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『手裏剣戦隊ニンニンジャー』感想・第9話

◆忍びの9「忍術vs魔法、大バトル!」◆ (監督:加藤弘之 脚本:下山健人)
ラストニンジャだけが持つ事を許される、世界を終わらせるほどの力を持つと言われる手裏剣――<終わりの手裏剣>。ラストニンジャとはまた、その手裏剣の守り人の称号でもあった……と、「ラストニンジャ」という呼称が、身内のネタでなかった事が判明(笑)
これまでずっと、業界では伝説の「○○さん」みたいな扱いだと思っていました(^^;
その<終わりの手裏剣>を求め、ニンニンジャーより早く妖怪を倒す、謎の星頭ニンジャ。そして蠢く牙鬼一味。昔、伊賀崎家に保管されていた筈の<終わりの手裏剣>はどこへ消えたのか……頭を悩ませる5人と旋風だが、それが、思わぬ所で発見される。
旋風の姉にして八雲の母、世界的なファッションデザイナー・加藤春風が発表した新作ドレスのアクセサリーとして、<終わりの手裏剣>が堂々とTVや雑誌に写っていたのである!
地味に週刊誌の定期購読とかして現代社会の情報を集めているらしい九衛門配下の足軽がこの情報をもたらし、「<終わりの手裏剣>を手に入れようとしているとか、豪快な目的が気に入った」みたいなノリで蛾眉さんが九衛門に協力すると手裏剣に妖力を込めると共に足軽軍団を強化する。
おまえ接着剤で角くっつくまでじっとしてろよ、みたいな扱いを受けて前回お休みだった蛾眉さんですが、今回も角はくっついてませんでした。……蛾眉さん、じっとしてられなさそうだしな!(多分、そういう事ではない)
あまりに駄目な感じのパワーファイターなので追加戦士の踏み台にされて1クール脱落などが懸念されていた蛾眉さんですが、出番すら無いのと、やっている事が気に入れば九衛門にも協力してしまうノリなど、段々面白さ(と駄目っぷり)が加速してきたので、出来ればしばらく生き延びてほしいなぁ(笑) この人ホント、ちょっと倫理観が戦国なのと、ちょっと暴れん坊なだけで、中身は人の好いおじさん疑惑。
とんでもない力を持つマジックアイテムだと判明し、当面の物語の中心に来た<終わりの手裏剣>ですが、前回、九衛門が「あの時まで伊賀崎家にあった筈」と回想した時のカットと、今回、旋風が実家で<終わりの手裏剣>を見た時の事を思いだした回想のカットが同じで、手抜きではなくきちんとした伏線だとしたら、狐面の正体(或いは操られている肉体)が伊賀崎家の身内である可能性が濃厚に。お約束としては不在の母親が本命ですが、さて、伏線なのかどうなのか。
実家の物は私の物、と正面から持ちかけても話の通じない八雲母から<終わりの手裏剣>を取り戻すべく、ニンニンジャーは密かに本物と偽物をすり替えてしまおうと、準備中のファッションショー会場へ潜入する。
女性陣のドレスアップなど交えつつ潜入ミッションというのは、“楽しくニンジャ物”という今作らしさを出す方向で良かったと思います。
だが、内部へ潜入した5人の前に、魔法の絨毯もとい妖怪イッタンモメンが現れる。魔術展に出展される筈だった絨毯を素体としたイッタンモメンは強力な魔法を操り、風花をネズミに変え、凪からは<終わりの手裏剣>の場所をあっさりと聞き出す。霞もネズミ、凪は漬け物石、天晴はソフビ人形、と次々と姿を変えられてしまい、窮地に陥るアオニンジャー。母親を人質に<終わりの手裏剣>を奪われそうになったその時、青が合い言葉を口にすると、足軽の1人が突如周囲を薙ぎ払い、春風を救出して<終わりの手裏剣>を回収。それは、身代わりの術でネズミ魔法を回避した霞の変装であった!
と、安定の霞ねえ無双。
まあ、今作ここまでの描写からして、霞があっさりネズミになるのは有り得ないと思いました、ハイ。
ある意味では、天晴より無敵度高い。
青は分身の術をフェイクに使って絨毯に魔法をかけ、変身呪文を解除させる事に成功。
「俺は魔法使いでもニンジャでもない。魔法ニンジャだ!」
言っちゃった(笑)
まあいっそ、断言したので清々しいといえば清々しい。
この分だとその内、霞は科学ニンジャだ! とか言い出すのか。……まあ全員がそこまで突き抜けてくれるなら、それはそれで有りという気もしてきますが。
ここから反撃スタートで、名乗りの際に、ショーのステージのモニターにCGが映る、という演出はちょっとメタだけど小技として面白かったです。で今回、2話で“男の子のプライド”をくすぐられて封印されたかと思われた魔法を、八雲がニンジャ状態でガンガン使ってしまい、メンバー間のバランスがまた極端に悪くなりましたが、この先、どうするのでしょうか(^^;
八雲、変化魔法は使えないようですが、質問に強制的に答えさせる魔法、は使えるようですし。なまじ絨毯の魔法を何でもありに描いてしまった為、八雲がこの先、本当に何でもありになってしまいました。……まあ都合に合わせて、忘れたり思い出したりしそうですが。
イッタンモメンを倒したニンニンジャーだが、そこへ現れた九衛門と手裏剣の奪い合いになった結果、なんと<終わりの手裏剣>が半分に割れてしまう!
これはまさかの『ジライヤ』オマージュで、半分に割れたボードならぬ<終わりの手裏剣>の奪い合い?! と思って興奮したのですが、あっさり、偽物判定が下されました(笑)
九衛門はイッタンモメンを巨大化して退き、イッタンモメンの魔法で石化してしまうドラゴ丸。その時、前回ラストと今回冒頭に姿を見せた星頭の金色ニンジャが現れ、オトモ忍・ロデオ丸を召喚。
「イヤッハー、わりいがここはあっしがいただきやすよ!」
一人称:あっし
エレキギターをかきならし英語を喋るメリケンニンジャ、まさかの一人称「あっし」で渡世人口調。……まあ多分、日本文化勘違い系なのでしょうが、今回、これが一番面白かったです(笑) これはさすがに、予想外もいい所でした。
ロデオ丸は星ニンジャのかきならすギターに合わせて身軽に飛び回りイッタンモメンを翻弄。投げ縄で杖を奪い取って戦闘力を失わせると、バイソンバギーと変形合体し、新たなロボ、バイソンキングに。
「ここからは、ロックなビートで行きやしょう。締めさせて、いただきやす。バイソン・アラクレバスター!」
ガンマンスタイルのバイソンキングはイッタンモメンを蜂の巣にして、撃破。
「忍びなれども、パーリナイッ!」
派手にエレキをかき鳴らしながら、謎の星ニンジャは去って行くのであった……。そして――すっかりおでん屋のおやじと化している好天を襲う、星ニンジャ。果たしてその目的と正体や如何に――?!
予告された要素が多すぎて心配していましたが、新ニンジャは今回も顔見世興行で本格的には登場せず、ロボ戦だけを持っていくという構成にした事で、八雲と母親のエピソードをしっかりと描く事が出来ました。またその上で、ロデオ丸の活躍に尺を割く都合上、天晴ワッショイぶりが抑えられ、クローズアップすべきキャラクターをきちんとクローズアップした作りに。
追加戦士はどうしても、出てきた回で何から何まで持っていくという構成になりがちですが、早めの登場を活かして、見せ場を分割してきた、というのは良いアイデアだったと思います。
追加戦士の登場タイミングとしては『獣電戦隊キョウリュウジャー』(2013)と似たような早さですが、『キョウリュウジャー』同様、“最初から6人でバランスを取るつもり”で構成されていたなら、今後の人間関係の描写には期待したいです。……まあ『キョウリュウジャー』の場合、話数1桁台の時点で初期メンバーの色分けは既にある程度出来ていましたが(^^;
特にどこが凄く面白かった、というわけではないのですが、天晴ワッショイが落ち着いてきたら、どうしようもない、という感じでは無くなって参りました。このまま、50〜60点ぐらいのハードルを淡々と跳び続けていく(そして時につまづく)作品になりそうな気もしないでもないですが、ウェスタン+ヒャッハー+渡世人というお腹壊しそうな取り合わせのスターが、うまく化学反応を起こしてくれるといいなぁ……。