◆第4話「誇り高き追跡者はなにを思うのか」◆ (監督:柴崎貴行 脚本:三条陸)
見所は、
ベルトさん、電話する。
……引き続き、テンポが今ひとつ。
どうもなかなか、捜査シーンとアクションシーンのバランスが噛み合いません。これはもしかしたら商業的にノルマが課されているのかもしれませんが、“1エピソードの中で変身後の戦闘を3回ほど入れる”という構成が、物語の煩雑さを増した上で一つ一つの戦闘が軽くなる、と今のところマイナスにしか出ていない。
今作に関しては、事件→捜査→戦闘というシンプルな構造の方が面白くなるような。
“ハンドル剣”とか“次元で分裂する主人公”とか“ダメな奴ほど強くなる”とか、ネタ的なツッコミ所は色々用意されているのですが、肝心の物語の出来が今ひとつなので、どうも嬉々としてツッコむ気にもなりません(^^;
総じて、ギミック見せから入っているというのはわかるのですが、“ギミックの面白さ”と“物語の面白さ”が繋がっていない。
根幹的な事を言うと、4話かけて未だに、刑事と車が全く繋がっていない。
主人公の職業が単なる便利ギミックにしかなっておらず、しかも、物語を転がす上では相当多いメリット面だけが描かれて、デメリット面がほぼ描かれていないので、制約による物語の面白さ、というのが全く出ていません。
正直ここまでだと、部外者の主人公が警察の捜査に首を突っ込む形式の方が、霧子さんとの関係含めて面白くなりそうなのが困った所。
これもコミック的な描写の方がギミックとして面白くなると踏んだのでしょうが、同僚が“謎の科学者”と“ネットで色々適当に出来る人”なので、刑事である必然性が非常に低いですし。
はみ出し者の特殊チームとかむしろ好きな設定なのですが、それならそれで描きようがあるわけで、その水準にも達していない。
その上で、“刑事らしい刑事”ポジションだと思われるいかつい先輩が、オチを見るとまだロイミュードによる怪事件を認めていないようなのに、「人間を絵にする事件」について犯人に尋問するとか、相変わらず支離滅裂。
1話の感想でも書きましたが「重加速現象が世間一般に認められていない世界」なら、世間一般の視点ポジションとして意味が生じますが、「重加速現象が世間一般に認められてる世界」(としか思えない)なので、むしろこの刑事の方が世間一般と視点がズレているわけですし。二重の意味で、物語において、この刑事の視点が存在する必要性がどうにもわかりません。これなら、真っ当な刑事だけど主人公達の部署に協力的で何かと便宜をはかってくれる人、とかで良かったような。
……まあ、盗難事件について事情を聞きたいと同行を求めてシームレスに取調室に連れ込んで容疑者扱いで尋問するというギリギリの事をごく普通にやっているので、真っ当な警官でない可能性はありますが!
それこそ、ロイミュード事件解決の為にやむなく非常手段、というのならわかるのですが、口では認めてないと言いながら自然とやっているので、いつもこの方法でパクっているとしか思えません。リアルといえば凄くリアルですが!
で、主人公も、取調室で「俺が裁く!」とか凄んでしまうのですが、折角2014年の刑事ヒーローなのだから、「法で裁けぬ怪人を俺が裁く!」という所に至るまでは、もう一つドラマが欲しかったなーと。