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『仮面ライダーW』感想33

◆第43話「Oの連鎖/老人探偵」◆ (監督:坂本浩一 脚本:長谷川圭一
家族の墓を訪れた照井(トライアル仕様?の青ジャケットが格好いい)は、そこに、既に誰かが供えていた花を見る。照井の家族が殺されたのが「去年の8月」という事なので、ちょうど命日という事でしょうか。照井の家族が殺された時期がハッキリしているのは照井のアクセル修行期間に説得力を増させる為だと思っていましたが、そうか、ちょうど終盤に照井をクローズアップする話を持ってくるという計算もあったのか。
鳴海探偵事務所を、10歳の娘が老婆になってしまったという依頼人が訪れる。調査の結果背後に浮上したのは、「老けさせ屋」の存在。ウォッチャマンからの情報で老けさせ屋との接触に成功する翔太郎達だが、その正体はオールドドーパントであった。
また凄いドーパントが出てきましたが、エジプトの神官のミイラ、辺りをモチーフにしたと思われるデザインが案外と格好いい。
オールドは手から謎のもやもやを放ち、亜樹子をかばってその直撃を受けるアクセル。
「おまえ、俺の波動の効果が出てないな、何故だ」
アクセルはちょっと痛いだけで済んだが、同じもやもやを受けたエクストリームは状態異常となり、変身が強制解除された隙に、オールドは逃走。照井同様にフィリップは何ともなかったが、翔太郎がもやもやの効果により、老化してしまう。
「あの攻撃、確か、前もどこかで……」
オールドのもやもやのエフェクトがタブーの攻撃に似ているなぁと思ったら意図的なもので、タブーの高笑いを思い出すフィリップ。そこに思わせぶりにシュラウドが通りすがり、フィリップと照井は老化した翔太郎を 放置して 亜樹子に任せてシュラウドを追う。
何の躊躇いもなくシュラウドを追って、二人ともけっこう酷い(笑)
「あなた、やっぱり特殊体質ね。ライトと一緒。左翔太郎はもう使い物にならない。あなた達二人で、ダブルになりなさい」
相変わらず、道端の汚物のように嫌われているな……!
「あなたは……まだそんな事を!」
「フィリップのパートナーは左しかありえない」
「それでは究極のダブルになれないわ」
「究極の、ダブル……」
「サイクロンアクセルエクストリーム」
また凄い名前が出てきました。
ビースト回の時に、照井はフィリップの真のパートナーとなるべく養成されていたという示唆がありましたが、そもそもアクセルメモリ自体が、ダブルの究極フォーム用だった模様。
ジョーカーは……ジョーカーは…………試供品だった!!
という、哀しいけど、深く頷ける現実。
「そのパワーの源は、強い憎しみ。二人で最強の戦闘マシーンになれば、あのドーパントに勝てる。そして――園咲琉兵衛をも倒せる」
園咲琉兵衛を倒す為、人間の優しさを捨てた究極の戦闘マシーンになる事を求めるシュラウド……て、背景の思想は違うけど、MX−A1か(笑)
戦闘マシーンになる事を拒み、「仮面ライダーダブル」として人の優しさを捨てない事でエクストリームへ進化を遂げたフィリップだが、ここで再び、左翔太郎みたいな夢ばかり見ていてハードボイルド気取りの癖に女に弱くて人間として薄っぺらくて預貯金0で一生うだつのあがらなそうなクズゴミ野郎(※個人の感想です)は生ゴミと一緒に捨ててしまいなさい論が再浮上。終盤へ向けての重要なエピソードであった31−32話(「風が呼ぶB」)、エクストリーム誕生編が究極の力と繋がってくるという展開。
そこかしこにヒーロー物の歴史と様々な作品へのオマージュを漂わせ、また、従来のヒーロー物において無自覚になってしまっていた部分を作品個別に描き直す事で現代に立脚しえるヒーロー物の再構成を志向した《平成ライダー》を、更に再構成する事で新たな10年へのベースとなる事を目指したと思われる今作において、最強の力が、究極正義の執行者ならぬ“究極憎悪の復讐者”にこそ宿るのだと提示されるというのは、過去の歴史を意識的に踏まえている作品だけに、実に面白い。
そもそも、“ヒーローの動機付けが「復讐」”という物語は必ずしもイレギュラーというわけではなく、復讐譚そのものはむしろオーソドックスな劇作の一つであり、“ヒーロー物”に限ってもしばしば見られるスタート地点なのですが、ここでもう一度改めて、正面からそこに向き合ってみよう、という強い意識が感じられます。
「今度ばかりは貴方達から頼む事になるわ……究極のダブルになりたいと」
フィリップはオールドについて検索しようとするが、そこでは若菜がシュラウドの事を調べようとして混乱していた。琉兵衛からシュラウドについて聞いた若菜はシュラウドを探していたが、「あなた…………まだあの女の正体を知らないみたいね」と言い残して姿を消す。
その頃、亜樹子は依頼人の母親を、被害者周辺の聞き込みの時に怪しいと感じていた、ママ友の所へ連れて行くが、そこでどんぴしゃり、老けさせ屋に謝礼を渡した直後の所に行き合う。事件の背後には、自分の娘を舞台の主役にする為にライバルになる子供を蹴落とそうとする、親の醜い嫉妬があったのだ……という非常に嫌な展開。
「ホント、最悪の人間だね。許さないよ」
老人翔太郎が動き回れないという事で、代わりを務めるフィリップが、珍しくストレートに格好いい正統派のヒーローシーン。
「翔太郎、ファングに変身だ!」
「あ〜〜〜、よく聞こえませんが」
オールドに襲われたフィリップは翔太郎に連絡を取るが、事務所で真倉に面倒を見られる肝心の翔太郎は、すっかり耳が遠くなりテンポもゆるーくなっていた。
「早く、ピンチなんだ!」
だがその一言で切り替わり、切れていたスイッチの入る老翔太郎。
「おいまっきー、水をくれ、水!」
水を何に使うのかと思ったら、単純に真倉を台所に追い払う為でした。そういえば、真倉には正体を隠しているから、目の前で変身できないのか。
ダブルは依頼人の前では特に気にせずがんがん変身するので、真倉(&刃野)に正体を隠している理由は今ひとつわからないというか意味をあまり感じないのですが、官憲には正体を知られたくないとか先代からの方針でもあるのか。
さすがにこの局面で、秘密のヒーローの方がハードボイルド、とかいう理由ではないと思いたい(^^;
相変わらずの回避能力の高さをフィリップが見せ、震える手で、翔太郎はなんとか変身。普段表に出ないフィリップを正統派に格好良く見せつつ、老翔太郎には老翔太郎なりの土壇場での格好良さを出すという、巧い案配。
しかし、やはり老人翔太郎での戦いは無理があり、オールドの攻勢を許してしまうファングジョーカー。わざとバランスを崩してのへっぴりキックとか、右半身で左半身を起こそうとするとか、面白アクション演出。
妙に格好いい音楽で危機に陥るファングと、事件の真相を知って娘の前で醜く掴み合う母親達の争いを同時進行し、そこへおもむろに現れたシュラウドは、「YOU、素直に土下座しちゃいなYO」と戦いを見つめてニヤニヤしていた。
「やはりこいつを倒すには……究極のダブル、サイクロンアクセルエクストリームになるしかないのか」
その頃、風都ホテルでは加頭がアタッシュケースに詰まった大量のガイアメモリを見つめていた。それはかつてミュージアムを裏切った女が開発し、封印されていたものを、財団Xが次世代型ガイアメモリとして完成させたもの。そこへやってきた照井は立ち去る加頭と擦れ違い、冴子にシュラウドと園咲家の関係について問い詰める。
冴子さん、太腿をアピールしながら、おもむろにセクシービリヤードを開始。
「これが私の父、園咲琉兵衛。これが、シュラウド」
9番の的球を父に、白の手玉をシュラウドに例えた冴子は、ハードボイルドにブレイクショット。
「あの女はこの一つの球を落とす為に、周りの球全てを動かした。――あなたも、あなたの家族も」
「俺の家族だと?」
「今落ちたのが、あなたの家族」
「何を言っている」
「わからないの? あの女が全て仕組んだのよ。あなたの運命も」
思えば照井竜の本格登場がビリヤードのシーンからだったわけで、これは会話シーンに面白みをつけつつ、作品全体のテイストを合わせた好演出。
そして照井は、冴子の口から恐るべき事実を聞く。
「井坂先生にウェザーのメモリを渡したのは――シュラウドよ」
照井竜を見舞った悲劇、そして復讐の為の戦い……全てはシュラウドに仕組まれたものだったのか? 園咲琉兵衛を執拗に狙う怨念の塊、シュラウドの正体は? 二人で一人のハーフボイルド探偵は今度こそコンビ解散してしまうのか?! 次回、左翔太郎の明日はリアルにどっちだ?!
それにしても、ビースト回を乗り越えた後なのでさすがに「翔太郎、もう、捨てちゃおうかなー」と口にこそ出さないものの、オールドに苦戦して少し悩むあたり、フィリップはメンタル弱い(笑) ステータス的に完璧超人に近いフィリップはメンタル弱くて、知勇兼備の上にメンタルも強い照井はしかし<RC>低くて出目が悪いので衝動判定に失敗しまくりで、翔太郎は色々アレだけどシティアドベンチャー向きでハートが強い、と今作の三者三様の分け方は面白い。
地味なポイントとしては、老けメイクと老け演技で無理をさせずに、老人翔太郎を別キャスティングしたのは良かったと思います。どうしても老けメイクは過剰になってしまい、言い方悪いけど、必要以上に画面が見苦しくなってしまうので。
そして、案外とお年寄りには優しいまっきー。これは前回で株を地の底に落として取引停止状態にしてしまったので、せめてものフォローでしょうが(笑)