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『手裏剣戦隊ニンニンジャー』感想7・8

◆忍びの7「春のニンジャ祭り!」◆ (監督:竹本昇 脚本:下山健人)
戦隊40周年という事で、お父さん、ニンジャレッドとハリケンレッドを連れてくる。
サスケ「人に隠れて悪を斬る――それがニンジャだ」
「え?」
鷹介「人も知らず、世も知らず、影となりて悪を討つ……それが、ニンジャだ」
「ええっ?!」
「忍びなれども忍ばない? そんな事言ってるようじゃ、到底本物のニンジャにはなれないぞ」
「ええーっ?!」
天晴、いきなりニンジャの信念にダメ出しを受ける。
……まあ、これに関して悪いのは、天晴ではなく、伊賀崎流の教えだと思うのですが。
なおここで参考資料として、3人の更に先輩にあたるニンジャの所属した偉大な流派のモットーを引用したいと思います。
山地学「忍法の奥義は相手を騙しても最後に勝つ事にあるんだ! わかったか!」
わかったか!
(改めて、『ジライヤ』、何かおかしい)
スパーリングでニンニンジャーに実力を見せつけたニンジャレッドとハリケンレッドは、5人にスパルタ訓練。先輩2人から厳しい評価を下されるメンバーだが、特に天晴は5段階評価の1、「実戦で使えないレベルで今までが奇跡」と告げられる。それでも全くめげず、より厳しい訓練を科される事に燃える天晴だが、その時、新たな妖怪が出現。
サスケと鷹介は、ニンジャ失格の烙印を押されるも戦いに向かおうとする天晴を忍術で身動き出来なくすると4人を引き連れて出撃。だが、その強引とも言える態度にはある理由があった……実は10年前、サスケと鷹介は天晴に出会っていたのだ。
狐面が時間を操る妖怪ネコマタに“終わりの手裏剣”を入手する為に過去に戻らせ、ネコマタは10年前の世界で次々とニンジャ狩りを決行。ネコマタと戦うサスケと鷹介の前に、10年後の世界からネコマタを追って天晴がやってくるが、いつもの調子で突撃を敢行した天晴は無残に大爆死。2人はその運命を変える為に、天晴とネコマタの戦いを阻もうとしていたのである。
と、どこからともなく先輩2人が現れて何の説明もなく先生役に収まるという前半の強引な成り行きと、いつもの天晴がニンジャとして話の流れと噛み合わない形で表向き下げられる→舎弟達がフォローする→結局天晴ワッショイ、という残念パターンかと思わせて、このネタばらしで先輩2人の事情が判明して納得、というのは今作にしてはトリッキーな構成も合わせてなかなか面白かったです(また今週もがっくりか……からの反動加点含めて(笑))。
だが先輩2人の努力も虚しく、戒めを破って戦闘に突貫してきた天晴はネコマタを追って10年前の世界へと行ってしまう。やはり運命は変えられず、天晴は過去で大爆死してしまうのか……終わりの手裏剣を手に入れたネコマタが現在へ戻ってくるが、その時、ネコマタを背後から蹴り飛ばして天晴も現在へと帰還する!
大爆死したかと思われた天晴は間一髪、先輩2人すらもあざむく変わり身の術を成功させて攻撃を回避していたのである。
全体としては毎度ながらの天晴ワッショイ展開ではあるのですが、「スパルタ訓練で習った高度な術が役に立った」という形でさすがに先輩2人の顔を立てた事により、天晴のパッシブスキル:《本番に強い》LV10が物語の中に収まり、今作としては許せる範囲。このぐらい、周囲のキャラとバランスを取りつつ、ここぞという時に用いれば《本番に強い》も決して悪い特徴ではないのですが、普段の使い方のバランスが悪すぎます(^^;
ここから先輩2人が加わって、5+2の揃い踏みで反撃スタート。過去戦隊が『ゴーカイジャー』で一度ブラッシュアップされているというのは大きいでしょうが、原典のポイントを抑えて現役組とミックスさせる辺りの見せ方の巧さは、さすが竹本監督。
正直、『カクレンジャー』も『ハリケンジャー』も特に思い入れが無いのですが、ここの戦闘の入りからアクションは素直に格好良かったです。赤3人が目立つ分、支援射撃しかやる事なかった4人の舎弟感がまた増してしまいましたが(^^;
ネコマタが手に入れてきた“終わりの手裏剣”は間違いで、九衛門はガシャドクロを召喚。ニンニンジャーはニンジャレッドとハリケンレッドの 大いなる力 技手裏剣を用いてガシャドクロを打ち倒し、その姿に満足した先輩2人は、ニンジャらしく何も言わずに姿を消すのであった。
最後は、どこからともかく現れたアカレンジャーが、なんとなく場をまとめて締め。
ロボット召喚アイテムに変化するにしては48個は多すぎないか……と思われた封印の手裏剣に、ドーピング忍術を使えるようになるという、新たな種類が登場。いきなり過去ヒーロー2人というカードを切ってしまったので、今後の扱いがちょっと難しそうですが……これは、ダイナブラック手裏剣とか、期待して、いいのか……!?
「星川竜、見参! しゃぁぁぁぁぁ!!」
というわけで春のニンジャ祭りでしたが、スペシャルゲストの見せ場を抑えつつ、天晴を信じ抜こうとする八雲、前回助けて貰ったお礼をなかなか面と向かって兄に言えない風花、などメンバーの心情も織り交ぜ、今作にしては比較的バランスの取れたエピソードになりました。
スペシャルゲストの顔を立てようとして作品のバランスが崩れる、というのはままありますが、今作に関してはむしろゲスト2人の顔を立てる都合によりかえってバランスが良くなるという効果が発生しており、これをきっかけに、少しキャラクター描写のバランスが是正されていくと良いなぁ……。
次回…………あれ、さんざん、「大学とニンジャの両立とか無理じゃね?」と言っておいて、高校生ニンジャネタはやるのか。これ、次回の展開次第では、「八雲だけが両立できない」という事になりそうですが、それでいいのか。……まあいいか。


◆忍びの8「時をかけるネコマタ!」◆ (監督:竹本昇 脚本:下山健人)
注目は両サイドの女子高生の肩に手を回して自宅に連れ込む伊賀崎天晴。
いくら天晴さんでも、やっていい事と悪い事があると思うな……!
凪も風花の遠い方の肩に手を回していましたが、ニンジャ的には基本スキルなのでしょうか。
天晴がヒーローなのに夜のバイトとかしていないか、ちょっと心配です。
4月、凪と風花の高校生活がスタート。凪(風花の一つ下と判明)が転校はわかるとして、半分ぐらいまで、風花も転校していたというのがわかっていなかった為に、同級生と随分距離があるけど風花友達居ないの?? と困惑してしまいました(^^; 山奥の道場が吹っ飛んで、街中に引っ越してきたという事なのか。
年頃の乙女として、ニンジャである事と残念な兄の存在について隠そうとする風花だが、成り行きで同級生2人を家に招く事になってしまう……そして家では風花の恥じらいなど全く知る由もなく、ニンジャ馬鹿達がかくれんぼの真っ最中であった。
「伊賀崎さんの家、変な人達がたくさん住んでるんだね……」
「床の間に、忍タリティとか書いてあるし、ちょっと危ないよね……」
「近づかない方がいいよね。みんなにもLINEで教えとこ」
――このままでは、残り1年の高校生活が暗黒に閉ざされてしまう!
風花に人生の危機が迫る一方、前回倒した筈のネコマタが復活。素体となった時計に妖力が宿り、タイマーセットによる再生能力を得たネコマタは九衛門の指示で再び“終わりの手裏剣”を探して伊賀崎家を漁り、女子高生2人を連れて10年前へ飛んでしまう。
2人を追って10年前へ飛んだ伊賀崎兄妹は10年前の自分達と出会い、年頃の乙女としてニンジャの将来に悩んでいた風花は、幼い頃の自分がニンジャになりたかった事を思い出し、振り切れる!
……風花はつまり、「ニンジャになりたくない」というよりも、残念な兄を見て育った結果、「兄みたいになりたくない」という想いが、ちょっとねじれていた、と(笑)
結局は同じ血統だったという事か、テンションMAXの風花がプチ天晴となっているのは気になりますが、同級生からニンジャ一族を隠そうとして空回りするドタバタ劇はテンポ良くコミカルに展開し、悪くなかったです。全体的に馴染んできたというのもあるでしょうが、下山さんはこういうノリのシナリオの方が得意なのだろうなぁ。
結局“終わりの手裏剣”は伊賀崎の家からは見つからず、ネコマタは中心部の時計を破壊されて再生能力を失った所を成敗バイ。そしてその戦いを、 雷忍ワイルド ギターニンジャが見つめていた……。
最後は、同級生にニンジャである事がバレるも「格好いい」と言われた風花が、忍術登校を披露。まあ、女子高生的には「正体がニンジャ」よりも、「年下の従兄弟と一つ屋根の下」の方がスキャンダルな可能性があるから気を付けろ!
このラストシーンで吹っ飛ばした事により、“ニンジャと私生活の両立とか面倒くさい事は基本考えない方向で”というのをハッキリ打ち出しましたが、結果として第5話の八雲が、霞ねえに気を遣う俺かっこいー、と自己満足の悦に浸って上から目線で接しようとしていた事が確定し、ますます残念な存在になりました。それでいいのか、加藤・クラウド・八雲。……八雲だから、いいか。
次回、そんな八雲の母親登場? そして再び、魔法VS忍法の異種格闘技戦に新ニンジャまで登場で、盛りだくさん! 今作ここまでの出来を考えるとそんなに盛りだくさんを上手く処理できると思えないけど、果たしてどうなる。