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『百獣戦隊ガオレンジャー』感想7

◆Quest7「夢が語る!!」◆ (監督:諸田敏 脚本:武上純希
「海はブルーの出番だな」と、某科学戦隊の海を愛する男みたいな扱いを受けるブルー、私室の壁には操舵輪とか浮き輪とか釣り竿とか、とりあえず“海っぽいもの”が手当たり次第に並べられており、そのわざとらしさと取り留めの無さが若干サイコ風味で不気味です。
テトムがオルグの気配を感じ、港町へ向かったガオレンジャーは、ライオンキャノンすら防ぐ強敵、帆船オルグに苦戦する。漁師である父の帰りを待つ少年と仲良くなったブルー、
「兄ちゃんの名前は?」
「怒濤の鮫だ」
……そろそろ、苦しくなっていないか(笑)
そして、
「ガンバレ、怒濤の鮫!」
と、素直に応援する健気な少年(笑)
圧倒的なパワーでオルゲットごとガオレンジャーを吹き飛ばす帆船オルグを、青の奇襲攻撃から何とか倒す5人だが、巨大化した帆船はここまで破竹の快進撃だったゾウソードを跳ね返し、ガオキングを追い詰める。だがその時、夢で繋がった青の呼びかけにより、“まだらのやり”――パワーアニマル・ガオジュラフが復活。ガオキングは百獣武装でガオキング<スピアー>となると、必殺キリンヘッドストライクにより、帆船を倒すのであった。
冒頭から青の悪夢で“まだらのやり”を強調しておきながら、実際にガオキングが追い詰められるまで全く調べが進まない為おいおいと思っていたら、実は港町で青を撲殺しようとしたり、逆転の助けになってくれたクレーン車が、ジュラフの仮の姿だった、というのはちょっと面白かったです。
そして終わってみると、サブタイトルはなんの比喩表現でもなく、ド直球でありました。
率直に、今の所どうもノリきれないのですが、色々な動物が次々と出てきてロボットの武装になる、というのはワクワク感は確かにあるなぁ、とは思う所。その点において、最初に古文書を拾った時点で「地上で眠るパワーアニマルが4体居るみたい」と提示したのは、良かった部分。


◆Quest8「犬、走る!!」◆ (監督:諸田敏 脚本:武上純希
オルグの気配にガオレンジャーが向かった街は、かつて獣医として赤が働いていた街だった。信号機に擬態して交通事故を引き起こすシグナルオルグの記憶喪失光線を受けたレッドは、ここ数ヶ月の(ガオレンジャーになってからの)記憶を失った上で川流れし、かつての就職先に拾われる。
元の勤め先の動物病院で「二ヶ月も行方をくらましおって」扱いを受ける赤ですが…………あれ、赤、拉致されてそのまま強制的に入信させられたわけではなく、一度自由の身になった後、第2話で手荷物をまとめてガオズロックに本人曰く「就職」しに来ていたのですが……元の職場には何の連絡もしないまま姿を消していたという、とんでもない駄目社会人であった事が発覚。
軽いギャグが大惨事になってしまいました。
ガオレッドとしての記憶を失い、街の人々に親しまれる「かける先生」の姿を見たホワイトは、レッドはガオレンジャーに戻ってこない方が幸せなのでは、と考えるが、イエローがそれを許さない。
「レッドはあの時、自分で人生を選んだんだ」
そう、パワーアニマル教団は、背教者を許さないィィィ!!
裏切り者は地の果てまで追い詰めて必ず滅するべし、それが、野生の掟なのです。
走が再び戦士の道を選ぶまでの話、というよりは、日常に戻った赤はそのままでいいのではと白が考える話、なのですが、同僚の恋人と一緒にいるべきだと白が勘違いしている、という要素を加えてしまった為に、どうも焦点がぼやけてしまいました。
白をいい子路線で突き進めるなら、「かける先生」である事を大事にして欲しい、という所に焦点を絞った方が良かったと思うのですが、まあそれだと、黄と青と黒が可哀想か(笑)
走自身は記憶を失っている為に、獣医として働いていた「過去」と、ガオレッドとして戦う「現在」の間で揺れるわけでもなく、「記憶喪失」「日常」「恋愛」という三つの要素をまとめて放り込んでシェイクしてみた所、巧く混ざらずに分解してしまったという感じ。
「一緒に来てくれ。必ず、お前の記憶を、取り戻してみせる」
犬と散歩に出た走を取り囲んだ4人はいきなり両脇を掴んで総本山へ引きずっていこうとするが、思い悩んだ白がそれを止め、更にそこへシグナルオルグが現れる。自分をかばって傷つき倒れる4人を見た走は協力を申し出、再びガオアクセス。
記憶を失っても走は走、どんな時でも傷つく者を見捨てられずにガオレッドを選ぶのだ……と、改めて走の背景を見せた上で、1話と重ねたのでしょうが、“ガオレッドになる重さ”というのを特に走に提示していない為、成り行きのいい人、という以上のものになりませんでした(^^;
ガオレッドは記憶がないまま、破邪百獣剣でシグナルオルグにダイレクトアタック。
「思い知ったか!」
……そして、ただの喧嘩好きに。
その後真っ当に破邪百獣剣で邪気退散し(赤が記憶が無いので黄色が言うのは小ネタで良かった)、それにより赤は記憶を取り戻し、ジュラフ発動で巨大シグナルは瞬殺。
赤はガオレッドの姿のまま「獅子くんの友人の、ガオレッドです」を名乗って病院を訪れると、必ず戻ってくると告げてその場を去るのであった。…………うんまあ、結婚式回の時にガオブラックさんも普通に受け入れられていたので、この世界は、全身スーツがお洒落セレブのファッショントレンドなのです。
なお4人が誤解していた同僚の女性は、赤の恋人ではなく院長の妻(見た目は親子)であった、というオチ。
基本、純粋良い子路線の白ですが、教団の使命よりも赤の恋路(勘違い)を応援しようとする姿を強調しようとするあまり、「恋人になる人は、白いお馬に乗って、バラのお花を抱えてやってくるんだもん」とか「2人の恋を邪魔したら、絶対地獄に落ちちゃうんだから」とか、恋に夢見るメルヘン乙女を通り越して、ちょっと頭の不自由な感じに(^^;
……前回は黄色のウクレレ弾き語りをニコニコしながら聴いていましたが、この娘はやはり、生まれた時から教団に育てられたとかそんな感じなのでしょうか。テトムよりよほど、社会とズレている感じがなくもない。