスケジュールからするとせいぜい植民2世代目ぐらいだと思うのですが、やたらに血統主義が根付いている上に地球憎しで凝り固まり、自分の祖父が出てきたぐらいであろう地球を征服しようとしている事。
考えられるのは、そもそも火星開拓が一種の強制労働の流刑地送りだったという辺りでしょうが、これも当然わかっていて伏せている設定で、その内説明が入るのだろうとは思いますが。
ハイパースペースで時間が歪んでいるとか、そういう方向の可能性もあるけど。
種子島で主人公達を待ち受けていたのは、火星ビックリドッキリロボット第3弾、ロケットパンチ阿修羅。前回のサムライロボから危惧されましたが、火星ロボは毎回、トンデモ路線でやってくる模様。戦力過剰の火星騎士を知恵と勇気と奇策で打ち破るという展開が続くなら、メリハリついていいですが。
ピーキーな設計思想ゆえに弱点がある、という方が納得行きますし、火星の人達のアンポンタン度もわかりやすいですし(笑)
という辺りがロジカルすぎるのが、今作の良し悪しとしてハッキリしてきたかな、と。
毎度くだまいて思わせぶりな事を言うだけで役に立たない無精髭大尉は、活躍を匂わされたにも関わらず、何の役にも立ちませんでした。なんかもう、あまりにも役に立たないので、このまま死んでもいい気がしてきた(おぃ) いやなんか、この後で立ち直って活躍されても今更で腹が立つというか(笑)
そしてよく考えると、メガネの医者は酒を取り上げるだけで、あまり役に立ってない!
この作品で今の所一番役に立っている大人は、学生達を馬鹿にする事なくうまく接しながら自分の仕事もきっちりこなす船の操舵士の人なので、今後も頑張れ。