はてなダイアリーのサービス終了にともなう、旧「ものかきの繰り言」の記事保管用ブログ。また、旧ダイアリー記事にアクセスされた場合、こちらにリダイレクトされています。旧ダイアリーからインポートしたそのままの状態の為、過去記事は読みやすいように徐々に手直し予定。
 現在活動中のブログはこちら→ 〔ものかきの繰り言2019〕
 特撮作品の感想は、順次こちらにHTML形式でまとめています→ 〔特撮感想まとめ部屋〕 (※移転しました)

『仮面ライダーキバ』感想26

◆第39話「シャウト#狙われた兄弟」◆ (監督:田崎竜太 脚本:井上敏樹
1986年――。
「絶滅。それが邪魔な種族の運命」
ガルルさんはなんとかキングキバから逃走すると、石焼き芋を売り歩いていたラモン、力と合流。……なんかこの状況で3人並ぶと、若頭が組の下っ端に小銭稼がせているみたいです。
「キングだ……このままじゃ殺られる。行くぞ!」
揃って突撃を敢行するも、狭いトンネルの中で虫のように焼き殺されそうになる3人だったが、咄嗟に壁を破って撤退。キングの実力見せシーンなのですが、格が違いすぎて、ほとんどギャグと化してしまっています(^^;
女同士の話をつけようと真夜を探していたゆりはようやく出会うが、そこへキングから逃走中の妖怪三銃士が登場。
「おまえには、キングとの盾になってもらう」
凄い、旦那に勝てないから、嫁を狙った(最低)
そして、勝てるつもりなのか。
勿論、勝てるわけなかった。
案の定、正体を現したクイーンに、ボロ雑巾のようにされる妖怪三銃士。
くしくも真夜の正体を知る事になったゆりはそれを音也に告げるが「ああ、知ってる」と簡単に返され、平手打ちを浴びせて部屋を飛び出すしかないのであった……。
ここしばらく、渡−深央−太牙の三角関係を中心に進んでいたので、久しぶりに、過去編に長い尺。妖怪三銃士が底辺に落ち、出番の度にひたすら、ゆりさんが可哀想になっていきます。そして最近、後手後手で単なる最低男の道を邁進している音也に、復活の日は来るのか。
2008年――真実を知った渡は、ぼんやりしていた。
「僕はこれから、どうやって生きていけばいいの……」
そこへ現れ、ファンガイアも人間も関係なく、紅音也の子であるという事を忘れずに生きて欲しい、と告げるクイーン(の幻)。
「お父さんはいつも正々堂々としていて、嘘のない人だった」
………………クイーンの音也観が色々、現代に続く問題の元凶のような(笑)
渡は青空の会の人々に自分がキバである事、更に半分ファンガイアであると告白。首領Sはここでようやく、渡から父の名を聞く。
「面白い男だった。常に自分に、正直な男だった」
渡はにんまりしているけど、クイーンとは多分、意味が違うという辺りが秀逸(笑)
なお、渡の父が音也だというのは、かなり序盤にマスターが聞いているのですが、そこで情報が止まっていた模様(^^; まあ、考えてみると2008年の首領Sはアジトもといスポーツジムにこもりきりなので、渡と接触したのが下手すると初めてだったりするのか。
「それで、これから君はどうしたいんだ?」
「僕は……人間とファンガイアの架け橋になりたいんです」
渡の志に、協力しようと握手する首領S、だが……
「人間とファンガイアの架け橋だと……? 人間とファンガイアの共存など、ありえない」
シャワーを浴びながら低く呻く首領Sの背中には、醜い傷跡が刻まれていた――。
回想シーンを見る限り、どうやら昔、太牙?と一悶着あった模様。以前にキング=太牙については知っている描写がありましたし、いよいよ首領Sが、物語の中核に絡んできそうです。
青空の会への告白で少しすっきりした渡の前に、兄である事が判明した太牙が姿を見せる。
「渡、ファンガイアになれ」
一緒に人間を餌として管理しよう、という太牙の誘いを拒否する渡。
「人間は餌なんかじゃない。僕は……僕は人間とファンガイアが仲良くなればいいと思ってる」
「それは無理だよ渡。絶対無理だ」
太牙と別れてとぼとぼ歩いていた渡は今度は深央と出会い、抱き付かれる。
「私、嬉しい。渡さんも、私と同じ、ファンガイア。だから、嬉しい……。それでね、私、お願いがあるの。ねえ渡さん、聞いてくれる?」
怖い、怖いよ……。
「……なに?」
「太牙を倒して」
ここまで可憐系ヒロインだった深央さんが、遂に、内角の膝元に抉り込むようなシュートを!
ボディ密着から目を見ないで訥々と喋るのが凄く怖かったのですが、長らく緊張状態に追い込まれていた深央が、思わぬ希望の光を得る事で内面の狂気が剥き出しになる方向に裏返る、というのは意外性も含めて秀逸。
そして、出自の判明した渡に次々と周囲の人々の思惑がぶつけられ、ここで渡が物語の中心となる、という展開も良く、ぐっと面白くなってきました。
太牙は渡を引き込む為ビショップに指示を下し、青空の会では「キバの排除」が決定される。
「次に君がキバとなった時、俺は君を倒す」と敢えて渡に宣言する名護だったが、真夜がカマキリに追われる気配にブラッディローズの弦が鳴り、人々の様々な感情を浴びながら、母を守る為、渡、キバ、変身。
すっっっっっっっごく久々に、バイクが出てきました!
ハーレー風というのがシリーズでも特徴的というのも含め、デザイン格好いいのだけどなぁ、キババイク。
かつてなく格好いい渡/キバはエンペラーとなると再生ファンガイア軍団を一蹴し、真夜を狙って暗躍していたカマキリもあっさり撃破。だがそこへ迷彩健吾が現れ、イクサライジング。更に対ファンガイア用の新型ライフルを装備した名護と恵が狙撃班としてキバを狙うが、恵はキバ=渡を撃つ事が出来ず、名護の弾丸はイクサの脚元で弾ける。
猛然とキバに襲いかかるライジングイクサだったが乱入したビショップの不意打ちを受けて倒れ、それを踏む太牙。
「見たか渡。これが人間の本性だ! 守る価値などない!」
ビショップはその特殊能力で渡の中のファンガイアの力を活性化させ、目がモザイクタイル状になったエンペラーキバは、名護と恵に襲いかかる!
後半入って田崎演出が落ち着いてきて、細かい仕込みと適度な遊び心で、一番『キバ』を面白く撮っている感じ。
次回、なんか、サブタイトルが凄い……「名護イクサ」って、公式名称なのか(笑)


◆第40話「アンコール#名護イクサ爆現」◆ (監督:石田秀範 脚本:井上敏樹
恵に襲いかかるも、名護の呼びかけに正気を取り戻した渡は逃走し、再び引きこもり。
その姿に、人間を襲ってしまった渡の心は保たないだろうと「放っておいてもキバは自滅します」と断言する名護。だが……
(紅渡……この俺が必ず救って見せる。――必ず)
1986年――黄昏れるゆりは、真夜と再接触。イクサ変身しようとして音也に止められ、音也はゆりをピクニックに連れ出そうとするが失敗し、何故か真夜とレジャーシートを広げる。
「あのゆりって子、いじらしいわね。一生懸命で。なんだか人間って可愛い、って思っちゃった」
よりによってその逢い引きを目撃してしまったキングは、とうとう間男の顔を確認し、音也の周囲にその気配を漂わせる。一瞬、キングが音也の横を通り過ぎると、地面をくぼませた燃える足跡が残っている、という格好いい演出。
ジェラシー、超、燃えてる!
キングは逃亡中の妖怪三銃士を追い詰めると、悪魔の取引を持ちかける……
「貴様達が進む道は一本道。絶滅への道だ。だがその一本道を延ばす事はできる。紅音也を殺せ」
2008年――首領S、太牙と接触
「久しぶりだな太牙。元気そうで何よりだ」
以前に話に出ていた「現在のキングは人間に育てられた」の“人間”が、なんと首領Sであった事が判明。
お母さん、よりによって、なんて人に預けたのか。
ここに来て、本編最大級の謎が急浮上(笑)
「あなたは僕を、モルモットを見るように観察していただけだ。ずっとね。だから僕は逃げ出したんだ」
「手を組まないか。キバを倒す為に。お互い損な話ではないと思うが」
首領Sはキバを排除する為の一時共闘を持ちかけるが、キバを自陣に引き入れるつもりの太牙は、それを拒否。
「渡は僕の弟だ。僕が貰う。僕が渡を、愛してやるんだ」
「愛か…………ははははははは」
太牙の死を願いながら表向きはデートしてみせる深央も含め、いい感じに皆、狂って参りました。
生みの親と育ての親に愛されなかったのが太牙のトラウマで、それに対して、いっけん孤独でありながら親の愛を感じていた渡、というような対比になるのかなー。
首領Sから突然の用済み宣言(いつもの軽いノリ)を受けながらも、待ちで暴れるクラゲファンガイアと戦う健吾イクサだったが、ビショップの強襲により苦戦。「僕はもう、戦わない……」と鳴り響くブラッディローズを無視する渡だったが、名護からの健吾の危機という連絡に、ギリギリで駆けつけると健吾の命を救う。
「信じてたぞ。やっぱり君は、俺の思った通りの男だ」
「違うんです。僕が戦うのは、これが最後です」
自分の存在で誰も傷つけない為、もう世界とは関わらない、とくるっと回って最初の引きこもりに戻る事を宣言する渡。
「……今までありがとうございました。それから……恵さんにごめんなさいと伝えて下さい」
歩み去った渡は二度と変身しない為、キバットタツロットを鳥カゴに閉じ込め、ブラッディローズを布団でぐるぐる巻きに。
一方名護は、キバに襲われて傷心の恵にはっぱをかける。
「ねえ。私をなぐさめてくれるのは有り難いんだけどさ、なんで急に渡くんをかばうの?」
「野獣の……勘だ」
なんですかそれ(笑)
今回は変なスイッチが入りっぱなしの名護さんは(いつも、色々なスイッチが入っているといえば入っているけど)、立ち直った恵を連れて紅家へ向かうが、そこには見事なバリケードが組まれていた。静香を交えたチーム名護は鉄条網を破って中へと突入するが、次々とブービートラップに引っかかり、家の外に放り出される……ここでギャグにしなくてもいいのになぁ、というのが石田監督の苦手な所。
1986年――改めて真夜に襲いかかるも、弄ばれるゆり。
いつの間にか、すっかりイクサナックルがゆりのものに。
2008年――暴れ回るクラゲの前に現れたのは、イクサナックルを取り戻したあの男。
「魑魅魍魎跋扈する、この地獄変。名護啓介はここに居る。――イクサ、爆現!」
名護さん、何があったのか(笑)
名護さんは、いつもおかしいといえば、いつもおかしいけど。
それぞれの内に秘めた狂気が表に出てくる中、ある意味で名護さんが一番真っ直ぐという事なのか。
「イクサ……見せてもらおうか、本当の力を」
キバをしばき倒せなくなったストレスをイクサにぶつける事にしたのか、事務仕事を放り投げて再び前線へやってくるビショップ。まあ、クラゲが街中で暴れている理由がさっぱりなので、そもそもクラゲ、イクサを誘き出す為にビショップが放っているという感じか。
2対1の戦いでも奮闘を見せるライジング名護イクサはクラゲを吹っ飛ばすが、そこへ更に、愛する弟に余計な事を吹き込む駄目師匠を抹殺するべく、若社長降臨。
「人間の分際で、ファンガイアに歯向かいしもの、王の判決を言い渡す。――死だ」
ビショップとサガに挟まれてなます斬りにされたイクサに、遂にキングの必殺! が炸裂――魑魅魍魎跋扈する、この地獄変。名護啓介はどこに行く。
イクサ、爆散。
そしてブラッディローズの響きに耳を塞ぎ続ける渡に、いつしか、幼い日の記憶が重なっていた――。