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『天装戦隊ゴセイジャー』感想3

9話まで見終えた所で、Beniさんにいただいたコメントにより、エリが「我が儘な妹」ではなく「どこか放っておけない自由人のお姉さん」ポジションという事を知りました。いやはや、すっかりアラタの妹だとばかり思いこんでおりましたよビックリ。9話はエリが一行の年長者だと思って見ているかでだいぶ印象の変わるエピソードなので、もう少しその辺り、わかりやすく見せておいて欲しかったところ(^^;
◆epic8「ゴセイパワー、暴走」◆ (監督:渡辺勝也 脚本:大和屋暁
割と駄目っ子だった望少年、絵が巧いのを披露。
軽いノリで機械や人体の命令中枢を混乱させる光線を放つお腹に蜂星人が登場し、出鱈目光線を受けた赤は天装術がうまく制御できなくなってしまう。ゴセイレッドへの変身が解けない赤をコミカルに描きつつ、意図しない天装術が発動してしまうなど、状況はどんどん悪化。とうとう術を発動するカードそのものが機能不全を起こしてしまい、赤が最後の手段として白紙のカードに絵を描くと、何故か4つのドラゴン頭が飛んできて電波蜂のアンテナを破壊。出鱈目光線の影響が解消され、ゴセイグレート降臨。背中の翼部分が前に降りて、五つのドラゴン頭が胸部に並んだエキゾチックゴセイグレートは、一斉火炎放射で天罰執行するのであった。
何がエキゾチックかさっぱりわかりませんが、この大量ドラゴン頭は、一回限りの勢い扱いで処理。その割には着ぐるみがわざわざ造形されているのですが、何か、他の企画との絡みだったのでしょうか?(^^;
変身が解けないゴセイレッドのコミカルな描写や展開は悪くなかったのですが、ブレドラン乱入辺りからただの殴り合いになってしまい、最終的によくわからない方法で解決してしまったのは残念。
久々に登場した天知博士が天装術誤爆の落雷で死にかけたのですが、華麗に復活。とても普通の人類とは思えないし、同じ画面に出てこないし、やっぱりデータスの正体なのでは。
今回からED映像が大きく変更。カラオケマイクみたいなのを持ちながらのダンスなのですが、新しい玩具の宣伝?(^^;


◆epic9「ガッチャ☆ゴセイガールズ」◆ (監督:中澤祥次郎 脚本:横手美智子
朝っぱらから自堕落なエリにキレたモネ、規律正しい生活を送らせようと天使の生活ルールを制定しようとし、仕切り屋で段取り好きという扱いに。
地球には新たに、あらゆるオスを下僕にする毒液を放つ女王蜂星人が襲来し、青、黒、赤が次々と戦闘不能に陥ってしまう。ビービに回収された男達は組み体操で人間オブジェにされてしまい、地味に大変な事やっているシーンのような(笑)
モネが木の声を聞く事でさらわれた男達の元に辿り着くが、黄は何故か桃の動きを封じて1人で女王蜂に立ち向かう。
桃「外して!」
黄「外したら、すぐ無茶するでしょ!」
桃「え?」
黄「なんとかなるって人が居なくなったら、あたし達、困っちゃうよ!」
ここで桃のチームにおける位置づけ、黄と桃の差別化をはっきりしたのは、良かった。
黒「あいつ、いっちょまえに、エリの守護者のつもりなんだ」
赤「モネだけじゃなく、エリもモネを護る気でいるよ」
青「あんなに合わない二人なのにか」
赤「何言ってるの、二人とも合ってんじゃん」
一緒に戦おうと力を振り絞る桃の心意気に応えてスカイックブラザーが召喚され、桃はクロウと鷹ヘッドでビーム攻撃。ランディックも合わせ、ふわふわと浮きながら回っているヘッダーを銃に装着する、という演出は格好いいのですが、「クロウ」と「鷹」と「プテラノドン」って、どうしてそこ、「ホーク」でないのか。後ランディックは、「モグラ」ではなく「サイ」でした。
息の合ったコンビネーションを見せた黄と桃は、W恐竜頭ビームで女王蜂を粉砕し、巨大化した相手には、スカイックゴセイグレート降臨。
頭が三つに増えるだけで、もう、何が強いのか(笑)
「「私達、愛と美の五星天使が、悪しき魂に天罰を下す!」」
勢いに乗りまくる黄と桃による、お約束のゴッドバードアタックで天罰執行。
頭だけが増えていくという前代未聞の強化ギミックが続くゴセイグレートですが、前作より更に割り切った感じの、追加ギミックに理由などない、という物語の姿勢には、この時期、バンダイ東映担当者の擦り合わせが巧く行っていなかったのだろうか、と勘ぐりたくなります(^^;
書き込みが後回しになっていたモネは、やや暴走気味だけど根は真面目という位置づけに。これまで特に皆を引っ張ろうとしていた事が無いので仕切り屋設定もどうも唐突ですが、ランディック兄妹はキャラ付けがぶれ気味で、そろそろ落ち着いてくれる事に期待したい。
天然無双でかつてなく嫌なピンクになりかけていたエリは、ここぞという時には真剣な態度を見せる事でぎりぎりフォロー。合わせて、色々な事が見えすぎていたアラタは、女子2人に引きずり回される事で少々バランス取り。
そしてアラタを生け贄にして墓地送りにする事で、ハイド・アグリ・望に、篤い友情のトライアングルが発生!
今回、一番大きかったイベントはこれだった気がします(笑)


◆epic10「ハイドの相棒」◆ (監督:中澤祥次郎 脚本:横手美智子
天の塔を破壊したカマキリにゴセイレッドが挑んでいたのと同じ頃、実は護星天使と宇宙昆虫軍団のもう一つの戦いがあった。カマキリによる奇襲攻撃と並行して地球沸騰作戦を実行しようとした灼熱ゾウムシとシーイック族の2人が戦い、ハイドの相棒だったデカミドリ……じゃなかった、ゴセイグリーン・マジスが命を落としていたのである。
マジスが相討ちして倒した筈の灼熱ゾウムシが傷を癒して復活し、相棒の仇に冷静さを失い独りよがりで突っ走ってしまうハイドだったが、特別ゲストのさかなクン博士の話を聞いて個人の復讐に囚われる事なく、広く大きな世界を護る事の大切さを思い出し、仲間との連携でゾウムシをパニッシュするのであった。
と、もう少し引っ張るかと思ったハイドの過去エピソードで、可も無く不可も無い出来。


◆epic11「スパーク・ランディックパワー」◆ (監督:加藤弘之 脚本:荒川稔久
見所は、ようやく単独回かと思ったら、何故かデータスに出しゃばられる黄色。
病院の少女を励ます為に、チアガールに扮装して踊り倒すモネというのは、役者さんの特技活かし系エピソードでしょうか。難しい手術を控えた少女を元気づけるモネだったが、蛾様の秘密兵器、電撃セミ星人が出現。電力の吸収と放電攻撃を繰り返すセミにより、大停電が起きてしまう。
少女の手術を成功させる為、踊りによって大地を振動させ、それを天装術で電気へ変換するイエロー。データスがそれを増幅させ、少女の手術は無事に再開。強敵セミ星人も、過剰電力で打ち破る事に成功する。
だが、巨大化したセミはゴセイグレートのゴセイパワーを吸収し、行動不能に陥るグレート。駆けつけたデータスも当然一蹴されてしまう。
「どうして……どうして僕には戦う力が無いんでしょう? 悔しいです……悔しいです……!」


――力が欲しいか?

データスの慟哭に応えて、もはやベルトでもない地面の上に新たな天装術カードが出現し、更に憎しみのオーラ力によりデータスが巨大化。イエローが天装術で召喚したハイパーチェンジヘッダーを装備し、今ここに、データスハイパーが降臨する!
等身が上がり顔も勇者ロボっぽくなったデータスですが、どうあがいてもボディが真四角の筐体なので、格好良くは……ならない。
サポートメカがそのまま巨大化して2号ロボに、というのはかなり珍しいパターンでしょうか。
この辺り、身近の年長者キャラ(天知博士)は戦隊とは無関係、長官ポジションは一応いるがミノフスキー粒子の影響で連絡が取れない、マスコット兼サポートメカは1クール目で早くも兵器に、というのは微妙にパターン崩し。
ハイパー化したデータスは定例のボクサータイプで、データスダイナミッククラッシュにより電撃セミを撃破。かなり強力な筈のセミでしたが、踏み台として無残にパニッシュされました。
「キャラクター」というよりほぼ「アイテム」扱いだったデータスが突然感情を吐露し、幾ら何でもあまりに唐突。この辺りまでは企画段階から予定された通りでしょうし、これをやるならもう少し、データスの感情面を随所で少しずつ挟んでおいて、キャラクター化をしておいて欲しかったです。
長石監督をパイロット版に招いた関係もあってか、1クールで6人の監督を投入しているのですが、その影響で演出の方もキャラクター(役者)や世界観を掴みきれておらず、手探り感が強いのが、流れを持ったキャラクター描写の組み立て不足に拍車をかけています。
例えば、シーンの位置関係の都合もあるとはいえ、戦闘中に吹っ飛んだ時に誰が誰を助け起こすのかなども、未だにてんでばらばら。モネがアグリよりアラタを優先していたりは、かなり違和感があります。会話シーンなどでも、誰と誰をどういう位置関係と距離感で絡ませるのか、などが不安定。結果、つまらない喋らせ方のカットも増加。それはデータスの描写などしている余裕はなかろうといった具合で、露骨に色々巧く回っておりません。演出ローテが安定してきて、立て直してくれる事に期待(^^;


◆epic12「ミラクル・ゴセイヘッダー大集合」◆ (監督:加藤弘之 脚本:荒川稔久
今回の名台詞:
「そっちが地球なら、俺は宇宙の力だ」
正論過ぎて負けそう(笑)
「デレプター。久しぶりにアレをやるぞ。おまえと2人で、幾つもの星を滅ぼしてきた、アレをな」
いきなり肩を組んで「兄弟船」でも歌い出しそうなノリになった蛾様とカマキリが、地球へ出現。ゴセイジャーをあっさりと退けた蛾&カマキリは、蛾様の体内に存在する暗黒エネルギーを解放する事で月を地球に落下させる秘術「引力落とし」を発動し、地球滅亡が迫る、突然の激しいクライマックス展開。
敵との力の差を認めないどころか、これまでの勝利に驕って戦いに逸り、力に溺れて天装術を使う事さえ出来なくなってしまった5人は、マスターやデータス、望の言葉に護星天使としての正道に立ち返る……。
ま、まあ、これまで絶望的な状況で戦い続けてきたわけで、脳内麻薬出しまくりで多少ハイになってくるのは戦場の常として仕方がありません。
生き残る為には、動くものは撃つしか無いんです。
自然の声に再び耳を傾ける5人。1人、海に浮かぶハイドさん、熱すぎる……(笑)
「俺たちは、海と大地と、そして青空と共に生きている。そんな大切な事、俺は奴等に挑発されて、また忘れてしまった」
「俺たち、自分の未熟さとか能力とか、そんな事ばかり言ってた! でも、違うんだ。俺たちの力は、地球が与えてくれる力なんだ!」
戦いとは何かを見つめ直し、秘術を完成させようとする蛾とカマキリに再び立ち向かう護星天使達。
「おまえ達もわかったか」
「ああ、大事な事を忘れてたぜ」
「この地球と、一緒に戦うんだもんね!」
そう、自分の力ではなく、地球と一つになる力――それこそが、護星天使の真の強さ。
秘術の為に胸に斧の刺さった蛾様、取り囲まれてちょっと狼狽(笑) 兵隊を護衛に配置しておくべきだったと思います。
「「地球を包む、天空の力!!」」「「地球を支える、大地の力!!」」「地球を育む大海の力!」」
5人は地球とシンクロした連係攻撃でカマキリをパニッシュ。蛾様は撤退し、カマキリは巨大化する。宇宙の力を振るう流星カマキリの攻撃に苦しむゴセイグレートとハイパーデータスだったが、地球意志から生まれた生命体であるゴセイヘッダー達と心を一つにする事で、新たな天装術が誕生。ひっくり返ったデータスが背中にくっついてアタッチメントが増え、全てのヘッダーをくっつけた、究極多頭ロボ・ハイパーゴセイグレートが降臨する。
「なんだこの化け物はぁ?!」
凄く素直な感想を口にするカマキリに、全頭一斉発射のハイパーヘッダーストライクで天罰執行し、戦士として新たな段階にレベルアップした5人は、強敵カマキリを撃破し地球崩壊の危機を食い止めるのであった。
1クールの締めを飾って、1話から登場していたカマキリが死亡。さんざんレッドと因縁付けていたのに、5人の連携攻撃から合体技で撃破、というのは、今作の方向性が打ち出されていて、ちょっと面白かったです。拳と拳でわかり合った腹心を失った蛾様は、果たしてどうする?!
何故か、初期ED映像に戻る。