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『Gのレコンギスタ』感想・第8話

一週遅れ。
◆第8話「父と母とマスクと」◆ (脚本:富野由悠季 絵コンテ:斧谷稔 演出:森邦宏/居村健治)
前回の戦いのそのまま続き、というちょっと珍しい入りで、マスク部隊を相手に、アーマーザガンが大活躍。ミック・ジャック操るアーマーザガンが敵を引きつけて食い止めている間に、ベルリ達は後続の補給部隊から補給を受ける。
構図としては、補給部隊がアーマーザガンを護衛にメガファウナへ向かっている途中で戦闘に遭遇し、急遽支援に回ったという形でしょうか。
ここで自ら補給部隊を指揮していたアイーダ父が初登場し、再会した姫様と抱擁、とここの親子仲はなかなか良い模様。姫様が最前線で戦っている背景があまりねじくれていると嫌だなぁと思っていたので、ほっと安心。まあ、父以外の要因でねじれている可能性もありますが(^^;
RPGで言う所の街の音楽のようなほのぼのしたBGMが流れる中、手前では親子が再会の抱擁を交わし、背景ではアーマーザガンがドンパチしているという立体的な構成。
戦場の役割分担と局面ごとの動きを、1画面の中に収めてしまったという、なかなか面白いシーンです。
G−セルフは新装備のトリッキーパックを装備し、補給を終えたモンテーロらが続々出撃。補給部隊の整備員がトリッキーパックの取り付け後、MSから落下しそうになり、ワイヤーで無事に降りられるかと思いきやおでこぶつけたり、と細かい小技がユーモアとしても物語の間としても秀逸です。
トリッキーパックは、見た目なんというかザリガニアーマーなのですが、アメリアの人達は、明らかに面白がって作っていないか。
アメリア本国に、ヘルメスの薔薇の設計図を手に入れて暴走しているマッドサイエンティストとか凄く居そう。
「格闘戦は高度が高い方が圧勝するんだよぉ!」
出撃したザリガニG−セルフに格闘戦を仕掛けるマスクのエルフ・ブリック。
落下しながらしか殴れないという事実高度に前向きな表現です。
さすがクンタラの星、我らがマスク大尉!
今回これが3回ほど繰り返されるのですが、MA形態(飛行可能)で高度を取る→MS形態で落下しながら格闘戦をしかける→MAに変形してまた高度を取る、という一撃離脱戦法が繰り返せる、というのがエルフ・ブルックの売りという事の模様。
後半グリモアに対して「ふん、落下する戦闘しか出来んくせんに」という台詞もありますし。
問題は、相手の主要メカが皆飛ぶ! という事なのですが(^^;
一方、まだ調整が不完全という事なのか、ビーム砲の精度が悪いアーマーザガンは戦闘中にプログラムのブレードを取り替えたりしつつ、迫るエフラグに対し、変形から格闘攻撃を見せる。この辺り、物語の流れの中にしっかり取り込んだ上でさらりとギミックを見せる手腕は巧み。個人的には、今作最大のやられメカである所のエフラグが、放り投げられた後に体勢を立て直して生還しているのがおいしい(笑)
上空から迫る未確認機(ベルリ母のグライダー)の迎撃にアルケインは飛び上がってしまい、直援を失う輸送部隊。


アイーダは戻せんのか」
「突貫娘ですからねぇ」
「悪口か」
「げ。ゆ、勇敢な姫様だと、クリム中尉は言っています」
思わず本音の出てしまったパイロットと、即座に反応を返すお父さんのやり取りは、姫様の立ち位置と父のキャラクターまで表現された、絶妙な会話。咄嗟に偉い人(クリム)の名前を出して話を変えようとする辺りも、いい味が出ています。
トリッキーパックから質量を持った残像的な何かが飛び出し、システムダウンしたエルフ・ブルックはG−セルフパンチを食らって撤退。これはある種の強力なジャミング的なものの視覚的表現とでもいった所でしょうか。相手のシステムを強制的にダウンさせるって相当強力ですが、その分、機動性に劣るという事なのか。
マスクが落下中に方向感覚を失う、というのも細かく面白いところ。また、今作はコックピット内部の対衝撃システムとしてエアバッグ描写がかなり多いのですが、ここでは全身を覆うように多数のエアバッグが飛び出しています。パイロットスーツを着る描写が丁寧なのと合わせて、エアバッグパイロットスーツによる対G・対衝撃というのを、かなり気にして描いている印象。
マスクが撤退して戦闘状態を脱するが、アルケインが迎撃の為に上空に上がったまま戻ってこない事を思い出したベルリは慌てて上昇。
上空のアホ姫様は、ブースターを制御できずに、ぐるぐる回っていた。
この高高度〜低軌道の描写というのも今作でかなり目立ちますが、これまでのシリーズであまり使わなかった状況設定を使おう、という所でしょうか。
降下してくる未確認機が大気圏グライダーである事を知ったベルリは、そこから母の声を聞く。
「機体が安定してくれれば、あんな物は一発で!」
活躍のチャーンスとばかりに、凄い顔でグライダーを撃墜しようとするアイーダのアルケインを、慌てて体当たりで止めたG−セルフは、グライダーのキャッチに成功。
……姫様、先の家臣の評価「突貫娘」と合わせて、操縦技術はそれなりにあるけど判断力皆無という事でいいのか。〔《統率》30/《武勇》85/《知略》12〕みたいな。……多分これまでは、難しい事は全てカーヒルにお任せだった。
「私……本当に人殺しをする所だった」
武装のグライダーを対艦ビームライフルで撃墜しかけた事に、姫様、反省。
戦場で敵対したもの(MS)を撃破する事はいとわないが、それ以外の民間人を殺せばそれは“人殺し”である、と姫様の兵士としての倫理観が、さらっと描かれています。
「アルケイン、なんであんな高度を取っていたんですか?」
「グライダー以外の敵の存在をチェックしてました」
しれっと高圧的に答える姫様。
「ありがとうございました」
「――嘘、ついちゃった」
てへ、と舌を出す姫様。
アメリア軍は絶対裏で、姫様ブロマイドとか流通している。
かくしてアルケインとベルリ母の乗ったグライダーも無事に回収され、補給部隊はメガファウナに合流。お父さんは突貫娘を心配しているようで、艦長にアイーダを前線から下がらせる説得を頼むが、「いや、どーせ私の言う事も聞かないし」的な感じで、拒否られる。
既に通信などで連絡済みという事か、カーヒルについて特に父の口から言及はないのですが、「カーヒルのアホも死んだしアイーダはパパの元へ帰ってこないものだろうか」ぐらいの事は考えていそう、お父さん。
なおよく見たら、背景でハッパさんが大気圏グライダー(貴重な骨董品らしいので)に張り付いていた。
アメリアの偉い人とキャピタルタワーの運行長官が揃ってしまった事で、急遽、非公式な会談が行われる事に。ここだけ見るとベルリ母が考えて行動しているように見えるのですが、アイーダ父がこの場に居るのは“たまたま以外の何物でもない”ので、ベルリと再会するやケーキの話を持ち出す所など、引き続き、危うい予兆はあるように思えます。
メガファウナ側としても、運行長官がどうして単独で突撃してくるのか、とツッコみたいけど、自分達の側も偉い人が輸送部隊と一緒に来ちゃったりしているのでツッコめない、みたいな。
ベルリがもしゃもしゃとお肉を食べているので、恐らくパイロットの戦闘後の食事休憩と兼ねていたのかと思われるのですが、同席していたクリムとミック・ジャックは腹の探り合いの途中で退席(クリムがベルリに尻尾を踏まれたので早めに下がらせたのかもしれない)。
「お母ちゃんにおっぱい吸わせてもらいな」
と、ミック・ジャックはまだベルリを子供扱い。
怒るノレドに「パチンコは勘弁しろ」と言って退出するクリムですが、二枚目で家系も良くてお調子者のクリムは多分、美形として女の子に構ってあげるのは自分の義務とか思っていそう(笑)
そしてアメリア側は、月の周囲で異変が起こっているという観測写真を提出する。
フォトンバッテリーを運んで下さるカシーバ・ミコシの働きは、宇宙の鼓動そのものなのですよ」
詳しくはまだわかりませんが、月面にカシーバ・ミコシという都市?があって、そこから地球へフォトンバッテリーがキャピタルタワーを通じて供給され、キャピタルがそれを世界中に分配している、という構造の模様。そして月面において、カシーバ・ミコシ以外の地点でエネルギーの反応が観測された事を、アメリア側は宇宙における新たな勢力の活動として捉えている模様。
スルガン総監はしれっと、「うちが宇宙艦隊を整備しているのは宇宙からの脅威に対抗する為ー」と話をすり替えているのですが、現在もキャピタルタワー占領の為に作戦行動が展開している筈であり、ひたすら狸。宇宙海賊ともろに接触している所を見られてしまいましたし、打てる手は色々と打っておこう、という事なのでしょうが。
タワーに迫る危機を明確に知ったベルリ母はベルリ達を連れて帰ろうとし、総監もそれを許可。
まあ総監に関しては、元々それほどタカ派ではない、という可能性はありそう。
その頃――G−セルフパンチを受けて撤退したマスクのエルフ・ブリックはなんとか帰艦し、ルインやノレド達の行方を求めて補充兵として最前線に志願していたマニィが、EDのショートカット姿になって登場。
まずは新デザインのアップを見せつつ、補充兵は破片拾い、というシーンに繋ぎ、マニィの立ち位置やキャピタル・アーミィの状況、両手と膝をついて土下座ポーズのエルフ・ブリックと、色々と見せます。
「半分やられたなんてさぁ、クンタラらしいよねぇ」
クンタラクンタラよぉ、はははは」
そしてマスク大尉を嘲るアーミィの兵士……「人間未満」という事か、えぐい揶揄。
(あれ……ルイン・リーだよね)
甲板の先で海を見つめるマスクの背中に、それがルインだと気付くマニィ。
「奴等はぁ! クンタラが失敗するのが嬉しいのか!! じ、自分を試験台のように使って!」
やはりキャプテン・クンタラは、色々と餌に、超人血清もとい変態マスクの実験台にされていた模様。
そんなマスクは、背後に近づいてきたマニィに気付く。
「……――貴様!」
「じ、自分もクンタラです!」
ここで咄嗟に、ルインであるかどうかを追求しないマニィは、男のプライドがわかる娘なのだなぁ。
「…………この敗戦の恥は、マスク大尉として晴らさなければならない」
そしてルインもまた、ここではマスク大尉であろうとする(そしてその事を、暗にマニィに伝えている)。
クンタラにもプライドがある。今はそれを遂げさせてくれ」
「はい! 応援します、マスク大尉」
「おうよ!」
(ルインは……マスク)
ここはBGMも切なく、場面も夕陽、と如何にもではあるのですが、ルイン・リーとしてはともかく、これまで、戦場に現れては暴れて帰るだけだったマスク大尉にグッと人間味が増して、いいシーンになりました。
再び場面は島に戻り、落ち込んだベルリ母の横についているノレドもいい子。
アイーダゴンドワンとクンパ大佐の繋がり、その裏側に気付き、総監にご注進。そして母を励ますベルリ、と二組の親子の姿が描かれ、カメラ左に動いて戦艦とザリガニG−セルフを映した所で、音楽がぴたっと合わせて締め。
成る程、微妙に謎のサブタイトルでしたが、確かに、父と母とマスクだ。
EDのクレジット見ると、何故かメカ作監補佐が3人居るのですが、今回妙にカットシーが格好良かったので、カットシーを格好良く描いたのか(笑) しかしバンダイは、今月、カットシーのプラモを出しておくべきだった! 初期ラインナップに対立勢力が居ないので、出しておけばきっと売れたのに!
次回、
「見なけりゃ人生暗いぞ!」
はヒット(笑)