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『鳥人戦隊ジェットマン』感想27

◆第39話「廻せ命のルーレット」◆ (監督:蓑輪雅夫 脚本:荒川稔久
香は凱にハートのネックレスをプレゼントし、乙女趣味のデザインに動揺する凱(笑)
「いつ来るのかな? バイラムを倒して、本当の、恋人同士になれる日が」
「すぐに来るさ」
「本当?」
「ああ。賭けてもいいぜ」
「残念だな」
青少年の健全な教育に悪影響を与えるバカップルタイムはそこまでだ! とばかりに登場するグレイ。
「その賭は負けだ。賭けてもいい」
「生憎だな。俺は負ける賭は絶対にしないんだ」
「私もだ」
グレイはバイオ次元獣スナイパーキャットを呼び出し、ジェットマンも集合するが、スナイパーのビームを受けたブラック以外の4人がチェスの駒のようなフィギュアにされてしまう。怒りのブラックは猛攻でスナイパーを退け、グレイとの一騎打ちの中で、グレイの心臓部といえる戦闘回路を奪い取る事に成功。痛み分けとなった両者は、駒と回路を賭け、ルーレットで勝負をする事に。
(――地球の運命を賭けた、大勝負だ)
貸し切りカジノで対決する、グレイと、びしっとスーツで決めた凱。グレイの側にマリアが参戦しているのが、おいしい。
「これなら呆気なく、ジェットマンも終わりね」
パーフェクトマシン頭脳による高速の計算で、ルーレットの出目を読み切るグレイはあっさりと2連勝を収め、凱にディーラーを任せるという余裕を見せる。好きな目を自由に出せる凱(さらっと言及)だが、グレイは一瞬でそれをピタリと的中させ、追い詰められる凱。
「しょせん馬鹿で下等な人間に過ぎぬという事か。あははははっ。残りのチップは一つ。大逆転の自信はあるまい」
「……あるね。終わりだ。俺はこの勝負に命を賭ける」
「つまらない意地は張らない方がいいわよ」
「――闇雲に意地を張るほど、馬鹿じゃないでしょ」
そこへ腰に手を当てた格好いいポーズで小田切長官が登場し、何故か狼狽するグレイとマリア。
長官は、そこまでバイラムに脅威だと判断されているのか……!
「最後に勝つ自信は、あるわよねぇ?」
「俺は勝てる賭けしか乗らねぇ」
長官に黙ってグレイとの勝負に臨んだ凱はちょっぴり焦るも、そんな凱を煽りまくる長官(笑)
そう、狂気の沙汰ほど、面白い……!
「私の命も、上乗せするわ」
「長官……!」
「5人の命は、私の命よ」
最後の勝負に凱は自分の命をチップとして賭け、長官もそれを倍プッシュ。乗せられたグレイはこの大勝負を受け、4つの駒を全て赤に賭ける。手持ちのライターでイカサマをしようとする凱だがグレイにバレて失敗し、グレイの完璧な計算通り、球は赤へと落ちる――
「決まったな」
と思った瞬間、球は黒にずれ、復活する4人。
完璧な筈のグレイの計算を覆したもの――なんと、テトラボーイがグレイに気付かれないようにごくごく微細な角度で、外で建物ごとカジノを傾けていたのだ! という、驚愕の物理トリックが炸裂。
「どんな形でも勝ちは勝ちだ。ただし、こいつは返すぜ! 今度は真っ向から勝負だ!」
凱は戦闘回路の最後の一片をグレイに投げつけ、グレイとマリアは撤退。巨大化したスナイパーキャットはガルーダ召喚からテトラバスターで滅殺し、ジェットマンは大きな危機を乗り越えるのであった。
グレイと凱が洒落た対決をして、マリアが話の成り行きとしては特に意味もなくグレイに寄り添い、とどめに長官が格好良く狂気を上乗せするという、個人的にお得感満載のエピソード(笑)
構造的には、回路を失って損傷しつつも自分の一部を取り戻す為に“個人”の勝負にこだわるグレイと、それに挑む凱を描く事で、男の意地&それはそれとして勝つ為のズルさ、を重ね、最終盤に向けて両者の対応関係を確定。そこにエッセンスとしてのマリアを加える事で、全体のドラマ性が増しています。
マリアに関しては、2人(&ディーラー)だけだと画面が暗い上に会話の間が保たないから足した可能性もありますけど(笑)
ロボットを戦闘以外の目的で使う、というテトラボーイの物理トリックも割と好き。
次回、今度こそ、丸ごとリストラ?!