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『烈車戦隊トッキュウジャー』感想24

◆第24話「分岐点を越えて」◆ (監督:中澤祥次郎 脚本:小林靖子
シャドーラインの闇に飲み込まれた街は、地図からも名前を消し、“存在しなかった事”になってしまう。故郷の街・昴ヶ浜へ向かう手段を失ったかに思われた5人だが、明の協力で、シャドーラインへ繋がる分岐点を操作する事でシャドーの街へ乗り込む事に。だが、シャドーの支配下にある街にはレインボーラインの力が届かず、変身がすぐに解除されてしまう!
名乗りポーズの所で変身解除という壮絶な羞恥プレイを受けた5人は生身でシャドー怪人・ルークに立ち向かう羽目になり、かつてなく吹っ飛ぶカグラ。
一番後ろに居たばっかりに……よよよ。
カグラ/5号に関しては、しばしばヒカリ/4号が攻撃からかばうシーンが見られたのですが、はからずもヒカリのカバーリング能力の限界が見えてしまいました。さすがに今回は無理でした。
ただその後の描写を見るに、“心の一方”で自己暗示さえかければ、生身で最強なのはカグラっぽいですが。
極めて短時間しか変身できないという事で、今作にしては珍しく、今回は生身のアクロバット多め。およそ30秒の変身可能時間を最大限に活かす為、5人の烈車を受け取ったライトが、怪人の元へと走る――。
30秒×5で、150秒の戦闘が可能、と乗り換えというギミックを使いつつ、1人だけど5人で戦う、というシチュエーション自体は熱いのですが、前回、シュバルツの陽動の為にライトが1人で乗り換えて攪乱したのと全く同じになってしまったのが、非常に残念。前回も必然性があって面白い使い方だったし、今回も必然性があるだけに、勿体ない(^^;
いっそ今回はライト以外の誰かが辿り着く、というのも意外性もあって面白かったかとは思うのですが、前半、設定説明の消化で時間を使ってしまった為、そこまでのドラマも盛り込めず。
戦力的には、運動能力からしても、1人で合体武器を使用可能な妄想力にしても、ライトが当然、妥当ではあるのですが。少しスポットも当たりましたし、デストロイモードのカグラに持っていっても、流れとしては何とかなったような。
というかまあ、そういう捻りで綺麗に繋ぐのを、技巧としては見たかったかなと。
観戦していた陛下が「やっぱり乗り換えか」と、再び「乗り換え」について言及しており、このギミックも、レインボー側の仕掛けとして物語の中に収まってきそうです。
シャドーライン側では、ノア夫人による陛下暗殺未遂などあったものの、特にノア夫人が処刑されるような事もなく、ネロ男爵が溜飲を下げただけになりました(笑) それでいいのか、男爵。
そんな男爵は、切り替えポイントで待機していた明と交戦し、クロスカウンター。やはりそれとなく強い、トッキュウ6号。
また、完全に消化されたかと思われたグリッタがそうではない事を匂わせる描写が入りましたが、これは、展開次第でどうにでも使える布石の類いでしょうか。
前半、設定の消化要素が多くてテンポが悪かったのですが、後半、クライマックスバトルから一気に街の開放まで雪崩れ込む手並みはさすが。シャドーの支配下に置かれた街の開放、という新たな目的が置かれ、物語として後半戦のスタートとなりました。分岐点探し、と明に独自の役割を与えているのは巧い。
これでトッキュウ側のイベントは、好きな時にいつでも盛り込める体制が出来上がったので、物語の流れとしては、ちょっとアクセントが欲しい所。個人的には、宮廷ロマンス陰謀劇が一段落したシャドーライン側に、引っかき回す系の新幹部でも出てくると嬉しいですが、さてさて。