◆第二十四幕「真侍合体」◆ (監督:渡辺勝也 脚本:小林靖子)
前回のあらすじをダイジェストで見るとやはり、殿が食い意地張っていたせいで罠にはまったように見えます(笑)
十臓にさらわれた殿は、どうして十臓が知っているのかわかりませんが、外道衆の力を清める為に、聖なる泉に放り込まれる。家臣4人は屋敷で寝込み、殿の居場所を黒子達に追わせつつ、彦馬は印籠の完成を源太に託す。一方ドウコクは太夫に十臓の抹殺を命じ、迸るシーズンインザサマーパワーを注がれた蜘蛛は、力のオーバーヒートにより、賽の河原を苦しみ転がっていた。
どうも太夫と十臓には、先日の助け助けられ以前からの因縁があるようで、ドウコクの命令にシタリが「えげつないなぁ」的発言。そのシタリも一時的に蜘蛛アヤカシに協力した事に対して必死に弁解しており、酒飲んで寝ているだけの穀潰しだったドウコクに、悪の親玉らしい描写が増えました。
前作がコミカル路線だった反動もあるのでしょうが、ドウコクの徹底した恐怖政治・暴君路線は、00年代の戦隊としては結構珍しいか?
丈瑠との殺し合いを望み、敢えてその毒を治療する十臓は、――およそ200年前、剣の道を究める事よりも人の命を吸う喜びに目覚め、死病に冒されながらも人を斬り続け、斬って斬って斬りまくった挙げ句に隙間に導かれるように外道に堕ちた、自らの過去を語る。
「悔いるとすれば、堕ちても癒えないこの飢えだなぁ。これを満たす程の斬り合いだけが望みだ。いずれ、骨の髄まで、バラバラになるほどに」
太夫「骨の髄まで、バラバラに……」
ボーイズトークを覗き見太夫さん、よくわからない所に反応。
殿「本当に、もう人ではないらしいな」
回想シーンでは病んだ感じの十臓が、目に入る人間を相手構わず斬り殺しており、“生きて外道に堕ちる”というのがどれほどのものか、映像的に表現されました。
……やはり、流ノ介の恥ずかしい過去をインターネットに流すぐらいでは駄目だった!
こうなると、同じく生きて外道に堕ちたらしい薄皮太夫が何を求めてどれほどの事をやったのか、気になってくる所。
夏のときめきがオーバーロードして正気を失った蜘蛛アヤカシが地上に現れ、4人はそれぞれのディスクを源太に渡すと、その迎撃に。印籠に「真」のモヂカラを打ち込んでいた源太は、ディスクを介して全ての折神の力を注ぐ事で、遂に印籠を完成させると、黒子が掴んだ丈瑠の元へ――。
「もう一つだけ聞いておく。なぜ俺なんだ? 強さだけなら他に幾らでもいる」
「確かに。ただ……おまえもどこか歪つだから――かもしれないな」
姿を変えた十臓と丈瑠がぶつかり合う寸前、ゴールドが乱入して丈瑠の身柄を回収し、没収試合。凶暴化した暴走蜘蛛に追い詰められる4人だが、そこへ丈瑠とゴールドが駆けつけると、寿司屋が完成させた印籠丸に全ての折神の力を込めたスーパーディスクを装填。十の折神の力により、今、シンケンレッドは新たな力を手に入れる。その名を――スーパーシンケンレッド!
寿司屋、もっと日本語使え。
通常スーツの上から白い陣羽織風衣装を身に纏ったスーパーシンケンレッドは、シンケン丸に印籠を装着すると、くるくる回りながらナナシ軍団を殲滅。暴走蜘蛛を新必殺技、真・火炎之舞で成敗する。
追加アーマー型パワーアップも和風でまとめてきましたが、なぜ……スーパー。……いや、既に「レッドだし」説はあるのですが、しかし、もう少し何かなかったのか(^^;
蜘蛛は巨大化し、更にこれまでにない新型の巨顔ナナシも登場。スクラム組んだシンケンオーと大海王は印籠丸と真・侍合体ディスクにより、変形合体。
その名を、大海真剣王!
なんかこー、原型がどこかに行ってしまった大海真剣王は二刀流を用い、「二天一流乱れ斬り」でオオナナシ軍団を蹴散らすと、烏賊召喚。真・侍武装により烏賊と大天空が変形合体し、烏賊天空バスターになると、モヂカラを大量消費する一撃必殺の波動砲、折神大海砲により、全折神のパワーを発射し、蜘蛛と巨顔ナナシを滅殺するのであった。
「これにて、一件落着」
うーん………………前回の大ピンチから、怒濤のパワーアップ大逆転編でしたが、微妙に盛り上がらず。正直、携帯で文字を打ち込みまくって印籠を完成させてしまう、寿司屋登場後のノリに、ちょっとついていけていません(^^;
天才が天才すぎて置いてけぼり気分。
今作は前半から、主にアヤカシのパンチ不足により、折神入手によるメカ強化の必然性が薄いのですが、その悪い所が天才で加速を付けて、全て出てしまいました(^^; 新戦士→新ロボ→そして合体は、商業的ノルマのターンとはいえ、如何にその商業的ノルマを物語に組み込むかが腕の見せ所であるわけで、その点においては、かなり外れてしまった出来。
追加装備がそれだけで合体して、巨大武器になる、というのは好きですが。
次回、姐さんと太夫の絡む話になるようで、リカバーに期待。