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『仮面ライダーW』感想32

劇場版を借りてきたー。色々スケジュール的な都合で、今週は一気に『W』祭の予定。
◆第41話「Jの迷宮/猟奇的な悪女」◆ (監督:石田秀範 脚本:長谷川圭一
刃野幹夫、宝石泥棒の容疑で逮捕。
「俺は予感がしてたんだよな〜。いつかこんな日がくると、ははは」
真倉は、“憎めないお調子者”を遙かに通り超えて、すっかり“いつか天罰を受けそうなお調子者”になっていて、ホント酷い(笑)
今作の場合、翔太郎と亜樹子がかなりコミカルパートも担当しているので、必ずしもコメディリリーフが必要ではなく、照井の増員により警察メンバーの役割分担を強調した結果、好感度をドブに投げ捨ててでもこう色分けするしか無かったのでしょうが(^^;
刃野によると馴染みのバーで一杯やった帰り道、帽子とサングラスで顔を隠した謎の女に襲われ、ポケットにダイヤモンドを突っ込まれた所を通報を受けて駆けつけた警察によって逮捕されたのだという。
「ダイヤモンドの女、ねぇ……」
女が身につけていた特徴的なダイヤの指輪を手がかりに、刃野の無実を証明する為に調査を進める翔太郎と亜樹子は、「怪物が人間を宝石に変える」という噂を耳にする。被害者は若く美しい女ばかりで、既に7人。そして現場付近ではいずれも、ダイヤを指にはめた帽子の女が目撃されていた……。
何故か聞き込みシーンのBGMに「Nobody’s Perfect」が流れ、冒頭の留置場シーンでの変わった照明効果に続いて石田監督がまた変化球を投げているなぁと思ったら、翔太郎にとって割と重要と思われる回想シーンに繋がり、まあ納得。
「確かに刃さんは冴えない中年だけど、本当はすげえ男なんだぜ」
「どうすげえのよ?」
「ずばり――騙され上手だ」
警官時代の刃野に追いかけられては「UFOだ!」と叫んで逃げていた学生時代の翔太郎だが、その内に何故か二人は、UFOとコンタクトを取ろうと風都の空に呼びかける事に。
「あまりに見事に騙されてくれるお陰で、逆にこっちが嘘に付き合う羽目になる。ま、でも、不思議に悪い気はしないっつーかぁ……ま、それが騙され上手だ」
これまで端々でそんな雰囲気はありましたが、学生時代の翔太郎が定期的に警官に追いかけられる程度にはやんちゃしていた事が回想でハッキリと描写され、刃さんとはその当時からの長い付き合いであった事も判明。
物語ここまで、いまひとつ有能とも無能ともとれない刃さんでしたが、ある種のはぐれ者の心を掴む才能がある模様。
サンタちゃんから7人の被害者が全て、会員制のクラブ・ブルートパーズに通っていたモデルだったという情報が入り、翔太郎と亜樹子はそのクラブへ。入り口でお断りされそうになるが、超人気モデルの上杉誠と知り合った事で、エキストラ大量投入のクラブ内部への潜入に成功する。
冒頭のシーンでも何故か、水着の女性達が闊歩する屋上プールで聞き込みとかしていましたが、何かこの時期、モデル事務所とコネクションでもあってタイアップ回か何かだったのでしょーか。
クラブで見つけた帽子の女にこれは怪しいと詰め寄った亜樹子、投げられ、蹴られ、踏まれる。
という、珍しい所長の被弾シーン。……まあ亜樹子だとギャグ気味になってしまうのですが(笑)
「私は美しいものが好き。みんな宝石になって、この私を飾るといい」
照明が落ちるとドーパントが姿を現し、噴出されたガスを浴びた女達は次々と宝石に変わってしまう。
「私は美しいダイヤ。誰にも傷付ける事は、できない」
「どうかなぁ? 試してみるか?」
変身したダブル、変なポーズ対決。なんだか今度の敵は、霧彦さんばりに翔太郎とのシンクロニティを感じます。
殴りかかるサイクロンジョーカーだが硬度10ダイヤモンドパワーには打撃が効かず、ヒートメタルの燃える棒で殴っても無効。ルナトリガーの射撃もダイヤモンドバリアーで跳ね返され、余裕綽々の宝石ドーパントに逃げられてしまう。
ドーパントの能力を調べようと検索するフィリップだが、星の図書館に現れた若菜に本を奪われ、動揺から星の図書館にアクセスできなくなってしまう。風都署に向かった翔太郎はそこで上杉誠と再会し、事件の犯人が上杉の親友・城島泪(るい)だと聞かされる。
「城島泪……はっ、まさかな翔太郎、そりゃねえや」
「僕と智と三人でつるんでた……あの、泪です」
翔太郎と同じように刃野に“世話になった”事がある誠、智、泪の3人は学生時代からの親友同士だったが、一月前、智が泪に恋愛感情を告白。お似合いのカップルだと祝福しようとした誠だが、泪は誠に告白するという見事な三角関係に発展。親友同士の関係を壊したくなかった誠は泪を拒絶するがそれから泪の様子がおかしくなり、泪は怪物へと変わり、智が行方不明になってしまう……。
自分を悲劇のモテ男ポジションにおいてべらべらと喋る上杉が、凄く怪しい(笑)
なお、一気に名前が増えた為に最初、「智が誠に告白した」のかと思って、それは友情、壊れるな……と思ったら、だいぶ違いました(^^;
泪がドーパントだと思われる事で本格的な捜査を始める照井だが、その泪には、加頭に「勝利の確率を高めるメモリがある」と吹き込まれた冴子が接触していた。
ここで冴子が、非常に珍しい生身の肉弾戦。さすがに迫力不足を「回る」事で補う殺陣になりましたが、意外性に加え、冴子のなりふり構っていられない状況も示す面白いシーンになりました。
照井達がやってきて、逃げた泪を追った真倉は、泪の強烈な三角蹴りを食らって気絶。アクセルはナスカV3と激突し、超高速対決は前々回に続いて、格好いい。
上杉からの情報で泪と接触した翔太郎は、その身につけている指輪が、一ヶ月前から行方不明の智を変化させたものではないかと問い詰めるが、踏まれる。
泪は宝石ドーパントに変身し、ダブルも変身。エクストリーム発動からプリズム剣を振るう、が、しかし!
「ダイヤは美しく、決して傷つかない! あはははは!!」
プリズム剣、チャージブレイク、そしてダブルエクストリーム、何と全ての必殺技がダイヤモンドを砕けないという、非常事態。やはり、風都では悪女こそ最強のフォームなのか?!
その頃留置場の刃野は、かつての泪の言葉を思い出していた。
「好きになればなるほど、最後には壊したくなる……」
果たして、最後に狙われるのは、上杉なのか? 愛憎渦巻く三角関係の行く末や如何に…………という所なのですが、泪が女装にしか見えないのは私だけでしょーか……?(^^; 物語中では女性だけど、アクションシーンで男性が吹き替えているのでそう見えるという可能性もあるし、諸々含めて意図的に男性っぽい体格の女性をキャスティングしたのかもしれませんが、どうしても暴れている泪が、“女装した智”にしか見えない。
予告から本編から「悪女」を強調しすぎなのもどうも怪しく思えて仕方ないのですが、これはメタに穿ち過ぎか。とにかく今私の中では、上述の勘違いも含めて、“本当は上杉を好きな智が同じく上杉の事を好きな泪を宝石に変えてしまった上で指輪として身につけ、泪そっくりに女装して上杉の周囲に出没している”という物凄く倒錯した物語が展開しているのですが、えー……早く後編を見ろ私。
でも先に後編を見てしまうとこの辺りのライブ感が薄れるので、敢えて後編を我慢して感想を書きました!
あと、単に旧知だからというだけかもしれませんが、刃さんが妙にはっきり「城島泪……はっ、まさかな翔太郎、そりゃねえや」と断定しているので、そもそも城島泪は男という可能性も否定できないとか思うわけであります大佐!