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『仮面ライダーW』感想1

◆第1話「Wの検索/探偵は二人で一人」◆ (監督:田崎竜太 脚本:三条陸
怪しげな施設から少年を連れ出そうとする2人組。怪人に加えて戦闘ヘリまで出てきて、いきなりの激しい銃撃戦という、面白い冒頭。
「悪魔と相乗りする勇気、あるかな?」
おやっさん」が凶弾に倒れる中、連れ出した少年に誘われるまま、ベルトをはめる青年。絶叫→無音→変身後のアップ→巻き起こる竜巻が全てを吹き飛ばす、と非常に格好いい入りから、OPで本編スタート。
OPは、風にたなびくマフラー、という古典の要素を押し出しつつ、途中でイラスト調になったり、面白いタッチ。毎度の事ですが第1話は、アバンタイトルから色々と、手探りの中で作品の雰囲気を出していこうという見せ方が楽しい。
――1年後・“風都”(ふうと)。
鳴海探偵事務所を訪れる一人の少女に声をかける、えらく気取った青年。
「うちにぃー、用か?」
「ねえ、ハードボイルドってなに?」
「いかなる事態にも、心揺れない、男の中の男の生き方。それが……ハードボイルドだ」
『長いお別れ』(レイモンド・チャンドラー)を手に語る青年は、なんだかとてもダメそうです。
特撮+探偵というと、未だに涼村暁(『超光戦士シャンゼリオン』)を思い出してしまう所ですが、あれとは、また別の方向でダメそうです。
権利書を手に事務所からの立ち退きを要求する少女は、「おやっさん」の娘・鳴海亜樹子。そこへ旧知の女性が現れ、探偵は失踪した彼氏捜しの依頼を受ける事に。
ゲストの女性は、くしくもリンさん(山内明日)。この方もなんというか、基本的に幸薄そう。
「俺は左翔太郎。私立探偵だ。この街では、小さな幸せも、大きな不幸も、常に風が運んでくる。街の幼なじみ津村真里奈の依頼は……まさに舞い込んだ一陣の風、だった」
「なにひとりでナレーションしてんねん!」
主人公の職業説明から、聞き込みシーンで街のあちこちにある様々な風車を見せつつ、浸り系の主人公・翔太郎と、ツッコミ役になりそうな亜樹子の絡み。この辺り、半端にやらずに主人公が滑りきっているのがいい所です。基本的に、いい歳してフィリップ・マーロウを夢見ているオトナは、碌な物では無いと相場は決まっています。そんな二人は常識では考えられないようなビルの倒壊事件を目撃。
ドーパント……か」
どうやらこの超常の事件と関わっているらしい翔太郎は相棒のフィリップと連絡を取っている内に、事件の犯人と思われるマグマドーパントと遭遇。攻撃の回避手段が、腕時計から鋼線が出る定番アイテムというのが嬉しい。伸ばして地上に降りようとして逆のボタンを押してしまうとかも、面白くなりました。
「ビルが溶け、人が死ぬ。この街では、よくある事だ。はははははは、ま、我々の仕事のせいだがね」
ここでドーパント事件に関わっているらしい見るからに悪の金持ち・園咲家が登場し、お姉さんが冒頭の怪人である事が判明。悪の秘密結社ならぬ悪の秘密一家が登場しましたが、《平成ライダー》で組織だった悪の集団が初期から姿を見せるのは割と珍しいでしょーか。
個人的には、こういう方が、落ち着きます(笑)
翔太郎を叩き出そうとした亜樹子は事務所の奥の隠し扉に気付き、そこで壁一面のホワイトボードにマグマについて書き記している奇矯な少年・フィリップと遭遇。マグマの研究をタコ焼きで上書きしてしまう。
フィリップが調べていたのは、今回のドーパントの力の源と思われるガイアメモリについて。手にした人間を超人――ドーパントへと変貌させるガイアメモリ。翔太郎とフィリップは如何なる理由からか、風都の街でこのガイアメモリを追いかけているのであった……と、大阪から来た権利保有者を質問役に置く事で、スムーズに基本設定を解説。
タコ焼きフィーバーが無事に終了し、“星の本棚”と呼ぶ脳内無限図書館にアクセスするフィリップに、翔太郎が足で稼いだ情報を入力し、マグマドーパントの次の標的を検索・推測。現場へ向かった翔太郎はそこで、ガイアメモリの力によってドーパントへと変貌する彼氏と遭遇する。
「止めてやるよ、俺が。……いや、俺たちが」
翔太郎が現場でベルトをはめると、隠し部屋のフィリップの腰にもベルトが生じ、二人はベルトにメモリをセット。それにより、翔太郎の姿は1年前と同じ、サイクロンジョーカーへと変身する。


「「さあ、おまえの罪を数えろ」」

台詞は格好いいけど、ポーズは微妙に決まっていない(笑)
風を巻き起こすサイクロンジョーカーは、途中でフィリップが勝手に右のメモリを入れ替え、ルナジョーカーに。手や足がぐにんぐにん伸びるルナジョーカーは、一言でいうと、気持ち悪い。二言でいうと、とても、気持ち悪いです。
マグマを痛めつけた所で再びサイクロンに戻り、必殺技を発動。
「マキシマムドライブ・ジョーカーエクストリーム」
て、体半分ズレたーーーっ?!
サイクロンジョーカーの必殺キックによりメモリブレイクされ、人間の姿に戻る彼氏だったが、地中から現れた謎のワーム生物に食らわれてしまう。それを追う為、翔太郎は事務所を呼び出し、幽体離脱気味のフィリップと亜樹子を乗せたまま、事務所からスーパーメカ発動、という所でつづく。
フォームチェンジ1回にスーパーメカ出動まで、と1話としてはかなり盛りだくさん。詰め込み具合としては、巨大ロボ戦まで入れてくる戦隊に近い物量。探偵物、というのは好きな基本設定なので、どんな展開をしていくのか、楽しみです。