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『仮面ライダーW』感想20

◆第26話「Pの遊戯/亜樹子オン・ザ・ラン」◆ (監督:石田秀範 脚本:長谷川圭一
正体を見せた堀之内に亜樹子が「娘を愛していないのか」と食ってかかり、激高した堀之内はパペティアに再変身するが、突然生じた霧に包まれ、その姿は消えてしまう。井坂によって助けられたパペティアドーパントは若菜――クレイドールドーパントを新たな操り人形とする事に……。
ここで井坂のメモリが、「ウェザー」と判明。今回の霧の発生、照井の事件における部屋の凍結など、多様に気象を操れる能力の模様。拡大解釈の幅が広いので、これはかなり強そうなメモリです。
そして人形使いドーパントクレイドールを操る、というのはちょっとした言葉遊びか。
人形を事務所に連れ帰った亜樹子は、大阪から風都に出てきてすぐの頃、堀之内の娘と出会っていた事を思い出す。落とした人形を拾った縁で事務所の名刺を渡していた事から、初めて会った公園へ向かった亜樹子は、そこで再び少女と出会うが、少女は「人形の声を聴いて」と繰り返すばかりで話が通じず、またも姿を消してしまう。
苛立ち紛れに人形を公園に投棄した亜樹子は照井からの連絡を受けて、堀之内の家に向かい、そこで堀之内の娘が一ヶ月前に交通事故で死んでいた事を知る。娘の名前は理香子。そして理香子が大切にしていた人形の名前が――リコ。
「所長、君は疲れている。休んだ方がいい」
凄く普通の言い回しなのに、照井の渋い声の為に、妙に重い(笑)
自分の前に現れた少女・リコは、人形だったのか? 人形をポイ捨てしてしまった亜樹子は慌てて公園に戻るが、人形は目の前でゴミ収集車に回収されてしまい、亜樹子は通りすがりのウォッチャマンから自転車を奪って、収集車を猛然と追跡する。
「所長を安心させようと思ったんだがな」
堀之内の娘を心配する亜樹子に優先的に情報を流した照井、普通にいい奴。
問答無用が合い言葉の照井ですが、実は翔太郎と事件関係者と部下以外にはいい人という可能性も浮上してきました(笑)
亜樹子には目立って甘い感じですが、ラブとかロマンスとかの気配は、今のところ欠片もありませんが。
濃い人間達に囲まれて度々怪人に襲われるというショック経験の連続で所長の脳が本当に疲れているのか、それとも本当に人形が所長に何かを伝えようとしているのか――仮に亜樹子の言葉を信じるとしても、
「ただの人形だぞ。どうしてそれでもなお、親身になる?」
「それが……鳴海亜樹子なんだよ。たとえ相手が人形でも、泣いていてほしくない。あいつはきっと、そういう奴なんだ」
その頃、操られたクレイドールが亜樹子を狙って事務所を強襲し、危機に陥るフィリップだが突然現れたアクセルマシンに救われる。アクセルマシンの砲撃で思いっきり砕けたクレイドールは再生した事で人形操りから回放され、フィリップに気付かないまま病院へ。……割と大事な2人の邂逅なのですが、お互いとばっちりでそれどころではないという(笑)
井坂に食ってかかったクレイドールは、止めに入ったタブーを上回る火力を発揮し……パワーアップ?
姫は姉妹喧嘩になると容赦なくクレイドールキャノンをぶっ放すのに、いざタブーにダメージを与えてしまうと慌てて心配する、と本日も地道にヒロインゲージ上げに余念がありません。
一方、ゴミ収集車に追いついてリコを取り戻した亜樹子は「お父さんに、泣かないでって」という人形の声を聴く。だが、娘への愛を侮辱されたと思いこむパペッティアに襲われ、間一髪の所を救ったのはフィリップから連絡を受けて駆けつけた――ダブル。
「来るのが遅いよ翔太郎くん!」
「そう言うな所長。左があんたを一番、理解している」
今回、ひたすらいい奴だな、照井(笑)
下手すると、憐れみの視線で助ける役をダブルに譲った気が。
パペッティアは変な笛による音波攻撃を放つとアクセルを操りダブルと戦わせる……と本体は強くないものの、地味に強力ドーパント。ダブルはフィリップの完成させたカエルガジェットの、“録音した声を他人の声に変換して再生する”機能でドーパントを混乱させると、アクセルを解放。サイクロンメタルのマキシマムブレイク、メタルツイスターによってメモリブレイクを成功させる。
メタル棒に風をまとわせて連続攻撃するメタルツイスターが、遅い登場でしたが、格好いい!
最近すっかりファングに押しやられて隅っこで体育座りしていたサイクロンですが、こんな格好いい技があるならもっと早く見たかった(笑)
妻と娘を相次いで亡くし、娘への思いを込めた小説『人形と少女の家』を侮辱する人間を殺そうとする程の妄執に取り憑かれてしまった堀之内は、亜樹子から人形を渡されてその言葉を聞き、ようやくその怨念から解放される……。
事件は解決したけれど、堀之内の悲しみが消えるわけではなく、亜樹子があっけらかんと笑顔で終わらない、というのは良かった所。
今回、理香子とリコの混同、本来『人形と少女の家』を大好きな亜樹子が堀之内を糾弾する、とちょっとした誤解や擦れ違いが事態をややこしくしている、というのがエピソードとして特徴的な所。実際、今回冒頭で亜樹子が堀之内と落ち着いて話し合えば、ここまでこじれずに解決した気はします(^^;
亜樹子とリコがなかなか意思疎通できないとか、そういった擦れ違いが劇中で重ねられており、そもそも事件の始まりが堀之内が自分の愛を認められなかった事である所からも、意図的な作劇と思われますが。フィクションにおける“擦れ違い”というのは、フィクションであるが故に、むしろ“ご都合”になってしまうのですが、亜樹子を中心に置く事でそれを緩和し、それなりに巧くまとまったと思います。
亜樹子の、最初からヒロインを狙わせる事を放棄し、その代わりに“探偵事務所の3人目”としての役割を与え、主人公達の添え物にしない使い方はこれまでのところ上手く機能しており、今作のいい所。コメディリリーフ分も含めて、女性レギュラーの使い方としては、シリーズ歴代でもかなり良いのではないかと。
まあ、理香子とリコに関してはフィリップが真面目に検索すればすぐにわかった気がしますが……それ故のカエルか。
で、終わってみると最大の謎は、事務所に突っ込んできたアクセルマシン(笑) もしかすると鳴海探偵事務所は既に、シュラウドさんに盗聴器とか仕掛けられているのか。
井坂内科医院では、タブーを上回る火力を見せたクレイドールに関して、井坂が恐るべき真実を口にしていた。井坂は若菜から預かったドライバに手を加え、メモリ直差しと同じ効果を発揮するようにしていたのだ。
「怒りの感情がメモリの力とよく混じっていた」
だがそんな事をすればガイアメモリの毒に冒されてしまう……しかし、井坂は冴子の言葉を意にも介さない。
「ドライバは、ドーパントとしての進化を阻害している。そんな物に頼る限り、貴女も本当の強さは、手に出来ない」
ダブル、アクセル、そしてミュージアムの幹部が用いるドライバは、ガイアメモリの劇毒に対するフィルターの作用があった事が判明。若菜姫が少ない出番で着実にヒロインゲージを上げ、そして、存在自体が劇毒の男・井坂深紅郎の言葉に、冴子は何を思うのか――。
事件は決着するも、時間しか癒す事の出来ない人の悲しみと向き合った亜樹子は、
「所長、君は美しい。最高の女性だ」
カエルガジェットを悪用して、照井の声に自分を讃えさせていた(笑)
悲しい、悲しい遊びだ……。
そして、どんな馬鹿台詞でも無駄にいい声だ照井……。
亜樹子回の裏で、照井いい人(声)祭なのは、個人的に楽しかったです(笑)
限りなくヒーロー界の底辺に近い所を彷徨う男は、窓枠の埃とか拭きながら、とりあえず格好良くまとめて自分の存在意義を出そうと頑張っていた。
(真実はわからない。だが、まあいい。この街にはミステリアスという言葉がよく似合う。美しい謎は謎のまま。それも悪くない)
ガンバレ負けるな翔太郎。目指せ、V字回復!