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『特命戦隊ゴーバスターズ』感想15

◆Mission17「その名はゴーバスタービート!」◆ (監督:竹本昇 脚本:小林靖子
OPに昆虫コンビが追加。どう見ても、120%窃盗犯です。
その窃盗犯2人組がタンクから堂々とエネトロン強奪を目論み、金色のカブトムシマシンは、以前にヴァグラスに横流しされた設計図から作られた新型のバスターマシン、BC−04であると言及(元になっているのは、かつてマサトが設計したメガゾードとの事)。マサトが亜空間でそれを完成させた事に感心する司令部ですが、誰か、ヴァグラスに横流しされた筈の設計図からマサトがマシンを作っている事にツッコまなくてもいいのか。
や、マサトが作ったのはあくまで13年前に自分が設計したマシンという事で横流しされた設計図とは関係ないのかもしれませんが、だとするとそれがまんまBC−04と認識されるのもおかしいですし、天才だから13年ぐらい時代を先取りしていたのかもしれませんが、無理に絡めようとしてかえってわかりにくくなった感じです。
マサトの天才ぶりは他で補強すればいい話ですし、新型バスターマシン(メガゾード)と、マサトの作った昆虫メカは特に繋げなくても良かったよーな(^^;
まあ恐らく、天才・陣マサトを失って完成させる事の出来なかったBC−04がようやく設計完了するも敵に奪われてしまうが、それに対して帰って来た陣マサトがオリジナルのBC−04を繰り出す! というストーリーラインなのかとは思うのですが、それで受け手に対してわかりやすく、かつ物語として盛り上げようとするならば、設計図の話の段階で陣マサトの存在を印象づけたり、エンターさん部品集め編の中でBC−04に関して司令部側から少しずつ言及がある、という積み重ねが必要で、パッケージだけあって中身が揃ってないのにそのまま突っ切ろうとしてしまう、という今作の悪い所がまた出てしまいました。
バスターズの3人を見ていて、保護者役を務めるリュウジの在り方に危惧を抱いたマサトは、リュウジを呼び出してエンジニアとしての志を失ってしまったのか、と問う。
「今は……見ての通り、戦い専門ですから」
「何の為に?」
戦う力を持っているから、戦わなければ世界が滅茶苦茶になってしまうから……とリュウジの口にする綺麗な使命感を、撥ねつけるマサト。
「戦いを続けるには、エネルギーが居る。――心のエネルギーがな。それが、何か、だ。おまえは亜空間に、家族が居るわけじゃないだろ」
「でもあの日、俺達に希望を託した人達。……ヒロムやヨーコちゃんとした約束。俺には絶対に忘れられない。大事な事です」
「ふーん……それで保護者みたいになってんのか」
「……年上ですから俺」
「その年上が、足を引っぱんなきゃいいけどな」
そこへ、マサトの存在を重要視した管理部から、マサトが自身のアバターやバスターマシンを通常空間に送り込むのに必要とするエネトロンが供給されると連絡が入るが、エンターがそれを横から強奪。フォークロイドを誕生させると共に、大量のエネトロンによってメガゾードを召喚する。
「間もなくです。今日でゴーバスターズもバスターマシンも、全て、ラ・ファン」
本日はやたらにテンション高いエンターが呼び出したのはただのタイプベータ? と思いきや、バスターマシン1号の攻撃を受けたメガゾードの内部から、新型メガゾードが誕生する!
「ようやく完成です! 世界を支配するマジェスティ・メサイアの先触れ。破壊のメガゾード。トレビアン……」
フォークロイドは昆虫コンビがさくっと倒し(合体角スラッシュは格好良かった)、角メガゾードに立ち向かうゴーバスターオーだが、必殺次元斬りを跳ね返されてエネルギーを失い、合体が解除されてしまう。
「さあ! ここからが破壊の本番! デトリア!」
エンターがテンション高く喜ぶ中、角メガゾードはあっという間にバスターマシン1号と3号に大きなダメージを与え、ブルーバスターは2人の危機を見捨てられずに動ける2号機を盾にするが、状況は改善しない。
ここで赤が「動けるなら逃げて下さい!」「リュウジさん、なんで?!」と、しっかり状況を分析した判断を口にしているのは、情に流されないヒロムらしい所。
「ったく、リュウジの奴」
それを見ていた金は、Jに俺のマーカーシステムを起動させ、亜空間から金銀メカの発進描写。駆けつけたクレーン車と戦闘機が、2体の敵メガゾードを吹き飛ばす。
リュウジ、盾になったって、なんの足しにもならねぇ! 死ぬ順番が変わるだけだ!」
ハード路線の作風は、その場その場のシビアさに気を取られすぎると、全体の見えていないただの無能&外道になりがちなのですが(司令とか司令とか司令とか)、これはいい台詞。
「優しいだけで乗り切れるほど、戦いは甘くねぇ!」
クレーンでゴリサキをはたき、青を叱咤する金。
リュウジ、世界や誰かや約束の為だけじゃ駄目だっ。ちゃんと、自分の為にも戦え!」
「……」
「戦う理由を持て!」
「……戦う理由……自分の為に……」
「ヒロムにもヨーコにもそいつがある。自分の家族を取り戻すってな。だから戦いに突っ込める。守ってるだけじゃ、負けはなくても、勝ちはねぇ。……足ひっぱんなよ! 年上」
「先輩……」
クレーンでメガゾードベータを引っかけ、振り回す金。
「あ〜、こっち戻ってまた、エンジニアやりてぇ! 結構モテたしなぁ」
その野放図な戦い方に笑みのこぼれたリュウジは、“勝つ為に戦う理由”が大事である事を認め、自分の中のそれを、確固たるものとする。それは、この13年間、ロッカーの中に置き去りになっていた自分の夢――
「俺も……俺も戦いなんか終わらせて、エンジニアになりてぇぇぇ!」
ブルーは即座の判断で1号と3号に残ったエネルギーを吸い取り、2号をチャージ。
「先輩!」
「おっ、やっとその気になったかい!」
バスターマシン2号は、ジャイアントクレーンスイングで飛んできたメガゾードベータをゴリラミサイル一斉射撃で見事に撃破し、一皮剥けた後輩の姿に満足した金は、クレーン車を角メガゾードへと突撃させる。
「マジで行くぜぇ!」
メタ気味の発言とともにクレーン車は変形して立ち上がり、クレーン部分が胴体に突っ込んで両腕になるという勇者王変形により、誕生するゴーバスタービート!
……物凄く格好悪い。
天才エンジニアのデザインセンスに疑問を抱きつつ、しかしゴーバスタービートは、敵の手の届かない所から攻めるのがこちらの有利となる! とばかりに伸縮クレーンパンチの嵐で角メガゾードを圧倒し、トドメはクレーン部分を滑走路代わりに相棒を飛行機ごと特攻させるビートカタパルトアタックでシャットダウン。
「もんでゅぅぅぅぅぅー!」
今日は最初から最後までやたらにテンションの高いエンターは、怒りに顔を歪ませながら姿を消すのであった。
かくして新戦力が姿を見せ、エンジニアとしての自分も諦めない事を選んだリュウジをマサトが年齢ネタでいじって、オチ。
「感謝するよ。……私は厳しいばかりでな」
とラストで黒木とマサトが同期の大人の会話をするのですが……司令は“厳しい”のではなく、“下衆い”のだと思います!
正直なところ、どうしても涼村暁(『超光戦士シャンゼリオン』が大好きなもので)にしか見えなくて困っていたマサトですが、年長者ポジションだったリュウジを更に導く先輩として接する、同期として黒木司令のこれまでになかった面を引き出す、と“大人”としての活躍により、だいぶ独自のキャラクターとして見えるようになってきて良かった。
これまでのリュウジの描写の積み重ねを活かして、テンポ良くテーマ部分もまとまり、今回は面白かったです。
“自分の為に戦えない者は、他人の為にも戦い抜けない”――すなわち、正気の「ヒーロー性」は自分自身も愛せる「人間性」に支えられて存立しえる、というのは、くしくも先日感想を書き終えた『鳥人戦隊ジェットマン』(1991)の抱えていたテーマだったりしますが、『ジェットマン』が普遍的なテーマを実に丁寧にやっていた作品だというのが、20年の時を経て窺えたりする所。
それにしてもリュウさんは、
今までのように気を遣った戦いは出来ないと熱暴走 → イラッと来たら口に出す事にする → 欲望を剥き出しにする(俺もモテたい)
と、スポットが当たる度に、率直なところ駄目人間に近づいていくような(笑)
――次回、一緒に合体するのかと思ったら必殺技の弾頭扱いされたJと飛行機メカの明日は地底だ。