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『仮面ライダーW』感想28

◆第35話「Rの彼方に/やがて怪物という名の雨」◆ (監督:田崎竜太 脚本:長谷川圭一
風都野鳥園に佇み、亡き妹の事を思い出していた照井は、妹に雰囲気の似た少女・島本凪と出会う。
「私に近づくと、死ぬわよ……」
「どういう意味だ?」
凪の腕に生体コネクタを見つけた照井は問いただそうとするが痴漢扱いを受け、混乱の中で凪に逃げられてしまう。……まあ、身分を名乗る前に腕を鷲掴みにして迫っていたので、逃げる口実というより、リアル痴漢という気はします。
ここで周囲を取り囲む群衆がえらく不自然(悲鳴の前から、これから囲むぞ、という感じで身構えているのが背景に映っていたり、率直に真人間には見えにくい照井が凄んでいる所に誰も彼もが恐れ気もなく近づいたり)なので、最初ドーパント能力かと疑ったのですがそういう事でもなく……シンプルに一般エキストラを上手く使えなかった感じか。
説明に困る照井に炸裂する、スリッパの一撃。それは近所の子供から「鳥のお姉さんを元気にしてください」と依頼を受けて野鳥園にやってきた翔太郎と亜樹子であった。
いつも野鳥の解説をしてくれたお姉さんが最近元気が無いと、クラスで集めたお小遣いを渡され、「話はわかった。でもこの金は受け取れねぇな。君たちの優しい心で充分だ」と小学生相手でも気取る翔太郎。子供相手にも商売は商売という亜樹子はその横で、すっごく不満顔(笑) ……まあ、間違っていないといえば間違っていませんが、対比の為に凄く邪悪に見えます(笑)
2人の探す“鳥のお姉さん”こそが、島本凪。照井を振り切って逃げ出した、腕に生体コネクタのある少女であった。3人は凪を見つけ出し、ある雨の晩、野鳥園の職員だった父が怪物(ウェザードーパント)に殺され、無理矢理生体コネクタを施術されていた事を知る。凪はそれ以来、雨と怪物に怯え、仲良くしていた子供達を遠ざけようとしていたのである。
「よく話してくれた」
いつも身につけていたネックレス(亡き妹からの昇進祝いであった)を、お守りとして、凪に渡す照井――しかしその時、土砂降りの雨を縫って、ウェザードーパントが姿を見せる。
恐らく高速度カメラを用いて、細かい水滴の中を歩いてくるウェザーの画が格好いい。
照井と翔太郎は変身するが、ダブルは降り注ぐ雨を集中されて動きを封じられ、アクセルは低空に生み出した雲から連続の雷撃を浴びて沈む、とさすがにエクストリームを脅威と判断したのか、体術による正面衝突ではなく、ウェザーがその能力をフル活用。
ウェザーは凪の腕の生体コネクタの“成長具合”を確認すると、エクストリームとは戦わずに霧になって逃走。ウェザーの目的、それはケツァルコアトルスメモリの過剰適合者である凪の生体コネクタを恐怖により成長させる事で、ケツァルコアトルスの力を我が物にする事にあった。
全ては10年前……一つの出会いから始まった。
「私は10年前、ある誓いを立てました」
「10年前……」
「まあ貴方はお忘れでしょうが、その誓いを果たす日が、近づいています」
井坂深紅郎はかつて、己の生まれた意味を求めて悩み、長じて医者となって人体を研究し尽くすも満たされず、見事な酔っ払いになっていた時期があった。酒に溺れて社会の底辺を彷徨っていた井坂はある日、夜の街の片隅で人々を闇に呑み込むテラードーパントの姿を目にする。
たぶんメモリの能力検証とかだったとは思うのですが、高笑いしながら人溶かして、何をしているのですかお義父さん(笑)
テラーの圧倒的な力と恐怖を目にした井坂はそれに魅せられてガイアメモリを求め、いつかテラーメモリを手に入れると誓う。そして今、島本凪という過剰適合者を見つけた井坂は、琉兵衛が保管していたケツァルコアトルスメモリを盗み出すと凪を利用してその力を手に入れ、ウェザーを最強の存在に進化させようとしていた。
「冴子くん、覚悟は出来てますか? 共に恐怖の帝王を倒し、君が女王になる覚悟ですよ」
井坂先生の脳名イメージによるパーフェクトウェザーが、背中に翼広げてばっさばっさ飛んでいるのですが、その最強パターンは、駄目なパターンだと思うんですよ、井坂先生……。
凪に「この役立たずのぼんくら刑事!」と罵倒を受け、フィリップからは井坂の目的を聞いた照井は、凪を守る力を求め、シュラウドと接触
「俺は力が欲しい。もっと強い力が」
「断る」
仮面ライダーアクセル』 −END−
復讐の為に戦わない照井に力を貸す気はないというシュラウドの断言で一瞬話が終わりかけるが、ネバーギブアップ課長はアクセルに変身するとシュラウドに剣を突き付け「俺の中の炎は、消えちゃいない」と宣言。そのブレーキの壊れっぷりに満足したのか、シュラウドは照井を、何故かモトクロスのコースに連れて行くのだった……。
その頃、再び凪と接触した翔太郎は、「照井は必ず君を守る」と、照井をフォロー。この辺り、翔太郎のいい所であり、また、凪の年齢は今ひとつわかりませんが(女子高生ぐらい?)、翔太郎の守備範囲の下限は女子大生、上限は40・50代子持ちまではいける事が改めて窺えます。
そこへ現れた井坂が、凪に更なる恐怖を与える為にケツァルコアトルスメモリ(コピー)を側のインコに突き刺すと、インコが巨大化。内側から檻を破壊して巨大怪鳥が飛び立つと、足で凪を引っかけて連れて行く、といういきなりの怪獣映画な展開。
変身したダブルは飛行メカに換装して怪鳥を追おうとするが、リボルキャリーの中にいつの間にか入り込んでいたアクセルマシンが出番をアピール。断ると後ろから撃たれそうだったのでバイクにタンクを換装し、砲撃でダメージを与えると、ルナハンドで凪を救助。
エクストリーム登場後はどうなるかと思いましたが、この辺り、細々とフォームチェンジのギミックやその他ガジェットを入れてくれたのは嬉しい。
凪を助けたダブルはエクストリームになると、プリズムシールドをアクセルタンクの砲撃で飛ばした上に乗って飛翔するという必殺ライダー大砲から、プリズムチャージブレイクで、メモリブレイク。
コピー怪鳥の撃破に成功するが、凪の元には、井坂が迫っていた――。


◆第36話「Rの彼方に/全てを振り切れ」◆ (監督:田崎竜太 脚本:長谷川圭一
「いったい何がおまえの心を支えている?!」
凪の生体コネクタが成長していない事に苛立つ井坂ウェザーは、プリズム光線を受けて撤退。
一方照井は、シュラウドから新たな力、トライアルメモリを受け取っていた。
ぶちぶち言いつつ既に用意されていた新装備ですが、名前から人体実験の匂いがぷんぷんするけど、使っていいのか。
それとも、これだけ名前から主張しているものを、使う方が悪いのか。
(The・自己責任)
ブレーキとか辞書に載っていない照井は、この怪しすぎる名称にも怯む事なくトライアルメモリを使用。オートスポーツのスタートのイメージのようで、レッドシグナル→イエローシグナル→ブルーシグナルとランプが点灯していくとアクセルの表面塗装が変わり、アーマーパージされてスリムになった青いアクセルが誕生する。
「これが新しいアクセル――トライアル」
……マスクはモトクロスレーサーからなのでしょうが、正直、あまり格好良くは無い(^^;
デザイン的には、Wがエクストリームで重装備(そして剣を所持)になり、アクセルがトライアルで軽装(剣を投棄)になり、当初と逆になっているのが、面白いといえば面白いですが。そしてタイヤは残っている。
なおトライアル発動の際、途中経過でちゃんと黄色いアクセルにもなるのですが、これはわざわざ黄色いアクセルのスーツを作ったのか、それともCGで綺麗に塗ったのか。
シュラウドはアクセルトライアルを見つめると、おもむろに、手元のスイッチをぽちっとな。
モトクロスのコースに連れてこられたと思ったら、何故か降りかかる落石に立ち向かう事になるアクセルTだが、シュラウドコーチは容赦なし。
「トライアル最大の特徴は、その速さ。攻撃をかわし、敵の懐に飛び込みキックを叩き込みなさい。1発で足りなければ、10発。まだ足りなければ100発。相手を、完全に粉砕するまで」

くるしくったってー かなしくったってー コースの中では平気なの
(だって、仮面ライダーだもん)
あくせるー あくせるー なんばーーーわん

アクセルT、その武器は、パワーを凌駕する圧倒的なスピード。……見た目まんま、装甲を限界まで削った特攻仕様でした。……これあれだ、ミニ四駆だったら車体が軽すぎてコーナリングの時に浮き上がって、コースアウトしてしまうやつだ。
その頃園咲家では、琉兵衛が井坂の喉元に迫っていた。
「思い出したよ。10年前の君を。あの貧相な男が、随分と立派になったものだ」
冴子に代わり、カミソリで井坂のヒゲを剃る琉兵衛と、それに動じない井坂先生の舐めるような至近距離でのやり取りは秀逸。
「君はとんだ欲しがり屋さんだねぇ。ウェザーのメモリを手にし、私の娘まで籠絡し、これ以上、何を望むのかね?」
「私は満たされたいのです。究極の力で。――だから貴方を倒し、テラーのメモリを奪います」
居候が堂々と宣戦布告し、琉兵衛はテラーに変身。冴子もタブーに変身するとテラーに攻撃を放ち、2人は遂に琉兵衛を裏切り、手に手を取って駆け落ち。
振り返れば霧彦さんが冴子さんに日本海へ逃避行を求めるもさっくり始末された事を思うと、どうもそれが重ねられているようで、今作は死後もひたすら、霧彦さんにエグい(笑)
霧彦さんにだって人権というものが…………既に無いので、どうぞ好きにして下さい。
「馬鹿な娘だ……」
姉の会社に向かった若菜は冴子を翻意させようと説得を試みるが、冴子が内に秘めた憎悪を目にする事になる。
「あははははははは、貴女なんにもわかってないのね。お父様は私の事なんて、これっぽっちも愛していなかった。お父様が本当に愛していたのは、若菜、貴女よ。だから私はお父様が憎かった。ずっと……ずっとずっとずっとずっと」
「お姉様……」
「さあ決めて。貴女は私の味方? ――それとも、敵?」
逃げ出した若菜はタブーの攻撃を受け、どこかの誰かが死亡した場所に追い詰められるが、間一髪、スミロドンに救われる。
すっかり忘れていたけど、超格好いいゾ、ミック。
前回からミックが端々に写っていて、井坂と冴子の密談を出歯亀したりもしていたのですが、変身出来る、という事を忘れていました(笑) 今作のヒロイン度は現状姫が圧倒的にリード中なので、それを救った上にお姫様だっこまでしたスミロドンのヒーローゲージが急・上・昇!
さすがにお姫様だっこのまま飛べなかったのか、なんか、姫をビルから投げ捨てたみたいになったけど(笑)
一方、落石千本ノックによりアクセルTの特性を叩き込まれた照井は、トライアルのマキシマムドライブを発動させるべく、トライアルメモリを装着したモトクロスバイクでコースを10秒以内に一周するという、謎の特訓を鬼コーチから受けていた。
「憎しみが足りない! もっと復讐の炎を燃やすのよ」
……古人曰く、「意味が無いからこそ特訓なのだ!」
「憎め……憎め憎め――憎め」
マキシマムドライブの反動に耐えながら、10秒突破を目指してコースにチャレンジし続ける照井だが、遂に転倒。意識を失ってしまい、照井を心配してついてきていた亜樹子が翔太郎へと連絡を取る。
(私が……お守りをなくしちゃったからだ)
探偵事務所に匿われていた凪は、ウェザーに襲われた際にペンダントを落としてしまった事に気付き、翔太郎が電話中にこっそりと事務所から外に出てペンダントを見つけるが、井坂に捕まってしまう。


――お兄ちゃんはヒーローなんだよ。この街にとっても、あたしにとっても。

ペンダントを渡された際の妹の言葉を思い出し、目覚める照井。
ここで照井が「仮面ライダー」にこだわっていた理由が、妹を守れなかった悔恨から、妹との約束として「ヒーロー」であろうとしていた事(そしてその「ヒーロー」が風都における「仮面ライダー」であった事)が判明。
照井の妙に強いこだわりだったので、綺麗に繋がりました。
……にしても照井は、ウェザーへの復讐に囚われていなかったら、逆に、街の細かい悪を自発的に刈り取って回るマッドヒーロー路線に入っていた可能性が高く(しかも、法治を尊重するようなブレーキなど皆無)、ある意味、ウェザーにこだわっていて良かったのかもしれない(^^;
恐怖と絶望による生体コネクタの完成の為、凪の心の支えとなっている照井を目の前で惨殺しようと目論む井坂は凪を人質に取って照井を呼び出し、照井はこの街の仮面ライダーとして凪を守る為にウェザーとの決着を決意する。
「俺は行かなきゃならない。次こそ10秒を切る」
「復讐ではなく、その子を守る為に?」
「そうだ」
照井は遂に9秒9のタイムを叩き出し、トライアルメモリを使いこなす為の特訓に合格。
「所長……左とフィリップにもよろしくと伝えてくれ」
だが……照井を見送りきびすを返したシュラウドが放り捨てたストップウォッチのタイムは、10.70。
「彼は憎しみの心を忘れた。もう興味はない」
照井を非情に切り捨てシュラウドは姿を消し、亜樹子は慌てて翔太郎と連絡を取る……とはいえまあ、台詞から汲む限り、照井は10秒を切っていない事に気付いていたっぽくはあるのですが。シュラウドの非情さを見せるシーンながら照井とシュラウドが妙な阿吽の呼吸で繋がっているとしか思えないのですが、これは照井からシュラウドへの訣別でもあり、シュラウドから照井への餞別でもあるのか。
照井を呼び出した峠では、画面を斜めに回す気持ち悪いカメラワークで井坂先生と冴子さんがいちゃいちゃしていた。
「私にも、こんな感情があるとは……」
愛用のこうもり傘で顔を隠してお洒落キスシーンをしようとした所で、響いてくるエキゾーストノート
「戻ったら……ドーパントの君ではなく、本当の君を見せて下さい」
井坂先生、照井に対抗して、物凄いフラグを立てる(笑)
そうこれは、フラグとフラグをぶつけ合う、絶望へのチキンレース……!
そして囚われの凪の前で対峙する、宿命の2人。
「すぐ助けてやる」
「いいんですか? そんな約束をして。わずか1%も、勝つ望みが無いのに」
「変…身!」
画面を広く使った迫力のあるカットでアクセルはウェザーの雷撃を弾くと(アクセルのテーマBGMの、「てれっててれってー てれっててれって てれっててれっててれてれー♪」という所が凄く好き……つ、伝わるか?(^^;)、大事なブルワーカーもといアクセル剣を放り捨て、トライアルメモリをその手にする。
「全て――振り切るぜ!」
アクセルTは超高速移動からのパンチをウェザーに浴びせ、前回こてんぱんにされた雷撃の雲による攻撃も超高速のスウェーバックで回避。そして駆けつけた亜樹子達の前で、マキシマムドライブを発動させる。
「見せてやる。トライアルの力を!」
カウントダウンを始めたトライアルメモリ(ストップウォッチ)を放り投げると、超高速移動でウェザーの攻撃をかわしながらその懐に飛び込み、キック、キック、連続キック! そーれ、フックだボディだボディだチンだ、えーい面倒だ、この辺でノックアウトだい♪
「9.8秒。それがおまえの、絶望までのタイムだ」
ウェザーが抵抗不能になる勢いの超高速キックの嵐を浴びせ、ストップウォッチをキャッチすると、理屈はさっぱりわかりませんが(格好良く受け止めないと駄目なのか?)マキシマムドライブが完成。画面に9.8のカウントが出て宿敵ウェザードーパントは大爆発し、遂に因縁のWのメモリは砕け散る。
「信じられん……私への憎しみが、こ、ここまでおまえを強くしたのか」
「俺を強くしたのは……憎しみなんかじゃない」
一応、インビジブル回で照井が憎しみ一辺倒を乗り越える描写はされているのですが、つい前々回、エクストリームがウェザーをぶった切ったら「それは俺の獲物だぁぁぁ!!」と激怒していたので、この辺り、照井の描き方はややぶれてしまっています(^^;
憎しみよりも誰かを守る為のヒーローであろうとする事が照井竜を強くした、という流れは、やりたかった事はわかるのですが、やりたかった事が今ひとつ綺麗に出来ていなかったのはちょと残念。
まあ照井は脳内にブレーキが無いので、普段は「俺は憎しみを乗り越えた」つもりだけど、いざ本人を目の前にすると、脳内アクセル踏みまくりになるだけで、本人には矛盾が無いのかもしれない。
照井はケツァルコアトルスメモリを破壊し、凪を解放。お守りのペンダントを受け取る。
「ありがとう……これ」
「君を守れて良かった」
天然ヒーロー台詞を何の恥じらいもなく口にした後、井坂に手錠をかけようとする照井だが、突然、井坂がもがき苦しみだし、その全身に生体コネクタが浮かび上がる。
「こ、これで終わったなんて思うな……おまえらの運命も仕組まれていたんだ。あの、シュラウドという女に……先に地獄で待ってるぞぅぁぁぁぁ!」
井坂深紅郎、体中に浮き上がった生体コネクタに呑み込まれるようにして消滅。実に、暴食の井坂先生らしい最期となりました。
そして思わぬ名前が井坂の口から告げられ、井坂の死にショックで膝をつく冴子の背後では、この戦いの様子を鬼コーチが見ていた。
(竜……教える事はもう何もない)
とは思っていない、たぶん。
にしても、最初の夫は役立たずだったし、惚れた男を信じて家出した途端に、その男が敗死して無職かつ住所不定になるし、冴子さんはもしかして、物凄く男運が悪いのか。
「今回のヒーローは、俺じゃなく、あっち」
島本凪は笑顔を取り戻し、喜ぶ小学生達に真のヒーローを伝える探偵さん。
「俺に質問…………しないでくれるかな」
さすがの照井も小学生には凄まず、でオチ。
霧彦さんと入れ替わりで登場し、中盤戦を引っかき回してくれた井坂退場編でしたが、くしくも霧彦さん退場編同様に、今ひとつの出来(霧彦さんの時よりは良かったけど)。
最大の問題は、ビースト回において、びりびりサイクロンを用いたアクセルが、ウェザーを完全に撃退している事。
エクストリームが発動した事でびりびりサイクロンは使えなくなっているのかもしれませんが、その辺りに言及が全くなく、現状の応用編で何とかなる手段がある筈なのに、そのアプローチが行われない、というのはしっくり来ませんでした。
同様に、既にエクストリームがウェザーの力を上回り気味なので、照井が一対一でウェザーと戦う他ない状況設定、というのが必要だったのですが、そこへの組み立ても不足。
合わせて、ここまで描いてきたパワーバランスと、物語の流れがやや噛み合いませんでした。
その辺りのフォローも兼ねてか35話で特殊能力をフル活用したウェザーがダブルとアクセルを翻弄する姿が描かれており、単純な力ではなく技の応用や相性が戦局を変えるというのは好きなのですが、それならばこそびりびりサイクロンという応用は「もう使えない」ならもう使えないという事が描かれるべきであり、アクセルトライアルがウェザーに対して有効である点も、もう少し違った形で描写されるべきではあったと思います。
山場の回だったけだに、もう一つ詰めが足りなかったのが勿体なかったところ……てやっぱり、霧彦さん退場回の似たような感想に(^^;
ゲストヒロインはしっかり可愛かったし、ケツァルコアトルス(コピー)を前編で出す事で、何か凄そうというのを見せつつエクストリームの活躍の場を作り、後編はアクセルトライアルの見せ場に集中した、という構成は良かったのですが。
劇中の仕様には色々疑問がありますが、Wエクストリームに続いてアクセルがしっかりパワーアップしてくれたというのは、アクセル&照井好きとしては嬉しかった所。それだけに、物語の糸が、もう数歩、綺麗に繋がりきってほしかったです。
サブタイトルの「R」はケツァルコアトルスでもトライアルでもないので、「Rain」かしら。
井坂先生リタイア、冴子さん退職、運命の背後に浮かび上がるシュラウド――と主要登場人物達の位置づけが大きく動き、次回、新たな来訪者とともに、物語は終盤戦へ。